[ 無限回廊 top page ]

weekly book

[ No.201〜300 ]

[ weekly book ]

実際にあった事件や犯罪に関する新刊本・注目本などを週単位で紹介しています(更新は主に水曜日)。
下記の★の日付は更新日で、その日付は下(↓)が古く、上(↑)が新しい。

関連ページ・・・amazon



★2013.9.11 (No.300) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『亡命者 白鳥警部射殺事件の闇』
(筑摩書房/単行本/後藤篤志/2013.9)


米軍占領下に起きた公安刑事射殺事件。共産党員の犯行とされ、刑に服し冤罪を訴えた者、中国に亡命し生涯を終えた者・・・・・・。多くの者が沈黙を続ける事件の真相とは。

白鳥(しらとり)事件・・・1952年(昭和27年)1月21日夜、札幌市内の路上で市警警備課長の白鳥一雄(36歳)が拳銃で射殺された。その後、20人近い日本共産党員が芋づる式に検挙され、集中的な弾圧捜査が行なわれた。10月、共産党札幌委員会委員長の村上国治が逮捕され、2年10ヵ月の勾留後、殺人の共謀共同正犯で起訴された。このとき、他に2人、起訴されている。法廷では謀議の有無、伝聞証拠の違法性などが争われたが、最大の焦点は唯一の物証である遺体から摘出された弾丸と試射現場土中から発見された2発の弾丸が同一か、また、同一の拳銃から発射されたものであったかどうかということであった。土中に長時間埋没していたにもかかわらず試射弾には腐食割れがなく、また、3個の弾丸は線条痕(銃から発射された弾丸に付く線条の模様のことで、それぞれの銃にはそれ特有の線の模様が付く)が違うので1丁の拳銃から発射されたものなどではなく、物証の捏造が科学的に明らかになった。また、事件発生5ヶ月後、札幌信用組合元従業員の原田政雄が、首謀者は札幌信用組合理事長の佐藤英明、実行者は拳銃殺人の前科がある東出四郎と公表したが、別件で逮捕された佐藤は保釈中の1952年(昭和27年)12月23日、黒い疑惑の中で自殺してしまった。1957年(昭和32年)5月、札幌地裁は村上に無期懲役の判決を下した。1960年(昭和35年)6月、札幌高裁で懲役20年の判決。1963年(昭和38年)10月、最高裁で上告を棄却し、懲役20年の刑が確定した。その後、村上は無実を訴えて、1965年(昭和40年)10月に再審請求を起こした。だが、1969年(昭和44年)、棄却。1971年(昭和46年)7月、異議申し立て棄却。1975年(昭和50年)5月、最高裁で特別抗告棄却となった。しかし、この間、ひとつの成果を残した。従来、再審の開始は“開かずの門”とされてきたが、この条件を「疑わしいときは被告人の利益に」の刑事裁判の原則を適用し、確定判決の事実認定の中に合理的な疑問があれば開始してよいというレベルに緩和する判例を引き出したことである。以降、弘前事件、米谷事件、財田川事件、島田事件、松山事件などの再審への道を開くこととなった。

関連書籍・・・『白鳥事件』(新風舎文庫/山田清三郎/2005) / 『網走獄中記 白鳥事件 村上国治たたかいの記録』(日本青年出版社/村上国治/1970) / 『白鳥事件 偽りの冤罪』(同時代社/渡部富哉/2012)
★2013.9.4 (No.299) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『IT社会事件簿』
(ディスカヴァー・トゥエンティワン/単行本/矢野直明/2013.8)


インターネットの本格普及から20年。ドクター・キリコ事件、サイトをめぐる集団自殺事件、ウィニーによる情報漏洩と開発者の逮捕、秋葉原無差別大量殺人、尖閣諸島沖衝突事件映像流出、サイバー攻撃とアノニマス、米国政府によるインターネット諜報活動暴露などなど。ITが進化したからこそ、引き起こされたさまざまな事件事故、その真相を追う!

著者・矢野直明・・・サイバーリテラシー研究所代表。1966年に朝日新聞入社。1988年、『ASAHIパソコン』を創刊して初代編集長。『月刊Asahi』編集長を経て、1995年から出版局デジタル出版部長兼『DOORS』編集長。2002年に朝日新聞を退社後、サイバーリテラシー研究所を開設、持論のサイバーリテラシー普及に取り組む。慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所、明治大学法学部、情報セキュリティ大学院大学、サイバー大学IT総合学部などで教職につく。主な著書・・・『マス・メディアの時代はどのように終わるか』(洋泉社/1998) / 『インターネット術語集』(岩波新書/2000)


目次

はじめに

PART.I
 青酸カリをめぐるドクター・キリコ事件(1998)
 東芝アフターサービス事件(1999)
 出会い系サイトをめぐる事件多発(2001)
 自殺サイトをめぐる集団自殺多発(2003-2004)
 小学6年生による同級生殺害事件(2004)

PART.II
 ウィニーによる情報漏洩と開発者の逮捕(2003-)
 マンション耐震強度偽装事件(2005)
 みずほ証券の株誤発注事件(2005)
 ライブドアと村上ファンド(2006)

PART.III
 学校裏サイトやプロフ 子どもたちの情報発信といじめ(2006-)
 ケータイ小説ブーム(2007)
 秋葉原無差別大量殺傷事件(2008)
 三菱UFJ証券社員による顧客情報持ち出し(2009)
 検察官によるフロッピーディスクのデータ改竄(2010)
 尖閣諸島沖衝突事件の映像流出(2010)

PART.IV
 東日本大震災とソーシャルメディア(2011)
 サイバー攻撃&アノニマス&サイバー戦争(2010-2013)
 ツイッターによる安易なつぶやき(2011)
 大津市のいじめと結婚詐欺&殺人(2011-2013)
 グーグルサジェストの悲劇(2012)
 遠隔操作ウイルス誤認逮捕(2012-2013)

PART.V[海外編]
 クリントン・スキャンダル(1998)
 ウィキリークスによる情報暴露(2010)
 アラブの春(2011)
 スティーブ・ジョブズの死(2011)
 米政府による大規模諜報活動告発(2013-)

PART.VI
 IT 社会が抱える問題点
 IT 社会の難点と懸念

『IT 社会事件簿』関連年表

おわりに


関連ページ・・・ドクター・キリコ事件 / 佐世保小6同級生殺人事件
★2013.8.28 (No.298) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『いじめる子』
(文理閣/単行本/本庄豊/2013.8)

担任教師を退職に追い込んだ雄太は中学では矢川・権田の前で居場所を失う。その雄太が今はスーパーの店長。矢川は刑務所に服役中。権田は弁護士に……教え子たちとの再会から紡ぎだされるドラマの数々。「いじめ問題」の真の原因を問う教育ドキュメント。

著者・本庄豊・・・群馬県安中市松井田町に生まれる。県立前橋高等学校、東京都立大学卒。国家公務員、地方公務員を経て社会科教師となる。長年、公立中学校でいじめ・暴力・非行問題にとりくむ。現在、立命館宇治中学校・高等学校教師、立命館大学非常勤講師。

目次

孤独な家族
美香と雄太
同窓会
沖縄タウン・大正区
親の思い・子どもの思い
廃棄物
伝書鳩
道玄坂
★2013.8.21 (No.297) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『冤罪放浪記 布川事件 元・無期懲役囚の告白』
(河出書房新社/単行本/杉山卓男/2013.7)


再審無罪から2年、「布川事件」冤罪被害者が全てを激白。ニセ自白強要、賠償金目当てのオンナ、“凶悪犯罪者"との獄中交友録・・・獄中生活30年、殺人犯の汚名を着せられた男の恨み節!

布川(ふかわ)事件・・・1967年(昭和42年)8月30日朝、茨城県北相馬郡利根町布川で独り暮らしだった大工の玉村象天(しょうてん/62歳)が自宅で遺体で発見された。遺体の死亡推定時刻は8月28日の午後7〜11時ころであるとされた。死因は絞殺による窒息死であると判明した。玉村は個人的に金貸しを行っており、現金もしくは借金の借用書などが盗まれた可能性があった。唯一判明したのは玉村が普段使用していた「白い財布」が発見されなかったことである。殺害があったとされた28日の午後8時ころ、玉村の自宅付近で不審な2人組の男性の目撃情報があり、その情報から桜井昌司(しょうじ/当時20歳)と杉山卓男(たかお/当時21歳)が別件逮捕され、2ヶ月後に起訴された。公判で被告の桜井と杉山は「自白は警察に強要されたものである」として全面否認したが、1970年(昭和45年)10月6日、水戸地裁土浦支部は無期懲役の判決。1973年(昭和48年)12月20日、東京高裁では「ほかに犯人がいるのではないかと疑わせるものはない」として控訴を棄却。1978年(昭和53年)7月3日、最高裁で上告が棄却され、桜井と杉山の2人の無期懲役が確定した。収監された桜井と杉山の2人は1996年(平成8年)11月に仮釈放されたが、現在まで無実を訴えており、民間人の有志による「布川事件守る会」が2001年(平成13年)12月6日、第2次再審請求を水戸地裁土浦支部に申立て、2005年(平成17年)9月21日、水戸地裁土浦支部が再審開始を決定した。これに対して検察側が東京高裁に即時抗告したため、再審開始決定の是非に関する審理が行われたが、2008年(平成20年)7月14日、東京高裁(門野博裁判長)は再審開始決定を支持し、検察側の即時抗告を棄却した。これを受けた検察側は最高裁判所に特別抗告したが、2009年(平成21年)12月15日、最高裁(竹内行夫裁判長)は検察側の特別抗告を棄却し再審開始が確定。2011年(平成23年)5月24日、水戸地裁土浦支部は「現場で発見された毛髪や指紋は、2人のものと類似しているとはいえず、客観的証拠は存在しない」などとして、2人に対し無罪を言い渡した。一方、再審公判で争われなかった窃盗などの罪については、有罪認定を覆さず、2人にそれぞれ懲役2年・執行猶予3年の判決を言い渡した。

関連サイト・・・ざ・布川事件 / 関連書籍・・・『ショージとタカオ』(文藝春秋/井出洋子/2012) / 『舵のない船 布川事件の不正義 [新装版]』(現代人文社/伊佐千尋/2010)
★2013.8.1 (No.296) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『捜査係長の警察日記』
(元就出版社/単行本/深沢敬次郎/2013.7)


殺人、詐欺、覚せい剤、無理心中、汚職、暴力団、幼児置き去り、DV、少女売春、猥褻行為などなど、女と男が織りなす犯罪模様を克明に活写した究極の人間学。現場ひと筋の辣腕刑事が自らの捜査体験を基に、実際に起きた事件を再現し、人に巣くう闇を照射した。

著者・深沢敬次郎・・・大正14年11月15日、群馬県高崎市に生まれる。県立高崎商業学校卒業。太平洋戦争中、特攻隊員として沖縄戦に参加、アメリカ軍の捕虜となる。群馬県巡査となり、前橋、長野原、交通課、捜査一課に勤務。巡査部長として、太田、捜査二課に勤務。警部補に昇進し、松井田、境、前橋署の各捜査係長となる。警察功労賞を受賞し、昭和57年、警部となって退職する。平成7年4月、勲五等瑞宝章受章。
★2013.8.7 (No.295) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『血盟団事件』
(文藝春秋/単行本/中島岳志/2013.8)


海軍士官、エリート帝大生、定職に就けない若者など交わることのないはずだった人々がカリスマ宗教家の井上日召と出会い凶行に走る。事件後80年を経てその真相に迫ったノンフィクション。

血盟団事件・・・1932年(昭和7年)2月から3月にかけて発生した連続テロ事件。事件を起こした血盟団は日蓮宗の僧侶(茨城県東茨城郡大洗町・立正護国堂住職)である井上日召(本名・井上昭)を盟主とする民間の政治団体だった。血盟団はファッショ的「国家改造」を掲げ、その当時の政府の指導者一人一人を「テロ」によって「一人一殺主義」で暗殺してゆくという指令に従い、1932年(昭和7年)2月9日、血盟団員の小沼正(おぬましょう)が前大蔵大臣の井上準之助をピストルで射殺、3月5日、血盟団員の菱沼五郎が三井合名理事長の団琢磨をピストルで射殺した。殺害した小沼、菱沼はともにその場で逮捕されている。このとき使用したピストルは海軍を通じて密かに入手したものだった。この2つのテロ事件を「血盟団事件」という。事件後、警察により暗殺計画の首謀者が井上日召であることが突き止められた。3月11日、井上日召は逃げられないと悟って警察に出頭し、血盟団の関係者14人が全て逮捕された。しかし、計画に密かに賛意を表していた海軍の一部の将校は逮捕されることはなかった。裁判では井上日召、小沼正、菱沼五郎の3人が無期懲役判決を受け、他の団員も共同正犯としてそれぞれ実刑判決が下された。1940年(昭和15年)、恩赦により井上、小沼、菱沼、他1人が出所した。出所後、井上と小沼は右翼活動を続けたが、菱沼は改名して茨城県議会議員に、その後8期連続当選、県議会議長を務めて県政界の実力者となった。

著者・中島岳志・・・1975年生まれ。日本の政治学者、歴史学者。北海道大学大学院法学研究科・公共政策大学院准教授。専門は南アジア地域研究、近代政治思想史。大阪府出身。主な著書・・・『秋葉原事件 加藤智大の軌跡』(朝日新聞出版/2011) / 『中村屋のボース インド独立運動と近代日本のアジア主義』(白水社/2005)
★2013.7.31 (No.294) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『泥棒刑事』
(宝島社新書/小川泰平/2013.5)


犯罪件数の大半を占める「窃盗事件」。泥棒一人を逮捕し取調べると、数百件の余罪が判明。未解決の窃盗事件を解決する。著者は長年「泥棒刑事」(捜査三課部長刑事)として、多くの「職業泥棒」と戦ってきた。完黙被疑者との取調室での攻防。窃盗事件は殺人事件のような派手さはないが庶民の日常で発生している。地道な「現場百回」、指紋・足跡・筆跡等、綿密な現場観察、「手口分析」「ナシ割り捜査」「的割り捜査」「よう撃捜査」、等あらゆる捜査手法、プロの仕業「二点三角破り」など初めて克明に明かされる、「ドロ刑VS職業泥棒」のすべて! リアル警察ノンフィクション。

著者の他の著書・・・『現場刑事の掟』(文庫ぎんが堂/2011) / 『警察の裏側』(文庫ぎんが堂/2013)
★2013.7.24 (No.293) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『銀幕のなかの死刑』
(インパクト出版会/単行本/京都にんじんの会[編]/2013.7)


2012年4月に行った「死刑映画週間」における、上映後の講師・ミニレクチャーをまとめたもの。

『死刑弁護人』(監督・斎藤潤一/弁護士・安田好弘のドキュメンタリー/2012)…対談・安田好弘×斉藤潤一
『サルバドールの朝』(DVD/監督・マヌエル・ウエルガ/2008)…鵜飼哲&石塚伸一
『私たちの幸せな時間』(DVD/監督・ソン・ヘソン/2007)…ベヨンミ&岡真理
『少年死刑囚』(監督:吉村廉/1955)…高山佳奈子&池田浩士
★2013.7.17 (No.292) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『スーパースター怪死事件簿(別冊宝島2039)』
(宝島社/単行本/2013.7)


マイケル・ジャクソン、ホイットニー・ヒューストン、ブルース・リー、ダイアナ妃、ジュディー・ガーランド、尾崎豊、飯島愛などなど、事故死とも他殺・自殺ともつかない悲劇の死を迎えた世界のトップスターたち。その本当の死とは何だったのか。彼らはなぜ死んだのか? その背後にあったものは何だったのか。不審の死を迎えた世界のスター42人の死の真実に迫る。
★2013.7.10 (No.291) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『ナラク ゴビンダ・マイナリ獄中記』
(希の樹出版/単行本/ゴビンダ・プラサド・マイナリ/今井恭平[編・解説]/2013.7)


東電OL殺人事件で犯人にされた無実のネパール人・ゴビンダ。誤認逮捕から再審無罪までの15年に渡る獄中手記。

タイトルの「ナラク」はネパール語で「地獄」を意味する。サンスクリット語に由来し、日本語の「奈落」と語源が同じ。

解説・今井恭平・・・1949年生まれ。福岡県出身。ジャーナリスト。冤罪、死刑等を中心テーマに執筆。主な著書・・・『クロカミ The Black Slip 国民死刑執行法』(現代人文社/2008)

関連ページ・・・東電OL殺人事件
★2013.7.3 (No.290) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『いびつな絆 関東連合の真実』
(宝島社/単行本/工藤明男/2013.6)


元関東連合幹部が書いた衝撃の手記! 横綱・朝青龍殴打事件、市川海老蔵事件、そして人違い殺人となった六本木クラブ襲撃事件・・・・・・世間を騒がせてきた「アウトレイジ集団」関東連合とは何者なのか? 東京都内杉並区・世田谷区の暴走族から、なぜ彼らだけが都心歓楽街を支配する力を持ったのか?  芸能人、ベンチャー起業家、そして暴力団・・・・・・華麗なる人脈と豊富な資金源を獲得できた秘密、そして組織の実態がいま初めてつまびらかにされる!

著者・工藤 明男・・・東京都生まれ。杉並区出身の関東連合元リーダー。IT・芸能の分野で活躍。経済界のみならず政界にも幅広い人脈をもっており、現在は複数の企業の筆頭株主として、主に投資と企業コンサルタントの仕事を行なっている。警察当局から関東連合の資金源と目されてきた。表舞台に顔を出したことはない。
★2013.6.27 (No.289) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『刑事の結界 叩き上げ警部補 島田伸一の事件簿』
(朝日新聞出版/単行本/朝日新聞横浜総局[編]/2013.3)

団塊のノンキャリ刑事・島田伸一の40年の叩き上げ人生。 神奈川県内を舞台に法と犯罪、己と組織、犯人と被害者、警察官と人間……。シマさんがその境に立ち続けた「刑事の結界」を描いた朝日新聞連載の実話ノンフィクション。
★2013.6.19 (No.288) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『僕の父は母を殺した』
(朝日新聞出版/単行本/大山寛人/2013.6)


12歳で母を亡くした著者は2年後、衝撃の事実を知る。母を殺したのは、父だった。非行に走り、ホームレスになり、自殺未遂を繰り返す日々。だが、父の死刑判決を知り、父に面会した日から父を憎む気持ちに変化が生まれ……。渾身のノンフィクション!

広島連続保険金殺人事件・・・1998年10月11日、元生コン商社役員の大山清隆(当時43歳)は広島市佐伯区内の駐車場で社長だった養父の大山勉(66歳)を鉄アレイで頭を数回強打した上、車の助手席に乗せて故意に壁に衝突させ、交通事故を装って殺害(翌1999年1月に死亡)。大山は死亡保険金約7000万円を騙し取った。大山は養父に数千万円の借金があったほか、会社名義でも数億円の負債があった。会社は経営破綻しており、精算方針で養父と対立していた。大山は養父の甥で中学生のときに養子になった。養父殺害や保険金を得たことについて妻の博美(38歳)に発覚することを恐れ、殺害を決意。2000年3月1日、自宅で妻の博美に睡眠導入剤入りの茶を飲ませた上で浴槽につけて殺害。翌日、宇品海岸の岸壁から海中に遺棄し、事故死と偽って死亡保険金299万円を詐取した。2005年4月27日、広島地裁で死刑の判決。2007年10月16日、広島高裁で控訴棄却。2011年6月7日、最高裁で上告棄却で死刑確定。
★2013.6.12 (No.287) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『日本の最高裁を解剖する アメリカの研究者からみた日本の司法』
(現代人文社/単行本/デイヴィッド・S・ロー/2013.6)


日本の最高裁は最も保守的な最高裁判所であるといわれるが、米国の研究者が元最高裁判事など関係者のインタビューに基づいて、この理由を明らかにする。

<目次>

第1部 保守的最高裁の解剖──日本の司法を審査する
序 論 最高裁はなぜそれほど保守的なのか
第1章 最高裁裁判官への道
第2章 最高裁裁判官へのもう一つの道 
第3章 最高裁裁判官に対する制度的圧力

第2部 日本で違憲立法審査が十分機能してこなかったのはなぜか
序 論 最高裁はなぜ違憲立法審査に消極的だったのか
第1章 文化的説明
第2章 歴史的説明
第3章 政治的説明
第4章 制度的説明

訳者あとがき
★2013.6.5 (No.286) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『世界の未解決事件53 封印されていた真相が今、明らかに!』
(PHP研究所/単行本/グループSKIT/2013.5)


ラストコンサートをやる気まんまんだったマイケル・ジャクソンは、なぜ復帰直前で急死したのか? ダイアナ元皇太子妃事故死の黒幕はやはり英王室なのか? 本書は世界に衝撃がはしった奇怪で不可思議な未解決事件を厳選し、その真相に迫ったものである。本書で扱った事件は、芸能向きの事件ばかりではない。世界でもっとも有名な連続殺人事件といわれる「ゾディアック事件」や世界中の人が目撃したのに、迷宮入りとなった「ケネディ大統領暗殺事件」等、残虐極まりない犯罪や政治がらみの未解決事件の裏側にも鋭く切り込んでいる。
★2013.5.29 (No.285) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『NHKスペシャル 未解決事件 オウム真理教秘録』
(文藝春秋/単行本/NHKスペシャル取材班/2013.5)

オウム対警察の知られざる攻防とは放送直後に逃亡犯逮捕の衝撃作! 700本の麻原テープや死刑囚手記、捜査関係者150人への取材でわかったサリン事件までの真相。

関連ページ・・・オウム真理教
★2013.5.22 (No.284) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『宅間守精神鑑定書 精神医療と刑事司法のはざまで』
(亜紀書房/単行本/岡江晃/2013.5)


宅間守と17回面接し、精神鑑定を行った精神科医による初の著書。大阪地方裁判所へ提出された精神鑑定書を、ほぼそのまま収載。

著者・岡江晃・・・精神科医。1946年、高知県に生まれる。京都大学医学部卒業後、1972年から京都府立洛南病院に勤務し、重大犯罪を犯した精神障害者や覚醒剤精神病者の治療に精力的に取り組む。1988年に副院長、2003年から2011年まで院長を務める。1992年より刑事事件の精神鑑定を担当するようになり、2002年の宅間守の精神鑑定を含め、2012年までに90件の精神鑑定を行ってきた。

【目次】
第一章 家族歴
第二章 本人歴
第三章 本件犯行
第四章 現在症
第五章 診断
第六章 鑑定主文


関連ページ・・・大阪池田小児童殺傷事件
★2013.5.15 (No.283) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『心の闇 無差別殺傷事件はなぜ起きたのか』
(批評社/単行本/中西宣雄/2013.5)

無差別殺傷事件の背後には、「わたし」の中の<私>と<他者>という相即不離な二つの心がバランスを失い、<私>が絶対的意思をもって過激に振舞う衝動を読み取ることができる。10事件の分析をとおして、愛と慈しみの共生感によって育まれる「わたし」の中の<他者>の不在は、誰もが犯罪者になり得る要因であり、危うく生き残ったに過ぎない私たちにその省察を迫る。

著者・中西宣雄・・・1943年、東京都大田区生まれ。1962年3月、桐朋学園高等部を卒業。1963年4月、一橋大学商学部に入学。1991年、2級建築士の資格を取得。同年、1級建築士の資格を取得。NOW建築士事務所を設立。主として一般住宅の設計、施工管理に携わる。1993年、千葉県四街道市に「赤彦窯陶芸クラブ」を再興し、現在に至る。千葉県展に5回入選、全陶展に2回入選、彩陶展に入選、入賞、通算7回の作品発表展を開き、現在、第8回作陶展の準備中。赤彦窯HP

目次

心の闇
無差別殺傷事件はなぜ起きたのか
*目次
はじめに
一.心の闇
二.アブラ蝉と神戸連続児童殺傷事件
三.「理由なき殺人」者たち
四.事件と犯罪の系譜
 四─1. 池袋通り魔事件
 四─2. 下関通り魔事件
 四─3. 豊川主婦殺害事件
 四─4. 佐賀バスジャック事件
 四─5. 大阪教育大附属池田小学校児童殺傷事件
 四─6. 奈良女児誘拐殺人事件
 四─7. 土浦連続殺傷事件
 四─8. 秋葉原通り魔事件
五.夏の夜空
六.神戸連続児童殺傷事件(酒鬼薔薇聖斗)
七.幼女誘拐殺人事件(宮崎勤)
八.私の守護霊について
あとがき


関連ページ・・・神戸須磨児童連続殺傷事件 / 池袋通り魔殺人事件 / 下関通り魔殺人事件 / 西鉄バスジャック事件 / 大阪池田小児童殺傷事件 / 奈良女児誘拐殺人事件 / 宮崎勤幼女連続殺人事件
★2013.5.8 (No.282) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『GHQ文書が語る日本の死刑執行 公文書から迫る絞首刑の実態』
(現代人文社/単行本/永田憲史/2013.5)


法務省の徹底した秘密主義によって、死刑執行に関する情報にアクセスできない。このほど、占領下に日本政府がGHQにあてた死刑執行に関する公文書(死刑執行起案書・始末書など)が発見された。その分析と原本(英文)・邦訳を収録し、死刑執行(絞首刑)の実態を明らかにする。

著者・永田憲史(けんじ)・・・1976年、三重県生まれ。1995年、京都大学法学部入学。1998年、司法試験合格。1999年、京都大学法学部卒業。現在、関西大学法学部准教授。主な著作に『死刑選択基準の研究』(関西大学出版部/2010) / 『 わかりやすい刑罰のはなし 死刑・懲役・罰金』(関西大学出版部/2012)など。

<目次>

資料解題:死刑確定者を絞首して死亡させるために要する時間
GHQ/SCAP:「死刑執行起案書」・「死刑執行始末書」の分析
 1 絞首刑の残虐性に関する議論
 2 連合国最高司令官総司令部(GHQ/SCAP)文書 
 3 「刑務所 死刑判決と執行」の内容
 4 「刑務所 死刑判決と執行」の分析
 5 「110番 宮城刑務所、東北地方宮城県仙台市」の内容 
 6 総括
 表1 死刑執行順一覧
 表2 死刑執行所要時間別一覧
 表3 死刑執行施設別一覧

資料:日本の死刑執行に関するGHQ/SCAP文書
 死刑執行始末書【整理番号01〜46】(日本語訳・原本) 
 死刑執行起案書及び添書【整理番号42,43】(日本語訳) 
 死刑執行起案書及び添書【整理番号46】(日本語訳)
 大韓民国籍の者に対して下された判決の再検討(原本)
 死刑執行に関するGHQ/SCAP文書の覚書(原本)
 
★2013.5.1 (No.281) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『「拉致疑惑」と帰国 ハイジャックから祖国へ』
(河出書房新社/単行本/よど号グループ[著]/鳥越俊太郎[検証]/2013.4)


今なお北朝鮮・平壌に在住する「よど号グループ」6名全員が綴る決断の手記。彼らは、北朝鮮で何を考え、行動し、なぜ今、祖国への帰還を望むのか。そして、日本人拉致疑惑にいかに答えるのか。

検証者・鳥越俊太郎・・・1940年、福岡県浮羽郡吉井町(現・うきは市)生まれ。1965年、京都大学文学部卒業、毎日新聞社へ入社。新潟支局社会部。1988年、『サンデー毎日』の編集長になる。1989年、同社退社。2003年から関西大学社会部教授に就任。主な著書・・・『人間力の磨き方』(講談社/2006) / 『ニュースの職人 「真実」をどう伝えるか』(PHP研究所/2001) / 『うちのお父さんは優しい 検証 金属バット殺人事件』(明窓社/2000) / 『桶川女子大生ストーカー殺人事件』(メディアファクトリー/2000) / 『虚誕 警察につくられた桶川ストーカー殺人事件』(岩波書店/&小林ゆうこ[共著]/2002)

目次

検証 過去に何をし、現在は何をしているのか(鳥越俊太郎)
第1章 私たちの在朝四十有余年(小西隆裕)
第2章 「大きな愛の中で生きる」を原点に(若林盛亮)
第3章 田宮を祖国へ帰したい(森順子)
第4章 責任を果たすために(黒田佐喜子)
第5章 見直し帰国は私の愛国闘争(魚本公博)
第6章 「拉致容疑逮捕状」とは何か 八尾証言への反論(赤木志郎)
特別座談会in平壌


関連ページ・・・「よど号」ハイジャック事件 / 北朝鮮日本人拉致事件
★2013.4.24 (No.280) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『実録 レイプ裁判 法廷で暴かれた犯行現場』
(双葉社/単行本/宇野津光緒/2013.4)


『週刊大衆』で15年にも及び掲載されているロングラン連載「実録 レイプ裁判」の初単行本化。本連載は、著者が各地の裁判所で傍聴を行い、関係各所に取材してまとめた性犯罪ドキュメントである。連載回数700本以上の中から、30話を厳選した。テレビや新聞の多くは性犯罪事件を「暴行事件」の一語で報じ、その実態を忌避しがちだが、本書はその実態に光を当てた。決して知ることができない性犯罪者たちの動機から、凶悪な手口、犯行の模様までを描いたクライムノンフィクション。

著者・宇野津光緒・・・1952年、東京生まれ。立命館大学産業社会学部、立教大学文学部キリスト教学科中退。数社の週刊誌専属記者を経て、事件・社会分野を中心に人間ドラマを追うノンフィクションライターへ。さまざまな事件を法廷の内外に取材した著書『法廷ドキュメント23の事件と被告たち』(恒友出版/1998)で第7回JLNAブロンズ賞審査員特別賞受賞。他の著書に『女犯 性犯罪ドキュメント』(ミリオン出版/2006) がある。

目次

第1章 好色ストーカー 女性を追い詰める理不尽な蛮行
第2章 劣悪セクハラ鬼 立場を利用した卑劣な強姦手段
第3章 逆恨みレイプ犯 身勝手な思い込みによる凶行
第4章 ハレンチ詐欺師 言葉巧みに女性を騙す悪辣な手口
第5章 妄想系変態 歪んだ欲望を爆発させた男たち
第6章 無差別強姦魔 許されざる鬼畜の所業
★2013.4.17 (No.279) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『裏ベスト「事件王」ランキング 』
(講談社/単行本/村野薫/2013.4)

人間の業の深さは、情けない事件のなかにこそ顕現する。読んで仰天、苦笑、嘆息したあとで思い知る哀しさ。あなたもまたその一人か?


著者・村野薫・・・1948年、伊勢市生まれ。出版社勤務を経て1984年よりフリーランス。『明治・大正・昭和・平成事件犯罪大事典』(東京法経学院出版) / 『死刑はこうして執行される』(講談社文庫) などの編・執筆をはじめ、事件・犯罪に関する著作等を執筆。

【目次】

第1章 仰天記録 犯罪・事件のオリンピック!
第2章 泥棒 盗みにも流儀がありまして
第3章 逃走・脱走・家出 逃げろや逃げろのサンバ
第4章 マネー おカネに翻弄されて
第5章 迷惑 世間を騒がす困った隣人たち
第6章 老人・少年 老いも若きも大胆不敵
第7章 フェチ・変態・マニア 蓼食う虫も好きずきといいますが
第8章 執念・脅迫 こだわりがうんだ顛末
★2013.4.10 (No.278) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『墜落捜査 秘境捜索 警察官とその妻たちの事件史』
(さくら舎/単行本/飯塚訓/2013.4)


事件発生!不眠不休、命懸けの捜査捜索!はじめて明かされるあの事件の裏側。厳しくも人間的な、警察官とその妻の日々。日本列島を震撼させた大久保清事件、連合赤軍事件、功明(よしあき)ちゃん誘拐事件、そして悲惨な日航機墜落事故…群馬県警に警察官として勤務した36年の間に関わった多くの事件・事故の捜査捜索について、度重なる取材をもとに記した実名ノンフィクション。

著者・飯塚訓(さとし)・・・1937年、群馬県に生まれる。日本大学法学部を卒業後、1960年、群馬県警察官として採用される。以後、警察本部課長、警察署長、警察学校長等を歴任。1985年、高崎署刑事官在職時に起こった日航機墜落事故では身元確認班長を務めた。1996年に退官。他の著書にベストセラー『墜落遺体 御巣鷹山の日航機123便』(講談社) / 『吼える駐在』(文藝春秋)などがある。

関連ページ・・・大久保清連続殺人事件 / 連合赤軍あさま山荘事件
★2013.4.3 (No.277) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『記者たちの関西事件史 昭和54年〜平成22年』
(光村推古書院/単行本/産経新聞社/2013.4)

事件、事故、自然災害。現場にかけつけたその時、記者たちは何を見て、何を感じたのか。ある時は手探りで、またある時は確信を胸に、真実を探る。締切との戦い、他紙との攻防。時には怒号が飛び交い、時には涙する。昭和から平成へ、産経新聞の記者たちの述懐でつづる関西事件史。

目次

三菱銀行北畠支店立てこもり事件
グリコ・森永事件
山口組4代目組長射殺事件
豊田商事会長刺殺事件
タイ航空機爆発事件
朝日新聞阪神支局襲撃事件(赤報隊事件)
神戸高塚高校門圧死事故
西成暴動
イトマン事件
信楽高原鉄道事故〔ほか〕


関連ページ・・・三菱銀行猟銃強盗殺人事件 / 豊田商事永野会長刺殺事件 / 赤報隊テロ事件 / 女子高生校門圧死事件
★2013.3.27 (No.276) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『「空き巣」なう プロの空き巣が「この道半世紀」を語る』
(第三書館/新書/田岡大介/2013.2)


誰にも見つかることなく、家屋に侵入。金を盗み、跡を残さず、風のように去る・・・。空き巣稼業50年余。オドロキの体験談は、反面、「空き巣予防の実用書」でもある。
★2013.3.20 (No.275) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『All Color ニッポンの刑務所30』
(光文社/単行本/外山ひとみ/2013.3)


塀の中の知られざるリアルに迫る ビジュアルブック決定版! 女子刑務所での盆踊りやネイルアート、暴力団受刑者たちのド迫力運動会から、一足4万円の手作り最高級紳士靴、うどん製造、墓石の加工、大型船の建造など多岐にわたる仕事まで全国の30施設を取材、撮影。

著者・外山ひとみ・・・写真家、作家。静岡県富士市生まれ。犯罪を減らすことを志し、刑務所を取材して24年、訪れた施設は40ヵ所以上にのぼり、“ひと、アジア、生きる”をテーマに表現活動を続ける。20歳で写真集『家』を出版しフリーランスに。1998年、『MISS・ダンディ 男として生きる女性たち』(新潮社) でドキュメンタリー写真大賞・人物ルポ部門賞を受賞。他の著者に『ニッポンの刑務所』 (講談社現代新書) / ヴェトナム颱風』(新潮社) / 『女子刑務所 知られざる世界』(中央公論新社/2013)がある。川越少年刑務所篤志面接委員を務める。国内外で多数のExhibitionを開催。
★2013.3.13 (No.274) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『CD付き 騙されたがる人たち 善人で身勝手なあなたへ』
(講談社/単行本/大山眞人/2013.3)

ベストセラー『悪徳商法』著者、すなわち詐欺問題のプロが、
振り込め詐欺に引っかかってしまった!

自分を引っかけた見事な仕掛け、その正体とは?
悔しさを抱えながら全国の最新詐欺事例を取材する。
結果分かったこと――「自分も含めて、騙される側にも責任がある」!

「恋人商法」で高額な宝飾品を買わされた。
でも、「彼女にも事情があるはず」「彼女が助かるのであればいい」
といって被害届を出そうとしない人がいるという事実。


著者・大山眞人(まひと)・・・昭和19年、山形市生まれ。早稲田大学文学部卒。出版社勤務を経てノンフィクション作家。音楽や芸能、経済や経営者・組織、詐欺や悪徳商法などを通して日本人の心のよりどころを模索し、医療機関や住宅環境をはじめとする高齢者の問題に取り組む。平成20年、所沢市内に高齢者の居場所「幸福亭」を立ち上げ、現在主宰。著書に『悪徳商法 あなたもすでに騙されている』(文藝春秋社) / 『宝くじ戦争 戦後の日本を救ったのは宝くじだった』(洋泉社) など多数(ほとんどの著書が「大山真人」表記)。

目次

第1章 「振り込め詐欺」
 騙されるはずがないと思う人ほど騙される話
 ――詐欺師にカモられたプロの嘆き
第2章 「恋人商法」
 加害者に感情を移入し、敢えて騙されようとする人の話
 ――彼女が悪いんじゃない。そうし向けた会社が悪い
第3章 「当選(オトリ)商法」
 電話の相手を勝手に「いい人」と判断し、騙される話
 ――だって、悪い人には思えなかったんです
第4章 「訪問販売」
 納得ずくで騙される人の話
 ――遠くの身内より、近くの他人
第5章 「多重債務」
 破産承知で債務をつづける人の話
 ――借りてくれっていうから、借りてやって何が悪い
第6章 「ネットワークビジネス(マルチ商法)」
 騙される側から騙す側にシフトする話
 ――悪の道、みんなで渡れば怖くない
第7章 「SF商法(路上キャッチセールス)」
 催眠状態で高額商品を買わされる話
 ――タダでくれるっていうからもらってやった
第8章 「預託(権利)商法」
 リスクを考えない人がいるという話
 ――絶対に儲かるといったんだから、安心だ
第9章 「結婚詐欺」
 制服と権威に弱い日本人の話
 ――最後までこの夢が覚めないでほしかった
第10章 「不安煽り商法」
 マインドコントロールされることで、よろこびを感じる人たちの話
 ――この世のものとは思えない快感が身体中を駆けめぐる
★2013.3.6 (No.273) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『「東電女性社員殺害事件」弁護留書』
(書肆アルス/単行本/石田省三郎/2013.2)


15年半に及ぶゴビンダ・プラサド・マイナリ氏の「無実の訴え」。本書はそのマイナリ氏の弁護人による記録である。無罪が確定した日に行った神山啓史主任弁護人との対談を全章に編集して収録。

著者・石田省三郎・・・1946年、岐阜県生まれ。中央大学法学部法律学科卒業。1973年4月、弁護士登録(第2東京弁護士会)。多田武法律事務所、仙谷・石田法律事務所等を経て、2011年9月より石田法律事務所(東京都中央区)。第2東京弁護士会刑事弁護委員会委員長、日本弁護士連合会刑事弁護センター副委員長、「検察の在り方検討会議」委員などを歴任。日石郵便局・土田邸爆破・ピース缶爆弾事件、沖縄ゼネスト事件、松戸OL殺人事件、ロッキード事件、リクルート事件、東電女性社員殺害事件など戦後史に名を刻む刑事事件の弁護に携わる。

目次

1 事件、そして起訴
2 第一審無罪判決
3 再び勾留
4 第二審逆転有罪
5 再審申立へ
6 再審開始決定
7 再審控訴審、そして無罪確定
8 事件が残したもの


関連ページ・・・東電OL殺人事件
★2013.2.27 (No.272) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『永山則夫 封印された鑑定記録』
(岩波書店/単行本/堀川惠子/2013.2)


日本社会を震撼させた19歳の少年による連続射殺事件。その犯人の永山則夫がすべてを語り尽くした膨大な録音テープの存在が明らかになった。100時間を越える独白から浮かび上がる犯罪へと向かう心の軌跡。人が人を裁くことの意味を問い続け、「貧困が生み出した悲劇」といわれてきた事件の背後に隠された真実に迫る。

著者・堀川惠子の他の著書・・・
『死刑の基準 「永山裁判」が遺したもの』(日本評論社/2009/第32回講談社ノンフィクション賞受賞/第10回新潮ドキュメント賞受賞 ) / 『裁かれた命 死刑囚から届いた手紙』(講談社/2011)など。

関連ページ・・・永山則夫連続射殺魔事件
★2013.2.20 (No.271) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の半世紀』
(岩波書店/単行本/東海テレビ取材班/2013.2)


獄中から無実を訴える死刑囚。
くり返される再審請求と取り消し。
事件の真相と司法の現状をあらためて問う。


関連ページ・・・名張毒ぶどう酒事件
★2013.2.13 (No.270) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『美術品はなぜ盗まれるのか ターナーを取り戻した学芸員の静かな闘い』
(白水社/単行本/サンディ・ネアン/2013.2)


危険な裏社会と結びつく美術品盗難。事件に巻き込まれた学芸員の立場からその実態を訴え、問題点を考察する一書。

1994年7月28日、フランクフルトのシルン美術館で開催中の「ゲーテと美術」展会場から、ターナーの代表作2点が盗まれた。作品はテート・ギャラリーの所蔵品で、保険総額は2400万ポンド(約37億円)。史上最大規模の美術品盗難事件とその奪還の物語が始まった瞬間だった。

著者・サンディ・ネアン(Sandy Nairne)・・・1953年生まれ。オックスフォード近代美術館およびテート・ギャラリーに勤務。先進的な現代美術展で知られるロンドンの現代美術研究所(ICA)や英国アート・カウンシルの展覧会企画を手がける。テートの展覧会およびプログラムの責任者を務めていた1994年にターナー盗難事件がおこり、以後、8年半にわたりその解決に尽力する。2002年よりナショナル・ポートレート・ギャラリー館長。

[目次]
序章
 第一部
第一章 ターナー二点、フランクフルトで盗まれる(一九九四年)
第二章 迷走する捜査、保険会社との折衝(一九九四〜二〇〇〇年)
第三章 《影と闇》を取り戻す(二〇〇〇〜二〇〇一年)
第四章 ターナーをテートの壁に(二〇〇二〜二〇〇三年)
 第二部
第五章 美術館の倫理観
第六章 美術品をめぐる価値
第七章 動機から見た美術品盗難事件の歴史
第八章 小説・映画に描かれる美術品泥棒と探偵たち
第九章 美術品盗難をどう防ぐか
訳者あとがき
原註/主要参考文献・図版クレジット

★2013.2.6 (No.269) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『罪を犯した人を排除しないイタリアの挑戦 隔離から地域での自立支援へ』
(現代人文社/単行本/浜井浩一/2013.2)


イタリアの犯罪者処遇は刑罰の目的を更生とする憲法を基盤に精神障害者を病院から解放した「バザーリア」改革をモデルに発展してきた。その基本は縦割り行政の弊害を排し、施設隔離からの解放と地域移行を目指し、ソーシャルワークを基盤とした官民のネットワークによる自立支援にある。

著者・浜井浩一・・・早稲田大学教育学部卒業。大学での専攻は教育心理学。国家公務員採用上級甲種試験(心理職)に合格し、1984年卒業後は法務省に入省。矯正機関や保護観察所で勤務。法務総合研究所の研究官や国連犯罪司法研究所の研究員も務め、法務総合研究所に勤務していた際には犯罪白書の執筆にも携わった。海外での活動経験も豊富であり、海外の犯罪の現状や刑事政策にも通暁している。龍谷大学大学院法務研究科の教授。専門は刑事政策、犯罪学、統計学、犯罪心理学。他の著書・・・『2円で刑務所、5億で執行猶予』(光文社新書/2009) / 『刑務所の風景 社会を見つめる刑務所のモノグラフ』(日本評論社/2006)など。


<目次>

はじめに

序章 福祉施設化する日本の刑務所
第1章 イタリアの刑事司法
第2章 イタリアの精神保健サービス
第3章 イタリアの依存症対策
第4章 イタリアの社会協同組合
第5章 その他の民間の財団
終章 イタリアから見える日本の問題
番外編 イタリア旅行の楽しみ方

おわりに
★2013.1.30 (No.268) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『女子刑務所 知られざる世界』
(中央公論新社/単行本/外山ひとみ/2013.1)


閉ざされた鉄扉の向こうにある「受刑者の生活」と「刑務官の仕事」。刑務所を24年にわたって取材し続けている著者が、120点以上の写真と文章で伝える渾身のルポ。人が犯罪に至る事情や、刑務所の中で更生していく姿、働く女性刑務官の苦悩、日本の刑務所の問題点から死刑制度まで、「罪と罰」のあり方を考える1冊。

著者・外山ひとみ・・・写真家、作家。静岡県富士市生まれ。犯罪を減らすことを志し、刑務所を取材して24年、訪れた施設は40ヵ所以上にのぼり、“ひと、アジア、生きる”をテーマに表現活動を続ける。20歳で写真集『家』を出版しフリーランスに。1998年、『MISS・ダンディ 男として生きる女性たち』(新潮社) でドキュメンタリー写真大賞・人物ルポ部門賞を受賞。他の著者に『ニッポンの刑務所』 (講談社現代新書) / ヴェトナム颱風』(新潮社)がある。川越少年刑務所篤志面接委員を務める。国内外で多数のExhibitionを開催。

目次

第1章 子をあやめた受刑者たち
第2章 刑務官と受刑者たちの24時間
第3章 受刑者たちの「おつとめ」
第4章 刑務所は「最後の福祉」?
第5章 電子管理のハイテク刑務所
第6章 少年たちの罪と未来
第7章 社会復帰への道のり
第8章 死刑執行と刑務官の苦悩
★2013.1.23 (No.267) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『未解決事件ミステリー24』
(双葉社/単行本/ミゾロギダイスケ[著]/週刊大衆編集部[編]/2013.1)


戦後から昭和の終わりまでに起きた「未解決事件」を取り上げ、当時の報道がどうだったのか、またその後明らかになった新聞等で報道されていない真実をまとめ、事件を振り返る。週刊大衆連載「昭和重大事件スクープ回顧録」の中から、未解決事件とを選出し単行本化。

著者・ミゾロギダイスケ・・・昭和文化研究家、ライター、編集者。スタジオ・ソラリス代表。大学の文学部を卒業。スポーツ雑誌の編集長を経て独立。『週刊大衆』をはじめ、各媒体で執筆活動を続ける。プロレス、日本映画、スキー、芸能全般、スポーツ全般、犯罪などを守備範囲とするが、特に昭和文化研究はライフワーク。近年、「昭和文化研究家」の看板を掲げるようになり、活躍の場を広げる。
★2013.1.16 (No.266) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『万引きの文化史(ヒストリカル・スタディーズ03)』
(太田出版/単行本/レイチェル・シュタイア/2012.10)


なぜ人は万引きをするのか? その歴史は16世紀のロンドンで始まった…。全米の検挙者数は総人口の9%、日本の被害額は年間4500億円以上…。世界第2位の万引き大国=日本、必読の一冊。

●目次●
序論
第1部 万引きの歴史
1 盗みと処罰
2 窃盗症と法の変革者
3 アビー・ホフマンと電子防犯タグ
4 ロビン・フッド、バージョン2.0
第2部 実態
5 万引きする人々
6 ホット・プロダクト
7 職業的万引き犯''ブースター''
第3部 病理
8 盗みのスリル
9 万引きセレブの盛衰
10 万引き依存症
第4部 対応策
11 盗難対策
12 損失防止(LP)の未来
13 万引きは不治の病か
14 羞恥心
結び

★2013.1.9 (No.265) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『孤立する日本の死刑』
(現代人文社/単行本/デイビッド・T・ジョンソン/2013.1)


最後の死刑存置国が集中するアジアで、ますます死刑の適用は減少している。その事実を豊富な実証研究の成果により明らかにするとともに、日本への示唆を論ずる。

著者・デイビッド・T・ジョンソンの他の著書に『アメリカ人のみた日本の検察制度 日米の比較考察』(シュプリンガーフェアラーク東京/2004)がある。

<目次>

はじめに デイビッド・T・ジョンソン(田鎖麻衣子・訳)

第1部 変動するアジアの死刑と頑なな日本
第1章 現代アジアにおける死刑の多様性
第2章 フィリピンおよび日本における死刑――「経済発展なき廃止」と「廃止なき経済発展」
第3章 アジアにおける死刑廃止のフロント・ランナー――韓国と台湾
第4章 アジアにおける共産主義と死刑――中国、ベトナム、北朝鮮
第5章 2つの都市の物語――香港、シンガポールにおける死刑と殺人抑止力
第6章 アジアの死刑から学ぶこと
第7章 日本における死刑廃止の障害物
以上の各章はすべて、デイビッド・T・ジョンソン(田鎖麻衣子・訳)


第2部 日本の死刑を動かすものは何か?――裁判員裁判、被害者、人権、政治
第8章 死刑は特別か?――裁判員制度下の死刑事件審理に関する考察
デイビッド・T・ジョンソン(田鎖麻衣子・訳)
第9章 日本の死刑裁判における被害者と感情
デイビッド・T・ジョンソン(高橋有紀・訳)
第10章 アサハラを殺すということ――アメリカ人テロリストの死刑執行から被害者と死刑について考える
デイビッド・T・ジョンソン(岩佐政憲・訳)
第11章 死刑をめぐる日本と世界の文脈
田鎖麻衣子

資料

おわりに
田鎖麻衣子
★2013.1.2 (No.264) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『獄中記 虚実の証明』
(文芸社/単行本/坂東竜馬/2012.12)


どのような正道にも光もあれば影も。そして人の心にも・・・。詐欺罪により実刑判決を受けた男の目に映った逮捕劇と4年に及んだ一般的には知ることのできない獄中生活と世間を騒がせた事件の顛末を赤裸々に綴る。事件と関係者への悔悟、終始励ましてくれた妻への思慕、巻き込んでしまった息子や高齢の母への深い悔恨、人生への懊悩・・・そして至ったある決意とは。
★2012.12.26 (No.263) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『死刑を止めた国・韓国』
(インパクト出版会/単行本/朴秉植/2012.11)


なぜ韓国は15年間死刑執行がないのか。事実上の死刑廃止国・韓国から学ぶ。

著者・朴秉植・・・1955年韓国生まれ。東国大学法学部卒業。1983年渡日、明治大学大学院へ入学。修士・博士課程修了し、1992年法学博士取得。1993年帰国。延べ9年4ヶ月間滞日する。龍仁大学教授を経て、東国大学法学部教授。国家青少年委員会委員、韓国法務保護福祉公団理事、警察庁成果評価委員長として活躍中。
★2012.12.19 (No.262) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『オウム事件 17年目の告白』
(扶桑社/単行本/上祐 史浩[著]/有田芳生[検証]/2012.12)


オウム特別手配犯が全員逮捕され、オウム事件にひとつの区切りがついた。
それを受けて上祐史浩氏が今まで語れなかった真実を告白。

オウム真理教はいかにして地下鉄サリン事件を引き起こし、信者たちはなぜ麻原を盲信してしまったのか。その内実を綴った一冊です。

著者・上祐史浩・・・1962年、福岡県生まれ。早稲田大学大学院在学中にオウムに入信。地下鉄サリン事件後、麻原の指示の下、教団のスポークスマンとなる。その後、偽証罪などで逮捕され、約4年間勾留、服役する。出所後に「アレフ」代表となるが、2007年に脱会。オウム信仰を脱却し、現在は自ら設立した「ひかりの輪」代表を務める。

有田芳生・・・1952年、京都府生まれ。ジャーナリスト。参議院議員。2007年まで日本テレビ系の「ザ・ワイド」に出演。オウムや統一教会などカルト宗教問題などを取材。

目次

地下鉄サリン事件直後
オウム入信と麻原への帰依
オウム犯罪の原点 暴走の始まり
教団武装化 大量破壊兵器の製造実験
麻原の高弟たちと教団内の男女関係
サリン事件前夜 狂気の教団内部
サリン事件を起こしたカリスマの精神病理
服役、出所。脱け出せない麻原の呪縛
麻原奪還テロ未遂事件
麻原からの自立。アレフから脱会
ひかりの輪としての歩みと、アレフの違い
父、そして母のこと

関連ページ・・・オウム真理教
関連サイト・・・ひかりの輪 / 有田芳生の『酔醒漫録』
★2012.12.12 (No.261) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『人の殺され方 さまざまな死とその結果 Death&Body [新装版]』
(データハウス/単行本/ホミサイド・ラボ/2012.12)


絞殺、毒殺、刺殺、交通事故、・・・人はどのように絶命するのか、そのあと死体はどうなるかを死因別に図解。

目次

第1章 死とは
第2章 窒息死
第3章 溺死
第4章 毒殺
第5章 刺殺・斬殺
第6章 焼死
第7章 感電死
第8章 銃殺・爆殺
第9章 交通事故
第10章 虐待死
★2012.12.5 (No.260) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『ニュートンと贋金づくり 天才科学者が追った世紀の大犯罪』
(白揚社/単行本/トマス・レヴェンソン/2012.12)

17世紀のロンドンを舞台に繰り広げられた国家を揺るがす贋金事件。
天才科学者はいかにして犯人を追いつめたのか?
膨大な資料と綿密な調査を元に事件解決に至る攻防をスリリングに描いた科学ノンフィクション。


著者・トマス・レヴェンソン(Thomas.Levenson)・・・マサチューセッツ工科大学教授(サイエンス・ライティング)、サイエンス・ライター、ドキュメンタリー映画製作者。他の著書に『錬金術とストラディヴァリ 歴史のなかの科学と音楽装置』(白揚社/2004) / 『新しい気候の科学』(晶文社/1995)がある。

目次

偉大なる自然哲学者
詐欺師の生い立ち
錬金術、狂気、情熱
新しい監事
前哨戦
ニュートンと贋金づくり
★2012.11.28 (No.259) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『トップ屋魂 首輪のない猟犬 [増補・新装版]』
(イースト・プレス/単行本/大下英治/2012.11)


角栄、ひばり、三島。血湧き肉躍る「昭和の怪物」。トップ屋が追い込む首領の別顔。

著者・大下英治・・・1944年、広島県に生まれる。1歳のとき被爆。父を失う。苦学の末、広島大学文学部仏文科を卒業。大宅壮一マスコミ塾第7期生。1970年、『週刊文春』特派記者いわゆる“トップ屋”として活躍。圧倒的な取材力から数々のスクープをものにする。月刊『文藝春秋』に発表した『三越の女帝・竹久みちの野望と金脈』が大反響を呼び、三越・岡田社長退陣のきっかけとなった。1983年、『週刊文春』を離れ、作家として独立。政治、経済、芸能、闇社会まで幅広いジャンルにわたり旺盛な執筆活動を続ける。

目次

ノンフィクションとは何か その人の歌いたかった歌を、聴け
第1部 首輪のない猟犬(トップ屋魂
「なぜだ!」三越・岡田社長解任劇!
死の影
タブーへの挑戦)
第2部 怪物(巨像
芸能者の闇
闇の首領
芸能者の私性)
第3部 広島(魂の履歴書)
★2012.11.21 (No.258) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『私はなぜ刑務所を出ないのか 無期懲役囚、20年の省察』
(扶桑社/単行本/美達大和/2012.11)


「2人の計画的殺害」という冷酷な罪を犯した年収数十億の男。社会的成功者から殺人犯となった男は死刑を望みながらも無期懲役となった後、自ら刑務所を出ないことを決意した。20年の獄中生活は男をどう変えたのか。“生きる意味"を問い続けて思索を重ねる無期囚が綴る異色独白記。


著者・美達大和(みたつやまと)・・・1959年生まれ。2件の殺人の罪で現在は無期懲役囚として服役中。ブログで「無期懲役囚、美達大和のブックレビュー」を連載中。 他の著書に『人を殺すとはどういうことか 長期LB級刑務所・殺人犯の告白』(新潮社/2009) / 『死刑絶対肯定論 無期懲役囚の主張』(新潮新書/2010)などがある。

目次

第1章 罪と罰(事件を起こした私の性格について
拘置所生活三年
拘置所から刑務所へ ほか)
第2章 仕事とお金(仕事について 単純労働こそ自己鍛錬
お金について)
第3章 思索の日々(欲望とは
読書の喜び
書くことの意味 ほか)
★2012.11.14 (No.257) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『東電OL事件 DNAが暴いた闇』
(中央公論新社/単行本/読売新聞社会部/2012.11)


渋谷円山町で事件が発生。この事件で外国人男性の無期懲役が確定になったが、事件から14年後、新たなDNA鑑定で真実が明らかになり、再審無罪となった。2012年度新聞協会賞を受賞したスクープのドキュメント。

目次

プロローグ 新事実
第1章 発火
第2章 疑念
第3章 喪失
第4章 逸脱
第5章 忘却
第6章 故郷
第7章 浮上
第8章 自由
エピローグ メッセージ


関連ページ・・・東電OL殺人事件
★2012.11.7 (No.256) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『記者 吉展ちゃん事件50年・スクープ秘話と縁深き人々』
(中央公論事業出版/単行本/原野彌見/2012.10)


メディアを巻き込み、戦後最大の誘拐事件と呼ばれた「吉展ちゃん誘拐事件」
事件から50年たった今、遺体発見のスクープの裏側が語られる。

著者・原野彌見(ひさみ)・・・1938年、生まれ。1962年に九州大学文学部心理学科を卒業、その年の4月、読売新聞東京本社に編集記者として入社。社会部次長、婦人部・生活情報部長、電波本部(現・メディア戦略局)次長など。1993年に福岡放送(テレビ局)に取締役(報道担当)として入社、2003年に専務取締役(新社屋建設、報道、スポーツ担当)を退任、退社する。この間、報道(制作)局長を兼務した。

目次

第1部 吉展ちゃん事件スクープ秘話
第2部 平城京・公害説の粋人学者との縁
第3部 龍馬に重ねた鎮魂の旅


関連ページ・・・吉展ちゃん誘拐殺人事件
★2012.10.31 (No.255) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『戦争は人間的な営みである 戦争文化試論』
(並木書房/単行本/石川明人/2012.11)

戦争は悪である。誰もが平和を願う。だがそれにもかかわらず、戦争や軍事には人を魅了するものがある。なぜ人間は「戦い」に惹きつけられるのか? なぜ人は「兵器」に興味を抱くのか?  戦争は「純然たる悪意」のみの産物ではない。むしろ、愛や、希望や、真心や、正義感があるからこそ、人は命をかけて戦うことができ、戦争を正当化できてしまう……。本当に平和について議論をするのならば、軍事は「文化」であり、戦争は「人間的な営み」であることを、まずは素直に認めなければならない−人間の矛盾と限界を見つめ抜く、挑発的な戦争論!


著者・石川明人(あきと) ・・・昭和49年、東京生まれ。北海道大学文学部卒業、同大学院博士課程単位取得退学。博士(文学)。現在、北海道大学助教。宗教学・戦争論。著書に『ティリッヒの宗教芸術論』(北海道大学出版会)などがある。
★2012.10.24 (No.254) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『韓国窃盗ビジネスを追え 狙われる日本の「国宝」』
(新潮社/単行本/菅野朋子/2012.10)


日本から盗まれた重要文化財が韓国で売買されている! 信じがたき実態を暴く。長崎県壱岐島の安国寺、兵庫県の鶴林寺……日本各地の寺院から次々と盗まれる高麗仏画や経典。それらは韓国で高額で売買され、一部が堂々と国宝に指定されたという疑惑も。「元々は我々のもの、取り返して何が悪い」と開き直る古美術商や、彼らからの注文を受け暗躍する窃盗団たち。竹島だけではない、日韓の“火種”に迫る。

著者・菅野朋子・・・1963年生まれ。中央大学文学部卒業後、出版社勤務。その後、カナダ・カールトン大学で韓国語を修得。韓国延世大学付属語学堂に留学。『週刊文春』記者を経てフリーのノンフィクションライターに。現在、ソウル在住。

目次

第1章 重文窃盗ビジネス(犯人の息子との面会
息子の告白 ほか)
第2章 消えた壱岐の経典(重要文化財、盗まれる
盗まれた経典が韓国の国宝に!? ほか)
第3章 阿弥陀三尊像を巡る日韓の攻防(鶴林寺を襲った激震
犯人の一味からの電話 ほか)
第4章 古美術業界の裏世界(高麗仏画、再び狙われる
裏切られた期待 ほか)
第5章 犯人の独白(突き止めた居場所
大胆な手口 ほか)
★2012.10.17 (No.253) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『拉致と決断』
(新潮社/単行本/蓮池薫/2012.10)


Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 3位 (2012.10.17 現在)

監視下の生活、偽装経歴、脱出の誘惑、戦争の恐怖、飢餓と配給、電撃帰国の真相・・・・・・「北」での24年間を初めて綴った迫真の手記!

著者・蓮池薫・・・1957年、新潟県柏崎市生まれ。新潟産業大学専任講師。1978年、中央大学法学部3年在学中に拉致され、24年間、北朝鮮での生活を余儀なくされる。2002年10月15日、帰国。中央大学に復学。2005年、新潮社から初の翻訳書『孤将』(新潮社/金薫)を刊行。2008年3月、中央大学を卒業。2009年、 『半島へ、ふたたび』(新潮社)で第8回新潮ドキュメント賞受賞。

〈目次〉
 はじめに
絶望そして光――このまま死ぬわけにはいかない
人質――日本に引き留めようとする家族とも「戦わ」なければならなかった
自由の海に溺れない――日本の自由は、私たちに興奮と戸惑いをもたらした
自動小銃音の恐怖――この地の戦争に巻き込まれ、犬死するのが口惜しかった
生きて、落ち合おう――これは父さんとおまえだけの秘密だよ
煎った大豆を――配給が途絶えたという話が耳に入るようになった
飢えの知恵――その男は小魚をわしづかみにして、洋服のポケットにねじ込んでいた
配給だけでは食えない!――私はトウモロコシが一粒落ちていても、拾うようになった
望郷――丘の景色のむこうには、海があるような気がしてならなかった
誘惑――川幅わずか三メートル。一、二、三歩で逃れられる!
革命のコンテンツ――おばあさんたちは、興に飢えた人のごとく踊りに没頭していた
北の狩り――当地でゴルフをやったのは、私が初めてではないか?
洗脳教育――自分がこんなにも反日的な国に拉致されたという事実に戦慄した
本音と建前――心を開かせようとする人には、ことさら警戒心が必要だった
バッジを外すとき――物資を背に、まるで泥棒のように部屋に逃げ込んだ
自由な市場――おばさんたちが一斉に怒声を上げた。「殴れ、殴ってやれ!」
二十四年ぶりの外食――老兵を敬えと軍隊で教えられていないのか!
いた! 親父だ!――運動の高まり、憂慮と憤り。私たちは山奥の招待所に移された
様々な打算――キムおばあさんは、欲のない女性だった
蟻の一穴?――韓国女子大生の逮捕に、北朝鮮の女性たちはみんなが泣いた
理性と本能――日本を応援すれば家族の偽装経歴が疑われる
将軍様の娘――もっぱらの関心事は、北の宣伝などではなく、恋人や結婚のこと
涙の演技――ふたたび戦争へ?
タブーと政治――そのとき相手は嘲りの混じったまなざしで私を見た
危険水域――さらに胸倉をつかんだ腕を激しく前後に揺さぶりながら……
後ろめたさ――私はその子のあとをつけて行った
終わりと始まり――子どもたちも何度も振り返りながら玄関を離れて行った
 あとがき

関連ページ・・・北朝鮮日本人拉致事件
★2012.10.10 (No.252) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『韓国女子刑務所ギャル日記』
(辰巳出版/単行本/あき[著]/石原伸司[監]/2012.8)


「何日か遊んで、荷物を持って帰ってくるだけ」軽い気持ちで引き受けたアルバイトが、すべてのはじまりだった―。ハタチのギャルが海外で体験した3年間の刑務所生活を獄中日記と語りで描いた異色のノンフィクション。

渋谷を中心に活動するギャル・サークルの元代表で、目立つことが大好きな少女「あき」。20歳になったばかりのある日、ひょんなことから引き受けたアルバイトがきっかけで、海外旅行の経由先である韓国で身に覚えのない「覚せい剤の運び屋」として逮捕される……。突然放り込まれた韓国の女子刑務所で、3年にわたり書き続けた本音満載の獄中絵日記を書籍化。監修はギャルサー時代に渋谷のセンター街で知り合った作家で元暴力団組長の石原伸司。


監修者・石原伸司・・・1938年、東京生まれ。12歳で家出し、生きるため、盗み、恐喝を繰り返す。刑務所で出会った極道に心酔し、広域暴力団の組長になる。生涯にわたる塀の中の生活は通算で30年。極道を引退後、作家となる。繁華街で不良少年・少女の悩みを聞き、彼らの更生を手助けする姿が「夜回り組長」として反響を呼ぶ。風水アドバイザーとしても活動。著書に『命がけで君を守る。 夜回り組長と不良少年少女の心をつなぐ愛のメッセージ』(河出書房新社/2009)など。

【内容】

第一章 私が逮捕されるまで

第二章 拘置所の中

第三章 女の戦い

第四章 永登浦(ヨンドンポ)への移送

第五章 韓国の女子刑務所

第六章 痛みを超えて、強くなる
★2012.10.3 (No.251) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『司法殺人 元裁判官が問う歪んだ死刑判決』
(講談社/単行本/森炎/2012.8)


血なまぐさい司法権力に人生を変えられた市民の悲しみを描き、死刑判決にいかなる非情や不正が塗り込められてきたかを明かす。元裁判官が「裁きとは」「正義とは」に肉迫する法律ノンフィクション。

目次

第1章 裁判では犯人と第一発見者の区別もつかないとしたら
 ――横浜・鶴見の夫婦強殺事件
第2章 彼は本当に「青春の殺人者」だったのか
 ――千葉・市原の両親殺し事件
第3章 「疑わしきは罰せず」の向こうにあったものとは
 ――首都圏連続女性殺人事件
★2012.9.26 (No.250) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『犯罪者はどこに目をつけているか』
(新潮新書/清永賢二&清永奈穂/2012.9)


プロの犯罪者は恐るべき観察力を備えている。彼らに特有の物の見方、考え方、そして行動パターンを知ることが防犯の鉄則なのだ。わが身、わが家、わが町を守るために普段から何を心がけ、どうすればいいのか。「やられるヤツには油断なり死角がある。自分たちはそこを突く」と語る伝統的大泥棒の実践的レッスンをふんだんに盛り込んだ異色の防犯読本。

著者・清永賢二・・・1943年生まれ。東京学芸大学大学院修了。警察庁犯罪予防研究室長を経て日本女子大学教授。他の著書に『大泥棒 「忍びの弥三郎日記」に賊たちの技と人生を読む』(東洋経済新報社/2011) など。

著者・清永奈穂・・・1971年生まれ。立教大学大学院修了。ステップ総合研究所代表。共著に『犯罪からの子どもの安全を科学する 「安全基礎体力」づくりをめざして』(ミネルヴァ書房/2012)]がある


目次

第一章 犯罪予防の基礎知識
第二章 体の守り
第三章 家の守り
第四章 近隣の守り
第五章 都市の守り
第六章 明日の犯罪予防へ、八つの提案
★2012.9.19 (No.249) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『証言 連合赤軍 10 浅間山荘四十周年シンポジウム』
(皓星社/単行本/連合赤軍の全体像を残す会[編]/2012.8)


日本列島を震撼させた連合赤軍事件。彼らは何のために、学生運動・政治運動に命をかけたのか。私たちはその歴史から何を学びうるのか。事件から40 年の今年、当時を振り返るシンポジウムが開かれた。4名の当事者と司会を含む13名のパネリストによる討論の内容は、当時の状況から、組織犯罪という点でのオウム真理教との比較、事件の扱われ方の変化、さらには橋下徹にまで及んだ。10 号では、約190 人が集まり、5時間を超えたこのシンポジウムを完全収録。


連合赤軍の全体像を残す会・・・1987年、事件の当事者と有志により活動を開始。事件の全体像を記録し後世に残すため、関係者へのインタビューと記録などを行なってきた。2004 年より「証言」を刊行。【パネリスト】塩見孝也/三上治/鈴木邦男/森達也/田原牧/大津卓滋(弁護士)/雨宮処凛/山本直樹 (漫画家)/ウダタカキ(俳優)/小林哲夫(教育ジャーナリスト)/赤岩友香(週刊金曜日編集部)【連合赤軍当事者】植垣康博/青砥幹夫/雪野建作/前澤虎義。

目次

第1部 映像でふりかえる
第2部 当事者世代が語る(左翼のトラウマ・連赤事件を総括して運動の力に
人を内側から捕まえる共同性の原理をいかに超えるか
今や保守派も含め日本が連合赤軍化している ほか)
第3部 連合赤軍事件が残したもの(後世に教訓を伝えたい
連赤事件の本質をまとめることなどできない
連赤事件を日本的市民社会に回収する危さ ほか)
第4部 若い世代にとっての連合赤軍(連赤事件は「言葉」が暴走した事件だったと思う
将来、史実として連赤事件が語られるようになる
連赤事件が今の「生きづらさ」につながっている ほか)


関連ページ・・・連合赤軍あさま山荘事件
★2012.9.12 (No.248) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『和牛詐欺 人を騙す犯罪はなぜなくならないのか』
(講談社/単行本/斉藤友彦/2012.9)


被害額4300億円、被害者7万人と、戦後最大規模の消費者被害事件となった安愚楽牧場事件。1990年代、そして2000年代後半に起こった「ふるさと牧場事件」など、怪しい和牛預託商法が行われ、そして摘発されてきた歴史があるにもかかわらず、悲劇はまたもや繰り返されたのはなぜなのか? 自他共に「詐欺専門記者」と認める共同通信社記者が、徹底取材で分析した「詐欺犯罪はなぜなくならないのか」
★2012.9.5 (No.247) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『落伍者』
(インパクト出版会/単行本/河村啓三/2012.6)

死刑囚のおかれている所内の生活がそのまま書かれている貴重な文献。

コスモ・リサーチ殺人事件・・・1988年(昭和63年)1月29日、山口組系暴力団幹部の河村啓三(現姓・岡本/当時31歳)は投資顧問業の末森博也(当時36歳)と暴力団組長の尹敬一と共謀し、当時北浜の大物相場師と呼ばれ投資会社コスモ・リサーチ社の実質オーナである見学和雄(43歳)を殺害して金を奪おうと計画した。当日、河村らはコスモ・リサーチ社から退社する社員の渡辺裕之(23歳)を無理やり拉致して車に乗せ、渡辺から大阪府豊中市にある見学の自宅を聞き出し、自宅に居た見学も拉致した。河村らは見学を脅して1億円を大阪市住吉区内のファミリーレストラン駐車場まで持ってくるよう社員に電話させた。その後、社員が見学の指示通りに1億円を置いた車を放置して帰宅させた後、河村らは1億円を奪った。その直後、河村らは見学と渡辺の首を絞めて殺害。尹の名義で借りていた東大阪市のある倉庫でコンクリート詰めにして証拠隠滅を図った。だが、9月なって倉庫の近所に住む住民から異臭がするとの届け出があり、現場から血痕や遺体をコンクリート詰めにした形跡があったため、この倉庫の借主である尹が逮捕され、尹の自供から河村らが逮捕された。1995年(平成7年)3月23日、大阪地裁は河村と末森に対し死刑、尹に対して無期懲役を言い渡した。1999年(平成11年)3月5日、大阪高裁で河村と末森の控訴棄却。尹は無期懲役が確定した。2004年(平成16年)9月13日、最高裁で河村と末森の上告を破棄して死刑が確定。

著者・河村啓三の他の著書に『こんな僕でも生きてていいの』(インパクト出版会/2006) / 『生きる 大阪拘置所・死刑囚房から』(インパクト出版会/2009)がある。
★2012.8.29 (No.246) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『アメリカの危ないロイヤーたち 弁護士の道徳指針』
(現代人文社/単行本/リチャード・ズィトリン&キャロル・ラングフォード/2012.7)


「嘘つき」「金儲け主義」などと揶揄されるアメリカの弁護士。具体的な事件で「依頼人の利益か、公益か」というジレンマを抱える弁護士たちの実例を通して弁護士の倫理を考察する。

<目次>

第1部 真実、正義、そしてアメリカの弁護士
 第1章 隠された死体:ロバート・ギャロウとその弁護人
 第2章 別の日には、有罪者の弁護を

第2部 権力とその濫用、つまり「我々は職務を遂行しているだけ」
 第3章 権力、傲慢、そして適者生存
 第4章 頭に拳銃を突きつけられた若手弁護士
 第5章 アメリカ企業の内部で警告すること

第3章 強欲の欺もう、つまり「みんなやってる」
 第6章 保険専門弁護士:事件漁りと金漁り
 第7章 すべての法廷は舞台であり、すべての弁護士は役者である:
     陪審員を誘導することと誤導すること
 第8章 弁護士は嘘ツキ
 第9章 秘密にしておくこと
     (つまり、「知らない」と言うことは公衆を害することになる)
 第10章 クラス・アクション:
     公衆の保護、それとも弁護士のぼろ儲け?
 結 論 それは修復できるか?私たちには何ができるのか?

主要な出典(抄録)
訳者あとがき
著者について・訳者について

★2012.8.22 (No.245) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『実録「逃亡者」30人のドラマ 戦後史を彩った「大逃亡劇」を全収録』
(宝島社/大型本/2012.8)


「逃げる男」と「支える女」。罪を犯し罰を恐れた人間たちが経験した迫真の逃避行。その知られざる逃亡生活を全収録。オウム真理教信者の意外な潜伏先。時効3週間前に急転直下の逮捕劇を演じた福田和子。革命を夢見た「テロリストの女王」重信房子の半生。沖縄の離島「オーハ島」でサバイバル生活を送った市橋達也ほか、どんな小説をも凌駕する、極限の人間ドラマ。

目次

イントロダクション

特集 オウム真理教「逃亡信者」の軌跡
 「爆弾娘」の居場所を通報した男 菊地直子
 「最終戦争」――オウム最後の12日間 高橋克也
 謎に包まれた「17年目の自首」 平田 信
 死亡説、海外潜伏から整形逃亡まで 検証! オウム逃亡信者「トンデモスクープ」集
 「死刑」を待つ13人 オウム真理教「幹部」たちのいま

戦後史を彩った「大逃亡劇」 【昭和編】
 西口 彰・連続強盗殺人事件(1963) 「復讐するは我にあり」 西口 彰
 よど号ハイジャック事件(1970) 望郷40年─膠着する帰国問題
  小西隆裕/魚本公博/若林盛亮/赤木志郎
 朝霞自衛官殺害事件(1971) 「潜行4000日─京大のカリスマ」 滝田 修
 古美術窃盗団事件(1973) 「国際指名手配第一号」 人見安雄
 ハーグ事件(1974年) 「テロリストの女王」 重信房子
 クアラルンプール事件(1975)・ダッカ事件(1977) 「超法規的措置」 日本赤軍メンバー7人
 三代目山口組・田岡組長狙撃事件(1978) 「ドン」を撃った男 鳴海 清
 松山ホステス殺害事件(1982) 時効寸前─「急転直下の歴史的逮捕劇」 福田和子
 ドラマ、小説から映画まで 福田和子をめぐるメディア「取材大戦争」(藤田小女姫殺害事件)/織原城二(ルーシー・ブラックマン事件)/小原勝幸(秋田女子高生殺人事件)/中保喜代春(宅見組長殺人事件)/小池俊一(徳島連続殺人事件)/王剛勇(多摩パチンコ店強盗殺人事件)
●時効後に殺人を告白した「元小学校警備員」 床下に白骨遺体
●外国人犯罪者「海外逃亡」800人の現在
●元受刑者が語る「潜伏テクニック」と逃亡者の弱点
●外国版「逃亡事件」最長60年! 伝説の犯罪者たち
●「逃亡者」をモチーフとした文学作品・映画


関連ページ・・・オウム真理教 / 西口彰連続強盗殺人事件 / よど号ハイジャック事件 / 赤衛軍事件 / 日本赤軍と東アジア反日武装戦線
★2012.8.15 (No.244) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『死刑囚弁護人』
(河出書房新社/単行本/デイヴィッド・ダウ/2012.8)


限りなく冤罪に近い殺人犯から自他ともに認める極悪人まで死刑囚専門の弁護人が秘められた「死刑の現実」を赤裸々に綴った衝迫のノンフィクション。全米ベストセラー。

著者・デイヴィッド・ダウ(David R.Dow)・・・ヒューストン大学教授。死刑囚を支援する非営利団体の訴訟ディレクターとして、死刑推進州テキサスで100人以上を弁護してきた。死刑に関する著書や『ニューヨーク・タイムズ』など新聞・雑誌への寄稿多数。
★2012.8.8 (No.243) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『死刑と精神医療(メンタルヘルス・ライブラリー30)』
(批評社/単行本/高岡健&中島直[編]/2012.8)


裁判員裁判が死刑判決にかかわるようになり、自己の生命をもって償うべき死刑という刑罰の是非をめぐる論議が高まっている。精神障害者や18歳以上の少年の死刑適応能力(理解基準、援助基準、準備基準)、再審請求能力は、死刑囚の接見交通権が極端に制限され、実情は闇のなかである。死刑廃止論が先進国の趨勢になりつつある一方、被害者・遺族の応報感情や国民意識に依拠した死刑存置論は、社会秩序の安寧維持のために死刑が必要と主張する。国の政治判断に左右される死刑をめぐるさまざまな領域に焦点をあて、問題の所在を徹底して抉り出した全編書き下ろし論集。

編集者・高岡健・・・1953年生まれ。精神科医。岐阜大学医学部卒。岐阜赤十字病院精神科部長などを経て、岐阜大学医学部准教授。日本児童青年精神医学会評議員。雑誌「精神医療」(編集=「精神医療」編集委員会、発行批評社)編集委員をつとめる。

編集者・中島直・・・1965年生まれ。1990年、東京大学医学部医学科卒業。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、茨城県立友部病院医師、横浜刑務所医務部法務技官を経て、2001年から多摩あおば病院勤務、同院副院長・診療部長。法と精神医療学会理事。
★2012.8.1 (No.242) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『解 (Psycho Critique 17)』
(批評社/単行本/加藤智大/2012.7)


私はどうして自分が事件を起こすことになったのか理解しましたし、どうするべきだったのかにも気づきました。それを書き残しておくことで、似たような事件を未然に防ぐことぐことになるものと信じています。一方で、事件を起こした私がこのように本を書くことは、ご遺族や被害者の方の心情を考えると、書くのをためらわれる事実もあり、私もかなり悩みました。それでも、全てを明らかにするのでなければ本を書くことに意味は無いのであり、また、私がこうして書いたものが誰かの命を救うことになったら、わずかでも償いができるのではないかと考え、書くことにしました。[本文より]

秋葉原無差別殺傷事件・・・2008年(平成20年)6月8日午後0時40分ころ、東京都千代田区外神田の路上で加藤智大(ともひろ/当時25歳)が2トントラックを運転して数人をはねた後、トラックから降り、刃物で次々と通行人らを切りつけた。その後、駆け付けた警察官によって現行犯逮捕された。この事件により7人が死亡した。2011年(平成23年)3月24日、東京地裁で死刑判決。2012年(平成24年)9月12日、東京高裁で控訴棄却。のちに弁護側が上告。

目次

はじめに
第1章 掲示板と私の生活
掲示板を始める/埼玉での生活/茨城での生活/自殺(1)/青森の実家での生活/自殺(2)/自殺(3)/静岡での生活/事件に至るまで
第2章 何に対して怒っていたのか/成りすまし/荒らし/管理人/思い浮かんだ事件
第3章 事件に転落していくものの考え方/人のせい/痛みを与えて改心させる/どうして怒っているのか言わない/相談しない/タテマエとホンネ/相手からの攻撃、という思いこみ
第4章 思い止まるということ/ツナギ事件/「止めてほしい」/条件
第5章 秋葉原無差別殺傷事件/突入/刺突/逮捕、その後
第6章 誤った手段を使ってしまう性格/懲役より死刑を選ぶ/他人/「してはいけない」だけでは止まれない/手段を選ばない/「してはいけない」意識と無意識
第7章 報道との矛楯について
第8章 掲示板への書き込みの真意/掲示板とは/不細工キャラの固定化/「不細工キャラ」が怒る/警告を始め、事件に至る
第9章 一線を超えないために/対策とは/私はどうしてくるべきだったのか/現在、私はどうしているのか/反省の考え方についての補足
おわりに


関連書籍・・・
『「孤独」から考える秋葉原無差別殺傷事件 (Psycho Critique15) 』(批評社/単行本/芹沢俊介&高岡健/2011.9)
『秋葉原事件 加藤智大の奇跡』(朝日新聞出版/中島岳志/2011)
『アキハバラ発 〈00年代〉への問い』(岩波書店/大沢真幸[編]・森達也ほか[著]/2008)
『アベンジャー型犯罪 秋葉原事件は警告する』(文春新書/岡田尊司/2009)[アベンジャー (avenger) は英語で復讐者、報復者という意味]
『「誰でもよかった殺人」が起こる理由』(日本標準ブックレット/加納寛子/2009)
★2012.7.25 (No.241) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『山本美保さん失踪事件の謎を追う 拉致問題の闇』
(草思社/単行本/荒木和博/2012.7)


DNAが一致∴ネ外は全て別人! 拉致の可能性浮上後の県警の死亡発表は矛盾だらけだった。DNA鑑定の壁の向こうに見えてきた拉致問題幕引き≠フシナリオ。


山本美保さん失踪事件・・・1984年(昭和59年)6月、山本美保(当時20歳)が甲府市から失踪した。20年後、北朝鮮による拉致の疑いが濃厚となるなか、山梨県警から美保の失踪後、まもなく山形の海岸で発見された身元不明遺体と美保の双子の妹・美砂のDNAが一致したとの一報が入った。だが、身元不明遺体の身体的特徴は美保とはまったく違っていた・・・。

著者・荒木和博・・・特定失踪者問題調査会代表、拓殖大学海外事情研究所教授。1956年、東京生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。現代コリア研究所研究部長を経て、拓殖大学海外事情研究所専任講師、助教授、2004年より教授。北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)事務局長時代より一貫して拉致問題の最前線に立って活動。著書に『日本が拉致問題を解決できない本当の理由』(草思社/2009) / 『なぜ北朝鮮は崩壊しなかったのか 日本の鏡としての北朝鮮』(光人社NF文庫/2011) / 『拉致救出運動の2000日 1996年―2002年』(草思社/編著/2002) ほか。
★2012.7.18 (No.240) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『三億円事件の真実』
(文芸社/単行本/松田末雄/2012.7)


ここに二つの事件で犯人が話した言葉がある。性質の似ている内容とは思わないだろうか。一つが帝銀事件、もう一つが三億円事件で犯人が話した言葉である。帝銀事件から三億円事件まで20年も経っているが、二つの事件の内容を具体的に一つひとつ分析してみると、いくつかの類似点でつながるのがわかる。時を隔てた二つの事件の「点と線」を結び、意外な犯人像をあぶり出した大胆な論考。

三億円事件・・・1968年(昭和43年)12月10日に東京都府中市で発生した窃盗事件。120点もの遺留品があったものの犯人逮捕には至らず、1975年(昭和50年)12月10日、公訴時効成立。1988年(昭和63年)12月10日、民事時効成立。
★2012.7.11 (No.239) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『プロファイラー 深層心理の闇を追って』
(講談社/単行本/パット・ブラウン/2012.5)


専業主婦からカリスマ・プロファイラーとなった著者がアメリカで実際に起きた猟奇殺人事件の細部と犯人割り出しのプロセスを克明に再現した戦慄のノンフィクション。

著者・パット・ブラウン(Pat Brown)・・・犯罪者プロファイラー。被害者遺族からの依頼に応じて、未解決の性的殺人事件をプロファイリングする組織“ザ・セクシャル・ホミサイド・エクスチェンジ(SHE)”を創設し、CEOを務める。ボストン大学で刑事司法修士号を取得。エクセルシオ大学では全米で初めて公認された犯罪者プロファイリングおよび捜査分析プログラムを展開し、非常勤教授も務める。また、MSNBC、CNN、FOXなどのテレビ番組で犯罪者プロファイリングのコメンテーターとして、過去10年で1000件以上の犯罪分析を行ってきた。

目次

第1部 下宿人(アン 殺人事件
人生の転機
ウォルト 容疑者
新たな仕事)
第2部 私のプロファイリング事件簿(サラ ナイトクラブの裏で起きた殺人
ヴィッキー 真夜中の訪問者
メアリー・ベス 犯行の手口
ドリス 意外な被害者
ミッシー 少女の悪夢
ドンネル 同期の問題
クリスティーンとボブ 二重殺人
二度だまされたら、だまされた者の恥)
★2012.7.4 (No.238) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『ネゴシエイター 人質救出への心理戦』
(柏書房/単行本/ベン・ロペス/2012.6)


人質が生きるか、死ぬか、極限状態での駆け引き。一本の電話回線を介した緊迫の交渉。真実を描くため、実名は明かせなかった交渉人自らが語る、衝撃のノンフィクション。

著者・ベン・ロペス(Ben Lopez)・・・アメリカ・ニューヨーク生まれ。子供時代を南米ベネズエラで過ごす。大学では心理学を専攻、卒業後は病院の精神科に勤務。その後、身代金目的の誘拐事件での交渉人に転じ、コンサルタントとして20年のキャリアを持つ。その活動範囲はメキシコからコロンビア、中東まで世界各地に及ぶ。“ベン・ロペス”は仮名で職業上の理由から実名は明らかにしていない。現在、ロンドン在住。

目次

第1部 エンド・ゲーム(身柄)
第2部 ビジネス(ゴムのニワトリ 売り込み もっとも長い道のり)
第3部 降下地域(初動 損の上塗り 詐術 シェパードの祈り)
第4部 新しい波(最後の手段 裸の王様)
第5部 不和(立てこもり 交渉人部屋 ジャーの兵士 突破口
長い議論 帰ってほしい 高値の標的 魔女の集会)
第6部 海賊たち(ザ・ウルフ 循環)
★2012.6.27 (No.237) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『最新版 世界の処刑と拷問 血と悲鳴に彩られたおぞましき刑罰の数々』
(笠倉出版社/単行本/2012.6)


裂く 剥ぎ取る 斬る 吊るす 引き伸ばす

目次

第1部 破壊される人体(四つ裂き 木で裂く ほか)
第2部 心身を苛む苦痛(串刺しの刑 針責め ほか)
第3部 狂気と恥辱にまみれた刑罰(浴槽責め 舟刑 ほか)
第4部 世にも残酷な刑具コレクション(ギロチン スコットランドの処女 ほか)
処刑拷問資料館
★2012.6.20 (No.236) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『未解決事件 グリコ・森永事件〜捜査員300人の証言』
(文藝春秋/単行本/NHKスペシャル取材班/2012.5)


「Fや!キツネ目の男がおる、職質させてくれ!」大反響のNHKスペシャル単行本化。史上初の劇場型犯罪に挑んだ刑事たちのドキュメント。

目次

第1章 目撃者たちの告白(初動捜査のつまずき
兵庫県警 江崎グリコ社長誘拐事件
大阪府警 事情聴取と「不信」)
第2章 かい人21面相と三つの現場(犯人に最も肉薄した瞬間 焼肉「大同門」の夜
キツネ目の男あらわる 丸大食品脅迫事件
最後のチャンス ハウス食品脅迫事件
滋賀県警、知られざる極秘捜査)
第3章 時効のその日まで(拡散する捜査 「B作戦」の真相
似顔絵捜査 キツネ目の男を追って
ブツ捜査 科学捜査の限界
微物捜査 時効さえなければ
捜査幹部はこう語る 藤原享・元警察庁捜査一課長「失敗に学ぶ」・四方修・元大阪府警本部長の「反論」)
第4章 犯人は誰なのか?(27年ぶりに浮かぶ犯人像 音声テープ最新分析
壊れた警察の「見立て」
なぜ未解決に終わったのか)


関連DVD・・・『NHKスペシャル 未解決事件 グリコ・森永事件』(DVD/出演・上川隆也&大杉漣ほか/2012.2)
★2012.6.13 (No.235) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『刑務所で死ぬということ 無期懲役囚の告白』
(中央公論新社/単行本/美達大和/2012.5)


「10年、15年なんてあっという間だよ」と言う長期刑囚たち。獄で老い、獄で死ぬことが決まった人間は、何を考えて生きるのか。

著者・美達大和・・・1959年生まれ。無期懲役囚。現在、刑期10年以上かつ犯罪傾向の進んだ者のみが収容される「LB級刑務所」で服役中。罪状は2件の殺人。著者の他の著書・・・ 『人を殺すとはどういうことか 長期LB級刑務所・殺人犯の告白』(新潮社/2009) / 『死刑絶対肯定論 無期懲役囚の主張』(新潮新書/2010)

刑務所での収容分類については犯罪関連用語の基礎知識 [か行] 刑務所を参照。
★2012.6.6 (No.234) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『狭山事件 50年目の心理分析 証言に真相あり』
(勝どき書房/単行本/殿岡駿星/2012.6)


400字詰め原稿用紙に換算するとざっと約1200枚になるデータ中心の心理分析で真実を浮き彫りにする。

著者・殿岡駿星・・・1942年、静岡県浜松市生まれ。1968年、明治大学文学部を卒業後、朝日新聞社に記者として入社。2002年、同社退社。現在、合資会社・勝どき書房編集長。主な著書・・・『狭山事件の真犯人』(デジプロ/2005) / 『新聞記者はなぜ殺されたのか』(勝どき書房/2006)

目次

冤罪の怒り篭れる
「超スピード」の届け出
脅迫状の内容分析
佐野屋の「逃走トリック」
ゴムひもの発見
泥の棺
証拠品の「散逸発見劇」
関本三郎巡査部長の「活躍」
善枝さんはどこで殺されたのか
加佐志街道「澤の道」の目撃証言〔ほか〕

関連ページ・・・狭山事件
★2012.5.30 (No.233) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『証拠調査士は見た! すぐ隣にいる悪辣非道な面々』
(宝島社/単行本/平塚俊樹/2012.5)


警察や弁護士が手を出せない事件を解決に導くのが証拠調査士。警察は“事”が起こってからでないと動かない。弁護士は法律のアドバイスをするのみ。そこで日々の事件に立ち向かっているのが証拠調査士。その事件は信じられないことばかり。子どもにランドセルを背負わせて麻薬の密売。集団心理で訴えられないことをいいことに女子寮専門強姦魔。一流商社が裏で手を引く老舗乗っ取り。いまだに警察内にはびこるオウムシンパなど証拠調査士しか知らない表に出ない事件とその悪辣非道な面々を暴く。そして最後に、事件やトラブルに巻き込まれない方法と巻き込まれたときの対処法を伝授。あっと驚くあなたの隣にある事件ばかり。

著者・平塚俊樹・・・証拠調査士(エビデンサー)。武蔵野学院大学客員教授。大学卒業後、大手不動産会社と東証2部上場メーカーに勤務。在職中、営業職ながらクレーム処理も担当する中、暴力団もかかわるあまりにも悪質な事件が多発したために、警察の暴力団対策課にて対応トレーニングを積む。そして、その対応能力の高さから、たった一人で悪質クレームの全てに数年間対応することになる。その後、自ら欠陥住宅を買ってしまったことにより、6人の弁護団を組んだ大手ゼネコンを相手にこちらの弁護士も逃げ出すほどの死闘を演じ、最終的に完全勝利。これらの経験からトラブル解決のノウハウを確立する。著者の他の著書・・・ 『Lawより証拠 ある「証拠調査士」の事件簿』(総合法令出版/平塚俊樹/2008)
★2012.5.23 (No.232) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『人殺し大百科 <新装版>』
(データハウス/単行本/ホミサイドラボ/2012.5)


「人殺し」を凶器・手段などで分類。殺人学の概論にはじまり、豊富な「人殺し」事例の検証を試み、殺しの《意匠》を純粋に突きつめた「人殺し」の研究書。

目次

■序章 《人を殺す》ということ
■1章 刃物による刺殺・斬殺
■2章 窒息死とは 絞殺・扼殺
■3章 溺死と溺殺のプロセス
■4章 毒物をめぐる現実
■5章 焼死と焼殺
■6章 感電による処刑・殺人
■7章 銃器と銃撃事件
■8章 爆弾と爆発物
★2012.5.16 (No.231) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『悪いヤツを弁護する』
(亜紀書房/単行本/アレックス・マックブライド/2012.5)


英国司法では、バリスタ(法廷弁護士)は検事にもなれば、弁護士にもなる。どちらの側についても、知恵の限りを尽くし、陪審員の心証を良くしようと格闘する。しかし、いつの間にか、肝心の“真実”がどこかへと姿を消してしまう。新米バリスタの悲喜こもごもを赤裸々につづりながら、「公平な裁判とは?」と優しく問う快著。
★2012.5.9 (No.230) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『ショージとタカオ』
(文藝春秋/単行本/井出洋子/2012.4)


50歳を過ぎて仮釈放でシャバに出た布川事件の元被告2人。
ノッポとチビの“冤罪コンビ”が社会と格闘、再審無罪を勝ち取るまで。

布川(ふかわ)事件・・・1967年(昭和42年)8月30日朝、茨城県北相馬郡利根町布川で独り暮らしだった大工の玉村象天(しょうてん/62歳)が自宅で遺体で発見された。遺体の死亡推定時刻は8月28日の午後7〜11時ころであるとされた。死因は絞殺による窒息死であると判明した。玉村は個人的に金貸しを行っており、現金もしくは借金の借用書などが盗まれた可能性があった。唯一判明したのは玉村が普段使用していた「白い財布」が発見されなかったことである。殺害があったとされた28日の午後8時ころ、玉村の自宅付近で不審な2人組の男性の目撃情報があり、その情報から桜井昌司(しょうじ/当時20歳)と杉山卓男(たかお/当時21歳)が別件逮捕され、2ヶ月後に起訴された。公判で被告の桜井と杉山は「自白は警察に強要されたものである」として全面否認したが、1970年(昭和45年)10月6日、水戸地裁土浦支部は無期懲役の判決。1973年(昭和48年)12月20日、東京高裁では「ほかに犯人がいるのではないかと疑わせるものはない」として控訴を棄却。1978年(昭和53年)7月3日、最高裁で上告が棄却され、桜井と杉山の2人の無期懲役が確定した。収監された桜井と杉山の2人は1996年(平成8年)11月に仮釈放されたが、現在まで無実を訴えており、民間人の有志による「布川事件守る会」が2001年(平成13年)12月6日、第2次再審請求を水戸地裁土浦支部に申立て、2005年(平成17年)9月21日、水戸地裁土浦支部が再審開始を決定した。これに対して検察側が東京高裁に即時抗告したため、再審開始決定の是非に関する審理が行われたが、2008年(平成20年)7月14日、東京高裁(門野博裁判長)は再審開始決定を支持し、検察側の即時抗告を棄却した。これを受けた検察側は最高裁判所に特別抗告したが、2009年(平成21年)12月15日、最高裁(竹内行夫裁判長)は検察側の特別抗告を棄却し再審開始が確定。2011年(平成23年)5月24日、水戸地裁土浦支部は「現場で発見された毛髪や指紋は、2人のものと類似しているとはいえず、客観的証拠は存在しない」などとして、2人に対し無罪を言い渡した。一方、再審公判で争われなかった窃盗などの罪については、有罪認定を覆さず、2人にそれぞれ懲役2年・執行猶予3年の判決を言い渡した。

著者・井手洋子・・・佐賀県出身。明治学院大学文学部卒業。1985年、ドキュメンタリー映画の世界に入る。羽田澄子監督などの助監督を務めた後独立し、フリーの映像ディレクターとして企業PRを中心に活動。『仕事 君はどう思う?』『東京のモダニズム建築 学校篇』など120本以上の作品を手がける。初の自主製作ドキュメンタリー映画である『ショージとタカオ』は2011年3月に劇場公開され、文化庁映画賞文化記録映画大賞、毎日映画コンクールドキュメンタリー映画賞など数々の映画賞を受賞した。

目次

序章 「壁のうた」コンサート
第1章 ショージとタカオの仮釈放
第2章 獄中の青春
第3章 壁は外にもあった?
第4章 事件の夜
第5章 犯人じゃないという証拠を探せ!
第6章 伴侶現れる
第7章 私の挫折とショージとタカオ
第8章 快挙!そして…
第9章 フツーのおじさんになる日

関連書籍・・・
『舵のない船 布川事件の不正義 [新装版]』(現代人文社/伊佐千尋/2010)
★2012.5.3 (No.229) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『悪魔のささやき「「オレオレ、オレ」 日本で最初に振り込め詐欺を始めた男』
(光文社/単行本/藤野明男/2012.4)


「振り込め詐欺を偶然、生み出してしまいました」

「身内に成りすまして詐欺を働くのは古典的手法だけど、架空の銀行口座に振り込ませるような凝ったやり方をしたのは、時期から見てもおまえらが初めてだなあ」
東京・葛西警察署留置場での取調べ中、担当刑事が僕に言いました。
「おかげでおまえらのやり方を真似た詐欺が爆発的に増えて、 今や社会問題になってるぞ。どうしてくれるんだ?」
「本当にすみません……」
ただただ、うなだれるしかありませんでした。
(「はじめに」より)


著者・藤野明男・・・振り込め詐欺を日本で最初に始めた集団の一人。2004年3月に逮捕され、2007年3月に出所。現在は親と一緒に仕事をしている。

目次

はじめに

序 章 すべては渋谷の街から始まった
北関東の片田舎に住む少年が抱いた東京への憧れ/東京の私立高を受験する/合コン漬けの高校生ライフ/渋谷で築かれたイベントサークルのネットワーク

第一章 「闇金」に手を染める2002→2003年
カジノバーを訪れる[2002年新春・19歳]/カジノバーの常連客/天国と地獄が交錯する人間模様/人生を変えるヤバい出会い/杉並区にある闇金の事務所を訪れる/闇金会社の不思議な日常/闇金の手口、そしてボッタクリ詐欺

第二章 「振り込め詐欺」を生み出す2003年早春
振り込め詐欺のスタート/振り込め詐欺の巧妙な手口/振り込め詐欺の発覚と第 1期の終了

第三章 新たな「振り込め詐欺」組織を結成する2003年夏
ニュープロジェクトへの誘い/犯行仲間が集まった/振り込め詐欺・第2期のスタート/別事業への夢が広がり、振り込め詐欺をやめられなくなった

第四章 警察に追われる2004年初め
ユウチャンの逮捕/任意同行で取調べを受ける/自首

第五章 長崎での勾留 2004年春〜夏
長崎・浦上署に入る/ユウチャンとの便箋のやりとり/父親や後輩たち、元カノ(元彼女)が来てくれた/長崎拘置支所、そして東京への移監

第六章 東京での勾留生活2004→2006年
東京・葛西警察署の留置場へ/葛西署留置場での人間模様/思わぬ有名人の収容/東京拘置所の独居房へ[2004年 12月21日]/孤独な独居房生活と、あの元教祖に関する情報/雑居房への移動。そして判決が出た[2005年8月→2006年2月]

第七章刑務所生活@受刑者の味わう辛さ2006年早春→2007年夏
川越少年刑務所[2006年2月→2006年5月]/分類面接、そして振り分けられる刑務所は?/松本少年刑務所への移送[2006年5月]/新入訓練を経て内掃工場へ/雑居房内でイジメに遭う/学生時代の友人・トシキとの再会/トシキのありがたい友情/房生活における独自ルール

第八章 刑務所生活A仮釈放へ向かって2006年秋→2007年早春
運動会の日に仮釈への動きも始まった/松本少年刑務所での年越し[2007年1月]/出所の準備[2007年2月→2007年3月]

第九章 刑期を終えて2007→2008年
シャバへ[2007年3月22日]/日常生活を始める[2007年]/担当刑事との再会[2008年]

最終章 振り込め詐欺の現状と防御策2012年
振り込め詐欺の犯罪定義とは?/ちょっとしたビジネスを始める感覚で犯罪に手を染めてしまう/役割ごとに別組織になっていることが、さらに摘発を難しくしている/暴力団関係者の関与が低い詐欺グループが圧倒的に多い/犯罪が行われるのは半分以上が首都圏、そして被害者の8.9割は70代以上/振り込め詐欺に引っかからない防止策とは?

おわりに

★2012.4.25 (No.228) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『毒婦。 木嶋佳苗100日裁判傍聴記』
(朝日新聞出版/単行本/北原みのり/2012.4)


マスコミは彼女を「毒婦」と呼んだが、木嶋佳苗とはいったい何なのか。裁判を通して実像に迫っていく。

著者・北原みのり・・・神奈川県生まれ。横浜市鶴見区で育ち、その後、千葉県に転居。津田塾大学国際関係学科を卒業後、日本女子大学大学院で教育心理学を専攻。性教育を研究した。同大学院を中退後、出版社でのアルバイト、雑誌編集やフリーライター職などを経験。1995年(平成7年)、友人とともにホームページ製作会社を設立。1996年(平成8年)、女性向けのアダルトグッズショップ 『ラブピースクラブ』を設立。他の著書に『フェミの嫌われ方』(新水社/2000) / 『ブスの開き直り』(新水社/2004)などがある。

関連書籍・・・
『別海から来た女 木嶋佳苗 悪魔祓いの百日裁判』(講談社/佐野眞一/2012)
『木嶋佳苗劇場 完全保存版! “練炭毒婦”のSEX法廷大全』(宝島社/神林広恵+高橋ユキ(霞っ子クラブ)[編著]/2012)
『木嶋佳苗 危険な愛の奥義』(徳間書店/高橋ユキ/2012)


関連ページ・・・首都圏連続不審死事件
★2012.4.18 (No.227) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『筆跡鑑定人は見た! あの大事件の舞台裏』
(主婦の友社/単行本/吉田公一/2012.4)


ロッキード事件、日本赤軍、金賢姫、竹下登ニセ念書、幻の“新”教育勅語・・・・・・元科警研の文書・筆跡鑑定のトップが今明かす、あの大事件の誰も知らない真相! また、筆跡・印章・偽札・改竄文書・印刷物など、多岐に渡る文書鑑定の手法を解説し、遺言書偽造・不正会計などの身近な民事のトラブルへの対処法も紹介。偽サイン、偽印鑑、偽札など、世の中に出回る巧妙な偽文書はこうして見破る! 筆跡鑑定の権威が語る驚異の科学捜査テクニック!

目次

第1章 筆跡鑑定(世間を騒がせた竹下首相の署名は他人の筆跡
大韓航空機爆破事件の犯人「蜂谷真由美」の異名筆跡 ほか)

第2章 印章鑑定(金融機関を悩ますハンのみだれ
偽造印影は窓口で見破れる ほか)

第3章 不明文字・改ざん文書鑑定(出入国スタンプで小遣い稼ぎ
密入国を図ったタイの女性軍団 ほか)

第4章 印刷物・複製文書鑑定(この壁は越えられない、鑑定の限界
なぜわかるコピー文字の筆圧 ほか)

第5章 文書鑑定雑学集(背伸びが過ぎた鑑定書の内容
日本語版もある「FBI御案内」 ほか)
★2012.4.11 (No.226) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『どん底 部落差別自作自演事件』
(小学館/単行本/高山文彦/2012.4)


おぞましい言葉に満ちたハガキ44通。「犯人」は「自分」だった。複雑に歪んだ「現代の部落差別」の構造を抉る事件ノンフィクション。


部落差別自作自演事件・・・2003年(平成15年)12月から2009年(平成21年)1月まで、福岡県立花町教育委員会社会教育課に嘱託職員として勤務する被差別部落出身の男性Aに対し、44通もの差別ハガキが送りつけられた。男性Aと部落解放同盟は犯人特定と人権啓発のために行政や警察を巻き込んで運動を展開していったが、2009年(平成21年)7月に偽計業務妨害罪で逮捕された犯人は被害者であるはずの男性A自身だった。5年半もの間、男性Aは悲劇のヒーローを完全に演じきった。被害者として集会の壇上で涙ながらに差別撲滅と事件解決を訴え、自らハガキの筆跡や文面をパソコンを駆使して詳細に考察し、犯人像を推測していた。関係者は誰も男性Aの犯行を見抜くことができなかった。2009年(平成21年)10月26日、福岡地裁八女支部は男性Aに対し懲役1年6ヶ月・執行猶予4年の判決を下した。

著者・高山文彦・・1958年、宮崎県高千穂町生まれ。法政大学文学部中退。1999年、ハンセン病で早逝した作家の評伝『火花 北条民雄の生涯』(飛鳥新社刊のちに角川文庫)で第31回大宅壮一ノンフィクション賞と第22回講談社ノンフィクション賞を受賞。

目次

魔物の誕生
最初の出来事
解放運動家とはなにか
悲劇のヒーロー
一家総出のキャンペーン
自演の終わり
自白は二度おこなわれる
糾弾の果て
★2012.4.4 (No.225) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『人間の闇 日本人と犯罪<猟奇殺人事件>』
(角川新書oneテーマ21/一橋文哉/2012.3)


酒鬼薔薇事件、秋葉原事件、宮崎勤事件、無差別ネット殺人、世田谷一家惨殺事件・・・。狂気事件に隠された本当の真実とは何か? 未解決事件、猟奇殺人事件に果敢に挑む著者が日本人と犯罪の真相のすべてを抉る!

関連ページ・・・神戸須磨児童連続殺傷事件 / 宮崎勤幼女連続殺人事件 / 世田谷一家惨殺事件
★2012.3.28 (No.224) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『刑務所なう。 ホリエモンの獄中日記195日』
(文藝春秋/単行本/堀江貴文/2012.3)


2011年6月20日、モヒカン頭で収監されてから発信しつづけた、前代未聞の「リアルタイム刑務所日記」。獄中メシで何キロやせた? オリンパス事件どうなの? シャバを見つめた「時事ネタ時評」と、刑務所での読書記録150本も掲載。娑婆にいるスタッフや協力者に助けられ、私自身がずっと関わってきたインターネットによる情報発信が普及したおかげで、ボールペンで便箋に書いた原稿が、メールマガジンやTwitterのつぶやきにトランスフォームされて世界に拡散することになった。その結果が本書である。――「塀の中から皆さんへ」より

著者・堀江貴文・・・1972年、福岡県生まれ。ライブドア元代表取締役社長。東京大学文学部在学中、ライブドアの前身「オン・ザ・エッヂ」を設立。2004年に社名を「ライブドア」に変更、旧近鉄バファローズの買収を表明して脚光を浴びる。2005年、ニッポン放送の筆頭株主となり、グループ会社のフジテレビと騒動に。2006年、証券取引法違反の疑いで東京地検特捜部に逮捕され、2007年に懲役2年6ヶ月の実刑判決。2011年、最高裁が上告を棄却。6月20日に収監され、長野刑務所にて服役中 。他の著書に『収監 僕が変えたかった近未来』(朝日新聞出版/2011)など多数。

目次

収監報告誌 モヒカン頭で報道陣にもみくちゃにされて出頭!
1週目 6/21→6/27 東京拘置所で丸刈りに。山下清みたいだよ…。
2週目 6/28→7/3 長野刑務所へ!いろいろ切ない夢を見た…。
3週目 7/4→7/10 ずっと一人で独房。ウツになってきた感じ…。
4週目 7/11→7/17 作業報奨金267円。安っ。100倍を寄付!
5週目 7/18→7/24 天突き体操はキツイ!体重10キロ減目前だ。
6週目 7/25→7/31 介護衛生係に配役。鈴木宗男さんと同じ!
7週目 8/1→8/7 忙しいのはいいことだ。休日返上で働きたい。
8週目 8/8→8/14 なんだか今日は下の世話が多かったな…。
9週目 8/15→8/19 刑務所も夏休み。羽アリが大量で寝苦しい!〔ほか〕
★2012.3.21 (No.223) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『FBI 秘録』
(原書房/単行本/ロナルド・ケスラー/2012.3)


フーヴァーの性癖、モンローの密会、ディープ・スロートの正体、ヒラリーの罵倒、ビンラディンの最期・・・。一部の例外を除き、情報源はすべて実名登場。テロを未然に防止し、大量破壊兵器から国民を守るアメリカ連邦捜査局の姿が明らかに。

著者・ロナルド・ケスラー(Ronald Kessler)・・・1943年、ニューヨーク市生まれ。『ワシントン・ポスト』と『ウォールストリート・ジャーナル』の事件記者として、ジョージ・ポーク賞の国内報道部門をはじめ、これまでジャーナリスム賞を17回受賞。『シークレット・サービス 大統領警護の舞台裏』(並木書房/2010)などの著書でニューヨーク・タイムズ紙のベストセラーリスト入りを果たしている。現在はオンラインニュースサービスのニュースマックスドットコムの首席ワシントン特派員を務める。

目次

戦術作戦部隊
沈黙の掟
赤いドレス
極秘ファイル
ウォーターゲートビル侵入事件
ディープ・スロート
プロファイリング
3P
CIAのモグラ
もっとローストビーフを!
ウェイコ事件
奥さまは共同長官
ヴィンス・フォスター自殺の裏側
下っ端捜査官
ハンセン逮捕
『アメリカを売った男』
出所不明の大金
「はい、こちら殺人課のミュラー」
情報部の理念
ザ・センター
追跡
武装した危険な敵
聖戦を説く
ポンジー詐欺の年
仕掛け網
ヨット・パーティー
クリスマスの日
スーツケース核爆弾
スパイ交換
ジェロニモ
最大の脅威
★2012.3.14 (No.222) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『警視庁似顔絵捜査官001号』
(並木書房/単行本/戸島国雄/2012.2)


カメラを持たせたら恐いものなし。御巣鷹山日航事故、オウム真理教の捜査をはじめ幾多の事件事故現場で貴重な写真記録を残した「鑑識の鬼」戸島国雄。その一方で「似顔絵のトンちゃん」として、似顔絵捜査のきっかけを作ったことでも知られ、これまでに千枚近い似顔絵を作成し犯人逮捕につなげた。また生前の面影をとどめない身元不明死体や、横顔しか見えない防犯カメラの映像から描いた似顔絵が難事件を解決に導いた。

著者・戸島国雄(とじま・くにお)・・・1941年1月1日生まれ。1960年、自衛隊に入隊。1965年、警視庁巡査。1970年、警視庁刑事部鑑識課現場写真係。三島由紀夫割腹事件、三菱重工爆破事件、ホテル・ニュージャパン火災、日航123便墜落事故、オウム真理教関連事件などを担当。警視総監賞部長賞等107回受賞。1995年、JICA(国際協力機構)の専門官として、タイ内務省警察局科学捜査部に派遣され、犯罪捜査および現場鑑識の指導にあたる。1998年、帰国。警視庁似顔絵捜査官が設立され、犯人手配用の似顔絵専門捜査官001号の任命証を警視総監より受理。2001年、警視庁を定年退職。2002年3月、JICAのシニアボランティアとしてふたたびタイに渡る。警察大佐を拝命。2004年12月、スマトラ島沖地震による大津波発生の直後から被災地に入り、遺体の身元確認に従事。2011年7月、帰国。他の著書に『タイに渡った鑑識捜査官 妻がくれた第二の人生』(並木書房/2011)がある。

目次

1 蒲田警察署勤務
2 似顔絵との出会い
3 独学で似顔絵を始める
4 似顔絵捜査官
5 昭和の事件簿
6 タイ警察派遣
「あとがき」に代えて 似顔絵捜査官001号

★2012.3.7 (No.221) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『殺人の歴史 「知の再発見」双書154』
(創元社/単行本/著者・ベルナール・ウダン/監修者・河合幹雄/2012.3)


紀元前から多くの知識人が指摘してきた人間の内奥に潜む「悪意」について言及し、なかでも殺人事件における加害者と被害者、周囲の反応などに絞って詳説する。近現代に起こった数々の殺人事件を紹介しながら、殺人にまつわる法廷での争い、印刷技術の発達に伴う情報伝達手段の推移と新聞の三面記事の起こり、犯罪学という学問の始まり、文学や映画と殺人の関係性などについても幅広く論じた好著。

著者・ベルナール・ウダン・・・1934年生まれ。ジャーナリスト、エッセイスト、歴史家。三面記事の歴史に関心をもつ。著書に『犯罪と金』(ラフォン社/1975) / 『犯罪の大いなる謎』(ファルノ社/1975) / 『シャーロック・ホームズに関する調査』(ガリマール社/1997) / 『ロンドンの歴史、栄光、苦難、謎』(ペラン社/2003)などがある。

監修者・河合幹雄・・・桐蔭横浜大学教授。専門は基礎法学、法社会学。1960年生まれ。京都大学理学部卒業。1991年、京都大学大学院法学研究科博士課程修了。パリ第2大学博士課程留学。


目次

第1章 殺人の記憶
第2章 法廷という舞台
第3章 新聞の1面を飾る殺人
第4章 殺人と文学
第5章 殺人と映画
資料篇 殺人をめぐる考察
★2012.2.29 (No.220) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『板橋資産家殺人事件の真相 「日中混成強盗グループ」の告白』
(宝島社/単行本/李策[リ・チェク]/2012.2)

犯罪への協力を依頼された情報屋が明かす“迷宮入り”殺人放火事件の全真相。日中クライムネットワークの戦慄の実態。第1級の犯罪ノンフィクション。

板橋資産家殺人事件・・・2009年(平成21年)5月25日午前0時半ごろ、東京都板橋区の民家から出火し全焼。現場から不動産賃貸業の瀬田英一(74歳)と妻の千枝子(69歳)の遺体が発見され、その焼け跡には約1000万円の1万円札が残されていた。2人の遺体は頭を鈍器のようなもので何度も殴られた上に胸や腹を刃物で刺されており、防御創(加害者に抵抗したためにできた傷のことで防衛創とも言う)がほとんどなかった。瀬田が普段外出で着用するネクタイやワイシャツ姿でなかったことから、室内で襲われた可能性がある。調べによると、犯人は24日午後11時ごろから25日午前0時過ぎまでの約1時間に侵入したものとみられている。 瀬田は地元では有名な資産家として知られた人物であり、アパートや土地など約80物件を所有していて、不動産関連の収入で生活していた。瀬田は毎晩のように夜の街にくり出し、一晩に100万を使ったこともあった。その一方で、昼は引きこもって電話に出ないこともあり、近所付き合いは少なかった。人が訪ねてきても応じることはなく、近所の住民は連絡を取るために、ファクスを送ったり、手紙をポストに入れるなどしていたという。用心深い性格だった瀬田は常に敷地の4ヵ所の出入り口を施錠し、他人を敷地内に入れることは滅多になく、出入り口には赤外線センサーが設置され、人が出入りすれば室内にいる人間に音で知らせる仕組みになっていた。 千枝子は板橋区内のパチンコ店に24日午後10時45分の閉店ごろまでいて、その後、自分の車で帰宅。瀬田は火災があった25日未明に豊島区の飲食店に行く予定になっていた。 不動産関係者らの話によると、瀬田は数年前、自分が所有していた自宅近くの土地について、借り主から「暴力団関係者が転売目的で買いたがっている」との話を聞き、「あんなやつらに売るか」と拒否。暴力団関係者が瀬田を脅すなどトラブルになったことがあったという。

著者・李策(リ・チェク)・・・1972年、東京で在日朝鮮人3世として生まれる。現在は韓国籍。大学まで民族教育を受け、朝鮮総連での活動を経てフリーライターに。『別冊宝島』『FRIDAY』『週刊現代』『SPA!』などを足場に、経済事件、在日外国人問題、朝鮮半島問題などをフォローしている。韓国語に堪能で、中朝国境や韓国ウラ社会での取材も得意とする。他の著書に
『激震! 挑戦総連の内幕 「9.17拉致自白」で変わったのか』(小学館文庫/2003)などがある。

目次

第1章 情報屋
第2章 魔物が棲む町
第3章 真犯人の供述
第4章 惨劇前夜
第5章 暴力団崩れ
第6章 残留孤児の血脈
第7章 首魁の正体

関連サイト・・・警視庁事件ファイル板橋区弥生町所在の住宅内殺人及び放火事件
★2012.2.22 (No.219) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『わたしが出会った殺人者たち』
(新潮社/単行本/佐木隆三/2012.2)


幾多の殺人者に取材を重ねてきた犯罪小説の先駆者が古希を越えて迫る「人間の正体」。

著者・佐木隆三・・・1937年(昭和12年)、朝鮮咸鏡北道(現在は朝鮮民主主義人民共和国)生まれ。1941年(昭和16年)、帰国。福岡県立八幡中央高校卒業後、八幡製鉄所(現・新日本製鐵)に入社。勤務の傍ら、執筆活動を続ける。1964年(昭和39年)、退社。『ジャンケンポン協定』 (新日本文学賞) / 『復讐するは我にあり 上』 / 『復讐するは我にあり 下』(直木賞)など著書多数 。

目次

『復讐するは我にあり』の西口彰
『曠野へ死刑囚の手記から』の川辺敏幸
『千葉大女医殺人事件』の藤田正
『悪女の涙 逃亡十五年』の福田和子
『連続幼女誘拐殺人事件』の宮崎勤
『別府三億円保険金殺人事件』の荒木虎美
『身分帳』の山川一こと田村明義
『一〇八号 連続射殺事件』の永山則夫
『和歌山毒カレー事件』の林真須美
『オウム真理教事件』の麻原彰晃こと松本智津夫
『トビ職仲間と五人殺し』の木村繁治
『黒い満月の前夜に』の尊・卑属
『中洲美人ママ連続夫殺し』の高橋裕子
『奈良女児誘拐殺人事件』の小林薫
『深川通り魔殺人事件』の川俣軍司
『大阪池田小大量殺人事件』の宅間守
『下関駅通り魔殺人事件』の上部康明
『偉大なる祖国アメリカ』の安田幸行


関連ページ・・・西口彰連続強盗殺人事件 / 宮崎勤幼女連続殺人事件 / 荒木虎美3億円保険金殺人事件 / 永山則夫連続射殺魔事件 / オウム真理教 / 奈良女児誘拐殺人事件 / 深川通り魔殺人事件 / 下関通り魔殺人事件
★2012.2.15 (No.218) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『監獄行政官僚と明治日本 小河滋次郎研究』
(慶応義塾大学出版会/単行本/小野修三/2012.2)


明治期の監獄行政官である小河滋次郎(1864〜1925)の伝記的研究。日欧の文化接触における諸問題や統治の思想史的系譜にも目を配りつつ、一人の行政官僚の軌跡を近代国家による統治と社会における自治とのせめぎ合いの中に描き出す。日本の刑事施設に画期的な改良をもたらした「監獄法」(明治41年)制定への尽力や救貧・感化・慈善を行う社会事業と行政との共働構想などを論じ、歴史的事実を越えた小河滋次郎の思想・行動の意義を雄弁に物語る好著。

著者・小野修三・・・慶應義塾大学商学部教授、博士(法学)。1948年生まれ。1976年、慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。主要業績に『公私協働の発端 大正期社会行政史研究』(時潮社/1994) / 「明治・大正期における岡山孤児院と大阪汎愛扶植会」(『慶應義塾大学商学部創立五十周年記念日吉論文集』2007年)/ 「E・ハワードと西村伊作 田園都市の誕生と日本における受容をめぐって」(『慶應義塾大学日吉紀要社会科学』第20号、2009年)などがある。

目次


第一章 若き日の小河滋次郎
第二章 言論の人 小河滋次郎
第三章 監獄事務官 小河滋次郎
第四章 小河滋次郎の行刑思想
第五章 小河滋次郎における統治と自治
第六章 小河滋次郎とその時代
第七章 小河滋次郎の現代的意義について

参考文献
略年譜


索引
★2012.2.7 (No.217) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『アイスマン 史上最大のサイバー犯罪はいかに行われたか』
(祥伝社/単行本/ケビン・ポールセン/2012.2)

ネット上の闇の巨大市場で「帝王」と呼ばれたスーパーハッカー“アイスマン”とは何者か? その犯行の手口、FBIとのせめぎ合いを元ハッカーの著者が明らかにした!

2007年9月、クレジットカード詐欺の帝王“アイスマン” が逮捕された。本名はマックス・バトラー(当時35歳)。アイスマンはセキュリティの甘いWi‐Fiネットワークを悪用してコンピュータをハッキングし、200万件ものカード番号を盗み出した。そして偽造カードを作り、キャッシャーと呼ばれる仲間に買い物をさせ、ネットオークションで売りさばいた。また、「ダンプ」と呼ばれるカード情報をウェブサイトで“同業者”たちに売った。これにより金融機関が受けた損害額は推定8600万ドル(当時のレートで約100億円)にのぼる。アイスマンには2010年、サイバー犯罪史上最も重い懲役13年の刑が下された。しかしアイスマンはハッキングでFBIに協力するという“善玉”の顔も持っていた。自らもハッキングによる逮捕歴のある元ハッカーのジャーナリストが謎に包まれていた“帝王・アイスマン”の実像を明らかにする!
★2012.2.1 (No.216) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『横田めぐみさんと金正恩』
(三五館/単行本/飯山一郎/2012.1)


マスメディアでは絶対伝えられない「北朝鮮の虚実」と、その立証!

著者・飯山一郎・・・1946年、栃木県真岡市出身。立教大学卒業。元上海鉄道大学教授。国際アナリストにして、エコ推進実践家、発明家、古代史研究者、化学者、株式売買指南役、平和主義者……と、超のつくマルチ人間。農業と環境の21世紀を見据えたバイオ技術の研究に注力し、1999年には自ら発明した「グルンバ・エンジン」による乳酸菌・発酵菌の大量培養法を確立。この技術が求められ、日中韓を忙しく飛び回る現在。「光合成細菌&乳酸菌」での「放射能浄化」にも救国の期待がかかる。


◎本書の中の「事象」の一端
・横田めぐみさんは今も生きている!
・誰も言えない「めぐみさんと金正恩」の関係
・キーマン呉克烈という老軍人に注目!
・金正恩は筋金入りの軍人であり、諜報のプロだ
・金正恩が握る超小型爆弾の性能を探る
・済州島から丸見えの北朝鮮であった
・タングステンとウランで大儲けする北朝鮮
・金正恩は胡錦濤とサシで朝食を摂る間柄
・大韓航空機爆破工作の準備期間の出来事
・平壌で活躍する在朝日本人と移住イスラエル人の行方
・胡錦濤も温家宝も習近平も、金正恩のために働く
★2012.1.25 (No.215) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『マスコミはなぜ「マスゴミ」と呼ばれるのか(補訂版)
権力に縛られたメディアのシステムを俯瞰する』
(現代人文社/単行本/日隅一雄/2012.1)


東電福島第一原発事故で露呈したマスコミのふがいなさ。その原因となっている日本独自のメディア規制システムの全貌を明らかにし、真に独立したマスコミとなるための打開策を提言。

目次

序 章 マスゴミになってしまったマスメディア
第1章 政府・企業によってがんじがらめの日本のマスメディア状況~三大規制システムを中心に~
第2章 さらなる強化が懸念される表現の自由への制約
第3章 放送・通信の内容規制が行われる通信・放送の融合法制
第4章 システムの改善への展望
第5章 民主党政権の誕生による期待と失望
終 章 東電福島第一原発事故後の報道に対する失望を希望に変えるために

★2012.1.18 (No.214) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『ある警察官の昭和世相史』
(草思社/単行本/原田弘/2011.12)


戦後昭和を警察官として過ごした著者がその職務を通じて眺めた東京の世相や警察官という職業を振り返る。

著者・原田弘・・・昭和2年、東京杉並に生まれる。日大三商卒業。昭和19年、警視庁消防部に採用され、杉並消防署に配属される。昭和20年9月、警視庁警察官へ転官、表町警察署(現在の赤坂警察署)に勤務する。昭和24年、警視庁よりMP同乗警察官として派遣され、昭和34年まで勤める(途中、中断あり)。以後、パトカー勤務、築地署勤務などを経て、昭和60年、通信指令本部勤務を最後に退職。現在、杉並郷土史会名誉会長、警察政策学会(警察史研究部会)会員。

目次

1章 警察官の仕事(警察練習生時代
GHQの警備 ほか)
2章 昭和の警察官の服装・必携品(警察官の制服)
3章 警察官の素顔と生活(警察で働く人々
警察官の給料と昇進 ほか)
4章 警視庁の歴史(警視庁)
★2012.1.11 (No.213) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『戦前の猟奇残虐事件簿』
(河出文庫/志村有弘/2011.6)

戦前の身の毛もよだつ怪事件を解説。稲葉小僧、男三郎少年臀肉切り取り殺人事件、まぼろし小僧、鈴弁事件、吹上佐太郎、説教強盗妻木松吉事件、贋造紙幣殺人事件など。


著者・志村有弘の他の著書・・・『松本清張事典 増補版(作家事典シリーズ)』(勉誠出版/2008) / 『戦前のこわい話』(河出文庫/2009)など。
★2012.1.4 (No.212) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『ゆれる死刑 アメリカと日本』
(岩波書店/単行本/小倉孝保/2011.12)


主要先進国で例外的に死刑を存続している二大国、アメリカと日本。廃止した州や死刑の方法を本人が選ぶ州もあるアメリカ。裁判員制度によって、誰もが死刑を宣告する立場となりうる日本。はたして死刑とはどういう刑罰なのか。日米両国で関係者に直接取材、死刑をめぐってゆれる、それぞれの思いを丹念にたどる。

著者・小倉孝保・・・1964年、滋賀県生まれ。関西学院大学社会学部を卒業し、1988年、毎日新聞社入社。福井支局、阪神支局、大阪本社社会部、東京本社外信部、カイロ、ニューヨーク両支局長を経て2010年4月より外信部副部長。主な著書に『初代一条さゆり伝説 釜ヶ崎に散ったバラ』(葉文館出版/1999) / 『戦争と民衆 イラクで何が起きたのか』(毎日新聞社/2008) などがある。

目次

第一章 執行の現場
第二章 死刑という断絶
第三章 遺された者の思い
第四章 取り返しつかぬ間違い
第五章 市民が裁く死刑
第六章 殺し方を巡る論議
第七章 死刑廃止の動き
最終章 議論のために
★2011.12.28 (No.211) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『踏みにじられた未来 御殿場事件、親と子の10年闘争』
(幻冬舎/単行本/長野智子/2011.12)

テレビ朝日系「ドキュメンタリー宣言」放送後、反響を巻き起こした御殿場事件。
その謎めいた事件の真相に迫った衝撃のノンフィクション!

御殿場事件・・・2001年(平成13年)9月16日、静岡県御殿場市の御殿場駅近くで、ある女子高1年生が「婦女暴行を受けた」として警察に訴えたことから始まる。身に覚えのない罪で10人の少年が次々に逮捕された。10人の少年は容疑を否認していたが、数日後には全員が自白させられ、容疑を認めた。だが、その10人のうち4人(事件当時高校2年生)は自白を撤回、無罪を主張して裁判に臨むことになった。少年全員が否認する中、不条理だらけの裁判は続けられ有罪判決が下る・・・・・・。しかし、物証は何ひとつなく、その少女の供述のみ。少年の親たちは我が子のアリバイを探すが、「親たちが口裏を合わせている」「証拠の捏造だ」と警察は一切裏付け調査を行わなかった。その後、親たちの努力の甲斐あって犯行があったとされる日時に少女と一緒にいた男性を突き止めるが、少女から出た言葉は「被害にあった日を間違えました。16日ではなく、その1週間前の9日でした」と言う不明瞭な証言だった。裁判所は少年たちの無罪主張を何一つ認めず、少女の訴因変更のみを認め、裁判を継続する。2005年(平成17年)10月27日、静岡地裁沼津支部で被告人4人に対し懲役2年の判決。2007年(平成19年)8月22日、東京高裁で被告人4人に対し懲役1年6ヶ月の判決。2009年(平成21年)4月14日、最高裁で被告人4人に対し上告棄却で懲役1年6ヶ月の刑が確定。他の残りの6人のうち4人(事件当時高校1年生)は少年院送致。うち1人(事件当時高校1年生)は不処分。うち1人(事件当時中学3年生)は懲役2年6ヶ月・執行猶予4年が確定。

関連サイト・・・著者・
長野智子blog御殿場事件・判決の矛盾

関連書籍・・・『冤罪File』(2008年9月号/キューブリック/季刊誌) / 『冤罪File』(2009年9月号/キューブリック/季刊誌)
★2011.12.21 (No.210) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『実録 本当にあった警察の心霊事件簿
元警視庁刑事が語る捜査の裏で実際に起こった超常現象の数々』
(学研パブリッシング/単行本/北芝健&川口友万/2011.11)


事件で犠牲になった人々の無念を晴らすために実践したサイキック捜査とはいったい何か。けっして調書には記されることのない超常現象を一挙大公開する。

著者・北芝健・・・早稲田大学卒業後、商社に勤務するも一念発起して警視庁入庁し、交番勤務の後、私服刑事となる。一方で鑑識技能検定にもパスし、警視庁の語学課程で優等賞をもらい、公安警察に転属したが、巡査部長昇任試験を拒否し、巡査のまま退職。ロス市警の捜査に協力したことから、アジア特別捜査隊と懇意になり、犯罪捜査をネイティブの英語で伝える語学力を身につける。現在は現場捜査の経験を活かし、複数の学校の講師として犯罪学を教える。プロファイリングの第一人者としてテレビのコメンテーターとしても活躍。日本安全保障・危機管理学会 顧問・教員&日本映画学校専任講師(犯罪学・国際関係論)&空手・護身術道場「修道館」館長。『ニッポン非合法地帯』(扶桑社/2003)など著書多数。

著者・川口友万(かわぐちともかず)・・・1966年、生まれ。富山大学理学部卒。サイエンスライター。“サイエンスにもっと笑いを!”がモットー。パソコン誌の編集者を経てフリーに。 著書に『大人の怪しい実験室 都市伝説の検証』(データハウス/2009)などがある。
★2011.12.14 (No.209) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『何が彼を殺人者にしたのか ある精神鑑定医の凶悪犯罪調書から』
(イースト・プレス/単行本/マイケル・ストーン/2011.11)


異常心理のメカニズム研究でも名高い超名医が殺人の病理レベルを22に分類、「サイコパスの仮釈放」という恐怖の大罪を医学的に糾弾する。

著者・マイケル・ストーン・・・コロンビア大精神科・外科部門、臨床精神科医学教授。刑務医として死刑囚を含む多くの服役囚との面談・診断を行った経験も持つ。600あまりの現実の凶悪犯罪調書を仔細に分析し、22のレベルの「階層」に区分したことで知られる。ディスカバリー・チャンネルの人気シリー『「Most Evil』ではホストを務めたほか、メディアへの露出も多い。


目次

1章 「平時の悪」という謎
2章 激情殺人の狂想曲
3章 反社会的人格による衝動的凶行
4章 「ホワイトカラー・サイコパス」による計画殺人
5章 1人では足りない 悪夢の無差別凶行
6章 「死の使い」による連続殺人
7章 連続殺人の方程式
8章 血族殺人のメカニズム
9章 悪の方程式の「ファクターX」とは
終章 善良な人びとが「邪悪」をはたらくとき
★2011.12.7 (No.208) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『未解決事件(コールド・ケース) 死者の声を甦らせる者たち』
(柏書房/単行本/マイケル・カブーゾ/2011.12)


1990年、ウィリアム・フライシャー、リチャード・ウォルター、フランク・ベンダーの3人は未解決の事件を独自に調査する「ヴィドック・ソサエティ」を結成する。彼らはそれぞれ、元FBIエージェントでアメリカ税関職員、元警察署の心理学者、法医学アーティスト。月に一度集まっては過去の残虐な未解決事件を独自に調査し解決に導いてきた。そんな凄腕のプロファイラーたちの名推理を描いたノンフィクション。

著者・マイケル・カプーゾ・・・1957年、アメリカ・ボストン生まれ。1916年にニュージャージーで実際に起きたサメの襲撃事件(小説および映画『ジョーズ』の元になった事件)を描いてベストセラーになった『Close to Shore』 など歴史に題材をとったノンフィクションを書く。フィラデルフィア・インクワイアラーやマイアミ・ヘラルドのコラムニストとして数々の賞を受賞。

目次

第1部 マーダー・ルーム(殺人捜査の権威たち
罪を逃れた男 ほか)
第2部 四人の少年(ある幼い少年の死 箱入り少年の事件その一
コミックブックの探偵たち 第一の少年 ほか)
第3部 ヴィドック・ソサエティ(メンバー集結
逮捕 ほか)
第4部 モンスター退治(サイコパスのところへ案内してくれ スコット・ダン事件その四
ビドル・ハウスの変人 ほか)
★2011.11.30 (No.207) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『秋葉原耳かき小町殺人事件 私たちは「異常者」を裁けるか』
(ワニブックスPULS新書/吉村達也/2011.2)

被害者が残した事件までの1年半のブログと裁判記録から事件の真相の解明にミステリー作家の吉村達也が挑む。

秋葉原耳かき小町殺人事件・・・2008年(平成20年)2月ころから東京・秋葉原の山本耳かき店に「ヨシカワ」と名乗る男が通い始めた。30分コースの料金は2700円で、耳つぼマッサージ、耳そうじ、頭部などのマッサージの順番で行う。「ヨシカワ」は店で売れっ子だった「まりな」を指名し、利用時間が5時間を超えることも度々で月に30万円以上を使ったという。「まりな」は1ヶ月に68万円も稼ぐ指名ナンバーワンの耳かき小町だった。2009年(平成21年)4月、「これだけ通っているんだ。付き合ってよ」「ヨシカワ」は「まりな」に執拗に交際を迫るが、断られ、店への出入りが禁止になった。だが、「ヨシカワ」は「まりな」の東京・西新橋の自宅前などで待ち伏せし、付きまといを繰り返すようになった。8月3日、「まりな」という名で働いていた江尻美保(21歳)と祖母の鈴木芳江(78歳)が自宅で「ヨシカワ」によって刺殺された。芳江は当日死亡。重体だった美保は9月7日に死亡が確認された。この事件で現行犯逮捕されたのは千葉市美浜区に住む会社員で「ヨシカワ」と名乗っていた林貢二(当時41歳)だった。「事件の約2週間前(7月19日)、『まりな』さんに直接会って謝罪したが、出禁は解除されず、その翌日にはメールが受信拒否になっていた。自宅近くで後ろから肩をたたいたときには、近くのコンビニエンスストアに駆け込まれて110番通報された」と供述。これが事件へとつながった。2010年(平成22年)11月1日、東京地裁での裁判員裁判で無期懲役の判決。その後、検察側、弁護側ともに控訴せず、刑が確定。

関連サイト・・・山本耳かき店
★2011.11.23 (No.206) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『女性死刑囚 十三人の黒い履歴書』
(鹿砦社/単行本/深笛 義也/2011.11)


死刑にいたる罪を犯すまで彼女たちはどれほどの曲がり角を経たのだろうか。

著者・深笛義也(ふかぶえよしなり)・・・1959年、東京生まれ。横浜市内で育つ。18歳から29歳まで革命運動に明け暮れ、30代でライターになる。主な著書・・・『エロか?革命か?それが問題だ!』(鹿砦社/2010)

目次

菅野村強盗殺人・放火事件 全国の主婦からの助命嘆願書で恩赦に 山本宏子
熊本女性連続毒殺事件 姑、茶飲み友達、行商人を毒殺 杉村サダメ
日本閣乗っ取り殺人事件 処刑前日、鮨で告別晩餐会 小林カウ
夕張保険金殺人事件 労働者のいる自社の寮に放火 日高信子
有明埋め立て地殺人事件 過去の夫殺しは事故死、殺害、自殺と三転 諸橋昭江
連合赤軍同志粛清事件 革命の名のもとに十四名の同志を殺害 永田洋子
女子高生・OL誘拐殺人事件 二人の女性を殺害後に身代金を要求 宮崎知子
室戸保険金ダブル殺人事件 喜寿で受けることになった死刑判決 坂本春野
宮崎二女性殺人事件 ゴルフ仲間の二人を金目当てで殺害 石川恵子
福島悪魔払い殺人事件 信者同士の暴行で六人が死亡 江藤幸子
動機不明、直接証拠もなく死刑判決 林真須美
共犯者が法廷で風間の無実を証言 風間博子
医学的知識でもくろまれた完全犯罪 吉田純子


関連ページ・・・
連合赤軍あさま山荘事件
(永田洋子)
夕張保険金殺人事件(日高信子)
戦後の主な毒殺事件(女性連続毒殺魔事件−杉村サダメ / ホテル日本閣事件−小林カウ / 和歌山毒カレー殺人事件−林真須美 / 埼玉愛犬家殺人事件−風間博子 / 久留米看護師保険金殺人事件−吉田純子)

戦後の主な誘拐殺人事件(富山長野連続誘拐殺人事件−宮崎知子)
★2011.11.16 (No.205) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『真相究明書 九千万人のなかの孤独 福岡事件 福岡、中国人闇ブローカー殺し 殺人請負 強盗殺人事件』
(花伝社/単行本/古川泰龍/2011.11)


死刑を執行されてしまった冤罪・福岡事件の真相。被告人の無実を確信した教誨師が人生を賭けて綴った魂の究明書。

著者・古川泰龍・・・1920年、佐賀県に生まれる。1944年、高野山専修学院卒業。1952年、死刑囚の教誨師となる。1961年、福岡事件2人の死刑囚再審運動に乗り出す。1964年、弁護士を装った強盗殺人犯の西口彰が福岡事件の「応援」を願い出て古川宅に立ち寄り逮捕される。1973年、宗教法人シュバイツァー寺開山。1981年、産業医科大学で仏教的観点から「死学」の講義を始める。1987年、東西宗教交流センター・カトリック別院を創設し、活動をはじめる。2000年、死去。他の著書に『歎異抄 最後の一人を救うもの』(地湧社/1988) / 『叫びたし寒満月の割れるほど 冤罪死刑囚と歩む半生』(法蔵館/1991)がある。

目次

第1章 本件における7被告人の真実の行動を追及する
第2章 第二審判決文批判
第3章 警察、検察官証拠捏造の事実
第4章 裁判ならびに公判調書の不信をそそる事実
第5章 公判調書上にみたる黒川利明の人間像
第6章 2人の書翰を通して事件に触れる
第7章 書翰を通じて2人の人間性に触れる

関連ページ・・・福岡事件 → 西口彰連続強盗殺人事件
関連サイト・・・福岡事件学生の会
★2011.11.9 (No.204) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『サイバー犯罪とデジタル鑑識の最前線!』
(洋泉社/単行本/洋泉社編集部[編]/2011.10)


ウイルス、不正アクセス、情報流出・・・あらゆる個人、企業、国家が標的となる時代をどう生き抜くか!? セキュリティの穴から甚大な被害をもたらすサイバー犯罪の脅威と最先端のデジタル鑑識技術に迫る!

目次

巻頭特集 ソニーPSN個人情報流出事件に見る最新サイバー犯罪事情
PART1 サイバー犯罪を追え! 進化するデジタル鑑識技術
PART2 身近な危機から身を守る!最新セキュリティ白書 個人編&企業編
PART3 いまやイデオロギーの戦い!? 世界サイバー犯罪事件簿
サイバー用語集
インタビュー:上原哲太郎/名和利男/高木浩光
執筆者
小林恭子/塚越健司/成松哲/原広/吉澤亨史
★2011.11.2 (No.203) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『戸塚ヨットスクールは、いま 現代若者漂流 』
(岩波書店/単行本/東海テレビ取材班/2011.2)


あの事件から30年。戸塚ヨットスクールへの長期取材をもとに戸塚校長の実像とスクールの現状に迫るドキュメンタリー映画『平成ジレンマ』を書籍化。訓練生の事例、家族の苦悩とそれらを取り巻く社会状況。スクールを通して見えるのは、漂流しつづける若者、家族、社会……。そこには現代社会の縮図が浮かび上がってくる。

関連サイト/ページ・・・戸塚小学校を作ろう / 平成ジレンマ公式サイト / 戸塚ヨットスクール事件
★2011.10.26 (No.202) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『絞首刑は残虐な刑罰ではないのか? 新聞と法医学が語る真実』
(現代人文社/単行本/中川智正弁護団+ヴァルテル・ラブル[編著]/2011.10)


絞首された死刑囚は即座に意識を失って苦痛を感じないとされる(古畑鑑定)。これが死刑が残虐でない刑罰とされる唯一の根拠である。本書は最近の法医学の知見とさまざまな資料に基づいてこの説に疑問を投げかけ、死刑是非論争に一石を投じる。

憲法36条・・・公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる。

裁判所は死刑(制度)に対し憲法36条などに違反しないという判決を下している。

関連ページ・・・死刑の現状 死刑と憲法
★2011.10.19 (No.201) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『パリで娘が殺された 藤生朱美殺害事件とフランスの刑事裁判参加の体験』
(草土文化/単行本/藤生好則/2011.10)


文部省派遣の若きユネスコ職員が殺害されて16年。
父親が綴る遺族の悲痛な叫びと9年に及ぶフランスでの裁判。
被害者参加への道に一石を投じた事件の全記録。

藤生朱美殺人事件・・・1995年(平成7年)10月9日、文部省(現・文部科学省)からユネスコ(関係教育科学文化機関)に派遣されていた藤生(ふじう)朱美(25歳)がフランス・パリの自宅アパートで殺害された。10月13日、アパートの管理人の甥で無職のジャン・トニエッティ(事件当時24歳)が自分の犯行であったと自白し逮捕される。事件のあった9日の夜、酒に酔ったトニエッティはそのアパートを訪れた際、ちょうど帰宅した朱美と出くわし、朱美に家の備品を修理してほしいと言われ、トニエッティは部屋に入った。そこで、トニエッティは朱美が目を離したすきにCDラジカセを盗もうとしたが、それを朱美に見とがめられて争った末に朱美の左胸をナイフで突き刺して殺害した。1997年(平成9年)11月13日、裁判が開かれ、裁判の最後にトニエッティがロニ・クラミー(事件当時18歳/管理人の末娘の恋人)という共犯がいると言い出し、評決を延期し調査することに。2003年(平成15年)1月10・13・14日、再び裁判が開かれ、ロニはトニエッティの単独犯で関係ないと主張。トニエッティはロニが主犯であると主張。結果、ロニに10年の禁錮刑、トニエッティに7年の禁錮刑の判決となる。1月末、ロニが控訴。2004年(平成16年)2月3〜6日、裁判が開かれ、ロニとトニエッティの主張は前回と変わらなかったが、7日、「トニエッティの単独犯」という結果になり、ロニは無罪、トニエッティに10年の禁錮刑の判決。フランスでは二審制(上訴は1回に限られる)のため、これで刑が確定した。


著者・藤生好則・・・1936年、群馬県前橋市に生まれる。岩手大学農学部獣医学科卒。静岡県及び浜松市に勤務、浜松市衛生試験所長を経て静岡県立大(短大部)、聖隷クリストファー大学ほかで非常勤講師(公衆衛生学や食品衛生学を担当)。現在(株)マルマ顧問。1958年から10年間、勤務のかたわら浜松医大に研究生として在籍し、人獣共通感染症広東充血線虫に対する放射線の影響の研究で1991年(55歳)、麻布大学から獣医学博士号を授与される。

目次

第1章 娘がパリで殺された(至福の前日、朱美は殺されていた
ガラス越しに冷凍遺体の朱美と対面 ほか)
第2章 フランスでの裁判(フランスの付帯私訴制度と藤生さんの裁判(白井孝一)(フランスの刑事裁判制度の概要
フランスの付帯私訴の概要 ほか)
フランスでの裁判の記録(監修・白井孝一、高貝亮、村松奈緒美)(控訴院弾劾部判決(一九九七年四月四日)
パリ重罪院裁判(一回目、一九九七年一一月一三日〜一四日) ほか))
第3章 悲しみの扉を開けて(娘の死の現実と向き合う煩悶の日々
病魔を乗り越える家族たち ほか)


関連サイト・・・朱美のページ

[ weekly book ] [ 無限回廊 top page ]