[ 無限回廊 top page ]

weekly book

since December/2007


実際にあった事件や犯罪に関する新刊本・注目本などを週単位で紹介しています(更新は主に水曜日)。

下記の
★の日付は更新日で、その日付は下(↓)が古く、上(↑)が新しい。日付の後ろの(No. )は通し番号
関連ページ・・・amazon
weekly book [ No.1〜100 ] [ No.101〜200 ] [ No.201〜300 ] [ No.301〜400 ] [ No.401〜500 ]
[ No.501〜 ] ↓

★2018.5.16(No.544) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『刑務所しか居場所がない人たち 学校では教えてくれない、障害と犯罪の話』
(大月書店/単行本/山本譲司/2018.5)


刑務所と社会、障害者に優しいのはどっち?

刑務所は、世間から排除され続けた障害者が最後に行きつく「福祉施設」だった――
自身の服役経験から現実を知り、触法障害者や出所者の支援に奔走する著者が、福祉と司法のすきまに落ちる人々の実態を鋭く、優しく説き起こす。

著者・山本譲司・・・1962年生まれ、元衆議院議員。2000年に秘書給与詐取事件を起こし、1審での実刑判決を受け服役。獄中体験を描いた『獄窓記』 が新潮ドキュメント賞を受賞。障害者福祉施設で働くかたわら、『続 獄窓記』 / 『累犯障害者』などを著し、罪に問われた障害者の問題を社会に提起。NPO法人ライフサポートネットワークや更生保護法人同歩会を設立し、現在も高齢受刑者や障害のある受刑者の社会復帰支援に取り組む。PFI刑務所の運営アドバイザーも務める。2012年に『覚醒』(上下)で小説家デビュー。近刊に『エンディングノート』。


目次

序章 僕は刑務所を誤解していた

第1章 シャバに出るのが怖い!

1 刑務所にいるのはどんな人?
2 受刑者の10人に2人は知的障害者
3 「ぶっそうなご時世」っていうけれど
4 「るいはん障害者」ってだれのこと?
5 障害があるから罪を犯すわけじゃない
6 塀の中だって高齢化
7 刑務所が福祉施設になっちゃった
8 刑務官の子守唄
9 家族はいるの? どんな人?
10 刑務所を出ても、行くあてがない

第2章 司法は僕らを守ってくれないの?

1 その“調書”、うそだって気づいて裁判官!
2 「責任能力」って何だろう
3 弁護士だって仕事を選ぶ
4 医療刑務所は高嶺の花
5 法務省も満期出所後は追えない

第3章 とても優しくて、少し鈍感な福祉の世界

1 「障害者手帳」は福祉のパスポート
2 障害があるのに.「障害者」と認めてもらえない
3 軽度の障害者だけじゃ福祉施設が運営できない
4 障害者の「自立」はだれのため?
5 「福祉の刑務所化」が怖い!

第4章 「不審者は無視」じゃ安心な社会は築けない

1 その「善意」がだれかを排除する
2 必要なものだけど、わたしの近くには作らないで。お願い
3 刑務所はぜいたく?
4 被害者の気持ちはどうなるの?
5 障害者ってどんな人?
6 障害のある人に、どう接する

第5章 彼らを排除しなければ自分も排除されない

1 走り出した刑務所改革
2 出所後の再スタートを支える「出口支援」
3 障害者手帳がなくても困らない
4 刑務所以外の行き先を探す「入口支援」
5 「協力雇用主」は増えたけれど
6 「支援」と「役割」で人は変わる

参考文献
 
★2018.5.9(No.543) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『黙秘の壁 名古屋・漫画喫茶女性従業員はなぜ死んだのか』
(潮出版社/単行本/藤井誠二/2018.5)


2013年、愛知県南知多町の山中で、名古屋市の漫画喫茶女性従業員の遺体が発見された。傷害致死容疑で逮捕された元経営者夫婦が「黙秘」に転じ、「死因不明」で不起訴となる。墨塗りの供述書に隠された真実を求めて、遺族たちの長い闘いが始まった―。

著者・藤井誠二・・・1965年生まれ。ノンフィクションライター。愛知淑徳大学講師として「ノンフィクション論」等を担当。ラジオのパーソナリティやテレビのコメンテーターもつとめる。他の著書に『人を殺してみたかった』 / 『重罰化は悪いことなのか 罪と罰をめぐる対話』など多数。
 
★2018.5.2(No.542) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『花殺し月の殺人 インディアン連続怪死事件とFBIの誕生』
(早川書房/単行本/デイヴィッドグラン/2018.5)


1920年代、禁酒法時代のアメリカ南部オクラホマ州。先住民オセージ族が「花殺しの月の頃」と呼ぶ5月のある夜に起きた2件の殺人。それは、オセージ族とその関係者20数人が、相次いで不審死を遂げる連続殺人事件の幕開けだった――。私立探偵や地元当局が解決に手をこまねくなか、のちのFBI長官J・エドガー・フーヴァーは、テキサス・レンジャー出身の特別捜査官トム・ホワイトに命じ、現地で捜査に当たらせるが、解明は困難を極める。石油利権と人種差別が複雑に絡みあう大がかりな陰謀の真相は? 米国史の最暗部に迫り、主要メディアで絶賛された犯罪ノンフィクション。

著者・デイヴィッドグラン(David Grann)・・・アメリカのジャーナリスト。1967年、ニューヨーク出身。『ニューヨーカー』のスタッフ・ライターを務める。『ニューヨーク・タイムズ・マガジン』『ウォール・ストリート・ジャーナル』『アトランティック』などにも寄稿。ジョージ・ポーク賞ほか受賞歴多数。著書『ロスト・シティZ』(2009)は『ニューヨーク・タイムズ』ベストセラーの1位となり、25ヶ国語に翻訳されている。他の著書に『The Devil and Sherlock Holmes』(2010)。本書(2017)は、『ニューヨーク・タイムズ』ベストセラー・リストに40週連続でランクインするなど大きな話題を呼び、全米図書賞の最終候補に選ばれたほか、アメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞の最優秀犯罪実話賞を受賞した。
 
★2018.4.25(No.541) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『女子刑務所ライフ!』
(イースト・プレス/単行本/中野瑠美/2018.5)


覚せい剤取締法違反で4回逮捕され、合計12年もの月日を獄中で過ごした中野瑠美。男子刑務所とは違い、女子刑務所は、殺人犯も放火犯も万引き犯も、罪の重さに関係なくすべての受刑者が同じ施設に収容される。そんな「犯罪者のるつぼ」ともいえる世界で、彼女たちはどのように過ごしているのか。獄中内のヒエラルキーから、いじめ、高齢化問題、食事やおやつの内容や、性の問題まで、塀の外からはわからない、ムショのあらゆる日常を語りつくす。

著者・中野瑠美(なかの・るみ)・・・1972年大阪・堺市生まれ。覚せい剤取締法違反で4回逮捕され、執行猶予1回を経て合計12年の懲役を経験。出所後は、自身の懲役経験をもとに、刑事収容施設への差し入れ代行業や、収容者と家族の相談窓口、元収容者の就労支援など、さまざまな活動を行う。『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)や『新・情報7daysニュースキャスター』(TBSテレビ系)『ハートネットTV』(NHK Eテレ)などへの出演でも注目を集める。現在は、堺市内でラウンジ「祭」と「魔女」を経営。特技は料理と裁縫。趣味はジェットスキーとゴルフ。

◎留置所、拘置所、刑務所の違いは?
◎トイレに行くのにも「許可」が必要
◎ムショの「エリート的お仕事」
◎夏は盆踊り、秋は運動会?!
◎あのカルト教祖妻は房内でもベジタリアン
◎あの「バブルの女帝」を介護

第一章 刑務所ってどんなところ?
第二章 ムショの一日
第三章 懲りない女たちの修羅場
第四章 覚醒剤にまつわるエトセトラ
第五章 それでも懲りない女たち
第六章 私が刑務所に行くまで

 
★2018.4.18(No.540) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『死体からのメッセージ 真相を求め続けた法医学者の証言』
(洋泉社/新書/押田茂實/2018.4)


法医学関連ドラマが昨今放映され、法医学が事件解決の重大なアイテムとなっている。本著者の押田教授は、法医学者として足利事件や袴田事件、
東電OL殺人事件などで弁護側で法医学鑑定をし、冤罪であることを証明してきた、法医学界におけるDNA鑑定の第一人者である。本書では、押田教授がこれまで関わってきた事件をからめながら、法医学の見知から事件解決に至った事例を、面白く解説していく。ミステリーファンにも興味を持たす必読の一書。

著者・押田茂實(しげみ)・・・1942年、埼玉県生まれ。東北大学医学部卒業。日本大学医学部法医学名誉教授。医学博士。さまざまな事件に関する法医解剖、DNA鑑定、薬毒物分析、重大事件・災害での遺体検案、医療事故の分析・予防対策など、50年にわたって法医学現場の第一線で活動。他の著書・・・『法医学現場の真相』 / 『医療事故はなぜ起こるのか』など。

もくじ
はじめに

第一章 死体との対話
◇私を目覚めさせた「今年は豊年ですね」事件
◇解剖しないと真相はわからない
◇見えることと見抜くこと

第二章 小説より奇な事件もある
◇ある赤ちゃんの殺害事件
◇事故につながった変わった趣味
◇ぐるぐる巻きにされていた死体
◇法医学では、キズは「創」と「傷」
◇捜査に必要な死亡推定時刻
◇見えない毒の恐怖
◇トリカブト殺人事件
◇酒に関する法医学

第三章 事件・事故の現場から
◇航空機事故現場の法医学
◇阪神・淡路大震災の現場から
◇東日本大震災から南海地震、関東大震災
◇昼はエリート社員、夜は娼婦 東電女性会社員殺人事件
◇死刑におびえた48 年間 袴田事件
◇逆恨みによる 秋田弁護士殺害事件

第四章 精度の増したDNA 型鑑定とその問題点
◇科学の進歩と真相究明
◇別人の臓器が提出された不可解な 保土ケ谷事件
◇新しいDNA 型鑑定で逮捕された 足利事件
◇無罪が確定した鹿児島強姦事件
◇事故車を運転をしていたのは誰か 宮城犯人隠避事件
◇科学的捜査を無視する恐るべき事例
◇真犯人は他にいるの声が届かない 姫路郵便局強盗事件
◇容疑者以外のDNA 型が検出された 今市事件

参考文献

関連事件・・・袴田事件 / 東電OL殺人事件
 
★2018.4.11(No.539) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『GPS捜査とプライバシー保護 位置情報取得捜査に対する規制を考える』
(現代人文社/単行本/指宿信/2018.4)


最高裁大法廷(2017年3月15日)はGPS捜査を違法とし、立法的解決を求めた。その判断の分析や諸外国の立法・判例を踏まえて、その規制のあり方と実務の課題を追求する。

著者・指宿信(いぶすき・まこと)・・・成城大学法学部教授(刑事訴訟法) 。主な著書・・・『証拠開示と公正な裁判 増補版』 / 『被疑者取調べと録画制度 取調べの録画が日本の刑事司法を変える 』など。

目次

はしがき

序 章 GPS技術とGPS捜査の定義………指宿信(成城大学教授)

第1部 GPS捜査とプライバシー
第1章 追尾監視型捜査の法的性質………指宿信(成城大学教授)
第2章 GPS捜査とプライバシー保護―憲法論からの考察………宮下紘(中央大学准教授)
第3章 GPS大法廷判決とGPS監視捜査立法―その展望と課題………斎藤司(龍谷大学教授)
第4章 GPS捜査の技術的発展と最高裁判決の射程 ………高木浩光(産業技術総合研究所)
第5章 監視の時代とプライバシー―GPS捜査大法廷判決を踏まえて考える………指宿信(成城大学教授)

第2部 GPS捜査をめぐる諸外国の法制度
第1章 アメリカのGPS捜査とプライバシー保護 ………尾崎愛美(慶應義塾大学大学院助教)
第2章 イギリスのGPS捜査とプライバシー保護……… 丸橋昌太郎(信州大学准教授)
第3章 ドイツのGPS捜査とその法的規制方法………斎藤司(龍谷大学教授)
第4章 フランスのGPS捜査とプライバシー保護 ………小木曽綾(中央大学教授)
第5章 オーストラリアのGPS捜査とプライバシー保護―監視捜査の包括的規制とオンブズマンによる査察………指宿信(成城大学教授)
第6章 EUの個人データ収集と基本権保護の仕組み―GPS捜査とプライバシー権を中心視座において………中西優美子(一橋大学大学院教授)

第3部 ケース研究/GPS捜査と刑事弁護
第1章 最高裁判例と強制処分法定主義、令状主義─1976年と2017年………緑大輔(一橋大学教授)
第2章 【ケース1】最大判平29・3・15 GPS捜査を違法と認定し、立法措置を求める判断………亀石倫子(弁護士)
第3章 【ケース2】水戸地決平28・1・22 浮き彫りになったGPS機器を利用した安易な捜査 ……… 有馬慧(弁護士)
第4章 【ケース3】東京地判平29・5・30 秘密裏に行われる捜査手法と弁護活動の困難さ ……… 坂根真也(弁護士)
終 章 位置情報取得捜査の規制方法とプライバシー保護 ………指宿信(成城大学教授)

【資料1】GPS捜査関連文献紹介………堀田尚徳(北海道大学大学院助教)
【資料2】GPS捜査関連判例一覧
【資料3】GPS捜査の各国立法比較一覧
 
★2018.4.4(No.538) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック 女子刑務所での13ヵ月』
(駒草出版/単行本/パイパー・カーマン/2018.4)


実体験を元にしたノンフィクション、そしてそのドラマ化作品が評判を呼び、 全米で息の長い人気を博している『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』。その初の日本語版が登場。

若気の至りから麻薬取引に関わり、その10年後に突然起訴され、受刑者となった、白人&中流階級のインテリ女性、パイパー。家族やフィアンセと離れ、劣悪な環境(衛生状態、食事、健康への配慮や文化・情報の欠如など)に押し込まれ、さまざまなバックグラウンド(人種、階層、犯罪歴等)をもつ受刑者たちとの共同生活を余儀なくされることに。ないないづくしの生活を、少しでも楽しむために、知恵を絞り、ユーモアで味付けしながら、自分の居場所をつくっていく受刑者たち。当初はとまどいを隠せなかったパイパーも、持ち前のコミュニケーション能力をしだいに発揮し、徐々に自分のスタンスを確立していく。 それぞれに辛い事情を抱えながら、シャバの世界から足を踏み外し、受刑者となった女たち。そのひとりひとりを冷静に観察しながら、社会のしくみの不条理にまで思いをはせるパイパーの思いやりの深さと知性が光る、読み応えたっぷりの回想記。ドラマよりもより堅実で頑張り屋なパイパーと、ドラマよりもずっと優しい受刑者たちの、よりリアルな姿に出会えるノンフィクション。

【目次】
●1章 Are You Gonna Go My Way? 自由への逃走
●2章 It All Changed in an Instant すべてがあっという間に
●3章 #11187-424 11187-424
●4章 Orange Is the New Black オレンジ・イズ・ニュー・ブラック
●5章 Down the Rabbit Hole うさぎの穴を真っ逆さま
●6章 High Voltage 高電圧
●7章 The Hours 私たちの時間
●8章 So Bitches Can Hate ビッチに思い知らせてやる
●9章 Mothers and Daughters 母と娘
●10章 Schooling the OG OGを鍛える
●11章 Ralph Kramden and the Marlboro Man 良い刑務官、悪い刑務官
●12章 Naked 裸になって
●13章 Thirty- five and Still Alive 35歳、まだまだこれから
●14章 October Surprises 10月はサプライズ続き
●15章 Some Kinda Way 何かそんな感じ
●16章 Good Time 減刑
●17章 Diesel Therapy ディーゼル療法
●18章 It Can Always Get Worse この世にサイアクが尽きることなし
 
★2018.3.28(No.537) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『軌道 福知山線脱線事故 JR西日本を変えた闘い』
(東洋経済新報社/単行本/松本創/2018.4)


乗客と運転士107人が死亡、562人が重軽傷を負った2005年4月25日のJR福知山線脱線事故。妻と実妹を奪われ、娘が重傷を負わされた都市計画コンサルタントの淺野弥三一は、なぜこんな事故が起き、家族が死ななければならなかったのかを繰り返し問うてきた。事故調報告が結論付けた「運転士のブレーキ遅れ」「日勤教育」「ATS-Pの未設置」等は事故の原因ではなく、結果だ。国鉄民営化から18年間の経営手法と、それによって形成された組織の欠陥が招いた必然だった。「組織事故」を確信した淺野は、JR西日本自身による原因究明と説明、そして、組織と安全体制の変革を求める。そのために遺族感情も責任追及も封印し、遺族と加害企業による異例の共同検証を持ち掛けた。淺野の思いに呼応し、組織改革に動いた人物がいた。事故後、子会社から呼び戻され、初の技術屋社長となった山崎正夫。3年半でトップを退くが、その孤独な闘いは、JR西日本という巨大組織を、長年の宿痾からの脱却へと向かわせた。それは、「天皇」井手正敬の独裁に依存しきった組織風土、さらには、国鉄改革の成功体験との決別だった。淺野と山崎。遺族と加害企業のトップという関係ながら、同世代の技術屋ゆえに通じ合った2人を軸に巨大組織を変えた闘い、鉄道の安全を確立する闘いの「軌道」を描く。そこから見えてきたのは、二つの戦後史の「軌道」だった──。

著者・松本創(はじむ)・・・ライター。1970年、大阪府生まれ。神戸新聞記者を経て、現在はフリーランスのライター。関西を拠点に、政治・行政、都市や文化などをテーマに取材し、人物ルポやインタビュー、コラムなどを執筆している。他の著書に『誰が「橋下徹」をつくったか』 (2016年度日本ジャーナリスト会議賞受賞)/ 『日本人のひたむきな生き方』 などがある。

【主な内容】
プロローグ 11年の現場から 2016・4・25
<第T部 事故が奪ったもの>
第1章 喪失
 蒼天の桜/偶然の連鎖/40時間後の対面/最愛の面影/弔いの日/孤絶と自暴自棄/遺族の社会的責務
第2章 連帯
 技術屋の原点/やられる側?の論理/ 震災復興の日々/遺族の連帯/極限の交渉/物言う遺族/誓いの手記 
第3章 追及
 発覚した「天下り」/二次被害/不遜な弁明/誤った人間観、歪んだ安全思想/虚偽報告―最終報告書から1/日勤教育―最終報告書から2/組織風土―最終報告書から3 
<第2部 組織風土とは何か>
第4章 独裁
 JR西日本の天皇/国鉄改革三人組/「成長」と「安全」 /事故の原点―信楽高原鐵道事故1/無反省―信楽高原鐵道事故2/震災復旧の「野戦」
第5章 混迷
 委員長の進言/社長人事の内幕/「運転屋」の来歴/現場主義の「安全のプロ」/三本柱と三つの溝/2人の技術屋/ある夜の約束
第6章 激動
 情報漏洩と隠蔽体質/最大の失敗/組織の罪か、個人の罪か/対話の相手/司法の限界―山崎元社長裁判/独裁者の弁明―歴代3社長裁判/「天皇」の胸中―井手正敬会見録1/統治者目線―井手正敬会見録2 
<第3部 安全をめぐる闘い>
第7章 対話
 一つのテーブル―課題検討会1/2・5人称の視点― 課題検討会2/組織を可視化する―安全フォローアップ会議1/人はミスをする―安全フォローアップ会議2/万感の報告/ある宴席にて 
第8章 軌道
 鉄道安全考動館/安全への投資/罰しない思想/事故の予兆をつかむ/重大インシデント/現場力の低下/戦後史の二つの軌道 
エピローグ 一人の遺族として
 
★2018.3.21(No.536) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『大道寺将司 最終獄中通信』
(河出書房新社/単行本/大道寺将司/2018.3)


死刑確定から30年、2017年5月に獄死した連続企業爆破事件死刑囚の獄中通信を集成。自分の事件、そして世界に孤独に向き合う日々を伝える。

著者・大道寺将司(だいどうじ・まさし)・・・1948年生まれ。東アジア反日武装戦線狼&泊烽フ一員として連続企業爆破事件を起こし、1975年逮捕。1987年に死刑確定。2017年に獄死。他の著書に『棺一基 大道寺将司全句集』(第6回日本一行詩大賞受賞) / 『死刑確定中』などあり。


関連ページ・・・日本赤軍と東アジア反日武装戦線
 
★2018.3.14(No.535) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『孤高の法医学者が暴いた足利事件の真実』
(金曜日/単行本/梶山天/2018.3)


本田克也教授や清水潔記者、小林篤ライターらの献身によって、真犯人と目される男の名前も、DNA型もわかっている。ビデオテープを解析できる技術を持った人もいる。警察や検察は動くべきである。 朝日新聞 梶山天

著者・梶山天・・・1956年、長崎県五島市生まれ。1978年、朝日新聞社入社。佐賀支局、東京社会部警察庁担当、西部本社報道センター(旧社会部)次長、鹿児島総局長、西部本社報道センター地域面監事兼ジャーナリスト学校幹事、東京本社マーケーティング企画・戦略主査、東京本社特別報道部長代理などを経て、日光支局長。鹿児島総局長時代の「鹿児島県警による03年県議選公職選挙法違反『でっちあげ事件』をめぐるスクープと一連のキャンペーン」で、鹿児島総局が2007年11月に石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞、さらに2009年1月には新聞労連ジャーナリスト大賞を受賞。

内容紹介

【主な内容】(抜粋)
第一部 足利事件
第一章 事件発生 消えた少女/精子/最後の会/赤いスカート/尾行/ティッシュペーパー/肌着鑑定
第二章 逮捕 任意同行/アダルトビデオ/自白/メディア操作/別件捜査/改ざん
第三章 第一審 検事調べ/初公判/鑑定の欠陥/科警研への警告/「やってません」/宇都宮地裁判決
第四章 弁護 数字置き換え/控訴審/押田鑑定/肌着/再鑑定依頼
第五章 前哨戦 検察の条件/弁護側反対意見/東京高裁
第六章 再鑑定 電話/鑑定人尋問/千葉刑務所/MCT118不一致/キットの欠陥/機密漏洩/鑑定書提出
第七章 鑑定排撃 迷走する裁判所/母親鑑定/意見書―科警研所長/証人尋問なし/「早期結審を」
第八章 再審そして真犯人 真犯人/全員消費/一致/鑑定人尋問他
 
★2018.3.7(No.534) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『記者襲撃 赤報隊事件30年目の真実』
(岩波書店/単行本/樋田毅/2018.2)


1987年5月3日憲法記念日の夜、朝日新聞の記者2人が突如、目出し帽をかぶった何者かに散弾銃で殺傷された阪神支局襲撃事件。この事件を含め、約3年4ヶ月の間に計8件起きた「赤報隊」による襲撃・脅迫事件は、未解決のまま、2003年3月にすべて公訴時効となっている。事件の3年前まで同支局に勤務し、発生当初から記者として特命取材班に加わり、時効後も一貫して事件を追い続けてきた著者による渾身の書き下ろし。日本の言論史上、類例のない事件を追跡した果てに見えてきたものとは?

著者・樋田毅・・・ジャーナリスト。1952年生まれ。愛知県出身。県立旭丘高校卒業、早稲田大学第一文学部社会学科卒業。1978年、朝日新聞社に入社。高知支局、阪神支局を経て大阪社会部へ。大阪府警担当、朝日新聞襲撃事件取材班を経て、京都支局次長、地域報道部・社会部次長などを歴任。その後、和歌山総局長、朝日カルチャーセンター大阪本部長等を務めたのち、2012年から2017年まで大阪秘書役、同年12月退社。

関連ページ・・・赤報隊テロ事件
 
★2018.2.28(No.533) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『日本の「未解決事件」100の聖域』
(宝島社/単行本/鈴木智彦ほか/2018.2)


本書は戦後に起きた100の迷宮入り事件の「現在」を詳らかにするものである。「あの事件は結局、どうなったのか?」――。誰もが知りたい事件の全容と真相の現在地を徹底取材で明らかにする。真犯人の影に警察はどこまで迫ることができたのか。なぜ、迷宮入りになってしまったのか。世田谷一家殺害事件、スーパーナンペイ事件、餃子の王将社長射殺事件など、世間を騒然とさせた事件の「今」をレポートする。

※本書は『昭和・平成「未解決事件」100 衝撃の新説はこれだ!』 (2016年7月9日、宝島社刊)掲載の記事を転載、加筆修正、書下ろしを加えたものです。

最新情報と新たなミステリー

国松警察庁長官狙撃事件
真犯人を名乗る男が明かす事件の“真相”

グリコ・森永事件
警察を嘲笑し続けた
謎の「犯人グループ」の黒幕

スーパーナンペイ事件
事件の関与を供述した
元暴力団組員は「白」か「黒」か

「餃子の王将」社長射殺事件
暴力団員が語った
「捜査の内幕」と「犯人像」

……etc.
 
★2018.2.21(No.532) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『平成日本凶悪犯罪大全』
(イースト・プレス/単行本/犯罪事件研究倶楽部/2018.2)


平成の世を震撼させた127事件を振り返る!

殺人、強姦、誘拐、監禁、強盗、恐喝、放火、詐欺、死体損壊――。
単独で、あるいは集団で。無差別に、もしくは怨恨から。

本書で紹介するのは、平成の日本で人間が犯した「過ちの歴史」である。これらは他人事ではない。我々と同じ人間が起こした悲惨な事件から、人という生き物がもつ業について考えることが重要なのである。決して自らが犯罪者となることがないように……。
 
★2018.2.14(No.531) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『ワルのカネ儲け術 絶対、騙されるな!』

犯罪集団、闇社会、水商売、法律の抜け道マネー強奪マル秘公開!
悪の現場を直近で取材したライター集団が、その知識を持ち寄った、悪の手口を解説した書。
 
★2018.2.8(No.530) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『弁護士の格差』
(朝日新書/秋山謙一郎/2018.1)


弁護士サバイバル時代到来 一時代を如実に映す《弁護士の格差》を追え!
かつて「聖職」ともいわれ、多額の報酬と尊敬を得られた職業「弁護士」の世界にも《格差》の波が拡がっている。その5割が所得400万円以下といわれる経済格差、金バッジをつけながら一度も裁判経験がないというスキル格差、はたまたトンデモ先生≠フ無法な実態に呆れてものがいえない意識格差まで徹底ルポ。「過払い金整理」「離婚調停」の落とし穴から、 アディーレ事件の本質をも詳述する渾身作。

著者・秋山謙一郎・・・1971年、兵庫県生まれ。フリージャーナリスト。司法、政治経済、社会と幅広く取材。

(目次)
【プロローグ】
【第1章】 弁護士が教える弁護士の探し方と選び方
【第2章】 弁護士の《経済格差》
【第3章】 〈旧司組〉vs〈新司組〉――その《格差》とは?
【第4章】 弁護士の《意識格差》
【エピローグ】
 
★2018.1.31(No.529) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『43回の殺意 川崎中1男子生徒殺害事件の深層
(双葉社/単行本/石井光太/2017.12)


そこにあったあまりに理不尽な殺意、そして逡巡。立ち止まることもできずに少年たちは、なぜ地獄へと向かったのだろうか――。著者初の少年事件ルポルタージュ。

川崎中1男子生徒殺害事件・・・2015年(平成27年)2月20日、神奈川県川崎市の多摩川河川敷で上村(うえむら)遼太(13歳)の全裸遺体が発見された。27日、この事件でA(当時18歳)とB、C(ともに当時17歳)の3人が逮捕された。3月5日 、同日発売の『週刊新潮』(2015年3月12日号)にリーダー格とされる犯行当時18歳の少年Aの実名と顔写真が掲載された。その後、Aが殺人罪、BとCが傷害致死罪で起訴される。2016年(平成28年)2月10日、横浜地裁でAに対し懲役9〜13年の不定期刑が言い渡され、検察側、弁護側ともに控訴せず、刑が確定。3月14日、横浜地裁でBに対し懲役4年〜6年6ヶ月の不定期刑が言い渡され、検察側、弁護側ともに控訴せず、刑が確定。6月3日、横浜地裁でCに対し「主導的立場のAにカッターナイフを手渡したCの役割は大きい」「(無罪主張について)自らの行為に向き合っておらず、供述は不自然で信用性は低い」として求刑通り、懲役6年〜10年の不定期刑が言い渡された。6月15日、Cは判決を不服として東京高裁に控訴。10月11日に東京高裁で控訴審が行われ、弁護側は「カッターナイフをCから受け取ったとするAの供述は信用できない」として改めて無罪を主張し、結審したが、11月8日、東京高裁は、1審判決を支持し、控訴を棄却した。11月17日、Cは判決を不服として上告したが、2017年(平成29年)1月25日、最高裁第2小法廷で上告棄却で懲役6年〜10年の不定期刑が確定した。

著者・石井光太・・・1977年、東京都生まれ。国内外の貧困、災害、事件などをテーマに取材、執筆活動をおこなう。他の著書に『「鬼畜」の家』 / 『絶対貧困』などがある。
 
★2018.1.24(No.528) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『DNA鑑定は魔法の切札か 科学鑑定を用いた刑事裁判の在り方』
(現代人文社/単行本/本田克也/2018.2)


刑事裁判におけるDNA鑑定の有効性と限界に迫る。

犯罪捜査や刑事裁判の切札として、DNA鑑定に期待が高まっている。しかし、DNA鑑定をその適用限界以上に用いることは、冤罪を生み出すことになる。DNA鑑定について、その原理・歴史をたどり、足利事件、袴田事件、飯塚事件など事例を踏まえて、有効性と限界を明らかにする。

著者・本田克也・・・福岡県生まれ。1979年、筑波大学第二学群人間学類卒業。1987年、同大学医学専門学類卒業。1991年、同大学大学院医学研究科博士課程修了(医学博士)。東京都や大阪府の監察医、信州大学助手を経て、2001年から筑波大学教授。専門は法医学、法医遺伝学。性染色体およびミトコンドリアDNAを中心とする個人識別法の開拓を研究テーマとする。足利事件、袴田事件、飯塚事件などで、弁護側の推薦によって裁判所嘱託の鑑定を行った。他の著書に『看護のための「いのちの歴史」の物語』(現代社/2007) / 統計学という名の魔法の杖 看護のための弁証法的統計学入門』(現代社/2003)などがある。

目次

第1章 DNA鑑定法とは何か
第2章 DNA鑑定はどのように行われるか
第3章 DNA鑑定法の技術的課題
第4章 DNAの検出技術の改良
第5章 DNA鑑定の解釈をめぐって
第6章 劣化試料と混合試料の鑑定
第7章 DNA鑑定をめぐる論戦─足利事件、飯塚事件、袴田事件
第8章 法医学から見たDNA鑑定
終章 DNA型鑑定の有用性と課題
補章 袴田事件即時抗告審における検察側検証とはいかなるものか
事件解説
 1 兵庫アパレル店員殺害事件
 2 晴山事件
 3 大分みどり荘事件
 4 飯塚事件
 5 足利事件
 6 今市女児殺害事件
 7 袴田事件


関連ページ・・・袴田事件
 
★2018.1.17(No.527) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『恩赦と死刑囚』
(洋泉社/新書/齋藤充功/2018.1)

天皇陛下の生前退位に際して、法務省が実施に向けて検討に入った「恩赦」。
過去に実施された恩赦では、「死刑囚」が「無期懲役」へと減刑され、さらに娑婆へ舞い戻った者たちがいた。
「恩赦」と「死刑囚」の関係、そして、処刑台から生還した者たちの知られざるドキュメント!

著者・斎藤充功・・・1941年、東京都出身。ノンフィクション作家。東北大学工学部中退。ほかの著者に『「フルベッキ群像写真」と明治天皇 すり替説のトリック』 / 『日本スパイ養成所陸軍中野学校のすべて』など多数。

もくじ

はじめに 恩赦と死刑囚の知られざる世界


第一章 天皇が司る恩赦
万世一系の天皇家、万古不易の国体
戦後の「恩赦」はどう変わったのか
「恩赦」で減軽となるのはどのような刑罰か
死刑囚から無期懲役へ
恩赦を出願したふたりの死刑囚の命運

第二章 恩赦はいかにして実施されてきたか
「減刑令」による減刑の実態
「英照皇太后大喪」恩赦と北海道集治監の囚徒
浜口雄幸首相撃犯・佐護屋留雄の特殊なケース
「天皇大権」と「大逆事件」


第三章 「死刑」から「無期懲役刑」、そして娑婆へ
終戦直後に起こった大量殺人 「和歌山一家八人殺害事件
自首からわずか四十日あまりで下された「死刑」判決
「サンフランシスコ平和条約」に救われた死刑囚
冤罪も囁かれた「福岡事件」 獄中生活四十二年からの生還
「強盗殺人」か「誤殺」か
自らの右目をガラスで潰した抗議行動
どん底の石井を救った小鳥たち
「死刑執行」という見えざる恐怖との戦い
運命の日は突然やってきた
「獄中では、死刑を執行される夢をよう見たとです」

第四章 死刑囚の知られざる実態
死刑囚のコスト どれくらいの税金が使われているのか
相次いだ死刑囚の獄中死
死刑囚の真実 「マブチモーター社長宅殺人放火事件」小田島鐵男
面会で垣間見た小田島の素顔?
「治療に金をかける必要はない。執行されることが俺の覚悟ですから………」
「ありがとうございます?……もう、言い残すことはありません」

第五章 恩赦によって救われた死刑囚たち
医療刑務所に収容されていた「少年死刑囚」
三人を殺傷したあどけない顔の少年
新少年法が少年死刑囚を救った
六十七年もの間、社会と隔離された生活
ある受刑者の自殺が意味すること
「忘れるもんですか。私の家族五人を殺した男ですよ」
恩赦によって死刑から無期、そして出所
恩赦の実施は正しかったのか
「西柵丹事件」
「志和堀村両親殺害事件」
「名古屋二女性殺人事件」

第六章 恩赦にすがり、裏切られた死刑囚たち
駆けめぐった「恩赦」実施の噂
実施されなかった「昭和天皇大喪恩赦」
法務大臣は就任一ヶ月あまりで死刑執行にサインした
夫婦そろって同日執行のレア・ケース
次なる恩赦で「死刑囚」の減刑令は実施されるのか
恩赦の運用とその問題点
時代に即した、国民が納得する運用

おわりに 極めて門戸が狭い「死刑囚」の減刑
 
★2018.1.10(No.526) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『刑務所の読書クラブ 教授が囚人たちと10の古典文学を読んだら』
(原書房/単行本/ミキータ・ブロットマン/2017.12)


これほど「殺人」を実感できる人たちと
『マクベス』を一緒に読んだことはなかった。

死刑囚や終身刑囚たちを収容する重警備刑務所で、読書クラブを運営することになった女性教授は葛藤する。しかし、教授と囚人たちは回り道をしながらも、いつしか文学者も思いがけなかった視点から物語の核心へと近づいていく。孤独、虐待、裏切り、突然の死刑宣告――壮絶な人生経験から読み解く答えとは。そして変化は、囚人だけでなく教授自身の心にも現われ――。アメリカ、ジュサップ刑務所で開かれた読書クラブの2年半にわたる記録。

著者・ミキータ・ブロットマン・・・オックスフォード大学卒の文学研究者、作家、精神分析学者。ボルティモアにあるメリーランド・インスティテュート・カレッジ・オブ・アートの人文学科教授。メリーランド州ボルティモア在住。

読書クラブの囚人メンバーが読んだ全10作品

『闇の奥』ジョゼフ・コンラッド著
『書記バートルビー―ウォール街の物語』ハーマン・メルヴィル著
『くそったれ! 少年時代』チャールズ・ブコウスキー著
『ジャンキー』ウィリアム・バロウズ著
『オン・ザ・ヤード』マルコム・ブラリー著
『マクベス』ウィリアム・シェイクスピア著
『ジキル博士とハイド氏』ロバート・ルイス・スティーヴンソン著
『黒猫』エドガー・アラン・ポー著
『変身』フランツ・カフカ著
『ロリータ』ウラジーミル・ナボコフ著
 
★2018.1.3(No.525) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『児童虐待から考える 社会は家族に何を強いてきたか』
(朝日新書/杉山春/2017.12)


年間10万件を突破し、今なお児童虐待は増え続けている。 困窮の中で孤立した家族が営む、救いのない生活。そこで失われていく幼い命を、なぜ私たちの社会は救うことができないのか?

「愛知県武豊町3歳児餓死事件」「大阪2児置き去り死事件」、そして「厚木男児遺体放置事件」と、数々の児童虐待事件を取材した著者が、私たちの社会において、家族の「あるべき形」がいかに変わってきたかを追いながら、 悲劇を防ぐ手だてを模索する。

著者・杉山春・・・19588年、東京生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。雑誌記者を経てフリーのルポライター。『ネグレクト 育児放棄 真奈ちゃんはなぜ死んだか』(小学館文庫)で11回小学館ノンフィクション大賞受賞。

目次
【第1章】 ルポ 厚木男児遺体放置事件
1 作られた「残酷な父親」像
●誰も気付かなかった父子の極限の生活
●殺意はあったのか?――遺体が示した「事実」
●誰かを断罪すれば解決できるのか 他
2 助けを求めることを知らない親たち
●弱者が強いられる不利な選択
●現実に向き合えない家族
●シングルファザーたちの孤立 他

【第2章】 「近代家族」という呪縛――二つの虐待事件を追って
●親としての過剰な「生真面目さ」
●完璧な母であれ
●近代家族の誕生と現代社会の病
●家族を「所有」せず、自分自身を大切にする 他

【第3章】 国家と家族のあいだで――「満州女塾」再考
●家族は国家のために
●大陸の花嫁
●棄てられた開拓団
●命と引き換えの性 他

【第4章】 社会につながれない「ニューカマー」たち――川崎中1殺害事件の深層にあるもの
●自分を語る言葉を持てない子どもたち
●日本で暮らす外国人の在留資格
●居場所を見出せないことへの憎悪 他

【第5章】 育児は母親だけの義務か?――母性から降りる、共同体で支援する
●母親とのカプセルの中で子どもが窒息する
●10年間で大きく動いた若年困難家庭の状況
●行政への不信 他

【付 録】 誤解される「子どもの精神障害」――児童精神科医・滝川一廣さんとの対話

【終 章】 家族はどこへ向かうのか――虐待予防の現在、そして新しい家族の形のために
●進む虐待対策
●見えてきた社会的養育のあり方
●新しい子育てを社会として作る 他
 
★2017.12.27(No.524) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『JAL123便墜落事故 自衛隊&米軍陰謀説の真相』
(宝島社/単行本/杉江弘/2017.12)


巷に横行する陰謀説の欺瞞をあばき、JAL123便墜落事故の謎に最終結論を出す決定版ノンフィクション。520人の死亡者を出した墜落事故から長い年月が経ったにもかかわらず、自衛隊によるミサイル誤射、米軍の陰謀説など、「都市伝説」に基づく書籍がはびこってきました。ジャンボ機飛行時間1万4,000時間の世界記録を誇る元日本航空パイロットの著者が真実を白日の下にさらし、具体的な事故防止策を示します!

著者・杉江弘・・・元・日本航空(JAL)機長、日本エッセイスト・クラブ会員。愛知県豊橋市生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、日本航空入社。ボーイング747の飛行時間は約1万4,000時間を記録し、世界で最も多く乗務したパイロットとしてボーイング社より表彰を受ける。ほかの著書に『マレーシア航空機はなぜ消えた』 / 『危ういハイテク機とLCCの真実』 などがある。

目次
序章
第1章 青山透子『日航123便 墜落の新事実』の真相
第2章 「ブラックボックス」は語る――「JAL123便墜落」徹底検証
第3章 生存者を見殺しにした日本政府とJALの責任
第4章 パイロットに残された教訓
第5章 「ハドソン川の奇跡」に学ぶ最善の生還術
終章
 
★2017.12.20(No.523) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『暴走老人・犯罪劇場』
(洋泉社/新書/高橋ユキ/2017.12)


ボケる・トボける・シラをきる――
狡猾にして大胆、そして図太い精神の持ち主!
犯罪者でありながら、老人力を法廷でいかんなく発揮する、アウトな高齢犯罪者――
“アウト老"たちの知られざる実態 超高齢化社会・ニッポンで、これはもはや他人事ではない!

著者・高橋ユキ・・・1974年、福岡県出身。2005年、女性の裁判傍聴グループ「霞っ子クラブ」を結成。傍聴ライターとして裁判傍聴を中心に事件記事を執筆している。
★2017.12.13(No.522) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『精神鑑定はなぜ間違えるのか? 再考 昭和・平成の凶悪犯罪』
(光文社新書/岩波明/2017.12)


精神医学はいまだに未熟な学問である。精神疾患を確実に診断することが可能な検査指標はほとんど存在しない。いわゆる「脳科学」は大きな進歩を
遂げているように喧伝されているが、その技術を用いても、うつ病や統合失調症において脳のどの部分に異常が見られるのか明らかにすることは不可能なのである。したがって、法廷における「精神鑑定」に誤りが多いことも、ある意味当然なのだ。 さらに、「精神科医」自体の問題もある。精神鑑定を担当する精神科医のレベルはさまざまである。一流の精神科医もいれば、二流、三流、ときにはそれ以下の医者が鑑定を行っている現実がある。基本的な診断も理解していない精神鑑定書を見て唖然とすることもまれではない。

著者・岩波明・・・1959年、神奈川県生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医、医学博士。東京都立松沢病院をはじめ多くの医療機関で精神科臨床にたずさわる。東京大学医学部助教授を経て、独ヴュルツブルク大学精神科に留学。2012年より昭和大学医学部精神医学講座主任教授。2015年より同大学附属烏山病院長を兼任、ADHD専門外来を担当。発達障害の臨床研究、統合失調症の認知機能障害、精神疾患と犯罪などを主な研究分野とする。著書に『狂気という隣人』 / 『狂気の偽装』などがある。
★2017.12.6(No.521) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『きょうも傍聴席にいます』
(幻冬舎新書/朝日新聞社会部/2017.11)


「泣けた」「他人事ではない」
朝日新聞デジタルの人気連載、待望の書籍化第2弾

殺人など事件が起きると、警察、被害者の遺族、
容疑者の知人らへの取材に奔走する新聞記者。
その記者がほとんど初めて、容疑者本人を目にするのが法廷だ。
傍聴席で本人の表情に目をこらし、肉声に耳を澄ましていると、
事件は当初報じられたものとは違う様相を帯びてくる――。
自分なら一線を越えずにいられたか?  何が善で何が悪なのか?
記者が紙面の短い記事では伝えきれない思いを託して綴る、
朝日新聞デジタル版連載「きょうも傍聴席にいます。」から
大反響の28編を収録。

◇「絶対君主」を名乗る祖母と、隷属する母。
10年以上にわたり壮絶な虐待を受けてきた姉妹は、ついに決意した――。
(絶対君主が支配する虐待の家)

◇認知症の母と、病気で働けなくなった父。
生活保護を申請した無職の娘は、両親を車に乗せ、川へ向かった――。
(親子3人が入水した絶望の川)

◇法科大学院生の男が、妻と不倫関係にあった男性弁護士の局部を切断。
衝撃の結末を招いた男女3人の愛憎劇とは――。
(水に流せぬ恨みと愛)

関連書籍・・・『お母さん、もう無理だ きょうも傍聴席にいます』(幻冬舎/朝日新聞社会部/2016)
★2017.11.29(No.520) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『迷宮探訪 時効なき未解決事件のプロファイリング』
(双葉社/単行本/北芝健[監]/「週刊大衆」編集部[編]/2017.11)


元刑事・北芝健氏が迷宮入りした事件の真相を読み解き、事件現場を実際に訪れてプロファイリングをする未解決事件のドキュメンタリー。世田谷一家殺害事件など、殺人事件の公訴時効が撤廃された1995年以降の事件について取り上げる。奇想天外な推理だけでなく、事件現場が今どうなっているのか、臨場感あふれる写真も多数収録。

監修者・北芝健・・・東京都生まれ。元警視庁刑事。祖父は外科医、父は内科医、母は小児科医という医師の一家に生まれる。早稲田大学卒。在学中に1年間英国居住。商社勤務を経て警視庁に入庁し、地域警察(交番等)、刑事警察(盗犯、暴力犯、強行犯等)、公安外事警察(防諜、外国人犯罪、テロ対策、情報調査等)の捜査に従事。沖縄剛柔流空手六段。日本拳法三段。警視庁柔道二段。全国警察逮捕術大会の優勝チームのコーチを務める。(社)日本安全保障・危機管理学会顧問、研究講座講師。日本経済大学大学院講師。他の著書・・・『警察・ヤクザ・公安・スパイ 日本で一番危ない話』 / 『犯罪にねらわれる子どもたち』など多数。

関連ページ・・・世田谷一家惨殺事件
★2017.11.22(No.519) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『A4または麻原・オウムへの新たな視点』
(現代書館/単行本/森達也&深山織枝&早坂武禮/2017.11)


「オウムは日本社会に誕生した絶対的悪である」が社会の空気。そのため麻原の死刑宣告も当然のこととして、日本社会に受け入れられている。本書の筆者もオウム真理教の犯罪は当然許されるべきものではなく、裁きを受けるのは当然と考える。しかし麻原は明らかに精神を冒されているし、裁判も刑事訴訟法に則った裁判を受けたとは思えない。地下鉄サリン事件の動機も明らかになっていない。これで、噂されている死刑の執行などがあれば、法治国家とは言えないだろう。そもそもあの事件は何故起きたのか、オウム真理教とはどんな宗教で、麻原とはどんな人間だったのか。そこに一歩でも近づきたくて、本書は編まれた。巻末にマンチェスター大学日本学シニア教授で、「メディアと新宗教の相互作用の研究」をしているエリカ・バッフェリ教授の解説を付けた。死刑執行が囁かれているいまこそ、もう一度事件を検証し直したい。

著者・・・

森達也・・・1956年、広島県呉市生まれ。映画監督、作家。明治大学情報コミュニケーション学部特任教授。1998年、ドキュメンタリー映画『A』を公開、ベルリン映画祭に正式招待。『A2』では山形国際ドキュメンタリー映画祭で特別賞・市民賞を受賞。オウム関連の著書に『「A」 マスコミが報道しなかったオウムの素顔』(角川文庫/2002) / 『A2』(現代書館/安岡卓治との共著/2002) / 『A3』(集英社インターナショナル/2011/講談社ノンフィクション賞受賞)がある。

深山織枝・・・オウム真理教の元信者。前身の「オウム神仙の会」時代の1986年に入会、翌1987年に出家。1988年に独房修行を経て当時の中堅幹部の「大師」になる。省庁制度下では「労働省次官」を務めた。1995年の地下鉄サリン事件後に脱会。

早坂武禮・・・オウム真理教の元信者。1989年に入信、二年後の1991年に出家。翌1992年に中堅幹部の「正師」(当時)になり、「広報局長」「自治省次官」などを務めた。1995年の地下鉄サリン事件後に脱会。


関連ページ・・・オウム真理教
★2017.11.15(No.518) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『殺しの手帖 <実録>平成の未解決・未解明事件の謎』
(洋泉社ムック/2017.8)


平成の重大未解決事件、未解明事件を徹底検証・徹底推理!
あの事件には、まだ明らかにされていない謎がある!

目次
「埼玉愛犬家連続殺人事件」の禍根
八王子スーパーナンペイ事件と日本の地下水脈
島根女子大生バラバラ殺人事件の不可解な結末
リチャード・ロイド・パリー氏 インタビュー
ルーシー・ブラックマンさん事件と『黒い迷宮』
ノンフィクションライター・小野一光氏 インタビュー
複雑怪奇――尼崎連続変死事件と殺人犯たちの肖像
「尼崎連続変死事件」と世紀の未解決事件「グリコ・森永事件」の黒い糸
ノンフィクション作家・豊田正義氏 インタビュー
北九州・連続監禁殺人事件が示唆した人間の恐ろしさ、残酷さ、そして弱さ
松永太と緒方純子――その尋常ならざる関係の秘密
死刑囚・小田島鐵男の真実――彼はいかにして殺人者となったのか
作家・平山夢明が読み解く事件の謎
事件の背後には触れちゃいけない「ダークマター」がある
和歌山毒物カレー事件――浮上した「新たな謎」
週刊誌事件記者座談会
事件あるところに「事件記者」あり――
平成の怪事件――迷宮の「井の頭バラバラ殺人事件
犯罪ジャーナリスト・小川泰平が読む「事件」の深層
世界が誇る警察組織「警視庁」管内で起きたふたつの未解決事件
東電OL事件、消えた「B型のDNA」の真犯人を追え!
小金井アイドル刺傷事件――岩崎友宏の狂気の深淵
佐賀女性7人連続殺人事件――消えた「水曜日の絞殺魔」を追う
伊勢女性記者行方不明事件――重要人物「X」の変心

関連ページ・・・埼玉愛犬家連続殺人事件 / 東電OL殺人事件 / 佐賀女性7人連続殺人事件
★2017.11.8(No.517) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『ママは殺人犯じゃない 冤罪・東住吉事件』
(インパクト出版会/単行本/青木惠子/2017.8)


火災事故を殺人事件に作り上げられ、無期懲役に―。
悔しさをバネに娘殺しの汚名を晴らすまで!


東住吉(ひがしすみよし)事件・・・1995年(平成7年)7月22日、大阪府大阪市東住吉区の民家で火災が発生し、小学6年生の女児・めぐみちゃん(11歳)が死亡した事件。9月10日、この事件でめぐみちゃんの母親・青木惠子と内縁の夫・朴龍晧が逮捕された。逮捕された理由は死亡しためぐみちゃんに死亡時支払金1500万円の生命保険契約をしていたことやめぐみちゃんの死亡に対して保険金支払いを請求したこと、惠子と朴に約200万円の借金があったことから、借金返済のための保険金詐取目的の殺人の容疑だった。2人は公判で無罪を主張したが、1999年(平成11年)5月18日、大阪地裁で無期懲役判決。被告側が控訴。2004年(平成16年)12月20日、大阪高裁で控訴棄却。被告側が上告。2006年(平成18年)11月7日、最高裁で上告棄却で無期懲役が確定した。2009年(平成21年)に再審開始を請求し、大阪地裁は2012年(平成24年)3月7日、「自白は不自然」と判断し、再審開始を決定。3月12日、検察側が即時抗告。2015年(平成27年)10月23日、大阪高裁は再審開始を認めた大阪地裁決定を支持し、検察側の即時抗告を棄却。刑の執行を10月26日午後2時で停止する決定も出した。10月27日、検察側が特別抗告を断念。2016年(平成28年)8月10日、大阪地裁で無罪判決。検察は控訴権を放棄し、即日、無罪確定。
★2017.11.1(No.516) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『死刑 その哲学的考察』
(ちくま新書/萱野稔人/2017.10)


死刑の存否をめぐり、鋭く意見が対立している。「結論ありき」でなく、死刑それ自体を深く考察することで、これまでの論争を根底から刷新する、究極の死刑論!

萱野稔人・・・1970年生まれ。哲学者、津田塾大学教授。専門は哲学、社会理論。パリ第十大学大学院哲学科博士課程修了。博士(哲学)。朝日新聞「未来への発想委員会」委員、衆議院選挙制度に関する調査会委員などを務める。著書に『国家とはなにか』(以文社) / 『カネと暴力の系譜学』(河出書房新社) などがある。
★2017.10.25(No.515) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『死刑執行された冤罪・飯塚事件 久間三千年さんの無罪を求める』
(現代人文社/単行本/飯塚事件弁護団/2017.11)

飯塚事件は、足利事件と同時期に同じ科警研によって行われた DNA鑑定が問題となった。鑑定の誤りが明らかになった足利事件は再審無罪となったが、無実を訴えていた久間三千年は死刑執行された。本書は、有罪の柱になった(1)血液鑑定、(2)DNA鑑定、(3)目撃証言、(4).繊維鑑定について、その誤りを指摘し、一日も早い再審決定を求める。

飯塚事件・・・1992年(平成4年)2月20日、福岡県飯塚市で小学1年生の女児2人が登校途中に行方不明となり、翌21日、山中で2人の遺体が発見された。1994年(平成6年)、警察は、科警研の足利事件(↓)と同じ手法のMCT118によるDNA鑑定が一致したとして、女児と同じ校区に住んでいた久間三千年(くま・みちとし)が逮捕された。久間は一貫して無罪を主張していたが、1999年(平成11年)9月29日、福岡地裁はDNA鑑定に加えて情況証拠を積み上げて死刑を言い渡した。2001年(平成13年)10月10日、福岡高裁で控訴棄却。2006年(平成18年)9月8日、最高裁で上告棄却で死刑が確定した。足利事件のDNA再鑑定が行われる目処がついた数週間後の2008年(平成20年)10月28日、久間三千年の死刑が執行された。70歳だった。2009年(平成21年)、久間の妻が再審を請求したが、2014年(平成26年)に福岡地裁で棄却された。その即時抗告審で、弁護団は、再審棄却決定の柱であった(1)血液鑑定、(2)DNA鑑定、(3)目撃証言について、あらたな検証実験の成果を踏まえて、その誤りを立証した。


足利事件・・・1990年(平成2年)5月12日、栃木県足利市で女児(4歳)が行方不明になり、翌13日、渡良瀬川の河川敷で女児の遺体が発見された。10月、科学警察研究所(科警研)がDNA鑑定を実用化。11月末、聞き込み捜査により幼稚園バス運転手の菅家(すがや)利和がマークされ、巡査部長が菅家の借家を訪問&令状なしの室内調査&勤務先への聞き込み。以降、逮捕されるまでの1年間尾行され続ける。1991年(平成3年)3月、勤務先への聞き込みが原因で菅家が解雇された。1991年(平成3年)5月22日、警察庁がDNA鑑定導入を決定。6月23日、尾行中の刑事が菅家の捨てたゴミ袋を無断で押収。8月21日、科警研に女児の半袖下着と押収したゴミ袋に入っていた使用済みのティッシュのDNA鑑定を依頼。11月25日、DNA鑑定で一致したという結果を報告。12月1日、菅家が逮捕状なしで足利警察署に連行され、夜中まで取り調べ。翌2日、女児殺害などの容疑で菅家利和(当時45歳)が逮捕された。だが、当時のDNA鑑定の技法が未確立だったため、その鑑定結果には様々な疑問がもたれている。また、DNA鑑定以外に物証がなく、「自白」内容も変遷を繰り返し、殺害方法などの重要部分で客観的事実と矛盾している。公判途中から菅家は否認に転じるが、1993年(平成5年)7月7日、宇都宮地裁で菅家に無期懲役の判決。1996年(平成8年)5月9日、東京高裁で控訴棄却。2000年(平成12年)7月17日、最高裁で上告棄却で無期懲役が確定。2002年(平成14年)12月25日、宇都宮地裁に再審請求。2008年(平成20年)2月13日、宇都宮地裁が再審請求を棄却。2月18日、弁護団が東京高裁に即時抗告を行う。その即時抗告審で、12月19日、東京高裁の田中康郎裁判長がDNAの再鑑定を行うことを決定した。再審請求中の事件でDNAの再鑑定を行うことが決定された事件としても初のケースとなった。2009年(平成21年)4月20日、東京高裁の嘱託鑑定で女児の着衣に付着した体液と菅家のDNA型が一致しないという結果を得る。5月19日、弁護団が東京高検に無期懲役刑の執行停止と釈放を要請。5月25日、東京高裁の即時抗告審に鑑定書を提出していた本田克也・筑波大教授が鑑定書の改訂版を提出。6月1日、弁護団が刑の執行停止をしない検察を不当だとして宇都宮地裁に異議申し立て。6月4日、菅家が逮捕から17年半ぶりに釈放される。これにより再審開始が決定的となる。6月23日、東京高裁は再審請求即時抗告審で請求を棄却した宇都宮地裁決定を取り消し再審開始を認める決定をした。女児の着衣に付着した体液と菅家のDNA型が一致しなかった再鑑定結果を「無罪を言い渡すべき新証拠」と判断した。2010年(平成22年)3月26日、宇都宮地裁(佐藤正信裁判長)は菅家利和に対し無罪判決を言い渡した。

プロローグ 飯塚事件のあらまし
第1章 飯塚事件・再審請求審の特徴と求められる審理のあり方
第2章 DNA鑑定 4つの鑑定データを精査する
第3章 血液型鑑定 真犯人の血液型は何か
第4章 目撃証言その1 警察官に誘導された供述
第5章 目撃証言その2 科学的に不可解なカーブの目撃
第6章 繊維・染料鑑定 情状証拠としての価値はない

★2017.10.18(No.514) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『Black Box』
(文藝春秋/単行本/伊藤詩織/2017.10)


真実は、ここにある。 なぜ、司法はこれを裁けないのか? レイプ被害を受けたジャーナリストが世に問う、 法と捜査、社会の現状。 尊敬していた人物からの、思いもよらない行為。 しかし、その事実を証明するにはーー密室、社会の受け入れ態勢、差し止められた逮捕状。 あらゆるところにブラックボックス≠ェあった。 司法がこれを裁けないなら、何かを変えなければならない。 レイプ被害にあったジャーナリストが、自ら被害者を取り巻く現状に迫る、圧倒的ノンフィクション。

著者・伊藤詩織・・・1989年生まれ。ジャーナリスト。フリーランスで、エコノミスト、アルジャジーラ、ロイターなど主に海外メディアで映像ニュースやドキュメンタリーを発信する。
★2017.10.11(No.513) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『闇を照らす なぜ子どもが子どもを殺したのか』
(長崎新聞社/単行本/長崎新聞社報道部少年事件取材班/2017.4)


長崎市の男児誘拐殺害、佐世保市で発生した小6女児同級生殺害、高1女子同級生殺害をはじめ、全国の少年事件の深層と、その後を追った長崎新聞連載を単行本化。子どもたちを守るために、大人は何をすればいいのか。精神医学、小児医学、臨床心理学、教育学の専門家が男児誘拐殺害事件を検証した報告書も全文収録。

目次

第1章 深層凶悪少年事件
「男児誘拐殺害の教訓」
「少年事件遺族の今」
「佐世保児相の内部告発」
「佐世保事件読者の告白」
第2章 検証男児誘拐殺害
本紙提唱 男児誘拐殺害検証会議が報告
男児誘拐殺害事件検証報告書


関連ページ・・・佐世保小6同級生殺人事件
★2017.10.4(No.512) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『なんで、「あんな奴ら」の弁護ができるのか?』
(現代人文社/単行本/アビー・スミス&モンロー・H・フリードマン[編著]/2017.8)


「なぜ、あんな奴らの弁護ができるのか?」 
すべての刑事弁護人はこの質問を受ける。家族から、友人から、ありとあらゆる人たちから……。この疑問は刑事弁護人にとって、“お定まりの質問”として知られている。そして、この“お定まりの質問”に対する唯一の正しい解答はない。もっとも、一人ひとりの刑事弁護人は、その仕事を行うにあたって“お定まりの質問”に対する自身の答えを持っている。本書は、この“お定まりの質問”に対するアメリカの刑事弁護人の回答を集めたコレクションである。執筆者は、経験豊富で思慮深い刑事弁護人および教育者たちである。老いも若きも、女性も男性も、白人も黒人も交じっている。執筆者は、簡潔にかつ力強く、各自が「あんな奴ら」を弁護する理由を語っている。

著者・・・

アビー・スミス(Abbe Smith)・・・ジョージタウン大学法学教授であると同時に、弁護士として、刑事弁護および受刑者代理クリニックの責任者を務める。ハーバード・ロースクールを始めとする数多くのロースクールで、刑事弁護、少年司法、法曹倫理、臨床法学等の幅広い分野で学生を指導している。モンロー・フリードマンとの共著として、法曹倫理の教科書『弁護士倫理を理解する』(Understanding Lawyer's Ethics〔2010〕第4版 )がある。

モンロー・H・フリードマン(Monroe H. Freedman)・・・アメリカを代表する法曹倫理の泰斗であり「弁護士の弁護士」と称された。1966年に発表された、刑事弁護人の直面するジレンマについての問題提起は「フリードマンの三つの難問」(The Three Hardest Questions)として今日に至るまで決着をみていない。ホフストラ大学ロースクールの院長を務めたほか、依頼者中心の弁護人像を提示して、自ら刑事弁護および公民権擁護の弁護士として数多くの業績を残したが、2015年、86歳で逝去。


Chapter1.『罪を犯した者の弁護』公表から30年
Chapter2.どうして、こんな人々を起訴できるのか?
Chapter3.なぜ、あんな奴らの弁護ができるのか?
Chapter4.神の恵みがなければ、我が身も同じ
Chapter5.なぜ私は有罪の者と無罪の者を同じように弁護するのか
Chapter6.「あんな奴ら」を弁護することが、なぜ、本質的なことなのか
Chapter7.公民権を擁護すること
Chapter8.「私たち」と「あんな奴ら」についての考察
Chapter9.人生の破壊 国家が殺害をもくろむとき
Chapter10.「あんな奴ら」とは我々のことだ
Chapter11.性犯罪者を弁護するということ
Chapter12.どうして、こんな人々を弁護せずにいられるのか?
Chapter13.フェアプレイ
Chapter14.弁護すること……今もなお
Chapter15.アメリカだけではない 自由な民主主義社会において「あんな奴ら」を弁護することの必要性
★2017.9.27(No.511) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『20世紀の51大事件 私は目撃した』
(文春ムック/2017.9)


昭和の事件を当時の熱をそのままに珠玉の記事を再収録。

ニッポン列島震撼事件
連続幼女殺害 宮崎勤の家族が嘗めた辛酸
大久保清連続婦女暴行殺人事件
殺人鬼・大久保清と刑務所で面会した20分
山口組 vs.一和会 私は見た! 元幹部の迷路のような家
百日漂流 佐野三治が怯えた死体を食う魚
戸塚宏が留置場で連続殺人鬼冷血・勝田と腕立て伏せ
オカルト猟奇 悪魔払いバラバラ殺人 犯人二人の精神鑑定書
グリコ・森永事件 脅迫状に犯人の実像
日本人拉致事件 李恩恵を拉致した男は逮捕寸前だった
飯干晃一の宣戦布告 生命尽きるまで「統一教会との死闘」
帰還兵の戦後 横井庄一の遺言は「小動物たちの慰霊碑を」
残置諜者 小野田寛郎少尉“発見の旅"から20年

テロリズムとその時代
側近が語る 浅沼社会党委員長刺殺の生々しい瞬間
よど号ハイジャック事件 石田眞二機長は大阪で警備員に
三井物産マニラ支店長誘拐事件
日本赤軍関与、私はこうして調べた
アキノ射殺事件 スクープ写真 私が撮影した
ペルー日本大使公邸占拠事件 人質たちの後遺症
有田芳生があえて書いた オウム真理教上祐史浩の「闇の顔」
不肖宮嶋、大倉乾吾 拘置所の麻原激写! 秘密兵器はベニヤ板

巨大事故現場は語る
日本航空123便墜落事故
「生存者スクープ」の御巣鷹山凄惨現場
ホテルニュージャパン火災事故
炎上するホテル内部に突入した命知らずのカメラマン
阪神・淡路大震災 宙吊りバスを救った「奇跡の運転手」

「怪死」ミステリー
いまだ根強い謀殺説 女将は見た 中川一郎の顔に不気味な斑点
M資金詐欺で追いつめられた?
田宮二郎 自殺3日前の「会食」メンバー
直撃カメラマンの独白 豊田商事永野会長刺殺 私は撮らなかった
尾崎豊が初めて撮らせた“正面"からの写真
「村井秀夫刺殺の指令なし」でオウム真理教事件の謎未だ深し

スターの肖像 最後の秘話
百恵・友和の初デートを“演出"した親友の告白
キャンディーズ バックバンドとタイ旅行三泊四日の一部始終
夭逝した美女の俳号は「海童」 夏目雅子は俳句の名人
貴乃花との婚約解消 宮沢りえは知らなかった
がん告白から三年 逸見夫人が神の手手術は無謀と知った日
宇多田ヒカルの母・藤圭子が引退で「意外な一言」
まき子夫人大反対!
石原裕次郎 手術直後にヨットレース参加
勝新太郎がハワイでふるまった手料理
寅さんが残した肉声 留守電テープ50分初公開
沖雅也の飛び降りを記録したホテル従業員の「備忘日誌」
岡田有希子自殺の一年後 両親は離婚した
美空ひばりの棺に三日間寄り添い続けた島倉千代子

スポーツ列伝 運命の瞬間
長嶋監督解任 世紀のスクープは電話の混線から
小林繁が初めて明かした 江川卓事件「空白の一日」
運命のドラフト会議
清原ボー然、桑田はそっと部屋から姿を消した
伊達公子を陰で支えたおむすびの達人
東京オリンピック 聖火ランナーを拉致した「スクープ合戦」

醜聞報道の深層
金丸信が私にぶちまけた 愛弟子・小沢一郎の非情
三越のドン・岡田茂に挑んだ6人の告発者
「本当の金額は1000万だった」
リクルート事件500万円贈賄ビデオ
「獄中」の三浦和義から届いた電報の中身
横山ノックが借りたSMビデオ10本の中身

ドキュメント皇室報道
昭和天皇のご病状を明らかにして亡くなった東大教授
美智子皇后 結婚5日前の「父娘のキャッチボール写真」
雅子妃の父・小和田恆氏に怒鳴られた私


関連ページ・・・宮ア勤幼女連続殺人事件 / 大久保清連続殺人事件 / 戸塚ヨットスクール事件 / 勝田清孝連続殺人事件 / 藤沢悪魔祓いバラバラ殺人事件 / 北朝鮮日本人拉致事件 / 浅沼稲次郎社会党委員長暗殺事件 / 「よど号」ハイジャック事件 / 日本赤軍と東アジア反日武装戦線 / オウム真理教 / 豊田商事永野会長刺殺事件 / アイドル歌手自殺事件 / 「疑惑の銃弾」事件
★2017.9.20(No.510) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『犯罪学ハンドブック』
(明石書店/単行本/アンソニー・ウォルシュ/2017.8)


犯罪学を人間の行動を科学的に研究し、その法則性を解明しようとする行動科学と位置づけ、最新の研究成果をふまえて、被害者学、社会学、心理学、生物学等や各犯罪種別の理論などを学際的視座から解説する。現実問題と理論の関係も実例を交えて平易にときほぐす。

著者・アンソニー・ウォルシュ(Anthony Walsh)・・・オハイオ州のボーリング・グリーン・ステート大学で博士号を取得。現在はアイダホ州にある、ボイシ州立大学の教授であり、犯罪学、統計学、法学および矯正に関するケースワークやカウンセリングの授業を担当している。法執行および矯正に関する実務経験があり、30冊以上の著者、共著者であり、150編以上の論文を執筆している。目を奪われるようなすてきな奥様をずっと愛し続けている。

目次

犯罪、犯罪学とは
犯罪と犯罪行動の数値化
被害者学―犯罪被害経験を探究する
犯罪学を形成した初期の学派
合理的選択としての犯罪、情動、および犯罪行動
社会構造理論
社会過程理論
批判理論とフェミニズム理論
心理社会学的理論―個人特性と犯罪行動
生物社会学的アプローチ
発達理論―非行発症から離脱まで
暴力犯罪
テロリズム
財産犯罪
公共秩序犯罪
ホワイトカラー犯罪
組織犯罪
★2017.9.13(No.509) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『サイバー犯罪入門 国もマネーも乗っ取られる衝撃の現実』
(幻冬舎新書/足立照嘉/2017.7)


大規模サイバー攻撃により、チェルノブイリ原発一時停止。
原発、病院、銀行、交通機関・・・日本も狙われている!

世界中の貧困層や若者にとって、ハッカーは「ノーリスク・ハイリターン」の夢の職業だ。同時に、サイバー犯罪による“収益”を資金源とする犯罪組織やテロリストは、優秀なハッカーを常に求めている。両者が出会い、組織化され、犯罪の手口は年々巧みに。「気付かないうちに預金額が減っている」といった事件も今や珍しくないし、数十億円を一気に集めることも容易い。一方で、日本人は隙だらけ。このままでは生活を守れない!日々ハッカーと戦うサイバーセキュリティ専門家が、ハッカーの視点や心理、使っているテクニックを、ギリギリまで明かす。

著者・足立照嘉・・・サイバーセキュリティ専門家であり、投資家。国内外のIT企業の起ち上げから経営にまで幅広く参画。千葉大学大学院在籍中にIT系の事業会社を設立して以降、ニューヨークをはじめロンドンやシンガポールを拠点に、2017年現在で30ヶ国以上に事業を展開。取引先には、Fortune Global 500にランクするような有名企業も多く含まれる。実地での経験も豊富で、サイバーセキュリティとサイバー攻撃に関して詳しい。
★2017.9.6(No.508) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『日本殺人巡礼』
(亜紀書房/単行本/八木澤高明/2017.8)


近代の軋轢が産み落とした「闇」に肉薄する!
"日常"と"奈落"の境界は何処にあるのか?

戦前戦後から高度成長期を経てバブル、平成不況という歴史のうねりのなか、ある種の歪みとして時代の折々に生じた 日本中を震撼させる恐ろしい凶悪殺人事件の数々ーー。「殺人者の生家」「故郷の村」「殺害現場」へ直接足を運び、犯人たちが背負ってきた時代の宿命と、人間の哀しき業を追う。

著者・八木澤高明・・・1972年、横浜市生まれ。ノンフィクション作家。写真家。写真週刊誌「FRIDAY」の専属カメラマンを経てフリーに。他の著書に『マオキッズ 毛沢東のこどもたちを巡る旅』(小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞) / 『黄金町マリア』などがある。

【目次】

第1章 現代の八つ墓村
第2章 北関東犯罪黙示録
第3章 東京ノースエンド
第4章 北海道に渡ったネパール人
第5章 ズーズー弁と殺人事件
第6章 林眞須美と海辺の集落
第7章 宗教と殺人
第8章 戦争と殺人
第9章 差別と殺人
★2017.8.30(No.507) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『日本のテロ 爆弾の時代 60s-70s』
(河出書房新社/単行本/栗原康/2017.8)


爆弾闘争、内ゲバ、革命運動・・・・・・若者たちは、なぜ過激な行動に向かったのか?  政治と暴力、文学と芸術から考える。この時代を知るためのブックガイドを併録。

【内容紹介】 日本で、世界で、政治・文学・芸術が刺激しあった60〜70年代。 過激化した若者たちの行動は「テロ」として一面的に報道されましたが、果たしてそれだけが真実でしょうか? 本書は、今では信じられないような行動を起こした若者たちの実像を、時代状況や世界情勢にそってわかりやすく解説します。彼らの行動や考え方は、同時代の人々にとっても「世界」を考えるための重要な問いかけでした。それは作家や芸術家にとって作品を作る上では避けて通れない出来事だったことがなによりの証です。本書では、同時代の文学・音楽・美術を紹介しながら、芸術が何を表現しようとしていたのかについても考えます。

「いまある幸せに留まってはならない。なぜならその幸せは多くの民衆の不幸せを条件にしているからだ。まずはすべてを捨てて『不幸せ』に向かって跳び立たなければならない・・・・・・ベトナムが、沖縄が、水俣が、アジアが、そう若者たちに語りかけていました」(本書より)

混迷を極める現代社会で、彼らの行動を知ることは「時代」と「世界」への向き合いかたを大きく変えることになるかもしれません。

著者・栗原康・・・1979年生まれ。政治学。2017年、池田晶子記念「わたくし、つまりNobody賞」を受賞。他の著書に『大杉栄伝 永遠のアナキズム』 / 『村に火をつけ、白痴になれ 伊藤野枝伝』 など。

目次

1 何故、若者たちはいまでは考えられない行動をしたのか?
2 世界を変えるとは、どういうことか?
3 武器を持って闘いに向かった若者たち
4 東アジア反日武装戦線とは何者なのか?
INTERVIEW 大道寺将司君のこと(花田ひとし)
5 文学的想像力は何故、テロに惹かれるのか?
6 直接行動に触発された藝術家たち
BIOGRAPHY OF REVOLUTIONARIES 革命家烈伝
BOOK GUIDE この時代を知るためのブックガイド


関連ページ・・・日本赤軍と東アジア反日武装戦線
★2017.8.23(No.506) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『シリアルキラーズ 女性篇 おそるべき女たちの事件ファイル』
(青土社/単行本/ピーター・ヴロンスキー/2017.8)

歴史や事例などを詳細に検討しながら、モンスターになった女たちの謎にせまる。

著者の他の著書・・・ 『シリアルキラーズ プロファイリングがあきらかにする異常殺人者たちの真実』(青土社/2015)

目次

序 シリアル・スパルタシズム―女の攻撃性の政治学

第1部 女シリアルキラーの精神病理と小史
(雌獣の性質―雌モンスターの精神病理
力、利得、欲望を追い求めて―女シリアルキラー小史)

第2部 二〇世紀における女シリアルキラーと共犯者のケーススタディ
(アイリーン・ウォーノスのカルトと情熱―ポストモダンの女シリアルキラー
友人知己の殺害―“黒後家蜘蛛”と利得殺人
死ぬほど愛して―シリアルママ、死の天使、その他の殺意ある養護者
セックスと死とビデオテープ―シリアルキラーの共犯者としての女
ナチの雌犬とマンソン・キラー・ガールズ―カルトの女シリアルキラー)

結論 捕食者的な女の見分け方―女シリアルキラーのプロファイリング


関連ページ・・・海外の事件
★2017.8.16(No.505) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『犯罪「事前」捜査 知られざる米国警察当局の技術』
(角川新書/一田和樹&江添佳代子/2017.8)


世界の捜査の趨勢は事後から「事前」へ――世界の法執行機関の捜査の最前線で大きな変化が起きている。

事後対応から事前対処への変化だ。事前対処は事前捜査と言ってよいだろう。これには大きくふたつの理由がある。ひとつはテロだ。テロは近年になって規模も数も拡大し、サイバー化かつ国際化してきており、これまでと同じ対応では難しくなってきている。そして、インターネットの普及がもうひとつの理由だ。テロリストや犯罪者を含めた多くの人々が通信でやりとりをするようになった。地理的制約や物理的制約が減り、テロや犯罪へのハードルが下がったが、防御方法も同時に進歩した。傍受し、位置を特定することができるようになった。かくして捜査当局は、予防のための体制を整えることになった。もちろん、そこにはプライバシー侵害や冤罪などさまざまな問題がある。 (「はじめに」より抜粋)

著者・・・

一田和樹・・・コンサルタント会社社長、プロバイダ役員などを歴任後、サイバーセキュリティ情報サービスを始める。2006年に退任。2010年、『檻の中の少女』(原書房) で第3回島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞。著作に『原発サイバートラップ リアンクール・ランデブー』(原書房) など。

江添 佳代子・・・インターネット広告、出版に携わったのちフリーライター、翻訳家として活動を始める。英国のITメディア「The Register」のセキュリティニュースの翻訳を約800本担当。現在は主にウェブメディアでサイバーセキュリティ関連の記事を執筆。共著に『闇ウェブ』(文春新書)がある。

はじめに
第一章 ボルチモアの暴動で明らかになった最新捜査技法
第二章 携帯電話の基地局になりすます「モバイル監視」の捜査とは
第三章 最強の盗聴組織とやられっぱなしのSNS
第四章 ダークウェブの児童虐待サイトに捜査のメスを入れることは可能か?
第五章 犯罪やテロを防ぐ事前捜査社会
あとがき
★2017.8.9(No.504) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『昭和・平成 日本の凶悪犯罪100』
(宝島社/単行本/別冊宝島編集部[編]/2017.7)

宮ア勤・連続幼女誘拐殺人事件、九州監禁事件、オウム真理教幹部刺殺事件、グリコ・森永事件……など、昭和・平成の記憶に残る凶悪犯罪について、最新情報も織り交ぜながら解説&ルポ。実際に実行犯と会ったライター、ジャーナリストによる体験談なども随所に盛り込みます。狂気の正体を明らかにする事件ノンフィクションの決定版。
★2017.8.2(No.503) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『北海道 20世紀の事件事故 サツ回りの現場から』
(北海道新聞社/単行本/大竹功太郎/北海道新聞社[編]/2017.6)


白鳥事件、道庁爆破、北炭夕張ガス突出…50の事件を題材に元社会部記者の筆者が20世紀の北海道を読み解く。元道新警察担当キャップ座談会、事件事故年表も掲載。

著者・大竹功太郎・・・1934年、函館市生まれ。東北大文学部卒業後、1957年、北海道新聞社入社。函館報道部長、社長室次長、釧路支社長、監査役を歴任。
★2017.7.26(No.502) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『科学捜査ケースファイル 難事件はいかにして解決されたか』
(化学同人/単行本/ヴァル・マクダーミド/2017.7)


科学捜査というのはそれ自体が心の踊る仕事であり、それを職にしている人々は、
率直に言って、とんでもなく素晴らしい人たちなのだ。(本文より)

200年におよぶ歴史をもつ科学捜査。犯罪解決に役立てられ、ドラマや小説の題材としてたびたび取り上げられ、ある意味では私たちにもなじみ深いものでもある。しかし、DNA鑑定、指紋、毒物学、プロファイリングなどについて、どんなことを知っているだろうか。英国のベストセラー作家、ヴァル・マクダーミドは、科学捜査の現場を歩き、第一線で活躍するエキスパートへのインタビューをとおして、性犯罪、放火、強盗、暴行などの事件解決に科学捜査がどのように役立てられているかを、その発展の歴史とともに浮き彫りにする。犯行現場から法廷へと続く、科学捜査をめぐる旅。(2016年アンソニー賞 批評/ノンフィクション賞 受賞)

著者・ヴァル・マクダーミド・・・これまでに28の犯罪小説を著した。作品はミリオンセラーとなり、16ヶ国語に翻訳され、多くの賞を受賞。犯罪プロファイラー、トニー・ヒルのシリーズが原案となって英国ITVの連続テレビ・ドラマ〈ワイヤー・イン・ザ・ブラッド〉が制作された。

【目次】
第1章 犯行現場
第2章 火災現場の捜査
第3章 昆虫学
第4章 病理学
第5章 毒物学
第6章 指紋
第7章 飛沫血痕とDNA
第8章 人類学
第9章 復顔
第10章 デジタル・フォレンジック
第11章 法心理学
第12章 法廷
終章
★2017.7.19(No.501) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『マル暴捜査』
(新潮新書/今井良/2017.7)


「抗争(ドンパチ)は絶対にさせない」
――捜査幹部はそう言った。

2003年に発足した警視庁組織犯罪対策部、通称・組対(ソタイ)は、1000人近い人員を擁する、全国の暴力団捜査の先頭に立つ組織だ。
刑事部系と公安部系の溝、捜査手法の変遷、マル暴刑事の日常と素顔等々、関係者への豊富な取材をもとに、組織犯罪と闘うプロ集団の全貌を描く。

著者・今井良・・・1974年、千葉県生まれ。中央大学文学部卒業。NHKに入局し、地方局や東京の報道局ニュースセンターでニュース番組の制作に10年間携わる。その後、民放テレビ局に移籍。他の著書に『警視庁科学捜査最前線』がある。

プロローグ

第1章 マル暴捜査のプロ集団――組対の誕生
組対誕生の理由/情報収集力の強化/外国人犯罪の増加/
36年ぶりの新設/刑事部と公安部の対立

第2章 頂上作戦から暴対法まで――警察対暴力団の攻防史
警察の頂上作戦/政治と暴力団/フロント企業への変身/
訴訟団結成で対抗/警察の攻勢/ヤクザマネー/
暴対法改正による対策/警察の弘道会対策/「捜査」か「癒着」か/
暴力団の情報収集力

第3章 情報こそすべて――組対の捜査手法
ガサ入れ捜査/家宅捜索の持つ意味/揺さぶり/
エスを運用/公安捜査にシフト/マル暴捜査もデジタル化/
通信傍受/カメラ捜査/カメラ捜査の問題点/
GPS捜査

第4章 マル暴刑事の素顔――組対4課の現場
マル暴捜査の本部拠点/拠点は秘密/組対4課の五つの係/
広域暴力団対策係の対象/罵声とメンツ/暴力犯捜査係/
マル暴刑事の特徴/マル暴刑事の日常/マル暴捜査の最前線/
暴力団の新ビジネス/「患者役」の告白/特殊部隊を投入/暴力団が仕切り役

第5章 ボウタイの視点――組対3課の現場
前身は「ボウタイ」/特殊暴力犯罪にも対応/組織犯罪捜査の情報拠点/企業への不当要求

第6章 薬物と拳銃――組対5課の現場
清原の薬物事件/5課とは何か/ゲートウェイドラッグ/
大物企業家を内偵中/銃器捜査も重要任務/端緒は「密告情報」/
泳がせ捜査で対抗

第7章 犯罪インフラを撲滅せよ――組対1課の現場
国際組織犯罪を視察・捜査/犯罪インフラの実態/組対1課の組織編成/
不正滞在対策室とは/蛇頭/偽装結婚に「士業」が関与/
失踪する訪日客

第8章 中国人犯罪者の跋扈――組対2課の現場
ルーツは国際捜査課/中国人組織が捜査対象/影のリーダーとの攻防/
大物の逮捕/タイアップ犯罪が深刻化/中国との捜査協力

第9章 新たな犯罪者集団との対峙――組織犯罪対策特別捜査隊の現場
組対の機動捜査部隊/偽造カード事件を専門捜査/国際犯罪組織の影/
100人以上が一斉引き出し/暴力団の関与/仲介組織が主導

第10章 マネー・ロンダリング捜査の精鋭たち――組対総務課の現場
組対の筆頭課/マル暴刑事の指導部門/マネロン捜査のプロ集団/特別捜査官も参入/
マネロン捜査の実態/JAFICと連携/アメリカの制裁リスト/
パナマ文書とマネロン/暴力団関係者も浮上

エピローグ

あとがき

[ 無限回廊 top page ]