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weekly book

since December/2007


実際にあった事件や犯罪に関する新刊本・注目本などを週単位で紹介しています(更新は主に水曜日)。

下記の
★の日付は更新日で、その日付は下(↓)が古く、上(↑)が新しい
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[ No.801〜 ] ↓


★2023.9.20(No.823)- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『男性の性暴力被害』
(集英社新書/宮崎浩一&西岡真由美/2023.10)


性暴力とは、同意のない中で行われる性的言動すべてのこと。その被害者は女性であることがこの社会では自明とされてきたが、しかし、現実には性暴力被害は男性にも起こりうる。なぜ彼らの被害は今まで見えなくされ、いかに「なかったこと」にされてきたのか? その背景には、社会的に構築された「男らしさ」の呪縛があるのではないか? 今ようやく様々な事件が報道されるようになり、事態の深刻さが認識されつつある中、本書は男性の性暴力被害の実態、その心身へ及ぼす影響、不可視化の構造、被害からの回復と支援の在り方まで等を明らかにする。

著者・・・

宮崎浩一(みやざき・ひろかず)・・・1988年、鹿児島県生まれ。立命館大学大学院人間科学研究科博士課程後期課程。研究テーマは男性の性被害。臨床心理士、公認心理師。

西岡真由美(にしおか・まゆみ)・・・1976年、佐賀県生まれ。京都大学大学院教育学研究科博士後期課程研究指導認定退学。臨床心理士、公認心理師、看護師、保健師。

◆目次◆
第1章 「男性の」と言わないと見えない性暴力被害とは何か
第2章 被害後の影響--心と身体
第3章 性暴力と「男性被害」--歴史と構造
第4章 生き延びる過程--回復と支援
第5章 個別的な苦しみと社会をつなげる
全国のワンストップ支援センター紹介
 
★2023.9.13(No.822)- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『巣鴨日記』
(ハート出版/単行本/重光葵/2023.6)


重光のような人材を擁しながら戦略的大失態を演じた事実には謙虚に向き合わなくてはならない。
我々日本人は未だにその弱点を克服していないからである。重光に学ぶことは日本人の弱点を学ぶことでもある。


【本書の特徴】
新字・新仮名遣い 文字が大きい 難易語に注釈 
原書にはない写真 重光の直筆イラスト 人物の情報に注釈

獄中から見た東京裁判の舞台裏
元外相が見た東條英機ら“A級戦犯”の素顔
今残っている二十五名のA級戦犯者の裁判は、極刑の言い渡しに近づきつつある。
彼等の心境は…如何なることがあっても、皇室に御迷惑をかけぬ、
天皇陛下に御安泰のあれとする精神は日々の言動に現われている。
この点は人々の心の中に一点の曇りも懸ってはおらぬことに明かに看取出来る。
これが日本精神の結晶であり彼等の人生観である。 −重光 葵

巣鴨日記は、東京裁判の復讐劇としての実態、検事、裁判長、弁護人らの言動、
A級戦犯として捕らえられた人々の横顔、重光の思想などが詳細に記された貴重な資料である。
戦争回避に尽力しGHQと戦い、独立後は日本の国際社会復帰に貢献した重光。
いかなる状況においても絶望せず、降伏文書への署名と、国連加盟受諾演説の両方を行う
という数奇な運命を辿った重光は、逃げることなく一貫して国家を背負い続けた。
かつてこのような人物が存在したことを、日本人は決して忘れてはならない。
― 山岡鉄秀「解説」より

重光葵は、戦前は中華民国との停戦協定を纏めるもテロで片脚を失う。ハンデにも挫けず外務次官・駐在大使として欧州戦への日本介入回避に努めた。戦中も外務大臣の立場でアジア諸国の人種差別撤廃と自主独立に向け尽力。終戦時は首席全権として降伏文書に調印し、戦後も国際派政治家として活躍した。『巣鴨日記』は、非軍人でありながらA級戦犯容疑者として収監された重光が巣鴨プリズンで便箋に認めたもの。東京裁判の詳細な様子、プリズンでの非人間的な扱い、英国人、米国人との国を超えた信頼関係、家族と網越しの面会などを綴り、世界が米ソの陣営に分断されていく情勢を分析、そして日本の行く末を憂いた。

著者・重光 葵(しげみつ・まもる)・・・1887年、大分県生まれ。子供の頃朝の沐浴と教育勅語の朗読を日課とする。東京帝大法科大学独法科卒業。外務省に入り、上海総領事、駐華特命全権公使等を歴任、上海事変停戦協定を成功させた直後、上海天長節爆弾事件で右足を失う。その後、外務次官、駐ソ、駐英、駐華の各大使、さらに東条内閣、小磯内閣、東久邇宮内閣で外相を務める。日本政府全権として戦艦ミズーリ艦上で降伏文書調印。昭和天皇の信頼厚く、調印前天皇から激励を受ける。張鼓峰事件の解決、ビルマ援蒋ルートの一時的閉鎖、戦後の占領軍による軍政阻止などは、重光の卓越した交渉能力を示す例である。大東亜共同宣言も終戦の御聖断も重光の提言によって実現。日華和平を目指し、三国同盟や日米開戦には反対の立場だったが、極東国際軍事裁判ではソ連の横やりでA級戦犯の被告人となり、禁固7年の判決。政界復帰後、改進党総裁、日本民主党、自由民主党副総裁、そして鳩山内閣の外相として日本の国際連合加盟に尽力。1957年没、享年69歳。

解説・山岡 鉄秀(やまおか・てつひで)・・・1965年、東京都生まれ。中央大学卒業後、シドニー大学大学院、ニューサウスウェールズ大学大学院修士課程修了。公益財団法人モラロジー道徳教育財団研究員、令和専攻塾塾頭。 著書に『vs.中国(バーサス・チャイナ)─第三次世界大戦は、すでに始まっている!』 / 『新・失敗の本質』などがある。
 
★2023.9.6(No.821)- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『被害者家族と加害者家族 死刑をめぐる対話』
(岩波書店/単行本/原田正治&松本麗華/2023.8)


弟を殺害した死刑囚と面会し対話を続けた原田氏。オウム真理教・教祖の娘として大学への入学拒否など社会から排除されてきた松本氏。立場が異なりながらも、事件に巻き込まれ差別や孤立を強いられてきた二人の対話から見える、この国の形とは。被害者を置き去りにしながら加害者への憎悪を煽り、死刑を存置する社会を問う。

著者・・・

原田正治(はらだ・まさはる)・・・1947年愛知県生まれ。1983年、「半田保険金殺人事件」で末弟を殺害された。事件後10年目、加害者である長谷川敏彦死刑囚(2001.12.27 死刑執行)と、被害者遺族として面会。以後、彼の死刑停止および面会継続を求める活動をしてきた。死刑制度に関心を寄せながら、犯罪被害者・加害者双方の支援や講演活動などを行っている

松本麗華(まつもと・りか)・・・1983年4月、オウム真理教の教祖・麻原彰晃(松本智津夫/2018.7.6 死刑執行)と松本知子の三女として生まれる。1995年の麻原教祖逮捕後は、教団唯一の「正大師」としてさまざまな問題に巻き込まれたが、16歳のときに教団から離れた。執筆のほか、インストラクター、カウンセラーとして活動。文教大学臨床心理学科卒。日本産業カウンセラー協会、日本人間性心理学会所属。


目次

はじめに………長塚 洋
T 社会から消される私たち――被害者家族と加害者家族、それぞれの孤独(二〇一八年二月、東京)
U 死刑がある国の命の重さ(二〇二二年七月、大分)
 注
 図 死刑をめぐる日本の世論
 
★2023.8.30(No.820)- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『断絶 冤罪事件とその後の人生』
(デザインエッグ社/単行本/岩根山達人/2023.9)


この話しは実話を元に書いたものです。母一人息子一人の何気ない普通の暮らしが、冤罪事件により予期せぬ方向へ変わって行ってしまうのです。その後の人生は過酷を極めます。その内容からは現代社会の様々な問題が浮き彫りになります。労働問題や犯罪者の更生など、深く知りうる内容になっています。病める現代社会において、みなさんも様々な苦悩を抱えられていると思います。そんな方々にぜひ読んで頂きたい一冊です。果たして、努力は報われるのか、人間に超えられない壁はあるのか、人生に行き詰った方の何かのきっかけになれば幸いです。

著者・岩根山達人・・・1974年愛知県三河地域に生まれ。メンタルに疾患を抱えながら、転職を繰り返しつつも単身で自立して暮らしている。見た目は癒し系、行動は肉食系、性格は癒し系。趣味は、音楽鑑賞、楽器演奏、読書etc.好きなキャラクターは、ちいかわ。興味分野は、政治問題、労働問題、小動物研究、音楽の歴史研究、格差社会問題、古書研究、ゆるキャラ研究、犯罪学、心理学など多岐に渡り、常に考察している。
 
★2023.8.23(No.819)- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『テロルの昭和史』
(講談社現代新書/保阪正康/2023.8)


血盟団事件、五・一五事件、神兵隊事件、死なう団事件、そして二・二六事件……。
なぜ暴力は連鎖し、破局へと至ったのか?

昭和史研究の第一人者による「現代への警世」。

【本書の内容】

・「安倍晋三銃撃事件」と昭和テロの共通点
・「正義を守るための暴力」という矛盾
・現代の特徴は「テロの事務化」
・ピストルではなく短刀にこだわった将兵
・「三月事件」と橋本欣五郎
・「血盟団」井上日召の暗殺哲学
・五・一五事件の「涙の法廷」
・昭和テロリズムの「動機至純論」
・愛郷塾の存在と「西田税襲撃事件」
・言論人・桐生悠々の怒り
・大規模クーデター計画「神兵隊事件」
・罪の意識がまったくない相沢一郎
・血染めの軍服に誓った東條英機
・「死のう団」のあまりに異様な集団割腹
・二・二六事件が生んだ「遺族の怒り」
・一貫してクーデターに反対した昭和天皇 ……ほか

著者・保阪正康・・・1939年北海道生まれ。現代史研究家、ノンフィクション作家。同志社大学文学部卒業。1972年『死なう団事件』で作家デビュー。2004年個人誌『昭和史講座』の刊行により菊池寛賞受賞。2017年『ナショナリズムの昭和』で和辻哲郎文化賞を受賞。近現代史の実証的研究をつづけ、これまで延べ4000人から証言を得ている。『昭和の怪物 七つの謎』/『近現代史からの警告』など著書多数。

【本書の目次】

序章:昭和テロリズムから見た安倍元首相銃撃事件
第一章:残虐のプロローグ――三月事件から血盟団事件へ
第二章:昭和ファシズムの形成――五・一五事件が歴史を変えた
第三章:暴力の季節への抵抗者たち――ジャーナリスト・桐生悠々と政治家・斎藤隆夫
第四章:「血なまぐさい渇望」のクロニクル――神兵隊事件から永田鉄山刺殺事件まで
第五章:国家暴力というテロリズム――死のう団事件の異観
第六章:テロから戦争への転換――二・二六事件の残虐さが意味すること
不気味な時代の再来を拒むためにーーあとがきにかえて
 
★2023.8.16(No.818)- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『死刑囚238人 最期の言葉』
(鉄人社/単行本/鉄人ノンフィクション編集部/2023.8)


戦争責任者、テロリスト、大量殺人鬼など、大罪を犯し死刑判決を下された古今東西238人が死を前に残した台詞、辞世の句、遺書などから印象的な文言を集めた1冊。被害者への真摯な謝罪、神への祈り、無実の訴え、命乞い、罵倒、ジョーク。彼らが発した言葉は百人百様ながら、いずれも読む者の心に突き刺さる。

「脳は撃つな。日本人に売れる」(アンドレイ・チカチーロ)
「喜んで死んでいける」(東條英機)
「心臓を狙え」(ベニート・ムッソリーニ)
「生まれてこない方がよかった」(山地悠紀夫)
「尻にキスしろ!」(ジョン・ゲイシー)
「(獄中結婚した妻に)たとえ死んだって誰よりも深く愛している」(土谷正実)
「電気椅子のベルトが緩すぎる」(チャールズ・スタークウェザー)
「ふみえ〜!もう一度会いたいよ〜!」(古屋栄雄)
「私はやってない」(久間三千年)
「裏切り者を殺せ!」(ニコラエ・チャウシェスク)
「効かないよ。それじゃあ効かないって!」(ジョセフ・クラーク)and more
 
★2023.8.9(No.817)- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『特捜検察の正体』
(講談社現代新書/弘中惇一郎/2023.7)


「まさか、特捜検事が相手の話をまともに聞こうとせず、脅しやだましによって、あらかじめ用意した供述調書に無理矢理サインさせるとは思わなかった」(村木厚子・元厚労省事務次官)

村木厚子、角川歴彦、小沢一郎、カルロス・ゴーン、堀江貴文、鈴木宗男らの弁護を担当した、検察が最も恐れる「無罪請負人」が、冤罪を生み出す日本最強の捜査機関の「危険な手口」を詳細に解説する。

手口1 ストーリー優先の証拠集め
手口2 供述調書は検事が「作文」
手口3 別件捜査で相手の弱みをつく
手口4 客観的事実にはあえて目をつむる
手口5 不都合な証拠を隠蔽・改竄・破棄
手口6 マスコミ捜査で犯罪者に仕立てる
手口7 長期勾留で心身ともに追い込む
手口8 家族や部下を人質にして揺さぶる
手口9 ニセ情報を与えて、記憶を捏造

著者・・・弘中惇一郎・・・弁護士。法律事務所ヒロナカ代表。1945年、山口県生まれ。東京大学法学部在学中に司法試験に合格。1970年に弁護士登録。クロマイ・クロロキン事件などの薬害訴訟、医療過誤事件、痴漢冤罪事件など弱者に寄り添う弁護活動を続けてきた。三浦和義事件(ロス疑惑)、薬害エイズ事件、村木厚子(郵便不正事件)、小澤一郎事件(「陸山会」政治資金規正法違反事件)など、戦後日本の刑事訴訟史に残る数々の著名事件では無罪を勝ち取った。著作に『生涯弁護人 事件ファイル1』『生涯弁護人 事件ファイル2』/『無罪請負人』などがある。

【本書の内容】
はじめに
序 章 特捜事件とはなにか
第一章 修正不可能! 検察官ストーリー強要捜査
第二章 裏司法取引
第三章 「人質司法」という拷問
第四章 マスコミ情報操作で「犯罪者」を作り出す
第五章 裁判所を欺く姑息なテクニック
第六章 特捜検察は変わっていない
第七章 さらなる暴走を食い止めるには
あとがき
 
★2023.8.2(No.816)- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『「山上徹也」とは何者だったのか』
(講談社+α新書/鈴木エイト/2023.7)


山上はなぜ接見に応じないのか/「なかったことにしたい」勢力/山上に送った四通の手紙/宗教2世との微妙な距離感/統一教会・政治家・メディアの恥ずべき関係性/狙いは本当にテロだったのか/私の責任について/山上からの「回答」/被害者と加害者

著者・鈴木エイト・・・1968年、滋賀県生まれ。日本大学卒業。2009年創刊のニュースサイト『やや日刊カルト新聞』で副代表、主筆を歴任する。カルト問題、そして2世問題などを精力的に取材し、統一教会に鋭く斬り込む最前線のジャーナリストとして活躍する。著書には『自民党の統一教会汚染』シリーズがある。

(主な内容)
序 章 風化する「統一教会問題」と「なかったことにしたい」勢力
第一章 山上徹也と安倍晋三、鈴木エイトをつなぐ「奇妙な縁」
第二章 銃撃事件後、逮捕された山上が供述した「恨み」
第三章 鑑定留置中の山上徹也に送った手紙
第四章 事件の約一週間前に山上徹也から届いていたメッセージ(前編)
第五章 山上徹也に複雑な思いを抱く「宗教2世」たち
第六章 事件の約一週間前に山上徹也から届いていたメッセージ(後編)
第七章 山上徹也が抱えていた「マグマのような憤り」の正体
第八章 山上徹也は事件前からSOSを発していた
第九章 山上徹也が見た「絶望」の正体
第十章 「統一教会の被害を食い止めた」ために罪が重くなる可能性
 
★2023.7.26(No.815)- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『性問題行動のある子どもへの対応 治療教育の現場から』
(誠信書房/単行本/藤岡淳子ほか/2023.8)


子どもたちの性被害・性加害防止に取り組む最前線である児童相談所・児童自立支援施設では、限られた時間と資源のなか、性問題行動への治療教育プログラムに取り組み、効果を上げている。 本書では、こうした現場の実践を振り返りつつ、まず介入の第一歩となるアセスメントについて、実際の初回面接の流れや聞くべき要点など、基本と理論的背景をおさえて論じる。さらに治療教育を実践する際のポイントとコツを、さまざまな例を示しつつ詳細に解説する。また、組織の中でいかに治療プログラムを開始し、実践し、継続していくかについても述べる。 子どもの性暴力による被害と加害をなくすために、日々取り組む支援者にとって、心強い助けとなる一冊である。

著者・・・

藤岡淳子・・・1979年上智大学文学部卒業。19811年上智大学大学院博士前期課程修了。1988年南イリノイ大学大学院修士課程修了。府中刑務所首席矯正処遇官、宇都宮少年鑑別所首席専門官、多摩少年院教育調査官を経て、大阪大学大学院人間科学研究科教授、臨床心理士。

野坂祐子・・・1999年お茶の水女子大学大学院家政学研究科児童学専攻修士課程修了。20044年お茶の水女子大学大学院人間文化研究科人間発達科学専攻博士課程単位取得退学。現在、大阪教育大学学校危機メンタルサポートセンター准教授(。

毛利真弓・・・同志社大学准教授、博士(人間科学)、臨床心理士、公認心理師。少年鑑別所で心理技官として勤務した後、官民協働刑務所「島根あさひ社会復帰促進センター」で支援員として働き、日本で唯一の刑務所内治療共同体のリーダーとして、治療共同体を作ってきた。大学の心理臨床センターで心理臨床を経て、現職。

【目次】
はじめに

第T部 性問題行動のアセスメント
 第1章 アセスメントとは何か
 第2章 アセスメントと介入の原則
 第3章 アセスメントの実際

第U部 治療教育実践のポイントとコツ
 第4章 動機づけと性問題行動の理解
 第5章 治療教育における重要な概念と実践

第V部 治療教育プログラム実施のシステムづくり
 第6章 治療教育プログラムを開始する
 第7章 治療教育プログラムを継続する
 第8章 保護者支援を組み込む

【座談会】性問題行動の治療教育――20年をふり返って
 
★2023.7.19(No.814)- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『見直そう! 再審のルール この国が冤罪と向き合うために』
(現代人文社/単行本/安部祥太ほか/2023.7)

そもそもどうして冤罪が生まれるのか、その原因に迫り、そして、ひとたび間違って有罪判決を受けると、そこから救済されるのに何十年もかかってしまう現在の日本の再審制度の問題点を解説。日本の再審制度は機能不全に陥っており、「再審法(刑事訴訟法の再審に関するルール)」の改正が必要である。日本の法制度に倣って刑事司法制度を構築した隣国である台湾と韓国の再審をめぐる改革の動きも紹介。

著者・・・

安部祥太(あべ・しょうた)・・・Part1、Part2「再審制度」「再審制度の問題点」 、Part3「韓国の再審制度」
1987年東京都生まれ。関西学院大学法学部准教授、博士(法学)。専門は、刑事訴訟法、刑事政策、韓国刑事法。誤判・冤罪や再審手続と関連して、日本弁護士連合会再審法改正実現本部外部研究者委員、龍谷大学刑事司法・誤判救済研究センター客員研究員、「イノセンス・プロジェクト・ジャパン」メンバーを務める。

鴨志田祐美(かもしだ・ゆみ)・・・小説「えんざい」、Part2「実際に起こった問題」、Part3「台湾と韓国から日本が学ぶべきこと」
1962年生まれ。神奈川県出身。早稲田大学法学部卒業後、会社員、主婦(母親)、予備校講師を経て、2002年、40歳で司法試験合格。2004年鹿児島県弁護士会に登録。2021年4月より京都弁護士会に移籍し、Kollect京都法律事務所に所属。大崎事件再審弁護団事務局長、日本弁護士連合会再審法改正実現本部本部長代行として、再審弁護と再審法改正運動に心血を注ぐ。著書として、『隠された証拠が冤罪を晴らす――再審における証拠開示の法制化に向けて』(共編著、現代人文社) / 『大崎事件と私――アヤ子と祐美の40年』(LABO)など。

李 怡修(リー・イシュウ)・・・Part3「台湾の再審制度」
台湾出身、台北大学財経法学部卒業後来日、2019年一橋大学法学博士取得。同大学院法学研究科特任講師、龍谷大学犯罪学研究センター嘱託研究員を経て、現在龍谷大学刑事司法・誤判救済研究センター嘱託研究員。研究テーマは再審と証拠開示。研究の他、翻訳、通訳も兼業。2017年に、碓井真史『誰でもいいから殺したかった!』(ベストセラーズ)の中国語版『誰都可以就是想殺人!』(時報出版)出版。2023年共訳で浜田寿美男『虚偽自白を読み解く』(岩波書店)中国語版出版予定。また、日本と台湾の架け橋をミッションに、2021年株式会社ジニーを設立。刑事司法だけでなく、日本と台湾との交流を念頭に活動している。

〇目次

小説「えんざい」

Part1 冤罪はどうして起きるの?
○「冤罪」とは何か?
○小説「えんざい」に見る日本の刑事司法手続とその問題点
1 捜査段階
2 公判段階

○冤罪事件・誤判研究が示す冤罪原因
1 虚偽自白
2 共犯者供述により引っ張り込み
3 誤った目撃供述
4 誤った科学的証拠・科学鑑定とその過信
5 その他

○日本の冤罪事件
1 冤罪事件を分類する難しさ
2 再審事件の概況

Part2 日本の再審はどうなっているの?
○再審制度
1 再審とは何か?
2 再審手続の流れ
3 再審手続の構造――再審請求審を中心に
4 再審を請求するための要件
5 再審請求事件と再審事件の概況

○再審制度の問題点
1 規定の不備に起因する問題
2 証拠開示
3 検察官抗告
4 その他

○実際に起こった問題
1 はじめに
2 再審における証拠開示のリアル
3 再審開始決定に対する検察官抗告のリアル
4 その他、現実に起こった「不具合」の数々

Part3 台湾と韓国に学ぼう
○台湾の再審制度
1 陳龍綺事件
2 2015年台湾刑訴法「再審編」の改正――再審請求理由
3 確定判決後DNA鑑定法の成立
4 2019年台湾刑訴法「再審編」の大幅な改正
5 法務部有罪確定事件審査委員会の成立
6 おわりに

○韓国の再審制度
1 韓国の再審法制の歴史と特徴
2 「過去事」とその清算
3 刑訴法による再審
4 特別法による再審
5 裁判所の積極姿勢と再審
6 検察改革と再審
7 刑訴法上の再審への影響――法改正へ向けた動き
8 おわりに

○台湾と韓国から日本が学ぶべきこと
1 はじめに――なぜ、台湾と韓国の動きが重要なのか
2 台湾の「ここに注目」
3 韓国の「ここに注目」
4 変わる台湾・韓国と、変わらぬ日本との違い

Column 死刑と再審 (高平奇恵 たかひら・きえ 一橋大学准教授・弁護士)
Column 大正刑事訴訟法と「再審」 (春日 勉 かすが・つとむ 神戸学院大学教授)
Column 再審制度に関心を寄せる高校生 (山室浩二 やまむろ・こうじ 京都府立嵯峨野高等学校教諭)
Column アメリカにおける誤判救済制度 (笹倉香奈 ささくら・かな 甲南大学教授)
Column ドイツにおける誤判救済制度 (斎藤 司 さいとう・つかさ 龍谷大学教授)

巻末付録
○冤罪被害体験を語る(徳島弁護士会「大崎事件と再審法改正」トークセッション)
○日本弁護士連合会「刑事法再審に関する刑事訴訟法等改正意見書(要約版)」(2023年2月17日)
○台湾刑訴法の再審関連改正条文と日本の現行規定
○本書で取り上げた重要事件一覧表
 
★2023.7.12(No.813)- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『法律の抜け穴全集』
(自由国民社/単行本/法律書編集部/2023.8)


短編小説の面白さで法律の急所がわかる。悪用は厳禁です。ワルの手口がつぶさにわかる、読んで面白い「ウラ六法」。「ズルイやつ」ほど法律の「穴」を知っている…!
民法改正ほか、最新の法改正に対応!
 
★2023.7.5(No.812)- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『日本一長く服役した男』
(イースト・プレス/単行本/NHK取材班/2023.6)


令和元年秋、1人の無期懲役囚が熊本刑務所から仮釈放された。「日本最長」61年間の服役期間を経て出所したのは、80代のやせ細った男。出所後も刑務所での振る舞いが体に染みつき、離れないでいた。男はかつてどんな罪を犯し、その罪にどう向き合ってきたのか?

一地方放送局の記者2人とディレクター1人の取材班は、男に密着取材を行った。更生の物語を期待し、取材を進めるものの、一向に態度が変わらない男。それでも彼らは、この謎めいた男がなぜ服役し、どう罪と向き合ったのか伝えることをあきらめなかった。取材班が一丸となって、各々の巧みな取材手法を使い分け、番組制作を進めていった。

度々の全国放送が見送られつつも、いよいよ放送前日となったある日、取材班に衝撃的な連絡が入った。その時、彼らがとった行動とは――

「更生」とは。「贖罪」とは。そして「報道」とは。3年にわたる取材の全記録。

著者・・・

杉本宙矢(すぎもと・ちゅうや)・・・NHK報道局ネットワーク報道部記者 1989年生まれ、埼玉県出身。早稲田大学文学部で西洋史を専攻し、早稲田政治学研究科では政治哲学を学ぶ(修士)。2015年に入局し、熊本局に赴任。自身の「生きづらさ」を元に幅広いテーマで取材する中、2017年以降、受刑者・非行少年の立ち直り支援を継続取材。勤続2年目に熊本地震に遭遇し、遺族取材にもあたった。2020年から現職で、WEB記事の特性を活かしたデジタル発信の取材・編集手法を探究するとともに、部署の垣根を越えた様々なプロジェクトに携わっている。

木村隆太(きむら・りゅうた)・・・NHK福岡放送局記者 1992年生まれ、埼玉県出身。早稲田大学文化構想学部卒業。大学時代の2013年から2015年にかけて、中国・北京大学に留学。1年間、対外漢語学院で中国語を学んだ後、国際関係学院の学士取得。2017年4月にNHKに入局、初任地は熊本放送局。熊本で事件・事故をはじめ、再審無罪となった「松橋事件」のほか、新阿蘇大橋の再建など熊本地震からの復旧・復興や令和2年7月豪雨などを取材した。2022年8月から現職で、2023年6月現在、福岡県警担当。

【目次】
はじめに
第1章 その男との出会い
第2章 偶然か、必然か 取材班結成秘話
第3章 プリゾニゼーションの現実
第4章 裁判記録、その入手までの長い道のり
第5章 日本一長く服役した男“誕生”の秘密
第6章 彼は「ありがとう」と唱え続けた
第7章 刑務官たちの告白 無期懲役囚と社会復帰の理想
第8章 遺族はいま 母との思い出を辿って
第9章 もう一度、問いかけることができたなら
終章 〈鏡〉としての日本一長く服役した男
おわりに
注・参考文献
 
★2023.6.28(No.811)- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『犯罪心理学者は見た 危ない子育て』
(SB新書/出口保行/2023.8)


心理学者サイモンズは、子育ては4つのタイプに分けられると言いました。

著者は法務省心理職として1万人を超える非行少年・犯罪者を見てきた結果、サイモンズの言ったとおり、子育てには4つのタイプが存在すること、いずれかのタイプに偏った家庭に犯罪者が育つことを確信しました。

その4タイプとは「過保護型」「高圧型」「甘やかし型」「無関心型」。この4つの言葉を見て、「私の家庭は過保護でも高圧でもないし……」と思った親御さんへ。実は……親は誰でも知らず知らずのうちに
この4タイプのどれかに偏っていることがあるのです。

非行少年・犯罪者の育った家庭環境の事例とともに、各タイプにありがちなこと、気をつけるべきことを伝えていきます。

偏っていない子育てはありません。でも、少しでも真ん中に寄せる意識はできる。その一歩として。やさしい子育て入門書です。

著者・出口保行・・・犯罪心理学者。1985年に東京学芸大学大学院教育学研究科発達心理学講座を修了し同年国家公務員上級心理職として法務省に入省。以後全国の少年鑑別所、刑務所、拘置所で犯罪者を心理分析する資質鑑別に従事。心理分析した犯罪者は1万人超。その他、法務省矯正局、(財)矯正協会附属中央研究所出向、法務省法務大臣官房秘書課国際室勤務等を経て、2007年法務省法務総合研究所研究部室長研究官を最後に退官し、東京未来大学こども心理学部教授に着任。2013年から同学部長を務める。内閣府、法務省、警視庁、各都道府県庁、各都道府県警察本部等の主催する講演会実績多数。独自の防犯理論「攻める防犯」を展開。現在、フジテレビ「全力!脱力タイムズ」にレギュラー出演するほか、各局番組にて犯罪解説等を行う。前作『犯罪心理学者が教える子どもを呪う言葉・救う言葉』(SB新書)は累計9万部突破の話題作となった。

はじめに すぐ隣にある「危ない子育て」

序章 子育ては4タイプ
・親の養育態度は4つに分けられる
・非行少年の心理分析でも使われる4タイプ
・非行少年の親はどのタイプが多いのか?
・厳しくないのに厳しく感じられる理由
・気まぐれな親とは信頼関係が築けない
・偏らない親などいない、けれど
・仮説をもとに修正点を話し合うコミュニケーション
・思い込みを外すとラクになる

第1章 自分で決められない子――過保護型の身近な危険
・ヒロカズのケース
・解説:過保護型とは?
・過保護型は自己成長の機会を奪う
・共依存親子
・自己決定が幸せを左右する
・ヘリコプターペアレントとカーリングペアレント
・それは誰のための手助けなのか?
・子どもの発達段階欲求不満耐性を高めるには?
・他罰的な子と自罰的な親
・人のせいにする子にどう接するか?
・ハードルが下がった薬物犯罪
・人間でなくなる恐ろしさ
・薬物乱用は「被害者のいない犯罪」ではない
・薬物にハマる「現実逃避型」と「快楽追求型」
・他罰的思考は薬物犯罪と親和性が高い

第2章 自分で考えて動けない子――高圧型の身近な危険
・トモヤのケース
・解説:高圧型とは?
・一方的に命令して、子どもの気持ちを無視
・教育とマインドコントロールは紙一重
・マインドコントロールはどこでも起こる
・子どもの心を追い詰める「教育虐待」
・劣等感を子どもに補償させようとする親
・スパルタ教育は「愛のムチ」か?
・劣等感をプラスに変えるには?
・成功者はスパルタ教育を語りたがるけれど
・指示待ち人間が陥ってしまう闇バイト
・命令すべきこと、そうでないこと
・わが子を指示待ち人間にしないためには?
・やる気が出る目標設定のコツ
・セルフエスティームの回復
・知っているのに騙される、特殊詐欺
・犯罪素人が複雑化する犯罪に巻き込まれないために

第3章 人の気持ちがわからない子――甘やかし型の身近な危険
・ナルミのケース
・解説:甘やかし型とは?
・人は折り合いをつけて大人になる
・「甘え」と「甘やかし」は違う
・甘やかし型は子どもの将来を考えていない
・おこづかい制度の決定は社会経験になる
・甘やかし型と原始的犯罪「強盗」
・内省を深める方法
・自分の気持ちは伝わっているという思い込み
・共感性を高めるには?
・欲求不満耐性の低さが家庭内暴力を引き起こす
・欲求不満耐性の低い男子による性犯罪
・パートナーや祖父母が甘やかしてしまうときは?
・下の子をつい甘やかしてしまう

第4章 愛に飢えて暴走する子――無関心型の身近な危険
・アヤノのケース
・解説:無関心型とは?
・一見、親としての義務を果たしているようでも
・更生への道が険しい非行少年
・親が陥りがちな行為者-観察者バイアス
・子どもに関心がない親の生活――アヤノの両親以外の例
・情緒的ネグレクトとは?
・なぜ子どもを愛せないのか?
・虐待増加の背景
・孤独な子育ては危険
・なぜ非行に走るのか?――虐待回避と心理的距離
・愛情飢餓状態につけこむ「犯罪の誘い」
・悪いグループから抜け出させるには?
・半グレという新しい組織
・信頼を失ってもかまわないという人たち
・迷惑行為をSNSで広める若者の心理
・「承認」が人を変える
・周囲の人が相談できる場所
・「放置」と「放任」は違う
・集団行動ができる子に育てるには?
・大切なのは家族の心理的距離

付録 子育て4タイプのチェックリスト
・過保護型のチェックリスト
・高圧型のチェックリスト
・甘やかし型のチェックリスト
・無関心型のチェックリスト

終章 親が気づけば子どもも変わる
・気づくことが変化の第一歩
・性格は変えられるのか?
・問題があれば修正すればいいだけ
・言葉で表現する練習を
・話し合う習慣を作ろう

おわりに なぜ犯罪心理学者が子育てを語るのか?
 
★2023.6.21(No.810)- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『昭和の不思議101 2023年 夏の男祭号 (ミリオンムック 55) 』
(大洋図書/ムック/2023.6)


南国ビーチはクサ天国
世界のやばいスラム街
新橋闇市の顔役 松田義一
迷宮入り事件簿
・第二の帝銀事件69年目の現場
・消えたダイヤモンド
・・・
番外編~お前がゾディアックなのか?
映画の中に真実がある
昭和の時代、誰もが一度は「不幸の手紙」をもらっていた
喜び組と北朝鮮美女軍団
明日きっと誰かに話したくなる 不思議な話
アンダーグラウンドの「知の巨人」 コリン・ウィルソンこの10冊
昭和天皇自粛報道に消された演歌「不如帰」
レディース雑誌「ティーンズロード」の製作舞台裏が34年ぶりに明かされる「特攻服少女と1825日」
網走刑務所を脱獄した男
・・・ETC
 
★2023.6.14(No.809)- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『ビジュアル 世界の偽物大全 フェイク・詐欺・捏造の全記録』
(日経ナショナル ジオグラフィック/単行本/ブライアン・インズほか/2023.6)


私たちはいつもだまされている――。
フェイクニュースや疑似科学が氾濫する今こそ、本書を!


偽造されたヒトラーの日記からフェルメールの贋作、レオナルド・ディカプリオ主演映画「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」の原作者にして稀代の詐欺師フランク・アバグネイル、エッフェル塔や自由の女神の売却騒動、偽札を巡る攻防、シェイクスピアの偽の未発表原稿、50年間男性医師のふりをした女性、数十億ドルの評価を受けた血液検査の不正企業セラノスまで、世界の歴史に残る奇抜な詐欺の経緯と、その独創的な手法に迫る。
有名な偽造者や伝説的な詐欺師の詳細なプロフィール、疑わしいものを検査するために開発された多くの現代科学技術も紹介。専門家が調査した数世紀にわたる歴史上最も巧妙な詐欺の数々を、200枚にのぼる写真とともに掲載する。
物理的なモノによって構築された現実が、実は変幻自在で、不穏で、奇妙なものであることを私たちは目の当たりにする。何が本物で、何が偽物なのか、そしてなぜそれを気にしなければならないのか。本書によって読者は、ものごとの真偽に対する考え方が覆されることになるだろう。

【目次】
CHAPTER1 偽金
CHAPTER2 贋作
CHAPTER3 偽書
CHAPTER4 考古遺物の捏造
CHAPTER5 詐称
CHAPTER6 信用詐欺師
CHAPTER7 大義のための偽り
CHAPTER8 怪しげな科学
 
★2023.6.7(No.808)- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『ナルコスの戦後史 ドラッグが繋ぐ金と暴力の世界地図』
(講談社+α新書/瀬戸晴海/2023.5)


日本のヤクザの資金源・シャブの韓国、台湾ルート、最凶地帯メキシコ・コロンビア、最大の生産地ゴールデン・トライアングルとアフガニスタン(ゴールデン・クレセント)、そして浸食される「病める巨大マーケット」アメリカーー。禁断の世界麻薬マーケットの暗部と、世界の反社がどうつながっているのか? 伝説のマトリだから書ける「人類、欲望の裏面史」!

ナルコスとは――
「感覚を失わせる」という意味のギリシャ語のナルコン「narkoun」に由来する英語「narcotics」から派生したスラングで、海外ではドラッグとともに麻薬を意味するものとして認知されている。

著者・瀬戸晴海・・・1956年、福岡県生まれ。明治薬科大学薬学部卒業後、1980年に厚生省麻薬取締官事務所(通称:マトリ)に入所。薬物犯罪捜査の第一線で活躍し、九州部長などを歴任。2014年に関東信越厚生局麻薬取締部部長に就任し、2018年3月に退官する。2013年、2015年に人事院総裁賞受賞。著書に『マトリ 厚労省麻薬取締官』/『スマホで薬物を買う子どもたち』(ともに新潮新書)がある。

第一章 アメリカの戦争に翻弄された戦後日本のナルコス汚染
第二章 マトリの私が体験した山口組のナルコスビジネス
第三章 日本に覚醒剤を供給してきた「闇の韓国・台湾ルート」
第四章 世界最凶のナルコス地帯「メキシコ・コロンビア」とアメリカの影
第五章 オウム、ロシア 薬物テロがもたらす惨劇
第六章 世界最大の麻薬地帯「ゴールデン・トライアングル」とその先にある新たな脅威
 
★2023.5.31(No.807)- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『戦前の日本で起きた35の怖い事件』
(鉄人社/単行本/鉄人ノンフィクション編集部/2023.5)


あなたが生まれるはるか昔、明治・大正・昭和期前半に
国内を震撼させた大事件を写真と資料で完全再現。

<CONTENTS>

堀江六人斬り事件
大米龍雲尼僧連続強姦殺人事件
吹上佐太郎連続少女強姦殺人事件
津山三十人殺し
岡山・少女串刺し殺人事件、キリスト教伝導師・島倉儀平事件
玉の井バラバラ殺人事件
浅草青酸カリ事件
鈴弁殺し事件
ピス健事件
谷口富士郎事件
少年臀部削ぎ取り殺害事件
愛知貰い子殺人事件
三毛別羆事件
下谷サドマゾ事件
群馬連れ子殺人・人肉食事件
鈴ヶ森おはる殺し事件
鬼熊事件
首なし娘事件
阿部定事件
チフス饅頭事件
宮城県「仮の一夜」事件
新潟一家四人死刑事件
中山歌子一家殺害事件
小笛事件
日大生保険金殺し
浜松一中大福餅食中毒事件 and more
 
★2023.5.24(No.806)- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『メンヘラ製造機だった私が鼻にフォークを刺された話』
(KADOKAWA/単行本/前田シェリーかりんこ/2023.7)


この体験を漫画にすることが、私の最大の復讐です。

メンヘラ製造機と呼ばれていた20代の頃。当時付き合っていた彼氏も例外ではなく、些細なことで言い合いになる。彼氏の怒りが高まりはじめ、帰ろうとすると更に彼氏は怒り出し…。怒りが頂点に達した彼氏が手にしたのは、フォークだった―。「このままでは殺される」そして、命をかけた一か八かの賭けに出る!喧嘩し、負傷し、匿われ、追い込まれ、予想だにしない人物が登場し…読み始めたら止まらない、SNSで話題沸騰の実話に基づくノンストップコミックエッセイ。SNSでは描かれなかった事件のその後を描き下ろしに加え、待望の書籍化!

著者・前田 シェリー かりんこ・・・1児の母。NAPBIZ公式ブロガー。インスタグラム、ブログ、ツイッターに自身の体験を元にしたコミックエッセイを投稿。
 
★2023.5.17(No.805)- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『福田村事件 関東大震災・知られざる悲劇』
(五月書房新社/単行本/辻野弥生/2023.6)


四国から千葉へやってきた行商人達が朝鮮人と疑いをかけられ、正義を掲げる自警団によって幼児、妊婦を含む9名が惨殺された。
映画『福田村事件』(森達也監修)が依拠した史科書籍。長きに渡るタブー事件を掘り起こした名著。【森達也監督の特別寄稿付き】

福田村・田中村事件・・・関東大震災が発生した1923年(大正12年)9月1日以後、各地で「不逞鮮人」 狩りが横行するなか、 9月6日、 四国の香川県からやって来て千葉県の福田村に投宿していた15名の売薬行商人の一行が朝鮮人との疑いをかけられ、地元の福田村・田中村の自警団によって、ある者は鳶口で頭を割られ、ある者は手を縛られたまま利根川に放り投げられた。虐殺された者9 名のうちには、 6歳 ・ 4歳 ・ 2歳の幼児と妊婦も含まれていた。犯行に及んだ者たちは法廷で自分たちの正義を滔々と語り、なかには出所後に自治体の長になった者まで出て、事件は地元のタブーと化した。そしてさらに、行商人一行が香川の被差別部落出身者たちだったことが、事件の真相解明をさらに難しくした。

著者・辻野弥生・・・福岡県生まれ。1981年より千葉県流山在住。流山市立博物館友の会会員。『東葛流山研究』企画編集委員。1988年、地域の文化賞「北野道彦賞」受賞。2003年、子育て後の人生を楽しむ女性の会「あしたば」創設。2006年、吉目木ひなこ氏と『ずいひつ流星』創刊。 著書に本書の旧版『福田村事件 関東大震災・知られざる悲劇』(崙書房出版・ふるさと文庫)のほか『呉服屋のお康ちゃん奮戦一代記』などがある。
 
★2023.5.10(No.804)- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『白装束集団を率いた女 千乃裕子の生涯』
(論創ノンフィクション/単行本/金田直久/2023.1)


2003年4月末に突然あらわれた真っ白≠ネ集団。奇怪な装束と行動で話題をさらった千乃正法会/パナウェーブ研究所とは。彼らは何を信じ、何を求めていたのか。「教祖」である千乃裕子の生涯をたどり、その謎を解き明かす。

著者・金田直久(かねだ・なおひさ)・・・東京都生れ。都内在住の40代。国内外のスピリチュアル、超常現象の情報を収集・考察する在野の研究家。精神医学、民俗学、歴史学など学際的なアプローチを志向。本書が初の著作となる。宗教に対しては懐疑主義であるが「人はなぜ宗教を信じるのか」ではなく、「私はなぜ宗教を信じないのか」を着眼点にして考察をおこなっている。学生時代に遭遇した「白装束集団騒動」が忘れられず、10年程前から千乃正法会の取材・調査を開始した。そのほか、過去の怪奇事件、カルト事件のいま≠鋭意取材・調査中。

目次
序章 老女の死
第一章 告白
第二章 誕生
第三章 初期の千乃正法
第四章 共産主義と孤独と大川隆法
第五章 電磁波攻撃
第六章 報道スクラム
第七章 キャラバンが終わって
第八章 千乃裕子の死
第九章 予言が外れたあと
エピローグ
 
★2023.5.3(No.803)- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『信仰か、マインド・コントロールか カルト論の構図』
(法蔵館文庫/櫻井義秀/2023.5)


著者・櫻井義秀・・・1961年、山形県出身。北海道大学大学院文学研究科博士課程中退。博士(文学)。現在、北海道大学大学院文学研究科教授。専門は宗教社会学、タイ地域研究、東アジア宗教文化論。著書に『統一教会 性・カネ・恨から実像に迫る』 / 『創価学会 政治宗教の成功と隘路』などがある。

社会はカルトやマインド・コントロールの問題にどのように対処すべきであろうか。90年代以降のマスメディアの言説や裁判記録などの分析を通じて、これらの問題を考えるための基礎的理論を提示する。

「ドグマの正当性を疑わず、手段を選ばずにそれを他者に強要し、受け入れないものには存在の価値を認めない独善性こそ、公共性の対極にある。そのような生のあり方をも信教の自由の名の下に認めよと主張することは可能だろうか。自らの決断としてそのように生きることを選択した人達がいるとしたら、それは私たちにとって私たちの生を揺さぶる衝撃的な事実となる。マインド・コントロール概念が提起した問題はここにある。」(本文より)

【本書の目次】

再版(文庫収録)によせて
はじめに

第I部 カルト論の構図

第一章 カルト論の射程
第二章 カルト問題におけるフレーミングとナラティブ
第三章 カルトと宗教のあいだ

第II部 マインドコントロール論争と公共性

第四章 マスメディアによるカルト、マインドコントロール概念の構築
第五章 「宗教被害」と人権・自己決定
第六章 強制的説得と不法行為責任
第七章 カルト問題と公共性

引用文献
あとがき
初出一覧
 
★2023.4.26(No.802)- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『謎と闇に覆われた 恐怖の未解決ミステリー』
(鉄人社/単行本/鉄人ノンフィクション編集部/2023.3)


神隠しのように姿を消した少年・少女、防犯カメラに映った怪しい人物、殺害現場に残された不可解な証拠品、身元不明の遺体、謀殺・他殺が疑われる謎の転落死、原因不明のポルターガイスト現象、怪事件。果たしてその真相は? 知れば知るほど背筋が凍る79のコールドケース。

<CONTENTS例>

●伊達市・砂浜佳祐くん失踪事件
●韓流ファン・棚橋えり子さん失踪事件
●サイパン日本人姉妹行方不明事件
●女優タミー・リン・レパード失踪事件
●大量殺人鬼、ペドロ・ロペス失踪事件
●和歌山市新聞配達女子高生刺殺事件
●新宿歌舞伎町ラブホテル連続殺人事件
●トレーシー・ミード殺害事件
●JR池袋駅山手線ホーム上立教大生殺人事件
●広島市佐伯区スーパー強盗殺人事件
●米ニューメキシコ州ウエスト・メサ「ボーンコレクター」事件
●世界的画家、ファン・ゴッホの死の真相
●オーストラリア首相、ハロルド・ホルト水難死亡事故
●南相馬市高3女子失踪・遺体発見事件
●荒川区東尾久和菓子店娘殺害事件
●岐阜県富加町「高畑住宅」のポルターガイスト現象
 
★2023.4.19(No.801)- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『5歳の私は、クラスの男子から性被害を受けました。 なんで言わないの?』
(扶桑社/単行本/ゆっぺ/2023.1)


「お昼寝中、隣の男子が私のパンツに手を入れてきて…楽しいはずの幼稚園が恐怖の時間になりました」

著者ゆっぺが、5歳のときに同級生から受けた“性被害”をマンガ化した本作。
『なんで言わないの?』としてブログに掲載されると大きな話題を呼び、ついに書籍になりました。

「子どもの性被害」と聞いて多くの方が思い浮かべるのは大人による加害。
ですがあまり知られていないだけで、小さな子ども同士の被害も発生しているのです。

「ただの遊びでしょ?」
「性的な意味はないから」
「男の子だから仕方がない」

といった言葉で性被害を見過ごしていませんか?
その実態は、私たち大人が思っているよりも深刻なものかもしれません――。

「ライブドアブログ OF THE YEAR2021」最優秀グランプリ受賞ブロガー・ゆっぺが、
子どもを取り巻く“性”の問題をはじめとした
「知らなかったでは済まされない」さまざまな問題に斬り込みます。

・幼児から幼児への「性暴力」
・思春期の子ども同士で起こった「性的おどし」
・子どもを加害者にも被害者にもしないための「性教育」
・もし子どもがいじめられたら?「親のとるべき行動」
ほか

著者・ゆっぺ・・・「ライブドアブログ OF THE YEAR2021」最優秀グランプリ受賞した『ゆっぺのゆる漫画ブログ』(https://yuppe2.blog.jp/)を運営。2022年にはライブドアブログ殿堂入りも果たす。『女教師Aが地位も名誉も失った話』、『女友達の裏の顔!?』などのヒット作を連発し、2021年には主婦ブロガー初の月間3000万PVという快挙を達成。田舎住みの二児の母。蟹座のB型。趣味はお菓子作りと絵を描くこと。本作が初の著書となる。
 

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