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weekly book

[ No.101〜200 ]

[ weekly book ]

実際にあった事件や犯罪に関する新刊本・注目本などを週単位で紹介しています(更新は主に水曜日)。
下記の★の日付は更新日で、その日付は下(↓)が古く、上(↑)が新しい。

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★2011.10.12 (No.200) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『「孤独」から考える秋葉原無差別殺傷事件 (Psycho Critique15) 』
(批評社/単行本/芹沢俊介&高岡健/2011.9)


“人と関わりすぎると怨恨で殺すし、孤独だと無差別に殺すし”という携帯サイトの書き込みは、家族という絆が断たれたときの衝動に根ざしている。引きこもれなかった若者の「孤独」をキーワードに、家族論による考察と精神医学の知見によって事件の真相を再検証する。

秋葉原無差別殺傷事件・・・2008年(平成20年)6月8日午後0時40分ころ、東京都千代田区外神田の路上で加藤智大(ともひろ/当時25歳)が2トントラックを運転して数人をはねた後、トラックから降り、刃物で次々と通行人らを切りつけた。その後、駆け付けた警察官によって現行犯逮捕された。この事件により7人が死亡した。2011年(平成23年)3月24日、東京地裁で死刑判決。2012年(平成24年)9月12日、東京高裁で控訴棄却。のちに弁護側が上告。

著者

芹沢俊介・・・1942年、東京生まれ。1965年、上智大学経済学部卒業。文芸・教育・家族など幅広い分野の評論で活躍。現代の家族や学校の切実な課題、子どもたちの問題を独自の視点で捉えている。

高岡健・・・1953年、生まれ。精神科医。岐阜大学医学部卒。岐阜赤十字病院精神科部長などを経て、現在、岐阜大学医学部准教授。日本児童青年精神医学会評議員。雑誌「精神医療」(編集=「精神医療」編集委員会、発行批評社)編集委員をつとめる。


関連書籍・・・『秋葉原事件 加藤智大の奇跡』(朝日新聞出版/中島岳志/2011) 『アキハバラ発 〈00年代〉への問い』(岩波書店/大沢真幸[編]・森達也ほか[著]/2008)/ 『アベンジャー型犯罪 秋葉原事件は警告する』(文春新書/岡田尊司/2009)[アベンジャー (avenger) は英語で復讐者、報復者という意味]/ 『「誰でもよかった殺人」が起こる理由』(日本標準ブックレット/加納寛子/2009)
★2011.10.5 (No.199) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『獄に消えた狂気 滋賀・長浜「2園児」刺殺事件』
(新潮社/単行本/平井美帆/2011.8)


園児の小さな身体を二十数ヶ所も刺し続けた「中国人妻」。統合失調症に罹患し、通常ならば不起訴処分となるはずだったが・・・。

滋賀・長浜「2園児」刺殺事件・・・2006年(平成18年)2月17日、滋賀県長浜市の水田の中を通る市道で幼稚園児の男児と女児が血だらけで発見された。女児はすでに死亡していたが、男児は搬送先の長浜赤十字病院で亡くなった。2人は近くの幼稚園に通うともに5歳の園児と判明。2人の体に十数ヶ所以上の刺し傷があったことから殺人事件と断定し県内全域に緊急配備を敷いた。その後、現場から遠く離れた大津市内で不審な車の車内を捜索したところ車内は血の海となっており、血の付いた包丁が落ちていたことから、運転していた女に事情を聞いたところ、2人を殺したことを認めたため、殺人の疑いで緊急逮捕した。逮捕されたのは死亡した2人の園児の同級生の母親で中国人の鄭永善(ていえいぜん/日本名・谷口充恵[みえ]/当時34歳)だった。充恵は取り調べに対し自分の子が園内でいじめられていると思い、犯行に及んだと供述した。2007年(平成19年)2月2日、大津地裁で初公判が開かれ、充恵は「砂人形を刺しただけ」「人間ではない。血も出ていなかった」などと発言した。さらに、つばを吐くなどしたため、裁判長から度々警告された。9月18日 検察側が死刑を求刑。10月16日、 死刑求刑に対し統合失調症の影響による心神耗弱を認め無期懲役に減刑した判決となった。弁護側は量刑不当として即日控訴。検察側も控訴。2009年(平成21年)2月20日 大阪高裁で1審の無期懲役判決を支持し、検察側、被告側双方の控訴を棄却。その後、検察側、被告側ともに上告せず、無期懲役の判決が確定。

著者・平井美帆・・・1971年、大阪府吹田市生まれ。1993年、南カリフォルニア大学舞台芸術学部卒業。アメリカ在住の頃から現地の情報誌に執筆する傍ら、日本の雑誌に海外ルポを寄稿。2002年、帰国。

目次

第1章 湖国の惨劇
第2章 歪んでいく風景
第3章 罪と病
第4章 割れた生き方
第5章 夢の果て
★2011.9.28 (No.198) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『科学研究者の事件と倫理 (KS科学一般書)』
(講談社/単行本/白楽ロックビル/2011.9)


論文のねつ造・盗用、データの改ざん、学位不正授与、研究費不正、名義貸し、贈収賄、セクハラ・アカハラ・・・科学者の不正行為はなぜなくならないのか。

目次

第1部 研究者の事件:姿勢
 [第1章] なぜ「研究者の事件と倫理」を研究するのか?
 [第2章] 外国の「研究者の事件」
第2部 研究者の事件データベース
 [第3章] 「研究者の事件データベース」の構築前
 [第4章] 「研究者の事件データベース」の構築
第3部 研究者の事件:各論
 [第5章] 盗用
 [第6章] ねつ造・改ざん
 [第7章] 研究費不正
 [第8章] セクハラ・アカハラ
 [第9章] 産学連携・贈収賄、学位、兼業、名義貸し、試験
 [第10章] 自殺、スパイ、毒物・細菌混入
第4部 研究者の事件の本質
 [第11章] 研究者はなぜ事件を起こすのか?
 [第12章] 誰がどうすべきか?
 [第13章] 法令・罰則


著者・白楽ロックビルの他の著書・・・『博士号とる?とらない?徹底大検証!』(羊土社/2000) / 『脱力系女子大教授』(丸善/2006)
★2011.9.21 (No.197) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『タイに渡った鑑識捜査官 妻がくれた第二の人生』
(並木書房/単行本/戸島国雄/2011.9)


警視庁きっての鑑識のプロが、タイの事件現場で見たのは、日本の緻密な科学捜査とはほど遠い現実だった。事件現場にはヤジ馬が入り込み、捜査官は手袋すら着用していない・・・自ら捜査の第一線に立ち、実地で教えた多くの鑑識技術は徐々にタイ警察に浸透し、検挙率は飛躍的にアップ。2004年のインド洋大津波では10名の部下を率いて最初に被災地に入り、3ヶ月間にわたって遺体の身元確認に従事した。タイの犯罪捜査に技術革命をもたらした警察OB感動の記録。

著者・戸島国雄(とじま・くにお)・・・1941年1月1日生まれ。1960年、自衛隊に入隊。1965年、警視庁巡査。1970年、警視庁刑事部鑑識課現場写真係。三島由紀夫割腹事件、三菱重工爆破事件、ホテル・ニュージャパン火災、日航123便墜落事故、オウム真理教関連事件などを担当。警視総監賞部長賞等107回受賞。1995年、JICA(国際協力機構)の専門官として、タイ内務省警察局科学捜査部に派遣され、犯罪捜査および現場鑑識の指導にあたる。1998年、帰国。警視庁似顔絵捜査官が設立され、犯人手配用の似顔絵専門捜査官001号の任命証を警視総監より受理。2001年、警視庁を定年退職。2002年3月、JICAのシニアボランティアとしてふたたびタイに渡る。警察大佐を拝命。2004年12月、スマトラ島沖地震による大津波発生の直後から被災地に入り、遺体の身元確認に従事。2011年7月、帰国。『似顔絵捜査官001号(仮題)』の出版も予定。

目次

序 消えた「微笑み」
第1部 鑑識技術に国境はない(タイ赴任初日の大失態
謎の言葉「マイペンライ」
日本人の腎臓を狙った怪事件? ほか)
第2部 眠らない街バンコク(チャイナタウンの殺人事件
運河に漂流する肉片
蜂に襲われた警官 ほか)
第3部 悪夢のインド洋大津波(被災地への出動命令
「これから何をすればよいのか?」
津波発生三日目、指紋採取を開始 ほか)
★2011.9.14 (No.196) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『世界インテリジェンス事件史』
(双葉社/単行本/佐藤優/2011.9)


CIA、KGB、モサドといった各国の主要インテリジェンス機関の仕組みを解説するとともにスパイが暗躍した歴史的事件を分析。かつてインテリジェンス大国だった日本の凋落を嘆き、新生日本に向けた的確な提言を与えている。本文下段に細かな注釈をつけたため、初心者にも読みやすい。著者のインテリジェンス評論の集大成。

著者・佐藤優(まさる)・・・1960年、東京都生まれ。同志社大学大学院神学研究科修士課程終了後、外務省入省。対ロシア外交のエキスパートとして最前線で活躍。「外務省のラスプーチン」の異名をとる。2002年(平成14年)5月14日に鈴木宗男事件に絡む背任容疑で逮捕。同年7月3日、偽計業務妨害容疑で再逮捕。2003年(平成15年)10月、保釈。東京拘置所に512日間勾留される。2005年(平成17年)2月、東京地裁で懲役2年6ヶ月・執行猶予4年の判決。2007年(平成19年)1月、東京高裁で控訴棄却。2009年(平成21年)6月、最高裁で上告棄却で罪が確定し、国家公務員法により禁錮以上の刑になったため失職。現在、作家、評論家として広範なジャンルで活躍中。 『国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて』(新潮社)で第59回毎日出版文化賞特別賞を受賞。著書多数。
★2011.9.7 (No.195) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『アウトロー刑事の人に言えないテクニック』
(洋泉社/単行本/小野登志郎/2011.9)


闇社会のサバイバーを取り締まるためアウトロー刑事は日夜彼らと危ない知恵比べをし違法すれすれの仕事も辞さない。

著者・小野登志郎(おの・としろう)・・・ノンフィクション作家。1976年、福岡県北九州市生まれ。九州国際大学付属高校卒業。早稲田大学商学部中退後、フリーで活動を開始する。日本全国で起きる事件現場を歩き、芸能やサブカルチャーから暴力団やマフィアの実態解明、また中国をはじめとするアジア諸国の社会問題まで幅広く取材している。著書に『龍宮城 新宿歌舞伎町マフィア最新ファイル』 / 『ドリームキャンパス スーパーフリーの「帝国」』(いずれも太田出版刊)など。


目次

第1章 知られざる刑事の捜査・取り調べテクニック(犯罪組織の尻尾をつかむ
あくまでも犯罪組織の壊滅を目標とする ほか)
第2章 合法と違法の間、グレーゾーンに身を置く(「正規」でやらなければやったことにはならない1 グレーゾーンの取り調べ
拳銃と睨み ほか)
第3章 刑事VS.組織犯罪、壮絶な騙し合い(留置所でのヤクザとの危ない交渉
留置所でヤクザから引き出した告白 ほか)
第4章 アウトロー刑事の危ない事件簿(ものの一分で鍵を開けるピッキングの「プロ」
逮捕した容疑者に法廷で「睨み」を利かせる ほか)
★2011.8.31 (No.194) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『死の所有 死刑・殺人・動物利用に向きあう哲学』
(東京大学出版会/単行本/一ノ瀬正樹/2011.1)


死刑、安楽死、脳死、殺人、戦争、動物利用−さまざまな倫理的問題に潜んでいる虚構とは何か?「人格」「所有」といった近代的な概念が可能にしている“死をめぐる思考”を問い直し、社会制度や宗教文化をふまえた、私たちの死生観の深層を探る。

著者・一ノ瀬正樹・・・1957年、茨城県土浦市に生まれる。1981年、東京大学文学部卒業。1988年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程(哲学専攻)単位取得。東洋大学文学部専任講師、助教授、東京大学大学院人文社会系研究科・文学部助教授、英国オックスフォード大学the 2010 Uehiro Lecturerなどを歴任。現在、東京大学大学院人文社会系研究科・文学部教授、博士(文学)。主な著書・・・ 『人格知識論の生成 ジョン・ロックの瞬間』(東京大学出版会/1997年/第10回和辻哲郎文化賞・第6回中村元賞受賞)

目次

序章 「涙の哲学」に向けて 「死」の誕生
第1章 死刑不可能論 死刑存廃論に潜む倒錯
第2章 「死ぬ権利」の欺瞞 安楽死の陥穽
第3章 生命倫理と死ぬ主体 胎児、代理母、クローン、そして死にゆく人
第4章 殺人者の人格性 虚構なのか適応なのか
第5章 殺された人の非存在性 「害グラデーション説」の試み
第6章 戦争という法外な殺戮 戦争をめぐる事実と規範
第7章 動物たちの叫び 動物実験と肉食の彼方
終章 死に基づく認識論 生と死を貫く同一性

★2011.8.24 (No.193) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『囚人閑居して不善をなす』
(文藝書房/単行本/須坂三十四/2011.3)


チリの鉱山の地下700メートルよりずっとミジメな塀の中。希望のない監獄には実は絶望さえもない。

チリの鉱山の地下700メートル・・・現地時間2010年8月5日、チリ共和国アタカマ州コピアポ近郊のサンホセ鉱山で坑道の崩落事故が発生。崩落により地下700メートルに33名の男性鉱山作業員が閉じ込められるも、事故から69日後の現地時間10月13日に全員が救出された。

目次

1 絶望か居直りか受刑生活の明暗を分けるもの
2 雑居房の闇 刑務所の表の規律と裏のオキテ
3 刑務所の楽しみ
4 刑務所の不条理
5 余は如何にして塀の中の住人となりし乎
6 留置場と拘置所について私が知っている二、三の事柄
7 出所して…もう刑務所の夢は見ない

★2011.8.17 (No.192) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『叛逆の時を生きて』
(朝日新聞出版/単行本/臼井敏男/2010.6)


★注意:刊行は1年以上前の2010年6月です。

山本義隆、秋田明大、宮崎学、菅直人、高野悦子の母、連合赤軍元メンバー等、全共闘・学生運動に関わった人々の証言をつむいだこれまでにない包括的なルポ。“政治の季節”を通過した彼らが、今も別のフィールドで闘い続ける理由を、あるいは挫折した思いを率直に語る。当時を知る世代、あの時代を知らない世代、そして生き方を模索する全ての人へ送る一冊。著者は彼らと同世代の朝日新聞元論説委員。

目次

わが娘の「二十歳の原点」
安田講堂 逃げたら悔いる
造反教官 孤立してなお
勝ったと思った 風雲児
語り継ぐバリケードの熱
一瞬の夢を焼き付けたフィルム
「いちご白書」はぼくだった
世間ゆさぶる反骨の芝居
高校の闘い 自分を偽らずに生きる
巡り来て「がんばらない」〔ほか〕


関連ページ・・・東大闘争と日大闘争 / 連合赤軍あさま山荘事件
★2011.8.10 (No.191) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『性暴力』
(中央公論新社/単行本/読売新聞大阪本社社会部/2011.4)


大反響を呼び、問い合わせが殺到した新聞連載。誰も語らなかった性犯罪の実状と真実が渾身のノンフィクションになった。

目次

第1章 被害者たちの叫び(実名告白が三〇〇〇人をつなぐ
社会に求められる被害者への「理解」 ほか)
第2章 病巣(「支配欲」と「ゆがみ」は加害者の特徴
過激AVに触発されて ほか)
第3章 奪われた笑顔(半世紀を経ても癒えぬ兄から受けた傷
先生は「唯一絶対」の存在だった ほか)
第4章 海外からの報告(夫婦の無念が「ミーガン法」を生む(米国)
被害者を支える「多職種連携」システム(米国) ほか)
第5章 今、法廷で(厳罰求め法廷で語り始めた被害者
法廷に吹き込む新たな風 ほか)
★2011.8.3 (No.190) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『情報時代のオウム真理教』
(春秋社/単行本/宗教情報リサーチセンター&井上順孝[編]/2011.7)


膨大な資料を基に地下鉄サリン事件以前のオウム真理教を取り上げ、その全容を詳細に分析しオウム真理教の謎の解明に迫る。

目次

序論(地下鉄サリン事件以前のオウム真理教
オウム真理教事件の源流 シャンバラ王国幻想から無差別大量殺人への道程)
第1部 オウム真理教の情報発信(教団の映像メディア利用 教祖・教団のイメージはどう創出されたか
オウム真理教ラジオ放送における教化・布教・広報 ほか)
第2部 社会が発したオウム真理教の情報(新聞報道の中のオウム真理教
オウム真理教と雑誌報道 ほか)
第3部 オウム真理教と現代社会(真理党の運動展開と活動内容
オウム真理教の試みたさまざまな事業 ほか)


関連ページ・・・オウム真理教
★2011.7.27 (No.189) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『刑務所図書館の人びと ハーバードを出て司書になった男の日記』
(柏書房/単行本/アヴィ・スタインバーグ/2011.4)


大学は出たけれど、進むべき方向を見失っていたアヴィ。偶然手にした求人広告を見て、刑務所で働くことに。犯罪者といっても、人間味あふれる彼らにしだいに心を動かされていく。

著者・アヴィ・スタインバーグ・・・エルサレムで生まれ、アメリカのクリーヴランドとボストンで育つ。「ボストン・グローブ」紙、「ニューヨーク・レビュー・オブ・ブックス」誌、「ニューヨーク・タイムズ・マガジン」、「パリス・レビュー」誌、ウェブマガジン「サロン」を初め、数々の刊行物に寄稿している。
 ★2011.7.20 (No.188) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『飛松五男の熱血事件簿 私だけが知っている不可解事件の裏側と真相』
(鹿砦社/単行本/飛松五男/2011.6)

『たかじんのそこまで言って委員会』『たけしのTVタックル』ほか報道番組で異色のキャラクターを発揮し人気爆発!

著者・飛松五男・・・1944年、鹿児島県生まれ。元兵庫県警刑事。在職中のほとんどの期間は刑事警察ほか捜査部門に所属し、多種多様な事件を扱った。退職後に被害者相談に乗り、犯人を割り出したため、テレビ局や出版社の目に留まり、元刑事の経歴を生かしたコメンテーターとして活躍している。飛松行政書士事務所/飛松探偵事務所代表。

【構成】
第一章 大阪西成女医不審死事件
     (さっちゃん先生事件)
第二章 飛松五男、事件と警察とヤクザを語る
第三章 秋田児童連続殺人事件
★2011.7.13 (No.187) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『「特高」経験者として伝えたいこと』
(新日本出版社/単行本/井形正寿/2011.6)


思想弾圧と抵抗。敗戦前後期の特別高等警察を記す。

著者・井形正寿・・・1921年、大阪市生まれ。郷土史家。福島区歴史研究会事務局長、大塩事件研究会副会長。市立難波実業学校卒業後、日本通運大阪支店勤務を経て、1943年、大阪府警察官に。1950年に現在の福島区鷺洲に転居し、まもなく不動産業を起業。1961年から福島地区土地区画整理審議会委員・会長や福島区史編纂委員・執筆委員などを歴任。

目次

第1章 反戦投書 戦時下、庶民のレジスタンス(敗戦の日に出会った「不穏文書」
探しあてた投書の主は・・・
戦争と言論弾圧
反戦投書写真と『特攻月報』の記載)
第2章 戦争末期の短い「特高」経験の中で(私自身のことと警察勤務
特高係の「使い走り」として
八尾署へ、そして八月一五日
敗戦後)
第3章 戦争の記憶と現在(教育召集でのこと
大阪大空襲
疎開道路をめぐって
戦後の私の日々)
★2011.7.6 (No.186) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『FBI美術捜査官 奪われた名画を追え』
(柏書房/単行本/ロバート・K・ウィットマン&ジョン・シフマン/2011.6)


レンブラント、フェルメール、ノーマン・ロックウェル・・・美術館の壁から忽然と姿を消した傑作の数々。潜入捜査でたくみに犯人をおびき寄せ、歴史的至宝を奪還する。美術犯罪捜査に命を賭けた男とそのチームの物語。

著者・ウィットマン,ロバート・K.(Wittman,Robert K.)・・・FBI特別捜査官として20年のキャリアを持つ。美術犯罪チームの創設に尽力し、同チームの幹部捜査官も務める。米国代表として世界中で犯罪捜査を指揮するとともに、警察組織や美術館に、美術犯罪の捜査や盗難品の回収、美術品の警備に関する技術指導を行ってきた。現在、国際美術警備保障会社、Robert Wittman Inc.代表取締役。

著者・シフマン,ジョン(Shiffman,John)・・・フィラデルフィア・インクワイアラー紙記者。弁護士資格を持ち、ホワイトハウス・フェロープログラムのアソシエイトディレクターも務めた。2009年にはピューリッツァー賞最終候補になるなど、報道関連の賞を多数受賞している。

目次

第1部 開幕(サウスビーチ 二〇〇七年・マイアミ
歴史にたいする犯罪 二〇〇八年・イタリアクールマイユール)
第2部 来歴(捜査官への道 一九六三年・ボルティモア
鼻のつぶれた男のマスク 一九八八年・フィラデルフィア ほか)
第3部 作品群(黄金の男 一九九七年・ニュージャージー州ターンパイク
裏口から盗まれた歴史 一九九七年・フィラデルフィア ほか)
第4部 オペレーション・マスターピース(ガードナー夫人 一八九二年・パリ
未解決事件 一九九〇年・ボストン ほか
★2011.6.29 (No.185) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『警視庁刑事いのち輝く 憂国刑事の武士道人生!』
(日新報道/単行本/平田冨峰/2011.6)


宮本武蔵の末裔にして、元・警視庁捜査一課長だった著者が事件を斬る!

著者・平田冨峰・・・昭和17年8月、岡山県美作市宮本生まれ。昭和44年、日本大学卒。昭和37年7月、警視庁警察官となる。大塚警察署長、装備課長、鑑識課長、捜査一課長、立川警察署長、生活安全総務課長、刑事部参事官を歴任。平成13年9月、定年退職。平成13年10月、三菱地所株式会社総務部CSR推進部顧問。平成22年4月、高野山にて得度、富彦を改め冨峰の法名を得る。平成13年3月、三菱地所株式会社を退職。現在、明治神宮至誠館剣道師範。冨峰坐禅断食道場主宰。

目次

第1章 新米刑事(バラバラ死体
拝命 ほか)
第2章 捜査一課係長〜管理官(辞令
休日はなし ほか)
第3章 捜査一課長〜参事官(捜査の鬼となる
小金井市緑町五丁目主婦殺人事件 ほか)
第4章 憂国(警察OBとして)(警察官の拳銃使用について
取調べの可視化について)
第5章 いのち輝く(酒
剣道 ほか)
★2011.6.22 (No.184) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『「鶴見事件」 抹殺された真実 私は冤罪で死刑判決を受けた』
(インパクト出版会/単行本/高橋和利/2011.5)


警察・検察はどのように人一人を殺人犯に仕立て上げるのか。ずさんな捜査、 予断による犯人視、強権的な取り調べの過程を克明に記述した体験記。

著者・高橋和利・・・1934年生まれ。1988年(昭和63年)6月20日に起きた横浜金融業夫婦殺害事件(鶴見事件)の犯人として逮捕される。一貫して無実を主張。1995年(平成7年)9月7日、横浜地裁(上田誠治裁判長)にて死刑判決。2002年(平成14年)10月30日、東京高裁(中西武夫裁判長)控訴棄却。2006年(平成18年)3月28日、最高裁(堀籠幸男裁判長)上告棄却、死刑確定へ。現在、東京拘置所在監。再審請求中。

目次
  いきなり警察に連行され、殺人犯に 4
  検事調べ、そして起訴 73
  無実の証明──弁護団のたたかい 108
  横浜地裁での審理──公判記録から 161
  控訴審でのたたかい 182
  審理をしない最高裁判所 202
  あとがき 主任弁護人・大河内秀明 212
  本書について 218


関連書籍・・・『無実でも死刑、真犯人はどこに 鶴見事件の真相』(現代企画室/大河内秀明/1998)
★2011.6.15 (No.183) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『中国人「毒婦」の告白』
(文藝春秋/単行本/田村建雄/2011.4)

お見合いツアーで結婚した日本人の夫に熱湯を浴びせ、インスリンを注射した中国人妻の鈴木詩織(中国名・史艶秋)の獄中手記300枚をもとに事件の真相に迫る。

千葉中国人妻インスリン殺害未遂事件・・・1993年(平成5年)10月に中国で詩織(中国名・史艶秋ですが、都合上、ここでは全て「(鈴木)詩織」で統一)が千葉県で農業を営む鈴木茂とお見合いし、1994年(平成6年)9月に結婚。1995年(平成7年)2月28日、茂の父・利夫(78歳)と母・愛子(73歳)が殺害され、自宅が全焼した火事(未解決/第一発見者・詩織)で、千数百万円の火災保険が、茂の預金口座に振り込まれていたことが判明。また、茂自身にも、詩織を受取人とする数千万円に上る生命保険がかけられていたことも明らかになった。 2002年(平成14年)頃、詩織が長男(当時7歳)と次男(当時5歳)を中国の親族に預ける。2003年(平成15年)4月、詩織が日本国籍取得。10月18日、詩織は茂の背中に鍋の熱湯をかけて全治5ヶ月の重傷を負わせた後、茂の入院先で知り合った無職のK子に約60万円の報酬を支払い、K子の夫が糖尿病の治療に使っていたインスリン製剤を入手。2004年(平成16年)4月1日、詩織が通常の使用量の数十倍にあたるインスリン約3ミリ・リットルを茂に注射し、茂は血糖値低下による脳障害で意識不明に。 2005年(平成17年)7月頃、詩織が茂と別居し、台東区の自宅マンションで風俗店を経営。整形費用1000万円。2006年(平成18年)2月7日、詩織が傷害容疑で逮捕される。3月10日、詩織(当時33歳)が殺人未遂容疑で再逮捕される。 翌11日、K子(当時41歳)が逮捕される。2007年(平成19年)2月26日、千葉地裁はK子に対し懲役8年(求刑・懲役10年)を言い渡した。 2007年(平成19年)3月9日、千葉地裁は詩織に対し懲役15年(求刑・懲役18年)を言い渡した。 12月26日、東京高裁で詩織側の控訴を棄却。(その後、刑が確定したのかどうか不明。分かり次第加筆する予定)

著者・田村建雄・・・1950年、茨城県生まれ。茨城県の地方紙(常陽新聞社)記者を経て、週刊誌専属記者に。その後、フリージャーナリストとして、月刊誌、週刊誌、夕刊紙などに、政治、社会問題ルポを中心に執筆 。主な著書・・・『ドキュメント 外国人犯罪 金のためなら命はいらない』(リム出版新社/2004)

目次

プロローグ 面会
第1章 「結婚に愛はありませんでした」
第2章 殺人放火事件で何かが崩れだした
第3章 すれ違い
第4章 火傷
第5章 震える手でインスリンを…
第6章 性風俗そして逮捕
第7章 争点
第8章 中国の故郷
第9章 「自家人」
第10章 日中見合い結婚事情
エピローグ 苦悩

★2011.6.8 (No.182) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『最初の刑事 ウィッチャー警部とロード・ヒル・ハウス殺人事件』
(早川書房/単行本/ケイト・サマースケイル/2011.5)


1860年、ヴィクトリア朝時代の英国。6月のある朝、のどかな村にたたずむ屋敷“ロード・ヒル・ハウス”の敷地で当主の3歳の息子が惨殺死体となって発見された。殺された子どもは施錠された屋敷内にいたはずだった。犯人は家族か、使用人か?世間が注目するなか、捜査の任についたのはジョナサン・ウィッチャー警部。1842年にスコットランド・ヤード刑事課が創設された際に最初に刑事になった8人のうちのひとりで、ずばぬけた技量を持つ敏腕刑事である。優れた推理力をはたらかせ、事件の謎に迫るウィッチャー。しかし、非協力的な遺族やプライバシー神聖視の風潮、加熱する報道、さらには刑事への偏見もあいまって、事件は数奇な道すじをたどる。ヴィクトリア朝英国を揺るがし、後に数々の探偵小説が生まれる元となった幼児殺害事件の驚くべき真相とは。当時の特異な世相をも迫真の筆致で描き出す圧巻のノンフィクション。サミュエル・ジョンソン賞ほか受賞作。

著者・ケイト・サマースケイル・・・1965年、英国生まれ。英オックスフォード大学および米スタンフォード大学でジャーナリズムを専攻後、新聞社に勤務。1997年に『ネヴァーランドの女王』(新潮社)でデビューし、サマセット・モーム賞を受賞。2008年に発表した第2作である『最初の刑事 ウィッチャー警部とロード・ヒル・ハウス殺人事件』はたちまちベストセラーとなり、サミュエル・ジョンソン賞およびギャラクシー・ブリティッシュ・ブック・アワードを受賞した他、英国推理作家協会(CWA)賞とアメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞にノミネートされた。

目次

第1部 死(きっとあれに違いない
恐怖と驚き
神はこれをさぐり出さずにおかれるでしょうか ほか)
第2部 刑事(謎の男
糸口はみな断ち切れているらしい
彼女の浅黒いほおの中で、何かが ほか)
第3部 解明(渇望のごとく
狂っているほうがまし
わたしの愛は変わった ほか)
★2011.6.1 (No.181) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『40年目の真実 日石・土田爆弾事件』
(創出版/単行本/中島修/2011.5)


事件から40年、闇に葬られたかに見えた真相が本書によって初めて明らかになる。本書は隠された権力犯罪を暴き、告発するために書かれたものである。

日石・土田爆弾事件・・・1971年(昭和46年)10月18日、東京都西新橋1丁目の日本石油(現・JX日鉱日石エネルギー)本館内郵便局で小包2個が爆発し、郵便局員が負傷した。1個は後藤田正晴警察庁長官宛てに、もう1個は新東京国際空港公団(現・成田国際空港株式会社)今井栄文(よしふみ)総裁宛てになっていた。また同年12月18日、土田国保警視庁警務部長宅で小包が爆発。夫人の民子(47歳)が死亡、四男(当時14歳)が負傷した。大捜査の結果、別件逮捕された被疑者たちは次々と自白し、合計18人が起訴された。被告人は最長で10年近くも拘置され、求刑の最高は死刑だった。最終的にはほぼ全員が無罪となり、冤罪が明らかになったが、その実態は「灰色無罪」であった。

著者・中島修・・・北九州市生まれ。慶応大学中退。大学では学生運動に明け暮れる。その後、英語雑誌編集、翻訳、フリージャーナリストを経て、10年間、翻訳会社経営。それ以降は、自他共に認める遊び人。世界をめざす旅人。

目次

第1部 日石・土田爆弾事件(日石・土田事件とは何だったのか
日石・土田爆弾事件への道/RG隊の発足
日石・土田爆弾事件/RG隊の闘争
土田以後/RG隊解散命令
戦旗・共産同の「30」隊
日向はなぜウラ部隊を作ったのか
中核派も真相を知る)
第2部 日石・土田冤罪事件(警察はなぜはずしたのか
警察はなぜデッチあげたのか
警察の責任
検察の責任
裁判所の責任
マスコミの責任
なぜ開けたのか
ピース缶爆弾事件)
第3部 40年の時を経て(RG隊長の思い
ネガティブ・リアクション/ポジティブ・リアクション)
第4部 資料編


関連ページ・・・連合赤軍あさま山荘事件
★2011.5.25 (No.180) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『38人の沈黙する目撃者 キティ・ジェノヴィーズ事件の真相』
(青土社/単行本/A.M.ローゼンタール/2011.5)


深夜のニューヨークで若い女性がむごたらしく殺害された。38人もの近隣住民がそれを目の当たりにしていたが、、、。

キティ・ジェノヴィーズ事件・・・1964年、ニューヨークで深夜に自宅アパート前でキティ・ジェノヴィーズ(Kitty Genovese)が暴漢に襲われ殺害された事件。 このときキティの叫び声で付近の住民38人が気づき、事件を目撃していたにも関わらず、誰一人として警察に通報せず助けにも入らなかった。結局、キティは死亡してしまい、当時のマスコミは都会人の冷淡さとしてこの事件を大々的に報道した。この事件がきっかけとなり、傍観者効果が提唱された。
★2011.5.18 (No.179) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『刑務所のいま 受刑者の処遇と更生』
(ぎょうせい/単行本/日本弁護士連合会 刑事拘禁制度改革実現本部/2011.5)


刑務所ってどんなところ!?
受刑者をどのように更生させるのか!?

刑務所と受刑者更生を取りまく課題の一例・・・
・出所しても刑務所へ舞い戻る多くの再犯者がいる現実
・介助なしには生活できない高齢受刑者の増加
・効果的な対応の難しい知的障がい者・薬物事犯
・疲弊する現場の職員
・保護観察官・保護司の不足
・慢性的な予算不足の壁
etc…
★2011.5.11 (No.178) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『少年殺人者考』
(講談社/単行本/井口時男/2011.4)


李珍宇、永山則夫、酒鬼薔薇聖斗、光市母子殺害事件犯・・・。
戦後史に残る少年殺人事件、彼らの残した言葉に迫る傑作論考!


<「はじめに」より>・・・本書のテーマは殺伐たるものだ。しかし、私は犯罪や殺人といった事件そのものに格別強い関心があるわけではない。私の関心を惹くのは、事件そのものというよりも、むしろ、事件を起こした少年たちの「表現」、とりわけ彼らの言葉である。(中略)彼らの言葉は、たいていは、事件の重大性に比してあまりに幼稚で凡庸だったり、妄想めいて意味不明だったりする。けれども、時折、鋭く尖った一句が私の眼を撃つことがある。そこには、拳銃や刃物によって噴出させるしかなかった彼らの閉ざされた心が、その秘密の内奥を露頭させている。私は、彼らの言葉を手がかりに、彼らの隠された内奥のドラマを読み取ろうと試みたのである。

著者・井口時男の他の著書・・・『危機と闘争 大江健三郎と中上健次』(作品社/2004) / 『暴力的な現在』(作品社/2006)


関連ページ・・・小松川女高生殺人事件 / 永山則夫連続射殺魔殺人事件 / 神戸須磨児童連続殺傷事件 / 山口母子殺人事件
★2011.5.4 (No.177) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『原発事故 残留汚染の危険性 われわれの健康は守られるのか』
(朝日新聞出版/単行本/武田邦彦/2011.4)

Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 26位 (2011.5.4 現在)

ブログにアクセス集中の専門家・武田邦彦氏が緊急出版する原発事故の本当の問題点。


武田邦彦(中部大学) ブログ


著者・武田邦彦・・・1943年、東京都生まれ。1962年、都立西高等学校卒業。1966年、東京大学教養学部基礎科学科卒業。同年、旭化成工業(株)に入社。1986年、同社ウラン濃縮研究所長。1993年より芝浦工業大学工学部教授を経て、2002年より名古屋大学大学院教授。2007年より中部大学教授。主な著書・・・『誰も知らない「危ない日本」 大きな声で言えない7つの問題』(大和書房/2010) / 『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』(洋泉社/2007)
★2011.4.27 (No.176) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『死刑と向きあう裁判員のために』
(現代人文社/単行本/福井厚[編・著]/2011.4)


死刑をめぐる議論をもう一度整理し、その議論を深める材料を提供する。

<目次>

序章 刑罰論からみた死刑
第1章 裁判員裁判と死刑
第2章 裁判員裁判における死刑選択基準
第3章 死刑をめぐる「世論」と「輿論」
第4章 裁判員の心理と死刑
第5章 裁判員裁判における死刑事件の弁護
第6章 誤判と死刑
第7章 日本が死刑を存置する理由
第8章 韓国の国民参与裁判と死刑
第9章 国際連合と死刑廃止
★2011.4.20 (No.175) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『突然、僕は殺人犯にされた ネット中傷被害を受けた10年間』
(竹書房/単行本/スマイリーキクチ/2011.3)


お笑い芸人のスマイリーキクチがネット上で10年間に渡り受け続けた誹謗中傷の全貌について綴った単行本。

インターネットの巨大掲示板“2ちゃんねる”などで、「足立区で実際に起きた残虐な殺人事件の犯人だ」といった誹謗中傷を受け続けたスマイリーキクチ。 その誹謗中傷は10年間続き、デマを信じたネットユーザーから、自身のブログなどに殺害予告の書き込みもされるなど事態は悪化する一方だった。 対応に悩むスマイリーキクチは警察に相談。 2009年(平成21年)2月と3月には悪質な書き込みをしていた18人が名誉毀損等の罪で書類送検され、話題を呼んだ。 この10年に渡る誹謗中傷がどのようなものであったか・・・。スマイリーキクチがこのような誹謗中傷にどのように対応し何を悩んできたのか・・・。そして、18人一斉検挙に至った経緯は・・・。被害者であるスマイリーキクチ本人が赤裸々に綴った。

足立区で実際に起きた残虐な殺人事件・・・女子高生コンクリ詰め殺人事件
★2011.4.13 (No.174) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『三鷹事件 [新訂版]』
(同時代社/単行本/小松良郎/2011.4)

戦後最初の政治的冤罪事件に迫る。


三鷹事件・・・1949年(昭和24年)7月15日、国鉄中央闘争委がストを含む実力行使で闘うことを最後通告した当日の出来事だった。午後9時24分、無人電車が中央線三鷹駅構内から暴走、改札口と階段をぶち抜き、交番を全壊して民家に突入した。6人が死亡、20余人が重軽傷を負った。交番にいた4人の巡査は全員無事で、しかも戸籍簿まで持ち出して避難を完了していた。まるで事件を予期していたかのようである。検察当局は共同謀議による計画的犯行と直ちに断じ、三鷹電車区分会執行委員長の飯田七三ら9人の共産党員と同区検査係の非党員の竹内景助の10人を次々と逮捕した。1950年(昭和25年)8月11日、1審判決は共産党員の共同謀議を「空中楼閣」と断じ、竹内景助の単独犯行として無期懲役、他の9人に無罪の判決を言い渡した。高裁、最高裁の判決でも、事実認定の基本線は変わらなかったが、竹内に対しては、2審で死刑判決が下され、1955年(昭和30年)6月22日の最高裁判決でも8対7の1票差で、2審判決が支持され、竹内の死刑が確定した。1967年(昭和42年)1月18日、再審請求中、竹内は充分な治療を受けられずに脳腫瘍のため、東京拘置所で死亡した。1審判決が下るまで、否認、単独犯行、共犯説、単独犯行、全面否認、単独犯行と、めまぐるしくその供述を変え、高裁での死刑判決直後、全面否定して以降は無実を主張した。「自白」以外に物的証拠は何もなかった。共産党シンパである竹内は、この事件の罪を自分1人でかぶることにより、逮捕されたメンバー、あるいは窮地に立った共産党を救おうと考えていたようである。三鷹事件により、日本共産党員9人、非党員10人が次々と逮捕されたが、これに追い打ちをかけるように、1949年(昭和24年)7月18日には、国鉄が国鉄中央闘争委員ら59人の免職を発令。事実上の分裂に追い込まれる中、7月21日、ついに、国鉄職員9万4312人の人員整理が完了。国鉄労働組合側の完璧な敗北だった。

著者・小松良郎・・・1918年、東京都生まれ。旧制成城高等学校文科を経て、1941年東京大学文学部東洋史学科卒業。東京都立商科短期大学教授。歴史教育者協議会副委員長として地域に根ざす歴史を提唱。晩年は「無実の死刑囚・袴田巌さんを救う会」で、袴田の再審のために尽力した。2008年没。

目次

暴走
目撃者たち
予告されていた事件
高相会議
叩き潰せ
その前夜
そのとき風呂にいた
別の人びと
虚構の構築
逮捕令状〔ほか〕


関連事件・・・下山事件

★2011.4.6 (No.173) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『公安を敗北させた男 国松長官狙撃事件』
(産経新聞出版/単行本/小野義雄/2011.3)


時効から1年、新たな視点で描く重大事件の実相。オウム信者K巡査長の変換がカギ。

警察庁長官狙撃事件・・・1995年(平成7年)3月30日午前8時半ころ、警察庁の国松孝次(たかじ)長官(当時58歳)が東京都荒川区南千住の自宅マンションを出て公用車に向かって歩いていたところ、背後から銃弾4発を狙撃され、そのうち3発が当たった。犯人は約20メートル離れた植え込みに隠れていて米国コルト製造の38口径拳銃から発射。黒っぽいコートにマスク姿で自転車に乗って逃走。国松長官は意識不明の重体になったが、奇跡的に回復、3ヶ月後には職場に復帰。2010年(平成22年)3月30日、事件から15年経ったこの日に時効が成立。

著者・小野義雄・・・1944年、宮城県生まれ。1969年、産経新聞入社。写真部記者を経て、1983年、静岡支局清水通信部。1985年に編集局社会部。警視庁捜査一課、三課を担当。その後、静岡支局次長、多摩市局次長を経て、1995年、社会部次長。1996年から警察庁担当。2004年2月、定年退職。2004年から2009年3月まで警察大学校非常勤講師。主な著書・・・『落としの金七事件簿 名刑事が遺した熱き捜査魂』(産経新聞出版/2007) / 『日本警察が潰れた日』(産経新聞出版/2010)


目次

プロローグ 私が撃った
第1章 オウム信者の現職警察官
第2章 自供
第3章 七年目の急進展
第4章 東京地検VS警視庁
第5章 公訴時効
最終章 犯行を再現する


関連書籍・・・『警察が狙撃された日 国松長官狙撃事件の闇』(講談社+α文庫/谷川葉/2002) / 『警察庁長官を撃った男』(新潮社/鹿島圭介/2010) /
『時効捜査 警察庁長官狙撃事件の深層』(講談社/竹内明/2010)
★2011.3.30 (No.172) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『裁かれた命 死刑囚から届いた手紙』
(講談社/単行本/堀川恵子/2011.3)


2010年、NHK-ETV特集で放送され大反響を得た内容にその後の継続取材で判明した新事実を積み重ねた長編ノンフィクション。

1966年(昭和41年)、東京都国分寺市で一人の主婦が被害者となった強盗殺人事件が発生。4日後に逮捕された長谷川武(当時22歳)は裁判でさしたる弁明もせず、半年後に死刑判決をうけ、5年後には刑が執行された。その長谷川が独房から関係者に送っていた手紙が残されていた。特に事件の捜査検事だった土本武司は当時、手紙に激しく心を揺さぶられ恩赦へと動き出そうとしたほどだった。

著者・堀川惠子・・・1969年、広島県生まれ。フリーのドキュメンタリーディレクターとして番組制作に取り組むとともに、ノンフィクション作品を発表している。『死刑の基準―「永山裁判」が遺したもの』 で第32回講談社ノンフィクション賞受賞。主な番組はギャラクシー賞テレビ部門大賞を受けた『死刑囚永山則夫 獄中28年間の対話』や『ヒロシマ・戦禍の恋文』など。
★2011.3.23 (No.171) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『秋葉原事件 加藤智大の奇跡』
(朝日新聞出版/単行本/中島岳志/2011.3)

加藤智大を事件に駆り立てたものは何だったのか? 気鋭の政治学者が裁判を傍聴し彼の故郷や職場周辺を訪ねて事件の背景を探る。

秋葉原事件・・・2008年(平成20年)6月8日午後0時40分ころ、東京都千代田区外神田の路上で加藤智大(ともひろ/当時25歳)が2トントラックを運転して数人をはねた後、トラックから降り、刃物で次々と通行人らを切りつけた。その後、駆け付けた警察官によって現行犯逮捕された。この事件により7人が死亡した。2011年(平成23年)3月24日、東京地裁で死刑判決。のちに弁護側が控訴。

著者・中島岳志・・・1975年生まれ。大阪府出身。政治・歴史学者。北海道大学大学院法学研究科・公共政策大学院准教授。専門は南アジア地域研究、近代政治思想史。大阪外国語大学外国語学部(ヒンデイー語学科)卒業。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了。 2009年1月、週刊金曜日編集委員に就任。2010年、『表現者』編集委員、朝日新聞書評委員に就任。主な著書・・・『中村屋のボース インド独立運動と近代日本のアジア主義』(白水社/2005) / 『ナショナリズムと宗教 現代インドのヒンドゥー・ナショナリズム運動』(春風社/2005)

関連書籍・・・『アキハバラ発 〈00年代〉への問い』(岩波書店/大沢真幸[編]・森達也ほか[著]/2008)/ 『アベンジャー型犯罪 秋葉原事件は警告する』(文春新書/岡田尊司/2009)[アベンジャー (avenger) は英語で復讐者、報復者という意味]/ 『「誰でもよかった殺人」が起こる理由』(日本標準ブックレット/加納寛子/2009)
★2011.3.16 (No.170) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『原発と地震 柏崎刈羽「震度7」の警告』
(講談社/単行本/新潟日報社特別取材班/2009.1)


2007年(平成19年)7月16日、中越沖地震によって東京電力柏崎刈羽原発で動いていた原子炉がすべて止まった。設計時の想定を大幅に上回る激しい揺れに襲われ、広範囲な被害やトラブルが続発。「安全神話」が大きく揺らいだ。世界最大の原発集積地で起きた非常事態は何を意味するのか。深く検証し、断層が走る地震国・日本の「原発」を考える。2008年度日本新聞協会賞、日本ジャーナリスト会議・JCJ賞をダブル受賞。


(2011年3月11日、東北と関東での大地震の発生に関連して地震関係の書籍を紹介)
★2011.3.9 (No.169) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『松川事件 六〇年の語り部』
(東京図書出版会/単行本/堀越作治/2011.3)


国家権力による思想弾圧がいかにこの国の進路をねじ曲げたか、いま改めて問う。
福島大学名誉教授の伊部正之が追った、事件の驚くべき背景とその真相とは。

松川事件・・・“輝ける電産(日本電気産業労働組合)の雄” と言われた東芝の松川工場が、1万4000人の首切りに反対して24時間ストを行おうとしたその日に事件は起きる。1949年(昭和24年)8月17日午前3時9分、東北本線の旅客列車が金谷川〜松川駅間で脱線し、機関士ら3人が即死。犯行の手口から計画的なのは明らかで、結局、県内の労働運動を率いてきた国鉄福島労働組合員10人、松川工場の組合員10人、計20人が検挙された。翌年の1950年(昭和25年)の1審判決では、5人が死刑、15人に無期懲役が言い渡された。2審では3人が無罪になり、その後、1958年(昭和33年)になって、共同謀議がなかったことを立証する証拠だった「諏訪メモ」を検察側が隠蔽していたことが判明。1963年(昭和38年)には、被告全員が無罪になって、翌1964年(昭和39年)8月17日に時効を迎えた。


著者・堀越作治・・・1930年生まれ。一橋大学経済学部卒。朝日新聞社入社。政治部次長、福岡総局長、東京本社電波報道部長、編集局次長、研修所長を歴任。(財)森林文化協会常務理事、同顧問等。主な著書・・・『戦後政治裏面史 「佐藤栄作日記」が語るもの』(岩波書店/1998)

目次

電気のない寒村で育つ
「六〇年安保」とベトナム反戦
日韓条約強行に反発
「アパルトヘイト」
常磐炭砿閉山の後始末
松川資料室がスタート
三つの事件をつなぐもの
“予行演習”のような事件
「人民電車」事件・下山事件
三鷹事件の現場にぶつかる〔ほか〕


関連書籍(ほんの一部)・・・
『松川事件 謎の累積』(新風舎文庫/日向康/2005)

『松川事件の真犯人』(祥伝社文庫/吉原公一郎/2007)

『松川事件と裁判 検察官の論理』(岩波書店/広津和郎/1964)

松川事件を題材に製作された映画・・・『松川事件』(DVD/監督・山本薩夫/出演・小沢弘治&寺島幹夫ほか/2004) / 喜劇『にっぽん泥棒物語』(DVD/監督・山本薩夫/出演・三国連太郎&佐久間良子ほか/2010) 。『にっぽん泥棒物語』はブルーリボン監督賞、アラブ映画祭監督賞、日本映画記者会賞など受賞した。

関連事件・・・下山事件
★2011.3.2 (No.168) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『アフター・ザ・クライム 犯罪被害者遺族が語る「事件後」のリアル』
(講談社/単行本/藤井誠二/2011.2)


凶悪犯罪で大切な肉親を奪われた遺族はどんなにつらくても「事件後」を生きていかなければならない。

著者・藤井誠二・・・1965年、愛知県生まれ。ノンフィクションライター。高校時代から教育問題などに関心を持ち、さまざまな社会運動にかかわる。テレビやラジオなどのコメンテーターとしても活躍。愛知淑徳大学非常勤講師も務め、「ノンフィクション論」や「取材学」といった講座を受け持っている。主な著書・・・『殺された側の論理 犯罪被害者遺族が望む「罰」と「権利」』(講談社/2007) / 『大学生からの「取材学」 他人とつながるコミュニケーション力の育て方』(講談社/2009)


目次

第1章 大阪市浪速区・姉妹殺害事件の遺族が語る「知らされない死刑執行」
第2章 沖縄・塾経営者殺害事件の遺族が語る「生きる力の喪失」
第3章 横浜・OL殺害事件の遺族が語る「母親の死」
第4章 名古屋・老夫婦殺害事件の遺族が語る「被害者感情への違和感」
第5章 東京文京区音羽・女児殺害事件の遺族が語る「報道被害」
第6章 栃木・老夫婦殺害事件の遺族が語る「死刑の感触」
第7章 犯罪被害者の裁判参加を考える(弁護士・高橋正人×藤井誠二)

★2011.2.23 (No.167) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『市民が視た刑務所 日本の刑事施設調査報告』
(現代人文社/単行本/アムネスティ・インターナショナル日本[編]/2011.2)


日本のすべての刑事施設に対しておこなったアンケート調査の結果報告。

<目次>
開かれた刑務所にするための市民活動〜まえがきに代えて 石川徹
多摩少年院参観体験記 塚本有美
日本の刑事施設での処遇に関するアムネスティの発言(2000〜2010)
アンケート結果
あとがき 搆美佳
★2011.2.15 (No.166) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『野球賭博と八百長はなぜ、なくならないのか』
(ベストセラーズ/単行本/阿部珠樹/2010.9)


大相撲、プロ野球、競馬を巡る闇・・・衝撃のノンフィクション。

著者・阿部珠樹・・・1957年、北海道生まれ。明治大学卒業。出版社勤務を経て、スポーツノンフィクション作家として独立。『Number』、『優駿』等の雑誌で数多くのスポーツノンフィクションを執筆。メジャーリーグ、プロ野球、サッカー、競馬、大相撲、ラグビー、格闘技などその取材・執筆フィールドは多岐に及ぶ。名将・著名アスリートからスポーツに関わる市井の人々まで、深い洞察によって描かれるノンフィクションで独自の世界を築いている。主な著書・・・『スタジアムの戦後史 夢と欲望の60年』(平凡社新書/2005) / 『Hiroshima 都市と球場の物語』(PHP研究所/新書/2009)

目次

序章 野球賭博と八百長はなぜ、なくならないのか
第1章 角界の黒い霧 野球賭博の闇
第2章 プロ野球と黒い霧事件
第3章 ブラックソックススキャンダル
第4章 馬敗れて草原ありや
第5章 大相撲と日本人
★2011.2.9 (No.165) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『セレブ・モンスター 夫バラバラ殺人犯・三橋歌織の事件に見る、反省しない犯罪者』
(河出書房新社/単行本/橘由歩/2011.1)


セレブ妻はなぜ、夫をバラバラにして捨てられたのか? 最近の犯罪者の多くが共通して抱える“ある心の闇”に迫る、渾身のノンフィクション!

「セレブ妻」夫バラバラ殺人事件・・・2006年(平成18年)12月16日、東京都新宿区の路上で腰から下や頭部が切断された男性の胴体部分がごみ袋に入れられた状態で見つかり、続けて、同月28日、東京都渋谷区の民家の庭で男性の遺体の下半身が見つかった。翌29日、新宿と渋谷で発見された双方の遺体のDNA型が一致し、腰の骨の切断面が合致したことから同じ人物と断定。さらに、遺体の身元を渋谷区富ケ谷1、外資系証券会社社員の三橋(みはし)祐輔(30歳)と特定。2007年(平成19年)1月10日、妻の歌織(当時32歳)が死体遺棄容疑で逮捕され、殺害も認めた。同日、捜査本部は供述に基づき町田市の公園で見つかっていなかった祐輔の頭部を発見した。調べに対し「12月12日早朝、酒に酔って帰宅した夫が寝た後、ワインのびんで頭を殴り殺害したと供述。2人は2003年(平成15年)3月に結婚し、マンションで2人暮らし。動機について「結婚半年後から口論するようになり、生き方が合わなかった。夫から自分を否定することを言われ、暴行も受けたことから殺意を抱いた」と供述し、犯行時は心的外傷後ストレス障害(PTSD)だったとして、心神耗弱か心神喪失の疑いを主張。2008年(平成20年)3月10日、検察側の鑑定医は公判で、歌織の意識障害や幻覚を認め、犯行時は「心神喪失」状態だったと認めた。3月24日、完全に責任能力があったと主張する検察側は地裁に再鑑定を請求したが、27日、地裁は公判でその請求を却下した。これに対し、各紙が歌織は無罪となる可能性が高いと報じた。4月10日の公判で、検察側は論告で「精神鑑定の結果は全く信用できない。被告には完全な責任能力があった」と主張し懲役20年を求刑した。弁護側は「被告に責任能力はなかった」と無罪を訴え結審した。4月28日、東京地裁は歌織に対し懲役15年を言い渡した。5月9日、弁護側が東京地裁での判決を不服として控訴。2010年(平成22年)5月18日、東京高裁で控訴審第2回公判が開かれ、検察側は東京高裁が行った精神鑑定で三橋の責任能力を認める判断が出たことを明らかにし、控訴棄却を求めた。これに対し、弁護側は「犯行時は心神喪失状態だった」として改めて無罪を主張し結審した。6月22日、東京高裁で弁護側の控訴を棄却。6月29日、弁護側が上訴権を放棄。検察側は1審判決に対し控訴していないため、2審判決の懲役15年が確定した。

著者・橘由歩 (タチバナ・ユウホ)・・・福島県出身。ノンフィクションライター。家族という場所・関係性を定点に犯罪ノンフィクション等を手がける。主な著書・・・『身内の犯行』(新潮新書) / 『「ひきこもり」たちの夜が明けるとき』(PHP研究所)

関連書籍・・・『法廷ライブ 「セレブ妻」夫バラバラ殺害事件』(扶桑社/産経新聞社会部/2008)
★2011.2.2 (No.164) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『津山三十人殺し 最後の真相』
(ミリオン出版/単行本/石川清/2011.1)

七十三年前に起きた日本犯罪史上稀に見る“惨劇”
事件のキーマン・寺井ゆり子は生きていた。


著者・石川清・・・1964年、埼玉県生まれ。上智大学卒業後、NHK記者を経てフリーに。時代の隙間に埋もれた奇妙な事件やエピソードの発掘が得意 。

目次

序章 惨劇の断片
第1章 「津山三十人殺し」との邂逅
第2章 遺書をめぐる謎
第3章 祖母いねと睦雄 禁断の関係
第4章 睦雄と性
第5章 三十人殺し
終章 後日談


関連ページ・・・津山三十人殺し事件
★2011.1.26 (No.163) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『逮捕されるまで 空白の2年7ヵ月の記録』
(幻冬舎/単行本/市橋達也/2011.1)

Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 1位 (2011.1.26 現在)

2年7ヵ月の間、どこにいて、どのような生活をし、何を考えてきたのか。市橋達也、拘置所からの懺悔の手記。


英会話講師のリンゼイ・アン・ホーカー殺人事件・・・2007年(平成19年)3月26日、千葉県市川市のマンションのベランダで千葉県船橋市の英国女性で英会話講師のリンゼイ・アン・ホーカー(22歳)が遺体で発見された事件。2009年(平成21年)11月10日、この部屋に住む職業不詳の市橋達也(当時28歳)が死体遺棄容疑で逮捕される。2011年(平成23年)7月21日、千葉地裁で無期懲役の判決。のちに弁護側が控訴。2012年(平成24年)4月11日、東京高裁で控訴棄却。4月25日の期限までに弁護側、検察側ともに上告せず無期懲役が確定。
★2011.1.19 (No.162) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『贖罪』
(朝日新聞出版/単行本/酒井法子/2010.12)


のりピー誕生から転落までの全軌跡が克明につづられた待望の書。

酒井法子覚せい剤事件・・・2009年(平成21年)8月3日、酒井法子の夫・高相祐一が覚せい剤取締法違反(所持)容疑で現行犯逮捕される。酒井は知人の車で渋谷署へ向かう途中に「子供を預けているので」と言って車を降り、所在不明に。8月7日、覚せい剤所持容疑で酒井法子に逮捕状が出る。翌8日夜、酒井が警視庁へ出頭して逮捕される。11月9日、東京地裁で酒井法子に対し懲役1年6ヶ月・執行猶予3年の判決が下り、確定。11月27日、東京地裁で夫の高相祐一に対し懲役2年・執行猶予4年の判決が下り、確定。

関連書籍・・・『酒井法子 隠された素顔』(イースト・プレス/梨本勝/2009)
★2011.1.12 (No.161) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『冤罪足利事件 「らせんの真実」を追った四〇〇日』
(下野新聞社/単行本/下野新聞社編集局[編]/2010.12)


地元紙記者が執念で悲劇の真実に迫った長期連載ルポ待望の書籍化。

目次

第1章 発生
第2章 捜査
第3章 妄信
第4章 自白
第5章 弁護
第6章 鑑定
第7章 誤判
第8章 報道
第9章 再建
第10章 警告
終章 追跡
追録「ただ一人のために」 支える会・西巻糸子さんの十七年
資料編


関連書籍・・・『幼稚園バス運転手は幼女を殺したか』(草思社/小林篤/2001) / 『冤罪 ある日、私は犯人にされた』(朝日新聞出版/菅家利和/2009)
★2011.1.5 (No.160) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『裁判員になる前に知っておきたい刑事裁判の裏側 弁護人が語る刑事司法の現実』
(現代人文社/単行本/現代人文社編集部[編]/2010.12)


2010年9月、郵便不正事件で大阪地検特捜部の証拠捏造が明らかになった。
しかし、刑事弁護人たちは世間の人ほどは驚かなかった。それはなぜか。


郵便不正事件・・・2009年(平成21年)6月14日、“厚生労働省の星”との呼び声も高かった女性局長が大阪地検特捜部に逮捕された。逮捕容疑は虚偽有印公文書作成・同行使。実態のない障害者団体に偽の証明書を発行するように部下に指示した、というものだった。しかし、逮捕直後から一貫して、「私はこの事件に関与していない」と容疑を否認していた。2010年(平成22年)9月10日、大阪地裁で無罪判決が下り、確定。2011年(平成23年)4月12日、大阪地裁は証拠品だったフロッピーディスク(FD)のデータを改ざんしたとして、証拠隠滅罪に問われた大阪地検特捜部の元主任検事、前田恒彦被告(当時43歳)に対し懲役1年6ヶ月(求刑・懲役2年)の実刑判決を言い渡した。検察側、弁護側ともに控訴せず実刑確定。
★2010.12.29 (No.159) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『山口二矢(やまぐちおとや)供述調書 社会党委員長浅沼稲次郎刺殺事件』
(展転社/単行本/山口二矢顕彰会/2010.11)


事件より50年。「七生報国 天皇陛下万才」を獄中に遺し、自ら命を絶った、その壮烈にして清純なる魂。

目次

供述調書(昭和三十五年十一月一日分)
供述調書(昭和三十五年十一月二日分)
二矢の短い生涯 親の夢子供の夢(山口晋平)
大空に会わん 二矢の死(山口晋平)
二矢忌(山口晋平)
あとがき(山口二矢顕彰会)


関連ページ・・・浅沼社会党委員長暗殺事件
★2010.12.23 (No.158) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『我が一家全員死刑 大牟田一家4人殺害事件 「死刑囚」獄中手記』
(コアマガジン/単行本/鈴木智彦/2010.11)


「俺は殺人を楽しみ、狂い、快感すら憶えた」 (北村孝紘被告手記より)
2004年、福岡県大牟田市で起きた4人連続殺人事件で加害者の家族4人全員に死刑判決が下る前代未聞の事件となった。


大牟田一家4人殺害事件・・・2004年(平成16年)9月17・18日、福岡県大牟田市で父親の北村実雄(当時60歳)、母親の真美(当時45歳)、長男・孝(当時23歳)、次男・孝紘(当時20歳)の一家4人が金銭トラブルが原因で無職で母親の高見小夜子(58歳)、次男の穣吏(じょうじ/15歳)、長男の龍幸(18歳)と友人の原純一(17歳)を殺害、現金約26万円や金庫の貴金属(400万円相当)を奪って換金、遺体を川などに遺棄した事件。2006年(平成18年)10月17日、福岡地裁久留米支部で母親・真美と次男・孝紘に死刑の判決。2007年(平成19年)2月27日、福岡地裁久留米支部で父親・実雄と長男・孝に死刑判決。4人ともに判決を不服として控訴。2007年(平成19年)12月25日、福岡高裁は母・真美と次男・孝紘の控訴を棄却。2008年(平成20年)3月27日、福岡高裁は父親・実雄と長男・孝の控訴を棄却。4人とも判決を不服として上告。2011年(平成23年)10月3日、最高裁で母親・真美と次男・孝紘の上告を棄却し死刑が確定。10月17日、最高裁で父親・実雄と長男・孝の上告を棄却し死刑が確定。

著者・鈴木智彦の他の著書・・・『潜入ルポ ヤクザの修羅場』(文春新書/2011) / 『極道のウラ知識』(宝島社文庫/2008)
★2010.12.15 (No.157) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『マイ・バック・ページ ある60年代の物語』
(平凡社/単行本/川本三郎/2010.11/復刊版)


ベトナム戦争、全共闘運動、そして連合赤軍事件・・・・・・。騒乱の1960年代末、若きジャーナリストとして著者が体験した青春の蹉跌を描く伝説の回想録。妻夫木聡&松山ケンイチのダブル主演での同名タイトル映画が2011年5月28日、公開予定。

著者・川本三郎・・・評論家。1944年、東京生まれ。東京大学法学部卒業後、朝日新聞社に入社。「週刊朝日」「朝日ジャーナル」の記者を経て、評論活動に入る。文芸・映画の評論、翻訳、エッセイなど多岐にわたる執筆活動を続けている。主な著書・・・『大正幻影』 (サントリー学芸賞受賞) / 『荷風と東京』 (読売文学賞受賞) / 『林芙美子の昭和』 (毎日出版文化賞、桑原武夫学芸賞受賞)ほか多数。

目次

『サン・ソレイユ』を見た日
69年夏
幸福に恵まれた女の子の死
死者たち
センス・オブ・ギルティ
取材拒否
町はときどき美しい
ベトナムから遠く離れて
現代歌情
逮捕まで
逮捕そして解雇
★2010.12.8 (No.156) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『日本の殺人』
(ちくま新書/河合幹雄/2009.6)


殺人者は、なぜ、どのように犯行におよんだのか。彼らにはどんな刑罰が与えられ、出所後はどう生活しているか・・・。仔細な検証から見えた人殺したちの実像とは。

著者・河合幹雄・・・1960年生まれ。京都大学大学院法学研究科法社会学専攻博士課程修了。現在、桐蔭横浜大学教授。専門は法社会学。主な著書・・・『安全神話崩壊のパラドックス』(岩波書店/2004) / 『終身刑の死角』(洋泉社/新書/2009)

目次

第1章 殺人事件の諸相(日本は殺人が多いか
心中 ほか)

第2章 捜査、刑務所生活、そして出所後(捜査
完全犯罪あるいは闇に消える事件 ほか)

第3章 ひとを殺すとはどういうことか(被害者は誰か
遺族の辛さ ほか)

終章 社会的大転換の裁判員制度(まとめとして
裁判員制度と今後の日本の刑事司法 ほか)
★2010.12.1 (No.155) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『A3』
(集英社/単行本/森達也/2010.11)


急激に風化されつつある一連の「オウム事件」。何も解明されないまま、教祖と幹部信者たちの死刑は確定した。

著者・森達也・・・映画監督、作家。1956年、広島県呉市生まれ。テレビ番組制作会社を経て独立。1998年、オウム真理教を描いたドキュメンタリー映画『A』を公開。2001年、続編『A2』が山形国際ドキュメンタリー映画祭で特別賞・市民賞を受賞。「A」はオウム(AUM)、麻原彰晃、荒木浩・広報副部長という意味だそうで、荒木を追いながらオウムとマスコミ、オウムと公安警察との軋轢を描いたドキュメンタリー作品。主な著書・・・『いのちの食べかた』(理論社/2004) / 『王様は裸だと言った子供はその後どうなったか』(集英社新書/2007) / 『死刑 人は人を殺せる。でも人は、人を救いたいとも思う』(朝日出版社/森達也/2008)

目次

傍聴
封印
面会
弁明
弁護
故郷
真宗
記憶
拒否
手紙〔ほか〕

事件の概要・・・オウム真理教
★2010.11.24 (No.154) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『殺人者はいかに誕生したか 「十大凶悪事件」を獄中対話で読み解く』
(新潮社/単行本/長谷川博一/2010.11)


臨床心理士として刑事事件の心理鑑定を数多く手掛ける著者が見つめてきた心の闇。
畠山鈴香、宅間守、宮崎勤、加藤智大・・・・・・、彼ら十人の殺人者は何を語ったか。


著者・長谷川博一・・・1959年、愛知県生まれ。東海学院大学人間関係学部心理学科・大学院人間関係学研究科臨床心理学専攻教授。臨床心理士。専門分野は心理療法、虐待、犯罪心理、青少年問題、人格障害。親の立場から虐待問題にアプローチする「親子連鎖を断つ会」などを主宰。不登校児童へのメンタルフレンド派遣、刑事事件の心理鑑定も手がけている。主な著書・・・『お母さんはしつけをしないで』(草思社) / 『ダメな子なんていません』(新潮文庫)
★2010.11.17 (No.153) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『ザ・ハイジャック 日本赤軍とのわが「七年戦争」』
(文藝春秋/単行本/佐々淳行/2010.11)

「よど号」から「ダッカ」までテロリストの脅迫に屈した弱虫国家の舞台裏を暴く。

著者・佐々淳行・・・1930年、東京生まれ。東京大学法学部卒業後、国家地方警察本部(現警視庁)に入庁。「東大安田講堂事件」「連合赤軍あさま山荘事件」等に警備幕僚長として危機管理に携わる。1986年より初代内閣安全保障室長をつとめ、1989年、昭和天皇大喪の礼警備を最後に退官。2000年、第48回菊池寛賞を受賞。2001年、勲二等旭日重光章受章。主な著書・・・『東大落城』(文春文庫/1996) / 『連合赤軍「あさま山荘」事件』(文春文庫/1999)

目次

プロローグ 狂瀾怒涛の七〇年代
第1章 『よど号』ハイジャック
第2章 『よど号』模倣犯ハイジャック
第3章 テルアビブ空港乱射事件の衝撃
第4章 ドバイ日航ハイジャック事件
第5章 シンガポール・シー・ジャック事件
第6章 迷走した「ハーグ」「スキポール事件」
第7章 切歯扼腕のクアラルンプール事件
第8章 最悪のダッカ・ハイジャック事件
エピローグ 「ホーンブロワー物語」の完成
日本国内ハイジャック事件一覧表(一九七〇〜二〇一〇)

関連ページ・・・「よど号」ハイジャック事件 / 日本赤軍テルアビブ空港事件 / 日本赤軍と反日武装戦線
★2010.11.10 (No.152) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『舵のない船 布川事件の不正義 [新装版]』
(現代人文社/単行本/伊佐千尋/2010.11)


布川事件が冤罪であることを早くから見抜いていた作家によるルポルタージュ。

布川(ふかわ)事件・・・1967年(昭和42年)8月30日朝、茨城県北相馬郡利根町布川で独り暮らしだった大工の玉村象天(しょうてん/62歳)が自宅で遺体で発見された。遺体の死亡推定時刻は8月28日の午後7〜11時ころであるとされた。死因は絞殺による窒息死であると判明した。玉村は個人的に金貸しを行っており、現金もしくは借金の借用書などが盗まれた可能性があった。唯一判明したのは玉村が普段使用していた「白い財布」が発見されなかったことである。殺害があったとされた28日の午後8時ころ、玉村の自宅付近で不審な2人組の男性の目撃情報があり、その情報から桜井昌司(しょうじ/当時20歳)と杉山卓男(たかお/当時21歳)が別件逮捕され、2ヶ月後に起訴された。公判で被告の桜井と杉山は「自白は警察に強要されたものである」として全面否認したが、1970年(昭和45年)10月6日、水戸地裁土浦支部は無期懲役の判決。1973年(昭和48年)12月20日、東京高裁では「ほかに犯人がいるのではないかと疑わせるものはない」として控訴を棄却。1978年(昭和53年)7月3日、最高裁で上告が棄却され、桜井と杉山の2人の無期懲役が確定した。収監された桜井と杉山の2人は1996年(平成8年)11月に仮釈放されたが、現在まで無実を訴えており、民間人の有志による「布川事件守る会」が2001年(平成13年)12月6日、第2次再審請求を水戸地裁土浦支部に申立て、2005年(平成17年)9月21日、水戸地裁土浦支部が再審開始を決定した。これに対して検察側が東京高裁に即時抗告したため、再審開始決定の是非に関する審理が行われたが、2008年(平成20年)7月14日、東京高裁(門野博裁判長)は再審開始決定を支持し、検察側の即時抗告を棄却した。これを受けた検察側は最高裁判所に特別抗告したが、2009年(平成21年)12月15日、最高裁(竹内行夫裁判長)は検察側の特別抗告を棄却し再審開始が確定。2011年(平成23年)5月24日、水戸地裁土浦支部は「現場で発見された毛髪や指紋は、2人のものと類似しているとはいえず、客観的証拠は存在しない」などとして、2人に対し無罪を言い渡した。一方、再審公判で争われなかった窃盗などの罪については、有罪認定を覆さず、2人にそれぞれ懲役2年・執行猶予3年の判決を言い渡した。

著者・伊佐千尋・・・1929年、東京生まれ。1978年、デビュー作『逆転』で第9回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。これを機に実業界から作家に転じた。1982年、陪審制度を復活・実現することをめざして、作家の青地晨、弁護士の後藤昌次郎、倉田哲治各氏らと「陪審裁判を考える会」を発足させる。主な著書・・・ 『日本の刑事裁判 冤罪・死刑・陪審』(中公文庫)/ 『沖縄の怒り ゴザ事件 米兵少女暴行事件』(文春文庫)

関連サイト・・・ざ・布川事件 / 関連書籍・・・『ショージとタカオ』(文藝春秋/井出洋子/2012)
★2010.11.3 (No.151) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『シークレット・サービス 大統領警護の舞台裏』
(並木書房/単行本/ロナルド・ケスラー/2010.8)


百人以上の警護官を独占取材し、彼らだけが知る秘密を米紙のベテラン記者が初めて明かす全米ベストセラーの全訳。

著者・ケスラー・ロナルド(Kessler・Ronald)・・・『ワシントン・ポスト』と『ウォールストリート・ジャーナル』両紙の記者として、これまでジャーナリズム賞を17回受賞。

目次

トルーマン大統領
ケネディ大統領
ジョンソン大統領
脅迫者
ニクソン大統領
暗殺者
フォード大統領
ホワイトハウス
ジャッカル
カーター大統領
大統領専用車
レーガン大統領
ナンシー・レーガン
シークレットサービス訓練所
レーガン暗殺未遂事件
警護官の憂鬱
ブッシュ大統領(第41代)
霊能者の予言
クリントン大統領
警護の曲がり角
大統領の居場所
手抜きの始まり
ブッシュ大統領(第42代)
時代遅れの装備
ブッシュの令嬢ジェンナとバーバラ
チェイニー副大統領
オバマ大統領
ブッシュ暗殺未遂
水増しの統計数値
職務怠慢
★2010.10.27 (No.150) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『激突! 検察、暴力団、弁護士会・・・・・・
タブーの権力と対峙した弁護士の事件簿』
(光文社/単行本/猪狩俊郎/2010.9)


新井将敬代議士を自殺に追い込んだ検察の捜査手法とは…、野球場に巣くうヤクザ私設応援団が追放を免れるために打ち出した奇策とは…、実名を挙げながら包み隠さず明かした震撼のノンフィクション。

著者・猪狩俊郎(いがりとしろう)・・・弁護士法人一番町綜合法律事務所所属。一般財団法人反社会的勢力対策研究センター代表理事。1949年福島県生まれ。1968年、慶應義塾大学法学部卒。司法試験に合格。1981年、検事任官。横浜、山口、青森、仙台などの地方検察庁に勤務。1990年、弁護士登録。翌年、一番町綜合法律事務所を設立。東京地方裁判所民事調停委員、第一東京弁護士会民事介入暴力対策委員会委員長、日本弁護士連合会民事介入暴力対策委員会幹事、プロ野球暴力団等排除対策中央協議会委員、東京都万引防止協議会座長、社団法人全国警備業協会理事などを歴任。

目次

第1章 検察との対峙
第2章 闘う検察官として
第3章 闘う弁護士として
第4章 反社会勢力と渡り合う
第5章 弁護士会の内幕
第6章 元東京地検特捜部長・宗像、熊崎との和睦
第7章 異端の原点

★2010.10.21 (No.149) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『私は無実です 検察と闘った厚労省官僚村木厚子の445日』
(朝日新聞出版/単行本/今西憲之&週刊朝日取材班/2010.9)


偽の障害者団体に便宜を図った疑いで厚労省の現役女性キャリア官僚が逮捕された。だが、それは全くのデッチ上げだった。

2009年(平成21年)6月14日、“厚生労働省の星”との呼び声も高かった村木厚子局長が大阪地検特捜部に逮捕された。逮捕容疑は虚偽有印公文書作成・同行使。実態のない障害者団体に偽の証明書を発行するように部下に指示した、というものだった。しかし、逮捕直後から一貫して、「私はこの事件に関与していない」と容疑を否認していた。2010年(平成22年)9月10日、大阪地裁で無罪判決が下り確定。2011年(平成23年)4月12日、大阪地裁はいわゆる、この郵便不正事件で証拠品だったフロッピーディスク(FD)のデータを改ざんしたとして、証拠隠滅罪に問われた大阪地検特捜部の元主任検事、前田恒彦被告(当時43歳)に対し懲役1年6ヶ月(求刑・懲役2年)の実刑判決を言い渡した。検察側、弁護側ともに控訴せず実刑確定。村木は捜査の真相を明らかにしたいと国家賠償訴訟を起こしたが、2011年(平成23年)10月、国側は捜査の責任を全面的に認めて約3770万円の賠償金を支払う異例の対応をとった。村木は「お金をもらうのは本意ではない」として、累犯障害者の支援で知られる長崎県雲仙市の社会福祉法人「南高愛隣会」(田島良昭理事長)へ約3770万円の賠償金から弁護士費用を除いた全額の寄付を決めたという。「南高愛隣会」は刑務所への出入所を繰り返す「累犯」障害者や高齢者の更生を支える活動などに役立てようと、2012年(平成23年)3月にも「共生社会を創る愛の基金」を創設する予定。

目次

堕ちた厚労省の星
1通8円の誘惑
甘い罠
議員案件
揺らぐ検察側の証人たち
壮大な虚構
こうして冤罪はつくられる
黙殺された手帳
大阪地検特捜部の罪と罰
崩されたシナリオ
そして無罪が言い渡される
村木さんの無罪はまちがいない 弘中惇一郎弁護士インタビュー


★2010.10.13 (No.148) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『英国式事件報道 なぜ実名にこだわるのか』
(文藝春秋/単行本/澤康臣/2010.9)


殺人事件では被害者の経歴を詳細に書き、容疑者の顔写真を逮捕前から掲載、ただの乱痴気パーティーを長文で報道・・・。

著者・澤康臣・・・共同通信記者。1966年、岡山生まれ。東京大学文学部卒。1990年、共同通信記者となり、水戸、浦和(現・さいたま)両支局の後、主に社会部で報道に携わる。通算7年にわたり司法を担当したほか、人権、平和、メディアなどをテーマに取材。その後、東京支社編集部を経て現在外信部。2006〜2007年、英国オックスフォード大学ロイタージャーナリズム研究所客員研究員。

目次

父と娘と容疑者 序に代えて
1章 ニュースの中の人々
2章 ニュースを書く人々
3章 ニュースと向き合う人々
4章 匿名社会と報道
スローなジャーナリズム あとがきに代えて
★2010.10.6 (No.147) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『刑事(デカ)たちの挽歌 警視庁捜査一課「ルーシー事件」ファイル』
(財界展望新社/単行本/高尾昌司/2010.10)


猟奇的事件を追う捜査員たちの素顔を追う。

ルーシー・ブラックマン事件ほか・・・2000年(平成12年)5月4日、イギリスから友人とともに元英国航空会社客室乗務員のルーシー・ブラックマン(死亡時22歳)が来日した。入国資格は観光目的の90日滞在だったが、東京都港区六本木のクラブで働き始めた。6月下旬、六本木のクラブでルーシーが不動産会社社長の織原(おばら)城二(逮捕時48歳)を接客。7月1日、「男の子と海にドライブに行く」などと友人に連絡後、行方不明になった。7月3日、タカギアキラと名乗る男がルーシーの友人に「ルーシーは千葉県で新興宗教の修業をしている」と電話。7月4日、友人が麻布警察署に捜索願を出す。7月12日、警視庁捜査1課が公開捜査に踏み切る。ルーシーの父親や妹が来日し、ホットラインを開設して有力情報に約1600万円の懸賞金を出すと発表。10月12日、織原がカナダ人女性に対する準強制わいせつ容疑で逮捕される。10月16日、織原が他の女性にもわいせつな行為を繰り返していた疑いが強まり、警視庁が麻布署に特捜本部を設置。10月27日、イギリス人女性に対する準婦女暴行容疑で再逮捕。11月17日、日本人女性に対する準婦女暴行容疑で3度目の逮捕。12月8日、日本人女性に対する準婦女暴行容疑で4度目の逮捕。12月14日、カナダ人とイギリス人に対する準婦女暴行罪の初公判。織原は「同意を得ていた」と否認。2001年(平成13年)1月4日、日本人女性に乱暴してけがを負わせたとして、準婦女暴行傷害容疑で5度目の逮捕。1月26日、オーストラリア人女性のカリタ・リジウェイ(21歳)にクロロフォルムを使って乱暴し死亡させたとして、準婦女暴行致死容疑で6度目の逮捕。2月9日、神奈川県三浦市の海岸で切断された女性の遺体を発見。翌10日、発見された女性の遺体がルーシー・ブラックマンであることを確認。4月6日、ルーシーに対し乱暴して死亡させた準婦女暴行致死や死体遺棄容疑などで7度目の逮捕。4月28日、ルーシーに対する準強姦致死、死体損壊などの罪で追起訴。織原は調べに対し、「都内から逗子のマンション自室にルーシーを連れて行った」ことは認めたが、起訴事実は否認。2006年(平成18年)9月30日、織原の弁護人は織原がルーシー・ブラックマンの件については無実であることを主張しながら、ルーシーの遺族に見舞金として1億円を支払ったことを明らかにした。2007年(平成19年)4月24日、東京地裁(栃木力裁判長)は、起訴された10件の事件のうち9件については有罪と認め、織原に求刑通り無期懲役を言い渡したが、ルーシーの事件については、「直接的な証拠は一切ない」と述べ、無罪とした。被告側が東京地裁での判決を不服として即日控訴。4月27日、検察側もルーシー事件で無罪を言い渡した東京地裁での判決を不服として控訴。2008年(平成20年)7月4日、織原の弁護人は織原がオーストラリア人女性のカリタ・リジウェイの遺族に見舞金として1億円支払ったことを明らかにした。織原はカリタ・リジウェイと性的関係をもったことは認めたが、死亡については「関係ない」と主張。2008年(平成20年)12月16日、東京高裁(門野博裁判長)は起訴された10事件のうちルーシー事件を唯一無罪とした1審判決を破棄し、改めて無期懲役を言い渡した。12月18日、被告側が東京高裁での無期懲役判決を不服として上告。2010年(平成22年)12月7日、最高裁で上告棄却で無期懲役が確定。

著者・高尾昌司・・・1946年、東京都生まれ。米海軍第7艦隊司令部発行従軍記者章取得後、台湾、タイ・バンコクで駐在。ベトナム、タイ、カンボジア、フィリピンなどアジア各国の紛争取材を経て帰国。湾岸戦争でも、イラク・バクダットに1ヶ月余り滞在。その後、『週刊ポスト』『週刊現代』など雑誌を中心に活躍。中国人密航者斡旋マフィアの「蛇頭」シリーズや「オウム事件」「和歌山毒物混入カレー事件」「世田谷一家殺人事件」「国松長官狙撃事件」などを追い続ける。

関連書籍・・・『ルーシー事件の真実』(飛鳥新社/ルーシー事件真実究明班[編]/2007) / 『ルーシー事件 闇を食う人びと』(彩流社/松垣透/2007)
★2010.9.30 (No.146) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『実践 司法通訳 [裁判員裁判編] シナリオで学ぶ法廷通訳』
(現代人文社/単行本/渡辺修&水野真木子&中村幸子/2010.9)


模擬裁判員裁判を素材に法廷通訳の技術と実務的留意点を解説し、効果的な法廷通訳に役立つ情報を提供する。

<目次>

はじめに
第1部 模擬裁判員裁判――覚せい剤取締法違反(密輸)事件で学ぶ
第2部 被告人質問の通訳
第3部 裁判員裁判と司法通訳
★2010.9.22 (No.145) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『団塊モンスター 妄走老人≠スちの事件簿』
(文藝春秋/単行本/高井尚之/2010.9)


カイシャにしがみつく懲りない面々の“あっと驚く野蛮行為”の数々。

著者・高井尚之・・・ジャーナリスト、職場アナリスト。大学4年から在京スポーツ紙に当時のガールズ事情を探った「シュワッチ・ギャル」を連載し始める。卒業後、出版社の編集者、消費財メーカーの企画ライターとして組織人人生を送り、2004年に独立。現在は「身近なたとえで、わかりやすく」をモットーに、企画編集・執筆・講演などでビジネス現場情報を発信し続ける。

目次

第1部 妄走老人
第2部 カン違い定年者
第3部 やれやれ管理職
第4部 使えんベテラン
第5部 昭和なヒト
第6部 お子様オジン
★2010.9.16 (No.144) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『シリーズ 六〇年代・七〇年代を検証する〈2〉 日本赤軍! 世界を疾走した群像』
(図書新聞/単行本/重信房子ほか/小嵐九八郎[聞き手]/2010.9)

重信房子、和光晴生、足立正生、若松孝二、塩見孝也の各氏を作家・歌人の小嵐九八郎がインタビューするオーラル・ヒストリー。

聞き手・小嵐九八郎・・・1944年、秋田県生まれ。作家・歌人。早稲田大学の学生時代に学生運動に身を投ずる。1994年、『刑務所ものがたり』(文藝春秋) で吉川英治文学新人賞受賞。

目次

第1章 赤軍派議長、獄中二〇年(塩見孝也)
第2章 全共闘の魂はアラブを駆け巡った(重信房子)
第3章 全共闘運動からレバノンの戦場へ(和光晴生)
第4章 アラブの生活文化は異質なものにも温かい(足立正生)


関連ページ・・・「よど号」ハイジャック事件 / 日本赤軍テルアビブ空港事件 / 日本赤軍と東アジア反日武装戦線
★2010.9.8 (No.143) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『Q&A 見てわかるDNA型鑑定 GENJIN刑事弁護シリーズ13』
(現代人文社/単行本/押田茂實&岡部保男/2010.4)

裁判実務でDNA型鑑定が問題となった場合にその鑑定方法の正しさや結果の妥当性をどう判断すべきか。刑事弁護の視点からDNA型鑑定の実際と基本知識を解説。

目次

第1部 DNA型鑑定の実際と問題点
第2部 DNA型鑑定と刑事弁護
第3部 資料編 事件紹介・その他関連試料
付録DVD「DNA型鑑定の実際」
★2010.9.1 (No.142) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『法医学者、死者と語る 解剖室で聴く 異状死体、最期の声』
(WAVE出版/単行本/岩瀬博太郎/2010.8)


なんと6人に1人が本当の死因がわからないまま葬られている。壊れたニッポン社会と闘う孤高の司法解剖医の衝撃のリアル。

著者・岩瀬博太郎・・・司法解剖医・千葉大学大学院法医学教室教授。 1967年、千葉県生まれ。東京大学医学部卒業。同大学法医学教室を経て、千葉大学大学院医学研究院法医学教室教授。千葉大学法医学教室を先進国水準にすべく奮闘している。他の著書に話題を呼んだ『焼かれる前に語れ』(WAVE出版/柳原三佳[編]/2009)がある。

目次

1章 解剖室で聴く最期の声(解剖室で慮ること 明日の毒殺 ほか)
2章 死者から学ぶこと(時津風部屋事件 年末年始に思う ほか)
3章 いくつもの死、いくつもの生(さまざまな死 恩師との出会い ほか)
4章 死を診る医学(自殺と他殺と自然死 出刃包丁での解剖 ほか)
5章 未来へ向かって(苦しんで死んだのか 「検視」を考える ほか)
★2010.8.25 (No.141) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -


『少年院を出たあとで 更生できる人、できない人の違い』
(現代人文社/単行本/矢部武/2009.11)


現在の少年院は非行少年の更生に役立っているか。院後の少年を社会はどう受け入れるべきか。日米を取材し、政府・少年司法の現場・地域社会がなすべきことを提言する。

著者・矢部武・・・1954年、埼玉県生まれ。ジャーナリスト。70年代半ばに渡米し、アームストロング大学で修士号を取得。帰国後、米紙「ロサンゼルス・タイムズ」東京支局記者等を経てフリーに。銃社会、人種差別、貧困格差など米国深部に潜むテーマを抉り出す一方で、いじめ、少年犯罪、教育問題などを比較文化・社会的に分析し、解決策をさぐる。主な著書・・・『世界で一番冷たい格差の国・日本』(光文社/2009) / 『アメリカのベジタリアンはなぜ太っているのか?』(あさ出版/2007)

目次

一章  ある少年院帰り≠フ更生への道
二章  日本の閉鎖的な少年院のなかで
三章  少年院を出たあとのさまざまな障害
四章  厳重警備の米国の州立少年院
五章  多様性のある米国の少年更生施設
六章  米国の保護観察官の情熱と信念
七章  更生できる人、できない人の違い
★2010.8.18 (No.140) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『それでも彼を死刑にしますか 網走からペルーへ 永山則夫の遥かなる旅』
(現代企画室/単行本/大谷恭子/2010.8)


死刑→無期→死刑。各級裁判所の異なる判決に翻弄されながら、「生」への希望を失わなかった永山則夫。彼には夢があった。

著者・大谷恭子・・・1978年、弁護士登録。第二東京弁護士会所属。日本女子大学非常勤講師。沖縄大学客員教授。内閣府障がい者制度改革推進会議委員。元東京拘置所視察委員会委員。「永山子ども基金」代表。連合赤軍(永田洋子)事件、金井康治君自主登校裁判、アイヌ民族肖像権裁判(チカップ美恵子)、地下鉄サリン(広瀬健一)事件、日本赤軍(重信房子)事件などを担当。主な著書・・・『死刑事件弁護人 永山則夫とともに』(悠々社/1999)

目次

プロローグ 海を越えて
第1章 受任 出会い
第2章 連続射殺魔事件
第3章 成長・変貌する少年
第4章 殺人か強盗殺人か
第5章 死刑か無期か
第6章 死刑と無期の判断を分けたもの
第7章 死刑への儀式と化した法廷
第8章 閉ざされた社会
第9章 不意の死刑執行
第10章 遺言のゆくえ
エピローグ 弁護の報酬
付論 永山基準とはなにか 無期になりうるものを死刑にできるか

関連ページ・・・永山則夫連続射殺魔事件
★2010.8.11 (No.139) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『袴田巌は無実だ』
(花伝社/単行本/矢澤昇治[編]/2010.8)


警察と検察は袴田に罪を着せるために何をしたのか? 前代未聞の冤罪、「袴田事件」を徹底検証。

著者・矢澤昇治・・・1948年、新潟県生まれ。長岡高校卒。1971年、金沢大学法文学部法律学科卒業。1978年、フランス国ストラスブール第三大学第三博士課程退学。1979年、東北大学大学院法学研究科私法学専攻博士後期課程退学。熊本大学法学部専任講師を経て、専修大学法科大学院教授(「国際私法」「国際民事紛争解決」「環境と法」担当)。1992年、弁護士登録(第二東京弁護士会)主な著書・・・『冤罪はいつまで続くのか』(花伝社/2009)

目次

第1部 袴田巌を支援する人々の声、叫び、そして願い(第2次再審請求の申立と現状
巌さん!そのパンチで逆転KOだ!
袴田巌さんは無実です ほか)
第2部 徹底検証・袴田事件の真実(冤罪袴田事件
代用監獄での過酷な取調べ
証拠からの排除 ほか)
第3部 袴田巌の素顔(袴田巌の手紙と書簡、獄中からの祈り
面会報告)


関連ページ・・・袴田事件
★2010.8.4 (No.138) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『大相撲事件史』
(長崎出版/単行本/荒井太郎/2010.7)


角界は改革断行で過去の危機を乗り切ってきた!

著者・荒井太郎・・・1967年、東京都杉並区出身。早稲田大卒。百貨店勤務を経て、フリーライターに転身。相撲記者として専門誌に寄稿、連載を持つ。プロレス、格闘技、野球に関する媒体でも活動。主な著書・・・『大相撲あの力士、あの一番』(ソニー・マガジンズ新書/2008) / 『東京六大学野球史』(ソニー・マガジンズ新書/2008)

目次

大相撲新団体設立
1世紀前にあった大相撲ストライキ
外国出身力士によるトラブル
世界を騒がせた疑惑の(?)大一番
横綱はトラブルも横綱級!?
相撲部屋お家騒動
土俵に上がりたがる女性
八百長報道と大相撲
協会大激震
各界大麻汚染
貴乃花親方、奇跡の理事当選
“お騒がせ横綱”朝青龍電撃引退
野球賭博で角界存亡の危機
★2010.7.28 (No.137) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『あの事件を追いかけて』
(アストラ/単行本/大畑太郎&宮崎太郎/2010.7)


酒鬼薔薇聖斗、宮崎勤、阿部定…世間を揺るがした33の事件の現場とその後。

目次

ホテルニュージャパン火災後の廃墟 プロローグ
21世紀
90年代
80年代
70年代
戦後
戦前
忠臣蔵・吉良邸討ち入りから300年 エピローグ


関連ページ・・・神戸須磨児童連続殺傷事件 / 宮崎勤幼女連続殺人事件 / 阿部定事件
★2010.7.21 (No.136) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『衝撃犯罪全ファイル』
(コアムックシリーズ 462/コアマガジン/2010.3)


戦後から現在までの日本が震撼した100の凶悪事件を収録。保険金毒殺、強盗レ○プ、大量殺人、バラバラ猟奇…「今だから書ける」有名事件の真相。


◆第一章 最新凶悪殺人
◆第二章 タブー犯罪【平成編】
◆第三章 タブー犯罪【昭和編】
◆第四章 女性犯罪【平成編】
◆第五章 女性犯罪【昭和編】
★2010.7.14 (No.135) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『女と男の事件帳 戦後を生きた巡査の手記』
(元就出版社/単行本/深沢敬次郎/2010.7)


敗戦の焼土と化した終戦直後から昭和31年までに起きた女と男の事件を収録。

著者・深沢敬次郎・・・大正14年11月15日、群馬県高崎市に生まれ。県立高崎商業学校卒業。太平洋戦争中、特攻隊員として沖縄戦に参加、アメリカ軍の捕虜となる。群馬県巡査となり、前橋、長野原、交通課、捜査一課に勤務。巡査部長として、太田、捜査二課に勤務。警部補に昇任し、松井田、境、前橋署の各捜査係長。警察功労章を受章し、昭和57年、警部となって退職。平成7年4月、勲五等瑞宝章受章。

目次

巡査志願
入所中に日本国憲法施行
交番勤務とキャスリーン台風
ヤミ米の取り締まり
初めての犯人逮捕
山の中の自治体警察署へ赴任
泥棒の人権
山小屋に住み着いた乞食
人と本との出会い
見習い刑事となる〔ほか〕

★2010.7.7 (No.134) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『コロンバイン銃乱射事件の真実』
(河出書房新社/単行本/デイヴ・カリン/2010.7)


13人を殺害した普通の高校生2人は何を考えていたのか。2010年度アメリカ探偵作家クラブ賞受賞の迫真のノンフィクション。

コロンバイン高校銃乱射事件・・・1999年4月20日、米国コロラド州デンバー郊外のリトルトン市にあるコロンバイン高校のカフェテリアで同校2年生のエリック・ハリス(18歳)とディラン・クレボールド(17歳)の2人が、突然、ライフルを乱射。これにより、生徒12人と教師1人の計13人が死亡、23人が重傷を負った。犯行後、2人は銃で自殺した。

関連書籍&DVD・・・『その日、学校は戦場だった コロンバイン高校銃撃事件』(インターメディア出版/ミスティ・バーナル/2002) / 『ディスカバリーチャンネル ZERO HOUR コロンバイン高校銃乱射事件』(DVD/2006) / 『ボウリング・フォー・コロンバイン』(DVD/監督・マイケル・ムーア/2003)
/ 『コロンバインの空に コロンバイン高校事件を乗り越えて』(DVD/監督・アーリス・ハワード/出演・デブラ・ウィンガー&ラリー・オースティンほか/2006)
★2010.6.30 (No.133) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『真実のカルテ 仙台・筋弛緩剤 北陵クリニックで何が起きたか』
(本の森/単行本/半田康延[編]/2010.2)

事件発生当時のクリニック副院長だった半田郁子医師の手記を中心に夫である東北大学医学部名誉教授の半田康延医師が事件当時を振り返るメモ及び解説を加えたドキュメント。

仙台筋弛緩剤事件・・・2001年(平成13年)1月6日、宮城県仙台市泉区にあった北陵クリニックの准看護師の守大助が患者の点滴液に筋弛緩剤を混入し、殺害しようとしたとして、1件の殺人と4件の殺人未遂容疑で逮捕された。逮捕直後に犯行を自供したが、その後の捜査段階で否認に転じ、裁判開始後は一貫して無罪を主張。2004(平成16年)年3月30日、仙台地裁で無期懲役の判決。2006年(平成18年)3月22日、仙台高裁で控訴を棄却。 2008年(平成20年)2月25日、最高裁で上告が棄却され、無期懲役が確定。

関連書籍・・・『僕はやってない!』(明石書店/守大助&阿部泰雄/2001)
★2010.6.23 (No.132) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『樺美智子 聖少女伝説』
(文藝春秋/単行本/江刺昭子/2010.5)


安保闘争に倒れたヒロイン樺美智子。その死の真相は圧死か扼殺か。決め手となった目撃証言の学生は実在していなかった。

60年安保反対闘争は、前年の1959年(昭和34年)から盛り上がっていたが、1960年(昭和35年)5月20日、自民党はついに衆議院に警官隊を導入、単独で新安保条約を強行採決した。それを知った全学連の学生たちは、もはや実力阻止以外にないと首相官邸になだれこみ、警官隊と衝突した。闘争はますますエスカレートし、浅沼稲次郎(あさぬまいねじろう)社会党委員長は自ら陣頭に立ち、デモの指揮をとっていた。同年6月15日には学生約7000人が国会に突入、警官隊、右翼団体と流血の乱闘を演じ、東大生の樺(かんば)美智子(22歳)が死亡、重軽傷者1000人以上を出し、406人が病院に収容、175人が逮捕された。このことがきっかけとなり、市民の参加が増え、デモ隊は30万余りに膨れ上がった。この騒乱を見て、右翼関係者の中には、本当に共産革命が起こるかもしれない、という危機感をもつ者も少なくなかった。
★2010.6.16 (No.131) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『新装版 1968年グラフィティ』
(毎日新聞社/単行本/2010.1)


約1200枚の写真、ビラやパンフを再録した「東大闘争資料集」、詳細な月別出来事など1968年研究資料の決定版。

目次

三億円事件の現場2009
新宿中央公園
東大闘争
各派ヘルメット付き
10・21新宿騒乱、三里塚、日大闘争
ベトナム戦争
ソ連軍プラハ侵入、パリ5月革命
エンプラ寄港、九大ファントム機墜落、金嬉老事件
MUSIC 1968
演劇ポスター〔ほか〕
★2010.6.9 (No.130) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『刑事眼(デカガン) 伝説の刑事の事件簿』
(東京法令出版/単行本/三沢明彦/2010.5)


自らの眼を信じてひたすらホシを追い続ける伝説の刑事たち。

目次

第1章 形無きを見る
第2章 無用の用
第3章 泥棒語り
第4章 一瞬に賭ける
第5章 落ちる眼、スリ眼を追う
第6章 真剣勝負を捨てたら、眼が死ぬ
第7章 鷹の眼と蟻の眼
第8章 答えは現場にある
★2010.6.2 (No.129) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『ここに記者あり! 村岡博人の戦後取材史』
(岩波書店/単行本/片山正彦/2010.3)


村岡博人の軌跡を追いながら、記者の仕事とは何か、取材とは、ジャーナリズムの役割とは何かを問いなおす。

目次

キックオフ サッカ選手から記者へ
斎藤正躬の教え リベラリストの師
記者見習い 初めての記事
運動部体験 大相撲批判で波紋
社会部へ 小松川高校事件に学ぶ
“チョーセン記者”に 帰国事業取材で訪朝
警視庁公安担当 安保闘争と右翼テロ
六〇年安保を経て 全学連幹部の秘密暴露
戦後史の闇を追う 下山事件・松川事件
オリンピック診断 東京五輪に絡む政治〔ほか〕
★2010.5.26 (No.128) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『君は誰に殺されたのですか パロマ湯沸器事件の真実』
(新潮社/単行本/江花優子/2008.11)


本当の死因が知りたい。その一念が明るみに出した驚愕の真実。


パロマ湯沸器事件・・・2005年(平成17年)、東京都港区でパロマ工業(名古屋市)製のガス湯沸かし器による一酸化炭素(CO)中毒で2人が死傷した事件が発生。2010年(平成22年)5月11日、東京地裁は業務上過失致死傷罪に問われたパロマ工業の元社長のK(当時72歳)に禁錮1年6ヶ月・執行猶予3年、元品質管理部長のK(当時60歳)に禁錮1年・執行猶予3年を言い渡した。弁護側、検察側ともに控訴せず刑が確定。

著者・江花優子・・・1974年生まれ。大阪府出身。編集プロダクションを経て、1998年にフリーライターに。週刊誌で事件取材などを担当。2006年、『11時間 お腹の赤ちゃんは「人」ではないのですか』 で第13回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。
★2010.5.19 (No.127) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『私はなぜ麻原彰晃の娘に生まれてしまったのか 地下鉄サリン事件から15年目の告白』
(徳間書店/単行本/松本聡香/2010.4)


麻原元教祖の家族が初めて書き下ろす手記。元最高幹部らの意外な素顔が露になっている手紙も一部公開。

「地下鉄サリン事件のとき、私は5歳だった」 幼い心と体を痛めつけた父の虐待と妻妾同居の異常な生活、間近に見た最高幹部たちの言動、そしてひそかに進む恐るべきテロ計画。激しいイジメと公安当局の執拗な追跡に遭いながらも、罪悪感に囚われ自殺未遂を繰り返す日々。松本死刑囚の家族が初めて明かす殺人教団・オウム真理教の正体と自身の流浪20年間の真実。

目次

第1章 オウム真理教の亡霊
第2章 教団・その後
第3章 血のキズナ
第4章 悪夢
第5章 妻妾同居
第6章 いじめと登校拒否
第7章 姉と弟
第8章 さすらいの年月
第9章 マスコミ露出と苦悩
第10章 教団幹部たちの素顔


事件の概要・・・オウム真理教
★2010.5.12 (No.126) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『異常殺人カタログ 驚愕の200事件』
(作品社/単行本/下川耿史&CIDOプロ/2010.4)


報道規制された猟奇殺人事件から日本震撼の凶悪犯罪まで200事件を一挙収録!

目次
猟奇殺人カタログ
 バラバラ殺人 / 変態性欲殺人 / 大量殺人 / 信仰殺人 / 無差別殺人 / ネット殺人
異常SEX殺人カタログ
 レイプ殺人 / SM殺人 / ロリコン殺人 / ホモ・レズ殺人 / 性器切断殺人
驚愕殺人カタログ
 衝動殺人 / 家庭内殺人 / 迷惑殺人
★2010.5.5 (No.125) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『サリンとおはぎ 扉は開くまで叩き続けろ』
(講談社/単行本/さかはらあつし/2010.3)


起きていることに、「なぜ?」はない。それはただ起こったんだ。

著者・さかはらあつし・・・1966年、京都府生まれ。4浪して京都大学経済学部に入学。1993年に卒業後、電通に入社。1995年3月20日、通勤途上で地下鉄サリン事件に遭遇。サリンが撒かれた車両に乗車したが、奇跡的に重篤な被害を免れた。事件後、電通を退社。1996年渡米しMBA取得。帰国後、2002年、かつてオウム真理教側にいた女性とめぐり会い結婚する。2003年、離婚。2009年、アカデミー賞の招待客としてレッドカーペットの上を歩くという経験をする。現在、アカデミー賞獲得を目指し、サリンの後遺症と闘いながら人生を歩み続けている。


目次
第1章 やりたかったらやってみるしかない?共通一次一五〇点からの京大受験
第2章 いま起きていることを見逃すな?就活、電通入社からサリン事件遭遇
第3章 夢に向かって前進できる仕掛けを作れ?人の夢のアシストをする 生き延びるための熾烈な戦い
第4章 「なぜ?」はない。それはただ起こったんだ?どこまでもつきまとうオウム真理教の影


事件の概要・・・オウム真理教
★2010.4.28 (No.124) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『時効捜査 警察庁長官狙撃事件の深層』
(講談社/単行本/竹内明/2010.4)


どこで誰が間違えたんだ!

警察庁長官狙撃事件・・・1995年(平成7年)3月30日午前8時半ころ、警察庁の国松孝次(たかじ)長官(当時58歳)が東京都荒川区南千住の自宅マンションを出て公用車に向かって歩いていたところ、背後から銃弾4発を狙撃され、そのうち3発が当たった。犯人は約20メートル離れた植え込みに隠れていて米国コルト製造の38口径拳銃から発射。黒っぽいコートにマスク姿で自転車に乗って逃走。国松長官は意識不明の重体になったが、奇跡的に回復、3ヶ月後には職場に復帰。2010年(平成22年)3月30日、事件から15年経ったこの日に時効が成立。


序章
初動捜査
語り始めたオウム幹部たち
遺留物と手がかり
現職警官の自供
二転、三転
銃弾が語る真犯人
9年目の逮捕劇
北朝鮮ルート
終章/あとがき
警察庁長官狙撃事件関連年表
現場見取り図
★2010.4.21 (No.123) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『裁判百年史ものがたり』
(文藝春秋/単行本/夏樹静子/2010.3)


大津事件、昭和の陪審裁判、帝銀事件、チャタレイ裁判、永山則夫事件・・・時代を変えた12の法廷ドラマ。

著者・夏樹静子・・・東京生まれ。慶応義塾大学英文学科卒。1973年、「蒸発」で第26回日本推理作家協会賞受賞。1989年、仏語訳「第三の女」で第54回フランス犯罪小説大賞受賞。2006年に女性作家では初めて、日本ミステリー文学大賞を受賞する。
★2010.4.14 (No.122) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『事件現場清掃人が行く』
(飛鳥新社/単行本/高江洲敦/2010.4)

高齢化社会、未婚社会、自殺者増加の中、孤独死の現場を清掃する「事件現場清掃人」への依頼は日々増え続けている。貴重な現場写真多数収録、もう一つの『おくりびと』の現場報告!!
★2010.4.7 (No.121) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『空しく消えたS・O・S カンボジア難民の妻子殺害事件』
(東京図書出版会/単行本/八塩弘二/2010.3)

カンボジアから来た青年はなぜ妻と3人の幼い子供を殺さなければならなかったのか?
判例史上、稀にみる名判決。

カンボジア難民の妻子殺害事件・・・1987年(昭和62年)2月8日、神奈川県秦野市でカンボジア難民の男性が生活苦に悩み、妻子4人を殺害した事件。
★2010.3.31 (No.120) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『1冊で知る 虐殺(ジェノサイド)』
(原書房/単行本/ジェーン・スプリンガー/2010.2)


虐殺(ジェノサイド)は遠い過去の特別な事件ではない。なぜ・どこで・誰が虐殺をするのか。そして、虐殺を防ぐために何をすればよいのか。世界の「リアル」を知る、ワン・テーマ・ブック。
★2010.3.24 (No.119) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『「悪」の進化論 「邪悪の蕾」は密やかにふくらむ』
(イースト・プレス/単行本/バーバラ・オークレイ/2010.3)


DNAに命じられるままの「嘘」や「殺人」に<悪意>は介在しない・・・?!
ブログなどで一大論議を巻き起こした前作『悪の遺伝子 ヒトはいつから天使から悪魔に変わるのか』(イースト・プレス/単行本/バーバラ・オークレイ/2009.5)につづく待望の「完結編」。
★2010.3.17 (No.118) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『オウムを生きて 元信者たちの地下鉄サリン事件から15年』
(サイゾー/単行本/青木由美子[編]/2010.3)


一連の事件当時にオウム真理教に在籍していた一般信者たちはどのように教団や事件、社会と向き合って生きてきたのか。

事件の概要・・・オウム真理教
★2010.3.10 (No.117) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『精神鑑定の乱用』
(金剛出版/単行本/井原裕/2010.1)


重大事件の精神鑑定を手がけてきた著者による司法臨床現場からの緊急報告。近年注目を集める広汎性発達障害患者の責任能力にまで論及。

著者・井原 裕・・・1962年、神奈川県鎌倉市生まれ。1987年、東北大学医学部卒業。1994年、自治医科大学大学院修了、医学博士。2001年、ケンブリッジ大学大学院博士号修得。順天堂大学医学部精神科准教授等を経て、獨協医科大学越谷病院こころの診療科教授。専門は司法精神医学、精神病理・精神療法学等主な著書・・・『激励禁忌神話の終焉』(日本評論社/2009)

「心神喪失者の行為はこれを罰せず、心神耗弱者の行為はその刑を減軽す」(刑法39条)。凶悪事件の場合、被害者感情としては犯人を許せないという気持ちは無視できないが、責任能力のないものを罰しないのは刑法の基本で、刑法39条は「乱心者免責」の精神を基底に持っている。しかし、重大事件が起こるたびに犯罪者の責任能力は大きな争点となる。
★2010.3.3 (No.116) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『実録 殺人事件がわかる本 2010SPRING』
(洋泉社/ムック/柳下毅一郎[監]/2010.2)


日本の知られざる事件から世界的な大事件まであまたの殺人事件をくまなく検証する日本で唯一のクライム・マガジン

目次

◎明治・大正・昭和 実録殺人風土記 福島編
芸者殺しに大量殺人、昭和の闇・松川事件まで、酸鼻極まりない事件の嵐!
◎気鋭の法社会学者・河合幹雄、「津山三十人殺し」と21世紀の殺人を語る
◎封印作品と殺人事件『風流夢譚』と『政治少年死す』
◎完全保存版 『フロム・ヘル』刊行記念「切り裂きジャック」入門
◎留学先のイタリアで陵辱・惨殺された美人女子大生と疑惑のアメリカ人少女の捩れた殺意
◎世紀の犯罪、シカゴの看護婦8人殺しの犯人が逮捕されるまでの完全記録

東京にもあった『八つ墓村』! 松本清張も解けなかった「東久留米きこり狂乱事件」のすべて
川島芳子、李香蘭につながる謎の人脈! 山梨県「生首心中事件」の深い闇
埼玉県愛犬家連続殺人事件の遺族が語る、解き明かされない事件の顔
ネット上で話題になった未解決怪事件「長岡京わらび採り殺人」を追う
オウム真理教事件に隠された関西最大の連続殺人「鎌ちゃんの5人殺し」
福岡県に現れたスパイダーマン泥棒をギンティ小林が追う! ほか
★2010.2.24 (No.115) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『2.26事件の衝撃』
(PHP研究所/単行本/太平洋戦争研究会[編]/2010.2)


雪の帝都を震撼させた4日間のクーデターをドキュメンタリータッチで描く。

目次

第1部 決起!尊皇討奸を掲げて(ドキュメント二・二六事件 雪の東京を震撼させた四日間)
第2部 史論 二・二六事件とは(いま「二・二六事件」をどうとらえるか?二・二六事件への視点を問う
北一輝の思想と青年将校?決起の背景にある“精神”のつながり 二・二六事件と新聞報道?銃剣と戒厳令下の言論人たち)
第3部 事件の群像[事件の群像(特別手記)事件の群像(特別インタビュー)]
第4部 昭和維新の主導者たち(二・二六事件刑死者と自決者 西田税 野中四郎 ほか)
★2010.2.17 (No.114) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『時効廃止論 「未解決」事件の被害者家族たち』
(毎日新聞社/単行本/毎日新聞社社会部/2009.5)


殺人時効、過去5年で241件。迫る時効に苦しむ被害者家族の痛切な声を丹念に取材。新聞連載時から大反響を呼んだ渾身のルポルタージュ。

目次

1 「未解決」事件を歩く(世田谷一家殺害事件 八王子スーパー強盗殺人事件 ほか)
2 時効成立という現実(母無念「娘に報告できない」[兵庫尼崎市19歳女性焼殺事件]
犯人のたばこ吸い続けた捜査員[青森八戸市女子中学生刺殺事件] ほか)
3 時効に挑む捜査当局(検事の苦悩 DNA起訴と法の壁 ほか)
4 時効制度の是非を考える?識者に聞く(「逃げ得」正義に反する?早川忠孝氏
被告を守るため必要?神洋明氏 ほか)
5 「殺人」と「時効」?各国制度から(日本 アメリカ ほか)
★2010.2.10 (No.113) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『真犯人に告ぐ! 未解決事件ファイル』
(朝日新聞出版/週刊朝日ムック/2010.1)


気鋭の作家による本格ノンフィクション。

File 1 世田谷一家殺害事件 被害者両親が真犯人に告ぐ 本誌 森下香枝
File 2 金大中拉致事件 もうひとつの日米「密約」 軍事ジャーナリスト 黒井文太郎
File 3 八王子スーパー3人射殺事件 犯人「中国潜伏説」を追う! ジャーナリスト 富坂 聰
File 4 『悪魔の詩』惨殺事件 18年後の血染めの遺留品 ジャーナリスト 上田耕司
File 5 3億円事件 42年目の新証言 ジャーナリスト 近藤昭二
File 6 井の頭公園バラバラ殺人事件 都会のミステリー ジャーナリスト 友納尚子 (戦後の主なバラバラ殺人事件
File 7 三陸ミステリー 疑惑の指名手配 ジャーナリスト 黒木昭雄
File 8 徳島・自衛官変死事件 真相を追う家族の10年 ジャーナリスト 横山 健
File 9 和歌山毒カレー事件 今だから語る最後の真実とは? ジャーナリスト 今西憲之 (戦後の主な毒殺事件
File 10 足利幼女連続殺人事件 「冤罪」で逃れた真犯人を追う 本誌 藤田知也 日本テレビ社会部 清水 潔 (第1号事件
File 11 国松警察庁長官狙撃事件 時効までにウルトラCはあるか 作家 麻生 幾 (オウム真理教
★2010.2.3 (No.112) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『無実を探せ! イノセンス・プロジェクト DNA鑑定で冤罪を晴らした人々』
(現代人文社/単行本/ジム・ドワイヤー他/2009.9)


米国では232人(うち死刑囚17人)もの刑確定者がDNA鑑定によって冤罪であることが明らかになった。

<目次>
序 章 だまされた陪審員
第1章 イノセンス・プロジェクトとは?
第2章 DNA鑑定法の発明
第3章 誤った目撃証言
第4章 虚偽自白
第5章 白衣による不正行為
第6章 密告者
第7章 ジャンク・サイエンス
第8章 破られる宣誓証言
第9章 眠っている弁護士
第10章 人種的偏見
第11章 冤罪死
第12章 やり直し
第13章 教訓
終 章 刑事司法改革への第一歩

付属資料1 冤罪者保護のための改革一覧
付属資料2 DNA鑑定で冤罪が晴れたケース一覧
監訳者解題 イノセンス・プロジェクトと刑事司法改革
★2010.1.27 (No.111) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『王国への追跡 地下鉄サリン事件から15年 オウム特別手配犯の潜伏先』
(晋遊舎/単行本/吾妻博勝/2010.1)


オウム特別手配犯、逃亡15年の菊地直子はミャンマーにいる・・・!?

著者・吾妻博勝・・・1948年、福島県生まれ。学生時代に旧ソ連を旅したのを契機に世界各国を放浪。帰国後、マスコミの世界に入り、1998年まで『週刊文春』記者として主に事件取材などを手掛けた。『週刊文春』誌上で連載された「新宿歌舞伎町 マフィアの棲む街」では徹底した現場潜入取材で裏社会・外国人アウトローの実態を浮き彫りにし世間を震撼させた。他にも農産物、食の安全性についても取材を進めている。『新宿歌舞伎町 マフィアの棲む街』(文春文庫/1998) / 『新宿歌舞伎町 新・マフィアの棲む街』(文春文庫/2006)

事件の概要・・・オウム真理教
★2010.1.21 (No.110) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『趙紫陽 極秘回想録 天安門事件「大弾圧」の舞台裏!』
(光文社/単行本/趙紫陽&バオ・プー&ルネー・チアン&アディ・イグナシアス/2010.1)


軟禁状態のままこの世を去った国家の囚人≠ェ、弾圧決定にいたるまでの生々しい舞台裏を明かす。

天安門事件・・・中国北京市の天安門広場で起こった事件の総称。1976年と1989年に起こっているが、日本でただ単に「天安門事件」といった場合は1989年6月4日に起きた第2次天安門事件を指すことが多い。

第1次天安門事件(四五天安門事件)・・・1976年4月5日、天安門広場に捧げられた献花の撤去に怒った民衆と軍や警察とが衝突。

第2次天安門事件(六四天安門事件)・・・1989年6月4日、民主化を求めるデモ隊と軍や警察とが衝突。多数の死傷者を出した。


関連書籍&DVD・・・『趙紫陽 中国共産党への遺言と「軟禁」15年余』(ビジネス社/宗鳳鳴/2008) / 『天安門』(DVD/監督・カーマ・ヒントン/2001)
★2010.1.15 (No.109) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『総括せよ! さらば革命的世代 40年前、キャンパスで何があったか』
(産経新聞出版/単行本/産経新聞取材班/2009.11)


40年余り前、わが国に「革命」を訴える世代がいた。当時それは特別な人間でも特別な考え方でもなかった。

本書に登場する主な証言者たち・・・重信房子/秋田明大/塩見孝也/表三郎/三田誠広/佐々淳行/西部邁/宮崎学/鈴木邦男/鴻上尚史/立花隆/加藤登紀子/植垣康博/弘兼憲史/奥島孝康/浅羽通明/小浜逸郎/若松孝二……
★2010.1.8 (No.108) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『誰がコトを殺したか 青森・五所川原 コト殺人事件、誤判の構造』
(文芸社/単行本/坂本【セイ】一/2009.1)


【セイ】・・・金ヘンに「山」、その下に「斥」

「冤罪」に泣いた家族の軌跡を描く渾身のドキュメント。

コト殺人事件・・・1936年(昭和11年)7月、津軽の五所川原町で飲食店の若い女将「相馬コト」が何者かに殺され、やがて著者の義父となる伊藤由太郎が犯人とされた。由太郎は旧刑事訴訟法のもとで強盗殺人罪に問われ、裁判では一貫して犯行を否認したが、無期懲役の有罪判決が確定、下獄する。著者は義父の遺志を継いで「真犯人」と対決、無実を証明するが・・・。
★2010.1.1 (No.107) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『消えた警官 ドキュメント菅生事件』
(講談社/単行本/坂上遼/2009.12)


国家権力がここまで謀略の限りを尽くすのか! 若きジャーナリストたちの執念がついに「消えた警官」を追い詰める。

菅生(すごう)事件・・・1952年(昭和27年)6月2日、大分県直入郡菅生村(現・竹田市菅生)の巡査駐在所でダイナマイト入りのビール瓶が爆発し、建物の一部が破壊された。警察は事前に情報を得たとしてあらかじめ100人近い警察官を張り込ませ、現場付近にいた日本共産党員2人を、続けて他の仲間3人を逮捕する。新聞記者も待機しており、各紙では日共武装組織を一斉検挙したと報じられた。破壊活動防止法は7月4日可決成立したが、この報道は法案成立の追い風にもなった。1955年7月の大分地裁での1審判決では5人全員が有罪となったが、後に警察の「おとり捜査」であることが発覚し、無罪となった。

関連書籍・・・『消えた警察官 菅生事件の真相』(現代社/清原敏孝/1957)
★2009.12.25 (No.106) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『Kの推理 世田谷一家殺人事件 上智大生殺人放火事件』
(文芸社/単行本/竜崎晃/2009.11)

巨大掲示板サイト「2ちゃんねる」の書き込みを解読し、両事件に共通する犯人像に迫る。

事件の詳細・・・世田谷一家惨殺事件 / 柴又上智大生刺殺放火事件
★2009.12.18 (No.105) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『関東大震災 「朝鮮人虐殺」の真実』
(産経新聞出版/単行本/工藤美代子/2009.12)


震災に乗じて半島から襲来したテロ集団の実態をあばき、悲劇の真相を糾明する衝撃のノンフィクション。

関東大震災・・・1923年(大正12年)9月1日午前11時58分、神奈川県相模湾北西沖80キロを震源として発生したマグニチュード7.9、海溝型大地震による災害で千葉県、茨城県から静岡県の東部まで甚大な被害をもたらした。

『産経新聞』2010年(平成22年)1月25日付より・・・

山形県で行われている日教組の教育研究全国集会で24日、関東大震災後に起きた朝鮮人虐殺について、犠牲者数「約6600人」を前提として中学生に教える授業実践が報告された。犠牲者数をめぐっては、当時の朝鮮人の人口などから数千人以上に上ることはあり得ないと指摘されている。しかし、多くの教科書には「6000人以上」などとする記述が残り、学校では相変わらず、日本を誇大に悪く描く歴史授業がまかり通っている実態が浮かび上がった。(鵜野光博)

教研集会の社会科教育分科会で行われた報告によれば、「人権意識を高めること」などを狙いに、朝鮮人への差別意識を生徒に考えさせたり、朝鮮人とともに皇太子暗殺を企てたとして死刑(後に無期懲役)判決を受けた無政府主義者、金子文子元服役囚について学ばせたりしていた。

大正12年9月1日の関東大震災では、「朝鮮人が襲撃してくる」などの情報が避難住民らに流れ、住民らは自警団を組織。過剰防衛で罪のない朝鮮人が殺害されたケースもあり、当時の政府は犠牲者が233人いたと発表している。

犠牲者数については、大韓民国臨時政府の機関紙、独立新聞が「6661人」とし、後の研究者らがこれを多く引用。日本の学者、故吉野作造氏も調査で「2613人」としている。

しかし、この数字は当時の朝鮮人の人口からみてあり得ないことが、ノンフィクション作家の工藤美代子(上記の著書『関東大震災 「朝鮮人虐殺」の真実』の著者)の研究などで判明した。

当時の政府資料などから関東大震災の被災地域には約1万2000人の朝鮮人が住んでいたとみられ、震災時に実際にいた人数は約9800人と推定。震災後の9月17日時点で警察や軍によって収容・保護された身元が判明していた朝鮮人は、政府によると総計6797人。これに犠牲者233人を加えると、残りは3000人足らずだ。6000人台の犠牲はあり得ず、吉野氏の調査結果でも震災で焼死や行方不明となった朝鮮人がいなかったことになる。

工藤は「233人であっても虐殺があった事実は認めなければならない」とした上で、「根拠のない数字が教科書に載っていることが問題。日韓併合100年でもあり、事件を公正に見直す動きが広がってほしい」と話す。
★2009.12.11 (No.104) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『「洗脳」プロファイリング 重大未解決事件の犯人を追え!』
(宝島社/単行本/苫米地英人&本橋信宏/2009.12)


オウム真理教信者たちの脱洗脳を行なった脳機能学者・苫米地英人博士が脱洗脳のテクニックを用いて殺人事件プロファイリングを実施。


目次

はじめに
世田谷一家4人殺人事件
亀戸女流漫画家殺人事件
ホメオスタシス同調効果によるプロファイリングとは?
ジョンベネちゃん殺人事件
葛飾柴又上智大生殺人事件
現場におけるホメオスタシス同調効果プロファイリングのやり方
桃井望さん殺人事件
吉田有希ちゃん誘拐殺人事件
プロファイリングとは何か?
★2009.12.4 (No.103) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『東名事故から十年目の訴え 飲酒運転撲滅のために』
(河出書房新社/単行本/井上郁美/2009.11)

年末年始にかけてお酒を飲む機会が増えると思いますが、飲酒運転だけは絶対にやめましょう。(boro)

著者・井上郁美・・・1968年、米国カリフォルニア州生まれ。会社員。1999年(平成11年)11月28日、箱根への家族旅行の帰りに東名高速道路で酒酔い運転のトラックに追突され、当時3歳と1歳の2人の娘を目の前で亡くす。その後、他の交通事故遺族らと全国で署名運動を展開し、「危険運転致死傷罪」の新設を伴う刑法改正の原動力となる。現在も、夫、事故後に生まれた4人の子どもたちとともに飲酒運転撲滅のための活動を各地で続けている。
★2009.11.26 (No.102) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『最期の夏 「マブチモーター事件」強盗放火殺人犯 死刑囚獄中ブログ』
(ミリオン出版/単行本/小田島鉄男/2009.11)

身元引受人のノンフィクション作家・斉藤充功氏と交わした私信をブログとしてアップしたものを書籍化。

著者・小田島鉄男・・・2002年(平成14年)8月5日、マブチモーター社長宅強盗放火殺人。9月24日、東京都目黒区で歯科医強盗殺人。11月21日、千葉県我孫子市で金券ショップ社長宅強盗殺人。2007年(平成19年)3月22日、千葉地裁で死刑判決。11月1日、控訴を取り下げ、死刑確定[警察庁広域重要「124号事件」/2011年(平成23年)11月22日、最高裁で共犯の守田克実も上告棄却で死刑確定]

関連サイト・・・死刑囚獄中ブログ
★2009.11.19 (No.101) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

『あの時、バスは止まっていた 高知「白バイ衝突死」の闇』
(ソフトバンククリエイティブ/単行本/山下洋平/2009.11)


不可解な点が多くある高知「白バイ衝突死」事件。本事件の闇を徹底的に追った渾身のルポルタージュ!

高知「白バイ衝突死」事件・・・2006年(平成18年)3月3日午後2時半頃、高知県旧春野町(現高知市)の国道56号で、高知県警の白バイと遠足中のスクールバスが衝突し、白バイ隊員(26歳)が死亡。バスの運転手の片岡晴彦(当時52歳)が現行犯逮捕された。12月、業務上過失致死罪で起訴され、翌2007年(平成19年)6月、高知地裁で禁固1年4ヶ月の判決。その後の高松高裁、最高裁で判決は覆らず、2008年(平成20年)10月、刑務所に収監となる。

著者・山下洋平・・・KSB瀬戸内海放送の記者。1979年、高松市生まれ。2003年、東京大学文学部卒業後、KSB瀬戸内海放送入社。高松本社、岡山本社で警察、司法、行政を担当。高松市の特別養護老人ホームを巡る贈収賄事件では、独自の調査報道を続け元市助役の逮捕に結びつけた。一本の電話をきっかけに2007年8月から高知白バイ衝突死事件の取材を開始。同局で継続的に報道しているほか、テレビ朝日の報道番組でも全国放送される。

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