海風通信 after season...

ちょっとした違和感

2026/09/15

VHF・UHFアンテナの混在に時代を感じるのは、都市部の人だけ?

 先日、『夕凪を、見て歩く…』のふきさんから、「若き日の先生がバイクにワンポイントマークをペイントした家」と「子海石診療所」は、それぞれ別の場所なのではないか?というご指摘をいただき、ならばあのペイントした家(実家?)はどこなのか、という新案件が生まれることとなりました。
 残念ながらこれは確定的と呼べる物件や立地条件がいまだ見つからず、現在も継続して検証実行中なのですが、あのロケーションが描かれた第53話を今一度つぶさに見ていくと、別の観点で「ちょっとした違和感」なるものに気付かされます。
 それは、「ああ ちっと似てんね うん…それもいいね」の次のコマ。バイクを前に、二人が楽しそうに語らっているシーンです。
 ……これ、背景に何か違和感を感じないでしょうか?私は、建造物の上に設置されたアンテナに、なにか「らしくなさ」を感じたのです。
 芦奈野作品全般を通して見ても分かると思うのですが、電柱や塔は数あれど、建物にテレビアンテナを描いたことは、たぶんほとんど(全く?)無いと思うのですよ。なのに、このコマだけは何故に(しかもけっこう克明に)描いているのでしょう?地デジ移行期の象徴として、VHF・UHFアンテナ混在風景を描いておきたかったのかな?とも思いましたが、この作品の初出は1999年1月。地デジの一般導入が開始されたのは2003年以降ですから、大きくマトを外しています。そもそもこの混在風景に時代を感じるのは都市部の人間だけで、地方はUHFが主体か、あるいは混在風景が普通だったようですね。となると、これは張り切って細部まで画き込んでしまったアシさんとかの仕業なのかも?(←屋根馬まで描いてるし。)真相はどうなのでしょうね?
 とにもかくにも、この第53話は細部に散りばめられた「匂わせロケーション」が満載です。アーチ橋とか、突堤のミニ灯台とか……。これらの謎が、いつか解明されてゆく時は来るのでしょうか……。と思っていたら、奇跡的に左下写真の物件を発見してしまいました!
 令和の世まで、よくぞ、よくぞ存在し続けてくれていたものです。
 まだまだ、三浦半島に発掘のタネや楽しさは残されているようです。

▲これはまさに、あの屋号由来ですよね? ▲門柱に子産石を掲げる家も、ほぼ消滅しかけている。