海風通信 after season...

アフタヌーン40周年展

2026/07/14

アフタヌーン40周年展メインパネル。24人+2(ミギー&オリゼー)にラインナップされるだけでも相当の偉業。全作品分かります?

 何故!?(大合作は創刊10周年記念)、今!?(大合作2は創刊14周年(!?)記念)、令和の世にブクロで!?(20周年・30周年やったっけ?←図録によると、やったらしいよ)、なのかは良く解りませんが、『アフタヌーン40周年展』なるものが開催されると聞き及びましたので、行ってみることにしました。
 しかし、池袋なんて何年ぶりでしょう?特に行くきっかけもなかったから、もうかなりの御無沙汰です。なんと東急ハンズがニトリに変わっているという変貌ぶりにはビックリしましたよ。(ハンズは新宿に出来てから、めっきり池袋に行く機会が減ったのです。)
 まずはサンシャイン60通りでアルファさんの開催告知フラッグをチェックしてから、脇目も降らずに現地へと向かいます。途中、人出の多さと賑わいぶりにかなりの焦りを感じましたが、会場となる展示ホールは驚くほど閑散としており、少しばかり戸惑いました。これはまぁ、平日ということもあるのでしょう。あと、会場販売グッズの事後通販が発表された直後ということもあり、転売ヤーが消滅していたというタイミングでもありました。おかげで、「関係者限定公開日」みたいな雰囲気を漂わせ、たいへんにプリミティブな状況下で入場することと相成まして候。うむ、苦しゅうない。(←誰だよ、コイツ?)
 では、極めて個人的作品嗜好に偏ったレポート、始めましょう。(※ちなみに原画は全て撮影禁止なので、画像は許可された企画展示物のモノのみにになります。まぁ、原画は公式図録に掲載しているから、それを見てね♪ってコトね。だったら、すべての原画を載せて欲しかったなぁ…。)
▲サンシャイン60通りに掲げられているフラッグ。 ▲アフタヌーンの顔と言えば、やはり女神さまか。

 会場入口での私の紳士ぶりにたじろいだのか、受付のお姉ちゃんは入場特典であるトランプ風カードを渡しそびれる始末。「おっ、お客様〜、特典のカードをお忘れです〜!」(←忘れたのオメーだろが!)そう言いながら駆け寄って来て渡されたのが、【ブルーピリオド/メダリスト】のカード。けっこう狙っている人も多い当たりカードらしかったのですけれど、私にとっては芦奈野作品が特典にラインナップされていない以上、あまり意味の無いものでした。う〜ん…、こんなコトで運を使ってしまうとはなぁ…。トレードには絶好の素材でしたが、特にその他の特典カードにも欲しいものは無かったので、ここは紳士を装って、冷静にパスケースにと収めました。まぁ、これはこれで大事にとっておくことにしましょう。
 ※これより先は、公式図録を参照しながら読み進めていただくと、より理解が深まるかと思います。

 会場内はアフタヌーンの掲載年代順に、時系列的に作品が紹介・展示されています。まずはアフタヌーンを象徴する『顔』と呼ぶにふさわしい「ああっ女神さまっ」を皮切りに、怒涛の40年を遡っていくことに。これらの全てをレポートするのは膨大となるため、芦奈野作品をメインとしながら、個人的に気になる作品だけをピックアップしていきます。
【寄生獣】:岩明 均 連載:90年1月号〜95年2月号
 この作品展に先行して開催された『寄生獣展』でも展示されていなかった原画が披露され、ファンにとっては二重に嬉しい構成に。加えて、前述の展示会ではガチの原画重視の正統派ぶりで、ミギーちゃん特設コーナー(!?)などのエンタメ要素が抑えられていたぶん、こちらは立体ミギー像が40周年を祝うなどの微笑ましい演出がなされ、小規模ながらも満足のいく展示となっていました。
 それにしても立体ミギーの唇が、リアルすぎてキモい。人中(じんちゅう)とか、再現する必要ある?(原画には無いんですよ。)

▲40周年のサインを書くミギー。キモ可愛い。 ▲何これ尻尾?「シンイチ、あまりヘンなところを見るなよ。」

【ヨコハマ買い出し紀行】:芦奈野ひとし 連載:94年6月号〜06年4月号
 フォトスポットとして再現された『カフェアルファ池袋店(!?)』が見事。でもここまでやるんだったら、屋根つけておくれよぅ。あと、窓枠に映っているアルファさんの演出がイマイチ。窓枠くり抜いて内部まで見える構造にして、そこにアルファさんの原画がレイヤー的に見える構成にした方が、より臨場感があったと思います。テーブルやイス、小物類は、まぁこんなものかも。全体的にアッサリとしていてシンプルだったのが、かえって好印象でした。危うく“コンセプトカフェ”みたいにして、アルファさんのコスプレをしたお姉ちゃんにバカ高いコーヒーやらメイポロという名のぼったくり樹液を売りつけられるような形態にされなかったことに、つくづくホッとしました。(マジでやりそうだったので心配でした。)
 一方、風見魚の再現は素晴らしい!これ、組立式キットにして物販で売っていれば、隠れた大ヒット作になったものを…。メダリストのアクスタ販売数を越えたかもよ?(←ウソをつけ!)
 原画は初期がメインでしたが、サエッタがミサゴと出会う「目覚める人」のエピソードの貴重なシーンも!でもこれ、公式図録には収録されてないんですよねぇ。すごく勿体無いです。

▲かなりの再現度!なぜ屋根を付けてくれなかったのか? ▲看板からドアノブ、OPENプレートまで、結構忠実でした。
▲風見魚!空調の風を受けてクルクルと回ってました。 ▲椅子の背もたれのデザインにもコダワリが!

 『ヨコハマ買い出し紀行』から『コトノバドライブ』までの時系列展示は、気になるスポットをピックアップして見て行きましょう。
 私の好きだった作品の多くが、まさにこの「ピックアップ」という取り上げ方で、コミックスの表紙のみ紹介されているのが残念でもありました。
 『ハトよめ(ハトのおよめさん)』:ハグキ氏の作品なんて、アフタヌーン誌上三大長寿作品なのに、何でしょう?この扱いの小ささは!ハトよめには是非とも参加表明を伏せておきつつ、実は展示会場出口付近でいきなり「ハトビーム!」をかまして度肝を抜いてもらいたかったです。
 それから『カブのイサキ』も、なんとコミックス表紙のみでの紹介なのですよ!出来れば#34「対岸」をはじめ、富士山頂付近の不思議エピソードを原画で見てみたかったものなのですが。(「水槽…」「うん そんな感じ…」←あの辺りをカラー化してくれぇ!←ムチャ言いやがる。)
 余談ですが、『なるたる』に出てくるピチョン君みたいな宇宙人(!?)が等身大模型で展示されており、それを見た付近の女子(?)が「ホシマルだー!」と歓喜しているのを見て、「そりゃ、つくば科学万博のアレじゃろうが!」とツッコミを入れたくなりましたが、この仔、ホントにホシ丸って名前なんですねー。あやうく老害認定されるトコでした。それからしばらく、♪私 星丸〜 あなた トモダチ〜という歌詞が脳内でリフレインすることに。(←やめろ!)
 さらに余談、『ラブやん』からのセリフ「エビの匂いがする」には、思わず吹き出しそうになりました。こんなん令和の公衆展示会に晒していいモノなんでしょうか?残念ながら、これも公式図録には載ってないんですよねー。(←載せられるか!でも、『SPACE PINCHY』は載ってるんよ。何故!?)
▲「なるたる」のホシ丸。コスモではありません。 ▲「もやしもん」のキャラではコイツが一番好き。…好き!?

【コトノバドライブ】:芦奈野ひとし 連載:14年3月号〜17年3月号
 まさかコトノバの原画が見られる日が来ようとは思いませんでしたねぇー。とくに『がけの道のこと』で登り詰めた先に拡がる見開きページでの「海!」の原画はとにかく圧巻。コミックスからだけでは得られない迫力がゾワゾワと伝わってきました。
 それから『超満月のこと』や『潮マインドのこと』での夜(夜空)の描き方が独特なことに、原画を見ると改めて気付かされます。「潮マインドのこと」での、すーちゃんの「…見せたいです」のとこの表情が、コミックスから受ける印象と微妙に違って感じられたのですが、残念ながらこれも公式図録には掲載無し!何でよ?撮影禁止にしたぶん、展示原稿は図録に完全掲載して欲しかったなぁ。

【天国大魔境】:石黒正数 連載:18年13月号〜連載中
 芦奈野先生の連載が途絶えてからの、私が唯一追っていたアフタヌーン掲載作品。『それ町(それでも町は廻っている)』からのファンで、終末世界モノ、喫茶店モノということでも、どこか奇妙な共通点があるのも気になります。いつか合作でメイド喫茶カフェアルファを…って、それはどうだろう?でも、『大合作』のノリならば、あるいは!?(←ダメだろ、出版社違うし。)…って、ホントに余談ですな。
 石黒センセイは展示ブースの壁に落書きコメント(直筆)を書きまくるほどのサービスぶりで、大変に楽しめました。「あの場所は隅田川のほとりだったのか!」と、探索意欲をそそられるコメントもあったりと、おいちゃん盛り上がってしまいましたよー。
 原画もたくさん展示され、なんと「不滅教団編」の宇佐美医師の感情が溢れ出すシーンも。これ、原作でもアニメでも、いまだに私が最も心を揺さぶられた場面です。思わず涙が滲み出そうになる気持ちを、「フェイタル・ダイブ!」のギャグで紛らわしました。ちなみにこの不滅教団編の原画も公式図録には掲載されていません。おい、一体どーいうコトだー?ミーナさん、お答えなさい!

▲A-mk3/キル光線の模型。スーパービームとも言う。(は?) ▲高原学園の制服には、あのシンボルマークが!

【メダリスト】:つるまいかだ 連載:20年7月号〜連載中
 『天国大魔境』以降アフタヌーン作品は未知の領域となりましたが、この40周年展で原画を見て、「読んでみたい!」と思わせてくれた初見作品。原画から伝わる迫力と熱量、アングルやコマ割りの構成力がスゴいです。「完走」っていうキメのシーンが、とてつもなく爽快感と達成感が感じられて、ほとんど内容を知らないのに何だか感動してしまいました。これは多くのファンの支持を受け、魅了されているのも解る気がします。(その影響で、ファンにとっては物販完売続出の阿鼻叫喚の地獄絵図でしたが。)
 おぉ、そう言えば、先程もらった特典カードもメダリストではなかったか。これはもしやタロット的な運命の啓示なのかも?(←トランプだよ。)
 …とにもかくにも、読んでみたい漫画がひとつ増えました。何だかちょこちょこ見かけるミミズちゃんも気になるし。(←調べてみたら、沼にハマる要素満載でした。)

 展示会場のフィナーレは、12人の作家先生による記念イラスト展示のコーナー。もちろん全てが新規描き下ろしで、この40周年をテーマとして描かれた貴重なモノ。当然ながら、ここも撮影禁止なのがもどかしいです。しかし『伝説のビーマー』でもあるまいし、何故12人だけなのでしょうかね?40周年だから40人!…とまでは行かなくとも、せめてメインパネルを飾った25作品の先生には、新規絵を描き下ろして欲しかったものです。

 展示エリアを抜けると、最後に行き着くのが会場限定品の物販コーナー。
 ここはメダリスト・ファン以外の人にとっては、余裕を持ってお買い物のできる夕凪の楽園です。私もせめて、自分の好きな作品の新規絵のモノだけは確保しておきたいと売場を物色していたのですが、ふと公式図録の見本品を手に取ってパラパラとめくってみると、「あれ!?新規絵、すべて図録に収録してあるやんけ!」という事実に気付くことに。これは思わぬお買い得感のあるサプライズでした。逆に、これやっちゃうとグッズが売れなくなっちゃうのでは?と懸念もしましたが、令和の若人などはアクスタや複製原画などをバンバンとカゴに入れておりました。
 アクスタって、私はどんなに自分が好きな作品のモノでも全然魅力を感じないのですが、やはり世代の違いなのですかね?どちらかと言うと、作中に出てきたアイテムのグッズ化のほうがグッときます。前述した風見魚のキットとか、足付きひょうちゃん醤油入れとか、高原学園の紋章バッジとか、あとミミズちゃんのヌイグルミとか。(←すでにハマりかけてるぞ。)こーいうコトをしてくると、思わぬ散財の危険性があったのですが。
 複製原画も、あくまで「複製」ですからねー。そこに直筆サインが加わればまた違うのですが、芦奈野センセイは、そこにも乗っからなかったしなー。
 というワケで、私が物販ブースで購入したのは公式図録のみ。けれど、これはかなりのお値打ち品です!前述の40周年新規絵完全収録に加え、アフタヌーン40年間の資料的価値や解説も豊富。すべてのアフタヌーン誌表紙画像が見られるというのも、地味にポイント高し。ここに『大合作3』を捻じ込んでしまえば、超カンペキだったのに…。真面目に、そう思えるくらいのクオリティでした。

 いや、まだだ!まだ諦めていませんよ!45周年・50周年あたりで『大合作3』が実現されることを、これからも心待ちにしております!
 おぉ、アフタヌーンに栄光あれ!これにて40周年展、「完 走 」(←さっそく使うか…。)

▲またのお越しをお待ちしております。 ▲特典カードと公式図録。貴重な資料として大切にします。