海風通信 after season...

海を目指す電車

2003/11/18(撮影)・2026/03/21

三崎口駅到着直前の高架橋。[長い橋を渡る 電車が光る]

 先日、某図書館の書架でふと目に留まった本がありました。
 それは、『カーネーションの偉大なる40年』という音楽バンドの活動・変遷を綴った記録書籍。彼らが生み出してきたディスコグラフィーの紹介と共に、各種ジャケットやPVのロケーション情報なども掲載されていて、「そう言えば「世界の果てまでつれてってよ」のPVで使用された、長井の給水塔に関する記述もあるのかな?」ということを思い出し、俄然興味をもって本文を読み進めることとなりました。
 残念ながら給水塔撮影地の詳細についてはオブラートに包まれた説明でしたが、つごう2ヶ所で言及されており、直枝氏自身もかなり気に入られている様子でしたね。しかしそれよりもっと気になったのは、アルバム『SUPER ZOO!』に収録されている「Miss Cradle」という曲について語られている記述でした。この歌詞の構想、実在する場所からインスパイアされていて、なんとそれは三崎とか城ヶ島の風景を思い浮かべて書いたのだというのです!
 これは是非とも歌詞を見てみたくなりました。けれどこの曲、絶妙にレアな存在で、ネット上には歌詞全体を読み渡せる情報ページを見つけることが出来ないのです。中古CDをフリマサイト等で落とせばコトは簡単なのですが、私は未だにそういうのイヤなのですよ。かくなる上は東京都図書館の横断検索を掛けて、資料収集の旅に出ました。(これがけっこう大変でした。見つけても歌詞カードが無かったりとか。)
 「それって、面倒臭くないんですか?」と問われそうですが、某CMのタモリ風に、「面倒だからいいんじゃないの」という考えなのですね。おかげで行ったことのない図書館を訪れたり、普段立ち寄ることのない町を歩けたりして、思わぬ発見が楽しかったりします。箱根山の鳩とか、面白かったなー。
 あ、ハナシが脱線しかかってますね?そんなこんなで苦労してゲットした「Miss Cradle」の歌詞でしたが、内容は……う〜〜〜ん…なんか、良くわからなかったですねぇ。私がニワカだから理解できていないというのもあるでしょうが、具体的な風景描写というものはありません。直枝氏が学生時代に将来の指針に迷いを生じていた時期に訪れたのが三崎だったということで、その時の不安な心情を書き出したのが、
 「アスファルト横切った きみの投げた紙飛行機 風をよむ そのしぐさ さて これからどうするの」
 という部分に込められているのかも知れません。とは言え、これは当該本を読んでいないと、たぶん解らないような事柄でしょう。
 あと、これはまったくの私見ですが、情感的には同アルバム内の「あの日どこかで」のほうが、三崎らしいという感じがしっくりくるような気がします。
 「世界はなんて大きな箱だろうと 笑いながら海を目指した」とか、「長い橋を渡る 電車が光る」とか。けだるく漂泊感に包まれた曲調のなかに、どこか悲しいながらも小ざっぱりとした歌詞が心地良く胸に残りました。あぁこれ、今後電車で三崎口に行く時は口ずさんでしまうんだろうなぁ。

 ということで、この曲から思い起こされて引っ張り出してきたのが、上の画像なのでした。もう23年も前の写真です……。

 (※「あの日どこかで」の解釈は、あくまで私個人の見解であり、直枝氏の言質をとったものではありません。くれぐれも誤解・曲解の無きようお願い致します。また、完全な俄かファンですので、「お前、カーネーションのことなんも解かってねぇな!」とかのお叱りやツッコミは勘弁して下さい。ただし、あの場所は実はここなんだよ〜、といった情報は大歓迎です。)


参考資料:『カーネーションの偉大なる40年』/(シンコーミュージック・エンタテイメント)
アルバム『SUPER ZOO!』より、「Miss Cradle」(作詞:直枝政広/作曲:矢部浩志)
「あの日どこかで」(作詞・作曲:直枝政広)