海風通信 after season...

夏の手紙 〜PVで巡る城ヶ島

2017/10/04(撮影)・2022/10/26

夏の終わり 秋のはじまり 移りゆく季節を 僕らは今でも探しているんだよ

 ここ数年、夏の終わりになると、三木聡監督の邦画『図鑑に載ってない虫』を観るのが習慣になっています。(おそらく、もう8年くらい。)
 この作品、一般の人にはとてもじゃないけどおススメ出来るシロモノではありません。ネットのレビューや感想を見てもらえれば分かると思いますが、まぁフツーの人なら大抵そうなるでしょうねぇ、という酷評が溢れています。とにかくギャグやグロさのクセが強く、しかもしつこい(笑)。三木ファンの私ですら初見はヒキましたからねー。未だにシオカラ・ケイジ(←塩辛をぶちまけるシーンがある)の場面は目を逸らしてしまいます。『時効警察』を観ているくらいじゃ、ぜんぜん免疫ついてないかも?『熱海の捜査官』を良いと思える人なら、けっこう耐えられるかな?
 でもこの作品、忍耐強〜く(!?)見続けていくと、最後の最後の結末がとっても爽快!なのですよ。これまでクダらないギャグと小汚いモノを見せつけられたあとに、「ラストでこう来るか〜!」という急展開ならぬ急転回が待っています。まるで暗渠のドブ川を彷徨い歩いた末に、物凄く綺麗な海岸に辿り着いたような感じ。この快感を得るために、時を経て何度も観てしまうのでしょうね。昨今、巷の若人衆は映像作品を倍速で観てしまうという習慣があるそうですが、この作品だけは倍速で見てしまってはダメ!です。ともに等速で苦難・苦行を味わった末にこその、ラストの開放感なのですから。(←ここまで言うと失礼だよ!?でも、おそらくそういう感覚に陥ります。やがて、それはクセになります!?)
 そして、爽快な気分になったあとの、エンドロールに流れるナイス橋本「夏の手紙」という曲がまた良い!私はラップとか嫌い・・・というか、ほとんど興味も関心も無かったのですが、この曲だけは込められた情感が理解できて、すごく気に入りました。
 この「夏の手紙」のPVがDVDの特典DISC内に同時収録されており、これまた『図鑑に載ってない虫』と同様に三浦がロケ地になっていて、しかも良いカンジの場所がチョイスされているのですよ。
 そこで、PV内の気になったポイントを、近隣を訪れた際に現地調査してみました。(※とは言え、訪問したのはもう5年も前なので、現在では景観が変わっていたり、立ち入れない場所になっているかもしれません。)ご了承の上、ご覧ください。
 場所はすべて、三浦市の城ヶ島内のどこか。説明文にちょっとしたヒントを示してあります。さて、どこだか分かりますか?

 ※ちなみに青ペンキでコンテナに手形を付けた公園は、ついに分からず仕舞いでした。誰か教えてください。(←人にはズバリ答えを教えないクセに!)

▲オープニングから映し出される堤防。右手の灯台に見覚えが・・・ ▲土産物街の小道。その後の台風で一変したかも?
▲ある意味、城ヶ島で一番有名な場所にある砂浜? ▲見えているのは宮川湾。たぶんここに来るのは釣り人くらい。

 『図鑑に載ってない虫』本編の三浦ロケ地は、これはもう有名どころばかりなので今回は省略しています。それにしても、エンドーを乗せた救急車を追いかけるシーンで、新潟の寺泊(野積)の海岸と三浦の長浜海岸・毘沙門湾を違和感なくミックスさせているのはスゴいですよね。油壺(荒井浜)の観光船乗り場も映されているのは、今となってはとても貴重です。