海風通信 after season...

遠い夏休み




◆―――― そう なつかしい「夏休みの海水浴場」は もうありません。
 この海は こんなに気持ちいいのに もう戻らないものまで欲しがるのは ぜいたくでしょうね。

 第25話「遠い夏休み」で、ココネが呟いたひと言。
 本当に今年の夏こそ、この言葉にドキリとさせられ重く感じたことはありませんでした。当たり前のようにあった夏の風景が見当たらず、当たり前のようにいた人の動きが見られない。とある長年営業を続けてきた海の家は、惜しまれつつ、その歴史に幕を下ろしたといいます。
 少しでも夏の気分を取り返そうと訪れたのは、緊急事態宣言解除直後のこと。秋口とはいえ、まだ陽射しや雲の形状は、夏の面影を辛うじて残してくれていました。ややもすれば日焼けをしてしまうほどの強い太陽光に、吹き抜ける海風が心地良く感じます。
 この海はこんなに気持ちいいのに、ホントにコロナなんて存在するのでしょうか?見えないものというのは、実に厄介ですね。幸いにも、現在は沈静化の方向に向かっているというのが、せめてもの救いと言えるでしょうか。(※2021年11月24日現在)
 ココネの言葉がリアルとならぬよう、今はただただ切に収束を願うばかりです。
(2021年10月05日撮影)