海風通信 after season...

最後のランデブー




◆緊急事態宣言で県を越えた外出が出来ないので、文字通り過去の「お蔵入り」を「お蔵出し」。
 写真は2012年5月12日に開催された、『JAMSTEC横須賀本部の施設一般公開』の一幕。「しんかい6500」と「しんかい2000」の実機が一緒に仲良く並んで配置されています。けれど、実はこれはなかなかレアな写真。というのも、あまり大々的に謳ってはいませんでしたが、「しんかい2000」は同年7月に新江ノ島水族館に移送され、施設内で常設展示されることが決まっていたのですね。ですから、この日が一般人にとっては両機体を同時に見ることの出来る最後の日だったのです。
 もちろん、そのことを知っている「しんかいファン」(!?)の人も多数いて、もう会場はごった返しで人まみれ。そんな中、閉場時間ギリギリまで粘り、なんとかスタッフオンリーだけとなった瞬間をパチリとしたのが、この一枚でした。なんか、「ラスト・ミッションに向かう」という感じを撮りたかったのです。そのせいで、危うく最終送迎バスに乗り遅れるところでしたけど・・・・。
 JAMSTECの施設一般公開はこれまで10回(8年)ほど行きましたが、この年がワタクシ的には一番充実していて興味深かったです。改造完了したばかりの「しんかい6500」を見られたこともそうですが、これにまつわるサイエンスカフェのテーマも充実していて、なかでも運航管理部の方々や「しんかい6500」の乗船経験のある方からのお話を直に伺うことも出来たりと、大変に貴重な時間を過ごすことができました。あれ?これってお蔵入りにしてしまうようなネタじゃなかったかも知れないなぁ。でも、もう10年近く年月が経ってしまったし・・・・・。
 機会があれば、あらためて記事にしてみようと思います。
▲潜水船の操縦は、今やゲーム機のようなジョイスティックだ! ▲固定式推進器と水平スラスタを新搭載した改良型しんかい。
(2012年05月12日撮影/2021年08月03日執筆)