海風通信 after season...

route11 「ニンニクの香りのこと」



 店休日、ニンニクの香りに誘われて現れた、小さくて不思議な来訪者のお話。
 今回は全てがお店の中で展開されるお話ですので、舞台検証はありません。しかしながら、今後のストーリー進行において多くの伏線を持たせた回でもあるので、このあたりを検証していきましょう。

 まずは休日にもかかわらず、お店にキャベツを届けに来たすーちゃん。「キャベツ、また置いときますよー」や「キャベツよー、いつもありがとな」という会話から、すーちゃんがけっこうな頻度で持ち込んでいることが分かります。このことから、すーちゃんの実家は農業を営んでいるのかも知れませんね。第9話『がけの道のこと』で登場した「知り合いの農家」の人というセンも考えられなくはないのですが、そうそう頻繁にはもらえないでしょう。実家からガンガンと送られてくるキャベツの処理に困ってランプに持ち込む→店長大喜び、という図式のような気がします。ちなみに第14話『夜の音のこと』において、すーちゃんの実家が判明しますが、残念ながら農業をやってるような描写は見つけられないので、これはある意味ナゾのままです。

 そしてペペロンチーノ(的なもの)の匂い!店長ぉ〜「ウチはパスタ屋っつーか『スパゲティー屋』なんだよ」とか言ってたクセに!「おれ的にはミートソースとナポリタン以外『オシャレ』なんだよ『めし』じゃねえの!」とか毅然とした態度を取っていたクセに!ついに考えを改めましたね?でも、この考えを転換させるに足りる影の権力者(!?)が、第13話『春の日のこと』で解明されることになります。そのトリガーとなるのが、「ニンニクの香り」なのですね。

 ここでついに、はるかちゃん(小)の登場です!(※注/作品発表時のこの時点ではまだ名前は明かされていません。)
 突然店内に現れ消えた女の子は、店長の姪で、新潟県に住んでいるとのこと。新潟県?なんだろう、珍しく具体的な地名表記が出てきますが、何か意味があるのでしょうか?余談ですが、芦奈野センセイはコトノバ連載を機に新しい仕事場へと引っ越ししたそうですが、そことも関係がなさそうですし、ましてやセンセイの御実家の近くということでもないようですね。(アメゾ ザ・ボイスに載ってました。)
 店長曰く「ニンニクが効いたのか」、それに対してすーちゃんは「そこですか」と茶化しますが、実はこれが今後も描かれる「はるかちゃん(小)」のエピソードの核心部分かも知れませんね。これ以降もはるかちゃん(小)の登場する回がありますが、キーはおそらく【匂い・香り】になるのではないでしょうか。
 これからの展開に注目していきましょう。


2017/09/14