![]() |
![]() |
|||||||||||||||||
突然の雨、はるかちゃんにクルマで家まで送ってもらうすーちゃん。左右に海が見える農道の高台にたどり着くと、いつもの不思議タイム。 小さいほうのはるかちゃんは、左右の海から違う匂いがすると言います。詩的な表現ですねー。漫画に独特の『空気感』を生み出す、アシナノ的発想の妙であるとも言えます。今回は、この「左右に海が見える農道」の検証を進めていきましょう。 左右に海が見える農道、と聞いて、すぐに思い浮かぶのは三浦のどの辺りでしょう?いろいろ候補は挙げられるとは思いますが、意外にもクルマを運転している目線で、左右同時に海が見えるという農道は多くはありません。理想は『相模湾』と『東京湾』を明確に分断して見られるであろう、大楠山〜武山〜引橋までの農道高地だったのですが、残念ながら片方だけは海が見えても、両方同時というわけにはいきませんでした。京急の三崎口駅に降り立って見ると分かると思いますが、あそこ結構な高台にあるのに海とか見えませんよね?あんなカンジです。 ここでふと、北原白秋が「海が両側に見える」というような描写をした作品を残していたことを思い出したので、かつてこの三浦の地を舞台にした文芸作品で、「左右に海が見える」というような表現を使用したものはあるのかな?というコトで調べてみたところ、以下の作品が見つかりました。
そう言えば、あの辺りにも少しばかりの農道高地があり、海も見えたということを記憶しています。さっそく現地を見ていきましょう。
ところで、海の匂いに違いは感じられたの?と聞かれてしまうと、私の感受性の低さでは、残念ながらその違いはおろか、畑の土の匂いくらいしか感じ取ることは出来ませんでした。小はるかちゃんに言わせれば、地面の匂いでも違いが分かるのですよ?と突っ込まれそうですが、こちらも全くピンと来ません。横須賀市が発行している『三浦半島の地質と活断層分布図』を見てみると、特に衣笠から武山にかけての地層の重なり具合がものスゴく、確かにそれはまるで色モザイク図に見えます。とすると、舞台的に左右の海とは、「小田和湾」と「金田湾」を指すのが妥当なのではとも思えます。あの描写は、武山頂上から俯瞰した、津久井や高円坊の畑作地帯の農道をイメージして描かれた架空風景なのかも知れません。
のんびり農道を下っていくと、そこはもう浜諸磯の長閑な漁港地区。ここは私が通い始めてからホントに変わることのない雰囲気を保ち続けている場所で、来るたびに癒されます。観光開発とは真逆に、いつまでも変わらぬスタンスが、却ってその土地の魅力をより惹き上げる、ということも確かにあるはずです。手前勝手な都合の良いお願いですが、どうかこの場所はこれから先もコンビニや小洒落た食い物屋なんかに侵食されず、このままの状況を維持していってもらいたいものです。 地元の日用雑貨店でちょっとしたお菓子と飲み物を買って、漁港の突堤でひと休み。これだけで充分なのですよ。
|
||||||||||||||||||
![]() |
![]() |