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ここに来て既読感もしくは既視感を覚えるエピソードの登場です。『PositioN』/「平日じいさん」のリメイク版であり、この作品が薄ぼんやりと続編あるいは並行世界のような位置づけであることが実感できます。 カメラを入手した嬉しさから、撮影小旅行へと繰り出したすーちゃん。向かった先はほぼ確実に城ケ島ですね。滑らかな勾配を描く城ケ島大橋の直線道路や『ウミ…(ウ展望台)?』の案内板、ふてぶてしい猫が一杯いる感じも良く似ています。 猫をよく見かける場所は、県立城ケ島公園内の展望台近くのピクニック広場。ここの猫はホントに図太くて、人間がすぐ近くを通っても全く動じることがありません。さすがに触ろうとする行動を見せると逃亡姿勢に入るのですが、それまでは何の気にも留めることなくグダグダと寝てたりします。だから写真をバシバシ撮っても全然無関心…というか、呆れるほどノーリアクション。まるで、「撮りたきゃ撮れぇ……ったく、ヒマだにゃぁ。人間って奴ぁよー。」と思われているようで、ちょっとムッとします。そこで再びちょっかいを出そうとすると、ビシッと姿勢を構えて逃亡&攻撃態勢。このやり取りが面白くて、気がつけばだいぶ時間をロスしてしまいました。いい加減に作品の本題でもある「斜面」を求めて散策を開始しましょう。
「でも、こんな豪華なものはいらんのよ、板っぺらにチョコチョコッと書いたものでいいんだが。」と思いながら探すも、フシギと『ウミウ展望台』と記された行先標示板は、以降まったく目にすることはありませんでした。城ケ島ではかなり有名な観光スポットだとばかり思ってましたが、実はあんまりメジャーではないのかな?ともあれ、まずは物語の流れに沿って『ウミウ展望台』方面に向かいます。
どうやらここは、「グライダーおじさん」のいる南の斜面とは結び付きそうもありません。そもそも、斜面辺縁部の直上そのものに辿り着かなければならないのに、遠くから眺めている位置にいるのは辻褄が合わないのですね。とすると、「長い笹竹のトンネル」こそが、フシギ時間の始まりを意味する描写であり、行先表示板から斜面へとワープさせる架空のものなのかも知れません…。と、思いましたが……?
…前回はそう結論付けようとしましたが、実は城ヶ島の南の斜面というのは、『馬ノ背洞門』より西側にも続いているのですね。城ヶ島を初めて訪れた人は、たいてい『馬ノ背洞門』の魅力に引きずられて海岸に降りてしまい、以降は海岸線に沿ったハイキングコースを歩いてしまいがちですが、丘の上を歩くルートも存在していたのです。そしてそこには『グライダー広場』(!?)なるものがあるということ。私も再度の来訪で、初めてそのことを知りました。なんで今まで気付かなかったのかがつくづく不思議ですが、まぁ興味対象が湧かない時はそんなものなのかも知れません。 というわけで、もと来た道を引き返し、『馬ノ背洞門』脇の急登を上り切った最初の分岐点から、西に続く小道へと向かいましょう。 このルート、初めは海側の眺望も利かず、あまり面白みのない山道が続くものの、途中から何となく「笹竹のトンネル道」に近いような、雰囲気のある小道が見つかり始めるのです!あぁ、やっぱり芦奈野センセイはテキトーに風景を描いたわけではなく、ちゃんと関連付けて展開していたのですね。 これらの道はたいてい島の人たちが造った畑へと続く道だったりするので、迷惑をかけない程度に散策し、自分なりの「笹竹のトンネル道」を探して見るのも良いかも。ただし、海側斜面へと降りる小道はいくつか危険な箇所が見受けられたので、近づかない方が賢明です。
ここが『グライダー広場』と、かつて呼ばれていた所。「かつて」というのは、今はもうラジコングライダーを飛ばすことが禁止になってしまっていて、その名称も消えつつ(消そうとしつつ?)あるのです。 ネットで検索してみると、2013年前後までは飛行報告の記録が見つかり、ルールもしっかり取り決めて愛好者の間で運営・活動していたようですが、以降の記録がないということは、何らかの理由で禁止になってしまったのでしょう。まぁ、観光地至近に高速飛行するグライダーを飛ばすのは危険な気もするし、このご時世ですから分からなくもありませんが、ちょっと残念な気もしますね。作品中の「グライダーおじさん」のように、空中静止浮揚の技術を身に着ければ、また解禁になる日が来るのかも?……それが面白いかどうかは、また別問題ですけど。
果たして彼女が(バイクや人物以外で)、カメラのシャッターを押す日は来るのでしょうか? |
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