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バイト先の店の前を掃除するすーちゃん。ふと見上げると、電線に変な鳥が群れをなしている。その後はいつも通りのフシギ体験。何故、突然に女のコが出てくるのか?何故「すーちゃん」という名前を知っているのか?さすがに今回ばかりは『PositioN』第1話を読んでいないと、「???」な要素でいっぱいです。これはリメイクなのか、パラレルストーリーなのか、今後の展開が注目されますね。 それはさておき、今回の検証対象はこの『鳥』です。店長の話では「インコが野生化してる」「もう何年も前から幅をきかせている」という言葉が見られます。実際、街なかでインコが群れをなしている状況なんてあるのでしょうか? それが、あるのでした!インコの種類は『ワカケホンセイインコ』、黄緑色の羽根に赤いクチバシ、オスは首周りに黒い輪を掛けたような模様があるので、ワカケ(輪掛け)と呼ばれています。一時期、ブームでペットとして飼われていたものが逃げ出し、そのまま野生化。環境に順応し、繁殖まで適応してしまったのですよ。しかもなんと、この東京近郊で! 彼らは日中は気ままに行動しているようですが、夕方になると集団で決まった塒(ねぐら)に帰ってきます。この一大集結地が、大岡山にある東京工業大学(東工大)のイチョウ並木。これはかなり有名な話だそうで、夥しい数のインコたちがイチョウ並木に鈴なりに集まる姿が見られ、もう随分と前からたびたび話題になっていたようですね。必然的に大岡山や世田谷近辺にもワカケが日常的にあちこち出没し、庭先や電線に止まっている姿を見かけるのは珍しくないとのこと。これは行ってみる価値大いにアリです。 ◆ しかしながら、2度にわたる現地調査を試みつつも、群れはおろか一羽たりともワカケの姿を見つけることが出来ませんでした。どうやら、ここ数年でワカケたちは塒の場所を変えたようなのです。新たな移転先は不明…というか、各所の緑地に小集団で塒を分散させて構えているよう。その証拠に、ワカケを全く見かけなくなったということはなく、目撃例はあちこちで報告されています。第3回目の調査は、その中でもとりわけ有力候補地と思われる、川崎市にある等々力緑地へと向かうことにしました。
この市民ミュージアムが、予想外に魅力的な展示をされていたのが思わぬ収穫でした。特に『川崎の民俗』展示ブースが興味深い!ここ数年、三浦半島の民俗に興味を持ち始めてきた私ですが、川崎にも素朴な風習がたくさんあったのですね。とりわけ、春日神社で行われていた雨乞い行事というものが、大変に心惹かれるモノがあります。これ、今でも復活させたら、それなりに話題性があるのでは?(田畑がなくなってしまった現代の川崎において、『雨乞い』の意味があるのかは疑問ですが…。) そんなことを考えているうちに、おそらく30分もあれば廻れる施設内を見終えたのは閉館間際、実に2時間近く経過した後でした。
さっそくミュージアム裏の森に向かいますが、あたりは静かなまま。確か、ワカケはけたたましい鳴き声と共に現れるということなのですが、そんな予兆も全くありません。なんだか嫌な予感がして、犬の散歩をしている地元の人らしい数人の方に尋ねると、「オナガとかヤマバトは見るけれど、インコは見たことがない」と言います。(←ミュージアムとか見てないで、初めにコレ聞いとけよ!) 愕然とした思いのまま、慌てて森の中を再び探しますが、やっぱりいないものはいないのですね。時刻は5時を廻りました。もう既に、ワカケが戻ってきていてもいい時間です。今回もまた成果なしの敗色が濃厚になってきました。仕方がないので、せめて雨乞い行事の行われていたという春日神社だけでも見てから帰りましょう。春日(かすが)神社って、そう言えば春日(はるか)神社とも読めるじゃないですか!?…強引ですね?そうですね。 しかし、ここで思わぬミラクルが待っていました。
そんなことを考えながら境内を進んでいくと、突然、頭上からギョキョーキョーキョー!と、けたたましい声が響き渡ります。「ん?けたたましい声!?これって…!」ふと見上げると、十羽にも満たない小集団ですが、黄緑色の羽根を持つ鳥の群れが……! ワカケホンセイインコです!確かに飛来してきていました。慌ててカメラを用意しているうちに、ワカケたちは次々に森の緑の中へと姿を溶け込ませていってしまいます。そんなワケで残念ながら群れの写真は撮れず仕舞いでしたが、一羽のメスのワカケだけが神社本殿のすぐ脇のケヤキにとどまっていてくれて、「私をモデルに撮ってくれても宜しいですのよ?」とでも言わんばかりに撮影に付き合ってくれました。
願わくば…というか、本来の目標は『電線にインコがたくさんとまっている図』というものを期待していたのですが、今回はインコが実際に見れたという妥協点でカンベンして下さい。よって当面、このページは『木の枝に鳥のこと』ということで(!?)。 いつかタイトルどおりの光景を見てみたいと、切に思うばかりです。 【2018年07月10日 追記】 以前アオバト観察会で知り合った方から、場所を非公開とするという条件付きで、ワカケの集団飛来地を教えていただきました。 残念ながら同行していただくことは叶いませんでしたが、『ワカケは目で探すな、耳で聴け。』というアドバイスをもとに、さっそく現地へ訪れてみると、いきなりのけたたましい鳴き声…!ワカケの鳴き声を知っている人はもちろん、たぶん知らない人でも「何の鳥の声!?」と気付くほどのやかましさです。 辺りを見渡すと、2羽、3羽…と、次々にワカケが確認できます。ホントにアドバイス通り、耳で聴くだけでワカケを見つけてしまいました。到着、即ミッション終了ということで、探索を楽しむムードも余韻も感じさせてはくれませんでしたが、いる所にはフツーにいるんですねー。
これはサスガに、周辺住民の人々にはいい迷惑でしょうね。とは言え、この原因を作り出したのは人間自身なのですが、人間の方だって、逃がしたくて逃がしたものばかりでもないようですし、複雑な気分です。幸か不幸か、ワカケが東京の環境にマッチしてしまったのも皮肉なことですね。
ただし、我が地区にはムクドリの集団帰巣という、同じような問題があるのですが……。 |
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