海風通信 after season...

route10 「超満月のこと」



 バイト先の店長と一緒に、スーパームーンを見に行くお話。
 見下ろす町並から昇る超巨大な月。そんなとっておきの穴場を教える店長に、すーちゃんは「昔、誰かここに連れてきたんですねぇ」と、意地悪に茶化すような発言が印象的。ほとんど月と夜景の描写が続く回なので、実際にこの場所が何処か特定するのは困難な上、スーパームーンなんてのもそうそう見れるものでもないと思い、レポートにまとめるのは半ば無理と諦めかけていましたよ。そんな折、偶然ニュースで「今日はスーパームーンが見られるでしょう」なんて情報を耳にした時は、ビックリしました。
 それが2015年9月28日、これは見に行かないワケにはいきません。ホントに突然の情報入手だったので、残念ながら三浦半島まで行けず、私の地元からの写真となってしまいましたが、それでもこれは紛れもないスーパームーン・超満月なのでした。
▲まるで太陽?いつもより大きさも明るさも色も違います。 ▲やや赤みがかった、これがスーパームーン!
 『スーパームーン』とは、月が地球に最も接近した時に満月(もしくは新月)の状態にあることを言うそうで、やっぱり新月よりは満月の時のほうが見映えは良いそうです。最も接近する時というのは、月と地球の距離が約35万kmというのですが、それがもはや近いんだか遠いんだか良く分からない距離ですね。ちなみに通常時の満月との距離は約40万kmだそうですから、まぁ確かに近くなってはいるようです。
 この現象は年に1回くらいの頻度で起こりうるのですが、2014年には7月から9月にかけて、なんと月1ペースで3回も見られた当たり年だったようですよ。『超満月のこと』が発表されたのがまさに2014年の秋なので、芦奈野先生が少なからず【連続スーパームーン】に触発を受けた上で、このエピソードを生み出されたであろうことが伺えます。
▲月の光で浮かんだ線、あれはたぶん稜線?…いや、雲ですね。 ▲高空に上る超満月。奇妙な光の輪を生み出す。
 そして2015年はというと、やはりチャンスは1回しかないということです。しかし今年は、月が赤黒く見える『ブラッドムーン』なる現象が見られるとのこと。これは残念ながら南米やアフリカ、ヨーロッパの一部地域に行かないと角度的に見られないとのことでしたが、あれ?実際に目の当たりにして見ると、日本でも”月の出”直後はけっこう赤みがかってますよ?というか、そもそも月の出というものを人生で初めてじっくり見たので何とも言えません。けれど、この現象が普通なら、これまでの人生できっと日没同様に気付いているハズなので、やっぱりこれは特別なのでしょう。スーパームーン、たしかにデカいし、明るいです!そして何より、これは肉眼で見、感じることによってのみ、その凄さが解る現象でした。
▲網戸越しに月光が繋がっていく。 ▲―――ボーナス ありがとうございます。
 月は1時間も経つとかなり高空にまで昇り、通常の満月とあまり大差がなくなります。店長曰く、「満月でもよー、高く昇んとちっちぇーよなー」となりますが、光の強さは相当なもの。ふと、斜め下に走る『線』のようなものが見えましたが、それはやっぱり雲でした。
 ところで、不思議現象が見えるすーちゃんには、月の輪っかはいくつに見えているのでしょうか?


2015/09/28