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すーちゃんの実家近辺で今も続いている、不思議な音のお話。 「トコトコトコトコ…」という木を叩くような連続音が、毎晩8時過ぎから10時頃まで向かいの山の方から響いてくる。他のヒトには鳥の鳴き声にしか聞こえないらしい。久しぶりにその音を聞いたすーちゃんは、大人になった今だからこそ解明を試みる。が、結局は謎のまま。一体何なんでしょうね? 提示されたヒントは、「戦前に鉄道計画があって、戦後中止になった。それは今のバス通りである。」ということ。そしてすーちゃんの実家は、夜からでも気軽にバイクでアパートに戻れる距離にあることから、やはり三浦半島内という設定なのでしょう。 しかしそうなると、三浦半島にそんな幻の路線計画なんてあったのかな?という疑問が浮かびますが、なんとホントにあったのですね。それが衣笠〜林間を結ぶ『武山線』。私は鉄道にさほど興味が無いので全く知りませんでしたが、これは結構有名な話みたいです。
現地を訪れる前は、おそらく『衣笠公園』や『衣笠城址』バス停あたりがそうなのではという勝手な推測をつけていたのですが、その思惑は見事に外れ、逆にノーマークだった『井戸店』なる停留所が良い感じです。停留所の表示ポストの形状が一致し、ジュースの自販機があり、バスを停車させる道路拡張部分もある。けれど、ここだと作中のバス停表示にある「南入口」とか「次は本町」などとの関連性に疑問点が出てしまうのですね。なので、この場所はひとまず保留とし、南下していきます。 ところで、前述した『武山線』の名残はないのか?というと、これがほとんどないそうです。唯一残っているのが、衣笠トンネルと金子トンネルだそうで、ここは面白いことに衣笠方面へ向かう車線と林方面へ向かう車線とで、入るトンネルの名称が違うのですね。つまり衣笠へは「新金子隧道」と「新衣笠隧道」を通るのですが、林に戻るときには「衣笠隧道」と「金子隧道」を抜けるのです。これは出来た年代の相違から生じたもので、まさしく新隧道が武山線を通すために造られた可能性があるとのことですが、今となってはトンネル自体大幅な改修工事が施され、真相は解らないようです。
あれ?芦奈野センセイはあからさまな現地描写を避けるために、あえて『武(山)』の字を伏せたのでは――!? そう考えると、『武山』線はもちろんなのですが、バス停の『武山』も武地区の中心地点(北武・南武・ひがし武のちょうど中心にある)から『本町』に名称を変え、『南武入口』も武の字を消して『南入口』とすれば、辻褄が合うではないですか!(じゃあ『南バス』の案件は?という謎は置いといて。)
そんなことより、不思議な音の正体は結局何なのかという疑問が残りますが、それは……… 「あー、さ〜〜鳥…なんですかねぇ?」。 |
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