海風通信 after season...

route30 「海への道のこと」



▲黒崎原の、海まで一直線!道路。
 遮るものも何も無い、海までひたすら続く灼熱の一本道を前に立ち尽くすすーちゃん。「涼しいところに 長くいすぎたせいだ」とかって言い訳してますが、さすがにカメラだけの空身ってのはどうかと思います。せめて、ペットボトル1本くらいは携行していきましょうよ。これは三浦歩きの鉄則です。
 この『海まで続くだだっ広い平原』、多くの人は黒崎原をイメージするのではないかと思います。私も真っ先に思い浮かんだのはこの場所でした。「バイクで走って最高」の海まで続くサワヤカ道路はいくつかありますが、大抵は起伏が見られ、こんな平坦な道が続く場所はなかなかないのですね。しかも道中は目ぼしい休憩エリアや自販機もなく、辿り着いた海岸にもトイレや水道ナシという、近頃なかなかないくらいのワイルドさ。
 あまりお勧めはできませんが、炎天下の真夏や陽射しの無い真冬、砂塵の吹きつける強風日にこの場所を歩いてみましょう。きっとアナタもすーちゃんの気持ちが理解できると思います。ホント、バイクで走るぶんには最高の道なんですけどね……。
 その他、この黒崎原以外に考えられる平原といえば、三戸集落の東側に大規模に開発された検上橋付近の広域農地も挙げられますね。あの道を徒歩で歩き回っていると、けっこう気の遠くなるような気分が味わえますよ。適当に直線道路を彷徨って三戸海岸方面へと出れば、これも立派な「海への道」?というのは、少し強引でしょうか。でも基本、三戸地域は国道側から西へと向かって行けば、それが海への道になってしまうのです。
 ところで、ここでちょっと気になることが。黒崎原にしても検上橋にしても、前方の対岸陸地に、富士山がどぉーん!と主張しているのですね。誠に失礼ながら、作品中の風景描写はカラーでないこともあり、いまいちニュアンスが掴めないのですが、『平原の彼方に海があり、その向こうに対岸の陸地が見える』という構図でいいんですよね?だとすると、三浦の西海岸をモデルとした場合、ここに富士山は絶対に欠かせない要素となって描き込まれるはずなのです。(ひょっとすると、積乱雲に隠れて富士山だけが見えないということかも知れないですが。)それが無いということは、これは房総半島側の陸地を指しているということなのでしょうか?でも三浦の東海岸は、谷戸と台地が入り組んだ複雑な構造をしていて、見通しが良い平坦な農地って無いのですよ。
▲現実世界では、農具小屋が点在しています。(消えません!) ▲検上橋から三戸海岸への一本道。
 この場所は三浦の東側なのか西側なのか、そもそも全然別の地域の風景なのかは定かではありませんが、理想的にはやっぱり黒崎原としておきたいところですね。農具小屋とかもたくさん確認できますし……。あ!でも物語上では、小屋自体もフシギ現象が作り出した幻の存在でしたか…。

 願わくばこの作品は、フルカラーとしてリニューアルされたものをじっくりと見てみたい気分です。


2018/07/03