比叡山横川・西塔常行堂

比叡山の三塔、東塔・西塔・横川のうち横川は三代天台座主慈覚大師円仁によって開かれました。慈覚大師円仁は入唐し五台山の念仏三昧の法を伝え、嘉祥元年(848)叡山に常行三昧堂を建て不断念仏を始めました。横川は親鸞聖人が七高僧と仰ぐ源信僧都も修学した地でもあります。慈覚大師によって伝えられた不断念仏は山の念仏と呼ばれ、源信僧都の活動もあり平安の人々に浸透していきました。

『御伝鈔』には「南岳天台の玄風をとふらひて・・・楞厳横川の余流をたゝへて」と親鸞聖人が横川で修学されたと伝えています。

親鸞聖人が叡山で修学された時期、横川の首楞厳院は鸞聖人の得度の戒師と伝えられる慈鎮和尚(慈円)が検校を勤められています。

親鸞聖人の妻恵信尼公の消息(手紙)には「殿の比叡の山にて堂僧つとめておはしましけるが」と親鸞人は叡山で堂僧をつとめておられたことを記しています。堂僧とは常行三昧堂にて不断念仏を修する僧でありました。

親鸞聖人が叡山で修学された時期比叡山には三つの常行三昧堂があったことが当時の文献によって確認されています。

慈眼山西照寺

比叡山延暦寺2