海風通信 after season...

いざ、ランドマークタワー!


▲横浜ランドマークタワー全景。
現地調査日:2025年06月17日
対象所在地:横浜市西区みなとみらい2街区
調査の目的:横浜ランドマークタワー69階展望フロア《スカイガーデン》訪問。
備    考:『ヨコハマ買い出し紀行』第0話、その他あちこち。










◆ついに、ノボるときが来た!(エレベーターで。)

 「あのてっぺんにも いつか行ってみたいけど」とアルファさんが憧れていた、ヨコハマを象徴する例の建造物《横浜ランドマークタワー》の内部に、ついに潜入(いや…、別にコソコソ潜入しなくても堂々と入れるのだけれど)する日がやってまいりました!
 いやぁもう、ここには何度も行きたいとは思っていたんですけどねー。「階段つらそうなんだよね」というアルファさんのコトバから察するに、どうやら未来世界ではエレベーターが稼働していない様子。ならばその状況までをも同じく再現してみようと、あえて階段を使用したランドマークタワー登破を考えていたので、なかなか実行に移すことが出来ないでいたのですね。というのもこの施設、普段は非常階段を使用しての一般人の階上への移動は禁止だったりするのです。
 それが解禁されるのが、年に一度開催される『横浜ランドマークタワー・スカイクライミング』というイベント。これは2016年から毎年開催されていた、地上69階にある展望フロア《スカイガーデン》まで階段で上ることができるという名物行事でした。しかし、あの憎っくき新型コロナ・ウィルスのヤツのせいで、2019年を最後に中止となってしまったのです。
 私がこのスカイクライミングを知ることとなったのが、まさに2019年に開催された直後の新聞記事!以来、毎年復活開催を心待ちにしていたのですが、2023年の11月に突如、実行委員会の解散が発表されて、スカイクライミングの復活は幻となってしまいました。それまでトレイル・ランニングなどで体力を維持し続けてきた私は、「何でだよぉぉぉぉっ!」と絶叫しましたが、まぁ、これは仕方のないことなのでしょう。いくらコロナの猛威が落ち着いてきたとは言え、閉鎖空間に近い非常階段部分で大勢の参加者がハァハァ喘ぎながら移動をしたら、コロナでなくても感染拡大しそうですもんね。
 そんなわけで、例年開催告知が発表される時期になると「ひょっとして!?」などと思い、今年の2025年も「でも奇跡の逆転開催が?」なんてコトも期待しておりましたが、ちょこちょことランドマークタワーのホームページをチェックしているウチに、なんと2026年初頭から2028年以降まで、同ビル内の大規模改修工事に伴い、展望フロア《スカイガーデン》の営業を一時休止するという告知が!
 「うわぁ!これじゃますますランドマークタワー行きが遠のくだけじゃないか!」という危機感を覚え、急遽突入を決行する運びとなったのです。もう30年近くのあいだ温めまくって、ちょっと腐りかけてる記事ネタですが、ついに実行に移すときが来たのですよ!!
▲JR桜木町駅前より。手前にはエア・キャビン乗り場が新設。 ▲開業から32年経ち、良い感じに古色を醸し出してきた。

 さて、JR桜木町駅からランドマークタワー方面に向かって歩いて行くと、『動く歩道』(ようは平坦エスカレーターね)なるものが現れ、これに導かれるようにボケ〜っと乗っていると、なんか、いともアッサリとタワービル入口まで来てしまいました。
 こんな簡単な経路なのに、何故今までこんなにもランドマークタワーを敬遠していたのでしょうか?それはひとえに、私が先入観的に【横浜はオサレなデート・スポット】だと思い込んでいたからです。なんせ、みなとみらいや山下公園なんて、恋人がいなけりゃ立ち入っちゃイケない、秘密の花園だと思ってたからなー。(←中学生かよ!?)今やそんなウブな想いも何処かに失くしてしまったので、何も臆することなく一人で堂々と進んで行けるのです。
 「来たぞヨコハマ、(30数年間)待たせたな!ランドマークタワーよ!」
▲展望フロアへのエレベーター入口は3Fにある。 ▲そして何故か一旦2Fに降りるとチケット売り場となる。

 エントランス・ゲートを抜けると、そこにはすぐさま69階への展望フロアへと昇るエレベーター乗り場が確認できます。なんか、流れるようにルート誘導されている感じがするのは、有名観光スポットならではですね。「あっちこっちフラフラせずに、さっさと展望フロアに来い!」という姿勢がちょっとシャクに障りますが、屋外は季節外れの異様な暑さだったので、ここは迷わずチケット売り場へと直行しました。
 この展望フロアへと昇るためのエレベーター、不思議なことに入口は3Fにあるのに、チケット売り場は2Fにあります。なので一旦、階下に降りてから受付を済ませ、この2Fから69Fへと直通で昇り、帰りは69Fから何故か5Fで降ろされるという変則的な方式となっています。これはおそらく、多くの観光客を効率的に捌くためのシステムなのでしょうが、数字的に歯切れが悪く、ちょっとモヤッとしますよね?どうせなら1F-69F、69F-1Fとキッチリしていただいた方が、しっかりと塔に昇った満足感が得られるのではと思うのは、私だけでしょうか。
▲近未来&無人な雰囲気がちょっと怖い。カブイサの須走っぽい? ▲只今分速730m!約40秒で273mを昇降するエレベーター!

 チケット売場のある2Fへと降りて行くと、そこにはクールなブルー基調のライティングでまとめ上げられた、近未来的な雰囲気の漂う空間が広がっています。しかしそもそも30数年も前に既に出来ていた施設なのに、「近未来」という表現は如何なものか?とも思いますが、そう感じちゃったのだから仕方がないですね。私のイメージする未来像なんて、所詮こんなモノです。
 また、これは私が訪れたのが平日の午前中だからということでしょうか?施設内には観光客はおろか係員や施設関係者も居らず、辺りはまったくの無人状態だったことが、ちょっと面喰らいました。そこにこのブルー基調の未来世界(!?)ですから、少しばかり不気味さに拍車がかかります。
 「あれ?ここ天下の超有名スポット・ランドマークタワーだよね?なんでこんなに人居ないの?ひょっとしてコトノバ空間に紛れ込んじゃった?」
 複数あるチケット売場のカウンター窓口にも誰も居ないので、冗談抜きで不安になります。やがてウロウロおろおろと彷徨っていると、突然「こちらへどうぞー。」と声が掛かり、いつの間にやら受付窓口のお姉さんがスタンバイしています。ホントにアナタ、いつ現れたんですか!?怖いんですけど?
 その窓口で入場チケット(\1000)を購入し、説明に従ってエレベーターホールへ。この間も一人で青い空間内を移動するので、気分的には『カブのイサキ』の須走の施設内を歩いているかのよう。思わず“ハナグロのコロコロ”が欲しくなります。(←一般人に解らんような表現をするな!)
 エレベーターホールではまた別のお姉さんが待機していて、ランドマークタワーが誇る日本最高速レベルのエレベーターについて、カンタンな概要を説明してくれます。なんでも地上273mの展望フロアまで分速750m、時速にして45km、なんと約40秒で到着してしまうのだそう。えッ?ちょっと待って!私、縦Gだとか横Gだとか、なんか股間がヒュッとなるやつ苦手なんですけど!!
 「それでは行ってらっしゃいませー。」と、笑顔で送り出そうとするお姉さん。(エッ?こんなん一人で乗ってもいいものなのか?そもそもアンタ、一緒に乗ってくれるエレベーター・ガールや無いんかーい!)と心の中で叫びましたが、まさか男塾一号生筆頭が「お姉さん一緒に乗って下さい。」などとは、口が裂けても言えまい。(←誰がだよ!)仕方がないので、エレベーター・ボックスの角ッコに身体を密着させながら、まるでザリガニのように強張って両手で壁を押さえ、上昇の恐怖に耐えることに。これ、防犯カメラかなんかで内部を見られていたら、かなり滑稽な姿に映ってるんだろうなぁ……。
 しかしながら実のところ、こんな不安は全くの杞憂でした。エレベーターは非常に滑らかに上昇を開始し、縦Gなどまるで感じないほどの快適な乗り心地で、アッという間に69階の展望フロアまで連れてきてくれました。すごい!安心安全、優秀だぞランドマークのエレベーター!「子ども遊園地」とかのコースターですらビビっている私が太鼓判を押すのだから、間違いない!楽チンである!(←それは江田島。)
 そして、エレベーターのドアが開いた直後に展開される、素晴らしく壮快な風景が、これ↓です! (※但し、混雑していない状況に限る。)
▲展望フロア《スカイガーデン》に到達すると、目の前には北東エリアの素晴らしい眺望がパノラミックに展開している!

 エレベーターから展望フロアへと一歩踏み出すと、眼前には北東方面の風景が一望できる眩しい空間が広がっています。観光客でごった返している状況だったら興醒めだったでしょうが、今や私の前に客はいません!(施設関係者はいたけど)。なので、すごく清々しい気分で眺望を楽しむことが出来ました。眼下にはコスモワールドやベイブリッジが展開され、あの「みかんビル」さえも手に取れるようなミニチュアみたいに配置されています。
 「やっぱりこれは、来て見るだけの価値はあったなぁ。30年も意地を張らずに、さっさと来てれば良かったか…。」
 ランドマークタワーには北東・南東・南西・北西と、4つの展望エリアがあるのですが、やはり初見で遭遇することになるこの北東エリアが、最も印象深い眺めとなることでしょう。私もついつい長居してしまい、気付けばいつしか観光客もチラホラと現れ始めてきていました。あぁ…私だけの貴重なコトノバ時間は、これにて終了です。(←嘘つけ!他の展望エリアには、既に別の先行来場者が来ていたようだったぞ。)
▲おぉ!あの「みかんビル」が我が視線の眼下にあるではないか! ▲南東には横浜スタジアム!TUBEのLIVEで行ったなぁ…。

 北東エリアの景観を充分に満喫したら、順番に施設内を廻っていきましょう。展望フロア《スカイガーデン》は、エレベーター・ホールを中心にグルリと一周出来るような構造になっています。特に規制は無いよう(混雑時にはあるのかも)ですが、時計回りに見て歩くことが推奨コースのようですね。
 南東エリアには横浜スタジアムや山下公園、南西エリアには丹沢山塊や富士山(今回は見えなかったが)、北西エリアにはみなとみらいを代表する印象的なビル群が見渡せます。そして各エリアを繋ぐコーナーブロックにはカフェ・図書室・グッズショップなどが併設され、時間が許せば一日中過ごせるほどの快適な空間が広がっています。(あ、但しこれも混雑してなければのハナシですね。)
 中でも私が特に気になって、今回のランドマークタワー行きを決定付けた動機となったのが、この図書室でした。
▲横浜関連の郷土資料や空に関する書籍が約2000冊も! ▲やはり、ここにはコレがないとね。

 正式名称『横浜・空の図書室』と呼ばれるそれは、高空の展望室にある図書施設という点でもかなり異例なもの。加えて、蔵書する内容が『空』に関する本と、横浜周辺の関連書籍・郷土資料が2000冊となれば、興味はさらに募ります。
 ただ、実際に訪れてみると、そこは壁際に10列・4段の書棚と閲覧椅子が設えてあるだけの、一見おシャレっぽい雰囲気を漂わせつつも、実に簡素な施設でした。しかもほぼ通路の一部と化しているため、一般のお客さんは大部分が素通りしてしまいます。ここが『図書』ではなく、『図書』としたのも納得のネーミングですね。(いや、むしろ『空の書棚』くらいでも良かったかも?)
 それでも興味ある人にとっては、大変に魅力的な蔵書内容です。今まで知らなかった郷土資料本も見つかったりして、あれもこれもと興味は尽きません。うわー!これは一日中籠りたいものだなぁ…。んー、でもこの図書室に来るのに、毎回1000円かかるのか……。
 ところで、このページをご覧頂いている皆様にとっては、もう当然の如く気になっていることであろうとは存じますが、この数ある横浜関連書籍の中に『ヨコハマ買い出し紀行』は、もちろんあります!新装版で!ただねぇ……棚の最下段の暗がりにあって、すごく見つけ難い位置にあったのが、ちょっと不憫でもありました。もっとこう、目立つ位置にどぉーーん!と置き直してやろうかと思っていたら、あッ!係員のヒトに不審がられている!?(←そもそも、足を留める人がほとんどいない図書室に、1時間以上滞在しているだけでも十分に不審なのだが。)
 というワケで、「終わったら元の位置に戻します」という条件でお許しをいただき、理想ポジションで何枚か写真を撮らせてもらいました。なので実際には、こんなに分かりやすい場所に置いてありません。ガンバって見つけて下さい。地上273mの蒼い空間で読み耽る『ヨコハマ買い出し紀行』というものも、なかなかに趣深いものがありますよ。アルファー室長の気分とかが、より味わえるかもね?(←だから、一般人に解らんような以下同文。)
▲グルリとまわって、最後に見える北西エリアの景色。前方の横浜メディアタワーを、数年前までマリンタワーとカン違いしていたのは内緒だ!

 気が付けば、つごう4時間近くも滞在してしまっていました。こんなにも快適で気に入る場所になるとは思っていなかったので、自分でもビックリです。
 最後にグッズ売場へと立ち寄り、旅の記念品となるものを物色しましょう……というより、お目当てとなるのは、やはりアレです。
 『TOWER SHOP』という名前そのまんまの売店は、「ココにしかない」という売り込みで、ランドマークタワーに関連するあらゆるグッズ商品を販売しているショップです。ランドマークタワーを模った定規や望遠鏡、ランドマーク水(!?)やハイチュウ、富士山キットカットなど、思わず「なんでやねん!」と突っ込みを入れたくなるような商品もチラホラと。公称600アイテムを扱っていると謳っていますが、これだけの商品を展開しているというのに、嗚呼それなのに!(←強調)、「ランドマークもなか」「ランドマークまんじゅう」が無いのです!(第33話「横浜買い出し」参照のこと。)
 これ、長年チェックしてるけど、商品化したことないですよね?どこかの企業が、どこかの段階で「よし、作ってみよう!」とか言い出したことはなかったんですかねぇ……。
 そして、例のアレも。

 スカイガーデン2028年リニューアル・オープンの際は、是非とも商品化をご検討下さい。(※売れるかどうかは責任取れません。)
▲ランドマーク関連のグッズが揃う売店。あのお土産はあるかな? ▲南東直下には帆船・日本丸とJR桜木町駅、動く歩道も見える。