海風通信 after season...

『R134おにぎり』 を探せ!


▲逆三角形の青いヤツ。
現地調査日:2021年10月05日
対象所在地:横須賀市長井〜三浦市初声町下宮田
調査の目的:国道標識の設置場所と数の確認
備    考:『ヨコハマ買い出し紀行』第0話(通称)を参照のこと。










◆意外と盲点 !?

 『おにぎり』とは、道路・酷道ならびに標識・看板愛好家の方々の共通言語として認識・呼称されている『国道番号標識』のこと。
 逆三角形に国道番号が表示されているアレです。言われてみれば、まぁなんとなく納得ですねー。よく酷道探索レポなんかを見ていると、「路肩の藪に、埋もれかけたおにぎりを発見!」なんて書いてあって、「えっ?なんでおにぎりが!?」と思ったものですが、これを見たアナタは、もう悩むことはありませんね。(←それ以前に、一般の人が酷道探索サイトなんてマニアックなものを見ているのかな?)
 この『おにぎり』が、未来のヨコハマ世界にもまだ存在することが、実はいきなり第0話のひとコマで判明しています。(※というか、これ以降の話にはまったく登場しなくなることから、これはあくまで本稿前の仮設定だったのかも知れませんが・・・。)そこには、おにぎり標識に『134』の数字が!これに加えて『逗子・田浦・三浦』の表示板や、「うーん 年々海が上がってくるみたい」のコマで示された地図などは、当時のヨコハマ舞台地探索サイトの方々のあいだでは大いに盛り上がっていたという記憶があります。
 この『134』というキーワードが舞台地を推定する上で重要な役割を果たしたことは紛れもない事実ですが、この『おにぎり標識』そのものの実在性に注目した人はいたのでしょうか?ムサシノの『環8表示板』などは有名で、これはあちこちのサイトで画像を見たものですが、134号のおにぎり標識は見たことがありません。…いや、でも結構誰かがやってたんだろうなぁ…とは思うのですが。まぁいいです。今回は令和版の再調査ということで、あらためて現実世界の『R134おにぎり』標識の存在地と数を確認しに行ってきました。
 調査範囲は引橋の三叉路から北上し、長井まで。原作に準拠して考えると、この辺りまでで134号線は完全水没するのでしょう。おそらく途中にある「西の前」バス停の先の川間川に沿って水没している地点、ここが「ありゃま」となっているポイントとしてアヤしいのですが、アルファさんが海面を見て茫然としているその先には、ずーっと海が続いているんですよね。そう考えると、御幸浜の清水バス停手前あたりまでは行けたのかな?あるいは、アルファさんが手にしている地図よりかは確実に「海が上がっている」はずなので、西の前から御幸浜あたりまで海で繋がってしまうのかも。こればかりは推測に頼るのみです。それにしても作中の地図を見てみると、武山の陸上自衛隊駐屯地あたりに円型の陸地部分がありますね。これはいったい何なのでしょう?ヘリポート?洋上基地?ホントにつくづく、何度読んでも想像を果てしなく拡げさせてくれる作品です。
 さてさて、条件設定を事細かにツラツラと書いてしまいましたが、検証結果は至極単純明快でした。何故なら引橋〜長井間に、『おにぎり』は以下のたった3つしかなかったのです!(※対向車線側は除外しています。)
▲三崎口駅南にあるおにぎり。街灯の柱に併設されている。 ▲赤羽根バス停至近にある独立設置型のおにぎり。
 1つめは、三崎口駅から南へ50mほど、自動車販売店のすぐ先の街灯柱に併設するような形で存在。ただ、それだけで単一に設置された『独立おにぎり』ではないので、外観上、作品イメージからはちょっと乖離がありますね。
 2つめ、これは何故か現地では気付かず、帰宅してからストビューで発見しました。なので写真はありません。初声町入江に近い下宮田のリサイクルショップ付近にあり、これも残念ながら街灯柱との併設型。けっこう注意して見てたハズなのに、何で見つからなかったのかなぁ。
 3つめは、「赤羽根」バス停付近にある、まさにこの標識のためだけに設置された『独立おにぎり』!欲を言えば、おにぎりの下の地名表示板が無ければもっとイメージに近かったのですが、理想設定ルート上にホントに存在していたのには驚きでした。
 このように、134号標識なんてある意味湘南のシンボル的なナンバーなのだから、もっとあちこちに設置されているかと思いきや、実は意外と少ないという事実が分かります。それどころか、長井より以北は(※意識を集中させて見ていたわけではないので確定的ではありませんが)、おそらく葉山まで設置数はゼロだったと思います。そう考えると初声町に3つもあるのは、ヨコハマ的見地からすれば奇跡的に恵まれた出現ゾーンと言えるのですね。
 特に3つめのおにぎりは、立地条件とも見事に合う、「西の前」バス停の一つ手前の「赤羽根」バス停にあるというのもポイント高いです。この場所はある程度の高台にあり、ここから西の前まで緩やかに下っていくと、「!きっ」…「ありゃま」となるような条件に近い場所に行き着くのです。
 ・・・あれ?でも何でアルファさんは横浜に向かうのに、その先が水没確定と分かっている134号をあえて通っているのだろうか?う〜ん・・・これは謎ですねぇ。というか、この状況だとそれ以前に初声町入江あたりも既に水没しているわけで、どうやってここまで来たんだろう??ひょっとして、初声町入江が実は「ありゃま」となった場所なのかな?それにしては、ひろがる景色が全然違う気がするけど。・・・ナンダコレ??なんか20年くらい前も同じ無限解明不能ループにハマった気がするなぁ。
 と、ともあれ、令和の世にも独立設置型の『R134おにぎり』は確かにありますので、「赤羽根」バス停付近を通る際には注目してみましょう。

※追記(2021年11月30日)※
 下宮田にある2つめの『R134おにぎり』も追加撮影してきました。これは実際に現地に訪れて見ると、けっこう高い位置に標識が設置されているという事実に気付かされます。そのため、他のものと同じような目線で探していると見落としやすいのかも。手前の電柱も直前まで重なっているように見えるので、発見がかなり遅れるという要素も含んでいるようです。
▲下宮田から入江へと一気に下る途中にある。 ▲標識の位置高すぎだし、黄色のボックスも邪魔。