海風通信 after season...

津久井浜みかん箱ゲット旅


▲青空に映える津久井浜みかん。
現地調査日:2021年11月30日
対象所在地:横須賀市津久井
調査の目的:[津久井浜みかん]の段ボールさがし
備    考:『ヨコハマ買い出し紀行』第24話「日々のお子達」3コマ目の
        戸棚の上にある段ボールを参照のこと。

        ※津久井浜観光農園のみかん狩りの時期は、
         10月20日〜11月30日、9:00〜15:00 までです。






◆いざ、津久井浜まで買い出しに(段ボールを)

▲「津久井浜」と表記されたみかん箱。これが欲しかった!みかんのイラストもラブリー♪ 

 「みかん」つながりの第2弾。今回はヨコハマ第24話「日々のお子達」でチョロッとだけ登場した、『津久井浜みかん』を探す旅です。ヨコハマの作品内に於いても、これだけ具体的な地名表記が示されたアイテムというのも珍しいですよね。みかんはヨコハマの序盤を象徴する重要なキーアイテムでもありますし(そうかな?)これは是非ともゲットしておきたいところ。
 とは言え、みかんだけ手に入れて写真撮影しても、それが津久井浜産のみかんであるコトが分からなければ絵になりません。そんな折、なんと『津久井浜みかん』と表記された段ボール箱が実在するという事実を知りました。これは欲しい!ある意味、みかん本体よりも欲しい!(←本末転倒)
 ということで、津久井浜ブランドの「みかん箱」を手に入れるため、みかん狩りシーズン期が終了してしまうギリギリの最終日に、なんとか津久井浜観光農園に滑り込み来園することができました。

 観光農園案内所にある直売所では、みかん狩りをしなくても、地場産のさまざまな農作物を購入することができます。もちろんこの時季、みかんは売場での主役的存在。小分けされたみかんの袋詰めだけでなく、みかんジャムやみかんジュースなどの加工品も目にとまります。そんな中、お目当ての段ボール箱に入れられたみかんが、レジ横にたくさん積まれている光景を見つけました!
 「おぉ!津久井浜みかん箱、たしかにあるじゃないか!」
 喜んで飛びつくも、それはみかん5kg、10kgでの販売単位で購入する時にのみ入れてもらえるというものでした。(※箱の大きさもkgによって違います。私が欲しかったのは、やっぱり10kg用のみかん箱なのです。)
 「う〜〜〜 で でも こんなにはいらないわ……(みかん)3コじゃ だめ?」
 アルファさんばりにそう言おうかと思いましたが(↑ダメに決まってんだろ!)、サスガにそれは無理難題が過ぎるということで、せめて1kgのみかんの袋詰めとみかんジャムを買うから、件の段ボールに入れて売ってもらえないかとお願いすると、そもそも直売所には余分な箱を用意していないそう。生産農家の方が選別・等級別けして、自身の手で箱詰めしたものを持ってくるというシステムなのだそうで、農家で直接交渉すれば箱を分けてもらえるかも知れないわよ?という情報を得て、さっそく向かってみることにしました。
 
 ところが、これがけっこう困難な道のりとなりました。まず、一軒目で訪れた農家さんにいろいろとお話を伺うと、どうやら『津久井浜みかん』と表記された段ボール箱はおいそれと渡せるワケではなく、キチンと階級・等級によって選別された「規格品」のみかんをお渡しする時のみにしか使用できないそうなのです。少量だったり、規格外品のみかんでは入れてもらえないのですよ。おぉ、意外にもけっこうブランド意識があったりするのです。だったら、規格品のみかんをある程度購入すれば段ボール箱に入れてもらえますか?と尋ねたら、今季のものはもう既に予約完売済みで、お売りできるものはないと言います。むむむ……。美味しいという評判は多少なりとも聞いていましたが、そんなにもスゴいものなのか!?津久井浜みかん!
 その後4軒ほどの農園をまわってみるも、津久井浜みかん(規格品)の受注販売は既に終了済み。いくらシーズン最終期に訪れたとはいえ、こんなにもブランド力のあるみかんだったのですねぇ。三浦半島を二十数年来通い続けてきましたが、改めてその事実に驚かされました。
 やがてバイクで迷走しながら入り込んだ小道の向こうに、地図にも載っていないみかん園の看板を見つけました。こうなった以上、ダメ元で積極的な直接交渉に臨み、それで無理なら諦めようと飛び込んだこの六軒目で、事態はようやく好転しました。
▲こちらのみかん園で、ようやく交渉成立! ▲出荷を待つ津久井浜みかんたち。

 その農園の作業場では、一見して無口でぶっきらぼうそうな職人気質の親父さんが出荷作業をしていて、静かに会釈をしてくれた以外は会話もままならず、作業の手を休めようとさえしてくれません。「あぁ〜、こりゃあダメだなぁ…。」と思った矢先、息子さんでしょうか?若くても物腰の柔らかい方が作業場奥から出てきて、突然の私の訪問にも柔軟に対応してくれました。ふと庭先を見ると、敷地内に複数台のバイクがあったので、バイク好きとしても波長が合ったのかな?そのバイクの片隅にカブを横づけさせてもらい、作業場内部へと案内されました。
 作業場のカウンターには規格に応じたみかんの料金表が掲示されており、事前予約なしでもこの場での購入が可能とのこと。とりあえずはホッとして眺めていると、「食べてみますか?」と言って試食用のみかんを差し出してくれました。私は「あ、有り難うございます」と努めて冷静に言いながらみかんを受け取りましたが、心の中では「ああっ 食います!!」と叫びながら喜んだのは言うまでもありません。(←どうでも良いよ!)
 さて、実際に津久井浜みかんを食してみると、これが実に良いバランスの美味しさ。すごく甘かったり、メチャクチャ濃厚というワケではないのですが、程好い甘さで、気付いたらコタツでテレビを見ながら3個くらい食べてしまっていた!という、あの感覚です。私の好みのタイプのみかんでもあったので、「これなら5kgはイケる!」と直感し、2Lサイズのものを5kg購入することにしました。ご近所や知り合いにあげたりするのを考慮すれば10kgでも良かったのですけど、なにせカブで東京まで運ぶのを想像すると、少しばかり腰が引けてしまったのです。
 そんなわけで、「10kgものみかんは運べないから5kgで良いんだけれど、写真撮影用素材に10kg用の段ボール箱に入れていただきたい。」という、私の極めてワガママで手前勝手なお願いではありましたが、その若い農園のお兄さんは快く応じてくれました。(ありがとう!)
 みかんの箱詰めを終え、カブの荷台へと載せてくれたその兄さん、不意にナンバープレートを見つめ、「え?東京から来たの?え?東京までコレ積んで帰るの?」と呆れ顔。「私の知り合いで、奥さんは大型バイク、旦那はモンキーでここまで来る人はいるんだけどね。」と、その後はバイク談議に。やっぱりバイク好きとして、何か通じるものがあったのかも知れないですねー。
▲憧れの『津久井浜みかん』箱!奥の薄型のものは5kg用の箱。 ▲青いのは『三浦みかん』箱。まぁ、これはこれで……。

 ところで、敷地内を見渡すと、出荷作業を完了して積み上げられた段ボール箱に、もう一つ色の違うモノがあることに気付かされました。外装面に表記されている文字は『三浦みかん』とあります。これの違いは?と尋ねると、特に中身に違いはなく、たまたま『津久井浜みかん』のオレンジの箱の在庫が足りなくなってしまいつつあるから、代用としたとのこと。あぁ!それなのに無理を言ってオレンジのほうを(しかも10kg用のものを)用意していただき、本当に有り難うございました。大事に使わせていただきます!
 お二人に丁寧にお礼を告げて別れ、文字通り『津久井浜』の海岸で『津久井浜みかん箱』をキッチリと括りつけ直し、ついにスーパーカブ『津久井浜みかん号』の完成です!これはもう、どこからどう見ても地元のカブにしか見えませんね!?ナンバープレートを見てビックリ!というヤツです。

 それではこれより、津久井浜〜小網代〜黒崎原〜長者ヶ崎〜横浜とまわって、東京へと帰ります!
▲ついに完成!スーパーカブ・『津久井浜みかん号』!車体がイエローだったら、もっと良かったかも?