菟足神社 風祭(19.04.14)
豊川市小坂井町小坂井
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跳躍、右大太鼓。 |
菟足神社は豊川の河岸段丘上にある。大村が下郷ならこちらは上郷である。しかし、菟足神社の例祭を上郷の風祭とは言はない。近隣に知られた古社で
ある。わざわざ言ふまでもないのである。
ここの笹踊りは平井が出す。本祭り、午後2時頃、平井で一踊りの後に出発、境内に入つて参道脇でしばし休憩の後、4時半頃、二の鳥居から拝殿前に進む。拝殿前では多
くの者が従ふ。この拝殿前を三周して小休止、そして御輿渡御に移る。
ここの踊りは跳躍して進むのを原則とする。拝殿正面等では小太鼓が位置替へをする。大太鼓が小太鼓の間を抜けるのではなく、小太鼓の一人が2人の間を抜
けて小太鼓2人の位置が替はるのである。隣の伊奈若宮や三谷もこのタイプである。笹踊り歌はあるし、ヤンヨー神もゐるのだが、現在は笹踊り歌がまともに歌
はれることはない。今年は全く歌声が聞こえなかつた。ヤンヨー神も不在であつたか。
なほ、他地区は、小坂井と宿が山車を出し、坂地が獅子を出し、中島が神楽を出す。山車では隠れ太鼓が行はれるが、菟足神社に着くまではずつと道行であ
る。2日間で何度か行はれるが、宿は御旅所での神事中、小坂井は御輿渡御終了後が最後である。小坂井の頃には日もとつぷりと暮れてゐるものだが、今年はま
だ明るさが残つてゐた。小坂井も宿も、隠れ太鼓「稚児」の最中、太鼓の後ろに稚児2
名がゐて、時々位置を変へる所作をしてゐる。これゆゑに「稚児」なのだが、これは他の地区にもあるものなのであらうか。この曲名を「稚児」といふことから
すれば、ここに稚児がゐることはむしろ当然なのであらうが……。そして、その昔の吉田の牛頭天王社の山車上の「稚児」もかくの如きものであつたかと想像す
るのだが……。