海風通信 after season...

あの標語




◆これはちょっと迂闊だったなぁ…と、今更ながらに後悔していることがあります。
 それは第53話『先生のマーク』において、「源エム丸」のシーンと共に描かれていた「クリーンよこすか」の標語看板のこと。
 この看板、主要道路上の行先表示板などと同様に設置されていた記憶があるのですが、確定的となる証拠資料を持ち合わせていません。ひょっとしたら作品の一コマから勝手に生み出してしまった、私のあやふやな妄想だったのかも?馬堀海岸〜走水、はたまた北下浦海岸から津久井浜辺りの海岸道路で確かに見たような気がするものの、なにぶんにもかなり昔の話。当然のことながらGoogleストリートビューのタイムマシンでも、その痕跡を見つけることは出来ませんでした。しかも今や、横須賀市の道路上の何処にも作品中のような看板など見つからないのです。
 当時は当たり前すぎて写真にすら収めておらず、また話題にすら上らなかったまま時が過ぎ去ってしまいましたが、これは今更ながらに考えてみると、かなり興味深いヨコハマ案件だったのではないでしょうか。幸い「クリーンよこすか」という市民活動団体は、現在も運動継続中とのこと。ならば何かしらの看板物件が見つけられるのではないかと考え、横須賀へと向かってみることとしました。

【クリーンよこすか】とは
 「私たちの町は 私たちの手によって」を合言葉に、「より住みよい町 横須賀」の実現に向け清掃美化等の実践と啓発に努め、クリーンなまちづくり運動を推進する市民公益活動団体です。クリーンよこすか市民の会は、市民全員が会員です。
発足は昭和49年、令和6年度で節目の50年を迎えました。
〔クリーンよこすか市民の会ホームページ〕より

▲京急沿線なので、車窓からも見える田戸町内会館。 ▲火の見櫓とレトロな外観が印象的な東佐野町内会館

 有力候補地としてあたりをつけたのは、安浦周辺。昔ながらの町並みが色濃く残る土地柄であることもそうですが、何より「クリーンよこすか」の第一候補となる物件を、実は既に知っていたからです。
 これは京急によく乗っていて、車窓の風景を気に留めている人ならば気付いているかも知れません。県立大学駅(旧・京急安浦駅)のプラットホーム沿いに並び建つ家屋の軒下に、「クリーンよこすか」という看板が確認できるのです。(走行中の車窓からでも分かります。)
 この建物は「田戸親睦会」と銘打たれていて、どうやら地域の町内会館としての役割を担っているよう。その一環として、横須賀市民共通のスローガンである「クリーンよこすか」という美化運動の看板を掲げているみたいです。令和の現在でも、意外と根強く地域に浸透している標語なのかも知れませんね。
 最悪、この一件だけでもネタになると踏んで県立大学駅に降り立ったものの、実際に付近を歩いて見ると、街区表示板やゴミ集積場に貼られたステッカーなど、多くの「クリーンよこすか」が目に留まります。特に富士見町エリアは「クリーンよこすか」特区(!?)と呼んでも良いほど、ありとあらゆる場所の街区表示板がこのスタイルで現存していました。そして究めつけは、東佐野町町内会館。趣きのある建物外観と火の見櫓にこの標語の看板は、インパクト大です。先ほどの田戸町でもそうでしたし、町内会館にこの看板を掲げるの、流行ってるのかな!?
▲多くの街区表示板が見つけられる富士見町界隈 ▲比較的きれいな状態を維持しているものも。

 結局のところ、ヨコハマ作中のような看板を見つけることは出来ませんでしたが、「クリーンよこすか」は今も横須賀市内のあちこちで息づいていて、無意識的に目にしている機会があるのは確かな事実です。こうした一つ一つの断片的な記憶が複雑に絡まり合って、ありもしない幻の標語看板があったと、私は思い込んでしまったのかも?第53話も、もう何十回となく読み返しているし、現実と作品世界がごっちゃになっている感も否めません…。
 でも、やっぱり以前はあったような気もするんですよねぇ。芦奈野センセイも意味もなく描き込んだようにも思えないし。

 かつては作品中のような看板が存在していたよ!という情報をお持ちの方が居りましたら、是非ともお教え願えれば幸いです。
(2026年04月14日 撮影)