海風通信 after season...

フォルモサ?




◆何はともあれ、まずは最初に謝っておきましょう。
 「19年間、知ったかぶりしててスンマセンでしたーっ!!」(←ホントにね。何故ここまで気付けなかったかなー?)

 コトは第131話「air」の、マッキがアルファさんへのお土産にコーヒー豆を持ってきた場面でのお話です。
 「豆!コロンビアとコナとフォルモサ」 「うお!」(←アルファさんのセリフ、こればっか…^^;)
 コーヒー豆でコロンビアとコナは有名なので良しとしましょう。…けれど「フォルモサ」って、改めて気にしてみると何なのでしょうか?
 当時の私はセリフの流れで推測し、トアルコ・トラジャグァテマラという怪獣のような名前のコーヒー豆の品種(なのか!?)もあることだし、ガヴァドンやモスラやフォルモサといったコーヒー豆があってもいいのでは?というように考え、「コーヒー通なら当然知ってるよね?フォルモサ、いいよね。」とかって知った風な思い込みをしてしまい、その存在を確認することすらしていませんでした。しかし20年近く経った現在でも、「フォルモサ」という名称のコーヒーに日常で出会ったことがありません。あれ?これはひょっとして、「メイポロ」とかと同じ類のモノだった?
 これは一体どういうことなのか?今さらながらに調べて見ると、どうやらそれは台湾産のコーヒーであろうという一つの候補に辿り着きます。というのも、アメリカにある「ザ・フォルモサ・コーヒー」という台湾珈琲専門のコーヒーロースターが、そうした商品を展開しているのですね。ただしこれはあくまで企業名のブランドであり、台湾産のコーヒー豆は一般的には「フォルモサ」とは呼ばれていないのです。
 そもそも「フォルモサ」とはラテン語・ポルトガル語での「美しい」という意味合いを持つ単語であり、大航海時代に新天地へと辿り着いた場所で見つけた美しい地形・モノには、もうやたらめったらと名付けられたそうです。その象徴的な発見となったものが台湾島(Ilha formosa)であったため、それ故に「Formosa=台湾」というイメージが強くなってしまったものの、実は世界中至るところに「フォルモサ」と呼ばれる地域はあるのですね。有名な所では、アルゼンチンのフォルモサ州とか、あとはなんとコーヒーでは言わずもがなの大御所・ブラジルにも!こうなってくると、ヨコハマ作品中に出てくるフォルモサ豆が、もう何処のモノやら皆目見当がつかなくなります。
 未来世界では、何処かで確定的なコーヒー豆のブランドとして、「フォルモサ」が生まれてくるのでしょうか。
 
 遠からぬ黄昏の時代に思いを馳せつつ、さて コーヒー豆で遊ぶとしますか。
(2024年04月13日撮影)