海風通信 after season...

やはりオレンジフットはここだった?件



◆ヨコハマ・ファンの間では、もはや古典的に有名な場所となった野比海岸(千駄ヶ崎)の曲線道路。
 第15話「砂の道」で、子海石センパイ若年じじい(←だって、作者が画集でそう言ってるんだもの)が待ち合わせをした『オレンジフット』のモデル地として、もうずっと以前から知られていますよね。
 ただワタクシとしては、当初からこの説にはあまり賛成的な考えではありませんでした。…なんて言うか、雰囲気とかがそれっぽく感じられなかったのですよ。だって、らしくない建物が《どぉーん!》とか建っているので、「どーせならここ、コンビニにしてくれよ!」(←すげー自分勝手な意見!)なんて思っていたりもして、たしか旧ホムペでも名所紹介マップや記事などは、ほとんど書かなかったと記憶しています。恐るべきことに、過去に何十回となくこの場所を訪れて(通り過ぎて)いるのにも関わらず、撮影した写真はホントにこれ一枚!いかに乗り気では無かったのかが伺えますね。
 こうして奇跡的に撮られた一枚は、ヨコハマファンサイトの同志である『Garage355』みずにー(Mizney)さんとプチオフ会のようなことをした時に撮影したもの。ヨコハマの舞台地各所を一緒に巡る際に、この場所を中継待ち合せポイント(バイクと車では移動ペースが違うからね)として指定され、初めて立ち寄ることになったのです。そう考えてみると、原作シーンになぞられた、みずにーさんならではの粋な計らいだったのですねー。う〜ん、書いているうちに色々と思い出してきたよ。
 当時の私はまだフィルム・カメラを使用していたので、画像は写真からのスキャン取り込みのため、画質の粗さはご容赦を。またこの時代、写真に撮影日時などを写し込むのはダサいとか素人っぽいとか言われていて、それを鵜呑みにしてしまった私は今、過去の写真データを符合させるのに大変な苦労をしています。この写真の撮影日時も皆目見当がつかなかったのですが、幸い、みずにーさんの公開ページにて、撮影日が1999年12月12日ということが判明しました。ヨコハマ個人ファンページが次々に消失していく中、よくぞ頑張って存続していてくれました!ありがとう!みずにーさん!
 しかし当時の私、仕事柄忙しい年の暮れの日曜日だってのに、よく行けてたよなー。若さだよ、山ちゃん!(←誰?)
 …っと、感慨に浸りながら(!?)改めてこの写真を眺めていたら、ふとある部分に気付くこととなりました。それは……↓
1階の丸枠内この部分、何やら白い看板があります。 ▲【自動販売機コーナー】と読める!室内の様子も少し見える。

 「あっ!?この建物の1階部分、良く見ると《自動販売機コーナー》って看板があるじゃん!!!」
 そうなのです!拡大したり虫眼鏡を使ったりして当該建物内を凝視してみると、見えてるだけで少なくとも4〜5台の自販機が確認できます。死角にもあると推測すると、おそらく10台前後?いわゆるコンビニ的な無人自販機ショップが、実はこの時代に既に存在していたのでした!
 これ、何で今の今まで気付けなかったのかなぁぁー?(←自分に怒)完全に先入観に支配されていて、盲目的になっていたのかも。そして、この場所にバイクを停車させたり写真を撮ったりという行為自体、それ以降何故か一度も無かったことが致命的な取りこぼしの要因となりました。(上写真を撮影した時も、みずにーさんの車を駐車するスペースが無く、結局は近付くことなく遠距離撮影で済ませてしまったのです。)
 さぁ、想像してみましょう。この建物の自販機コーナーだけを残して、その他を取っ払った姿をイメージすれば、ここはまさにオレンジフットの場所にすごくピッタリなロケーションではないですか!芦奈野センセイも、このようなイメージで作品の舞台に採り込んだのかも知れません。
 「あのビン 下の店のやつですかね」と言うおじさんのセリフも、こうしてみるとよりリアリティをもって感じ入ることが出来る気がします。
 なんだかんだで、やっぱりここがオレンジフットの候補地としては「最も適した場所」と言えるのでしょうね。

 令和の現在となっては、この場所はなんと、建物全体が丸ごとポッカリ消失してしまいました。潔いやら寂しいやらでフクザツな心境ですが、いつしかまた、小さなコンビニ風の売店が出来上がることを心待ちにしております。その時は是非、ビン入りのコーラも売っていて欲しいものです。
(1999年12月12日撮影/2025年03月15日執筆)