海風通信 after season...

黒崎のスタンド猫




◆私はあまり利用する機会はありませんでしたが、初声町入江地区から初声マリーナ跡地(建設予定地)を抜けた先にも、『黒崎の鼻』へと辿り着くルートが存在します。この辺りはマリーナ跡の廃墟然とした風景も相俟って、かなり陰鬱とした空気が漂い、またどこまでが立入禁止エリアの境界なのかも曖昧だったため、いろいろと近寄り難い雰囲気があったのですね。そして目つきの悪い(!?)野良猫の多さにも敬遠に拍車をかけました。
 私がここを訪れていたのは、主に2010年代中期。その時に何度も私の行く手を阻もうとしていたのが、写真の猫でした。
 「なにコイツ?なんで不安定な杭の上で堂々と寛いでんの?しかもなんで威嚇するような態勢をするの?」
 それはあたかも、座った姿勢のまま攻撃の跳躍を見せようとする、あのツェペリ男爵のよう。(※『ジョジョの奇妙な冒険』第3巻参照のこと。)
 「こいつッ、スタンド使いかッ!?」
 咄嗟に距離を置き身構えましたが、何故に強烈な敵意を見せるのか理解できません。あるいは昼間に三崎で食べたマグロの匂いを鋭敏にキャッチしているのかも?ともあれコイツは地獄の門番ペット・ショップ、もしくはストレイ・キャットばりに威嚇のオーラを発してくるのです。(←ホントかよ?)
 私はスタンド猫の射程圏内に入り込まないよう、山側の斜面ギリギリをにじり寄りながらゆっくりとすり抜けて、黒崎の鼻へと向かうのでした。恐るべきことにこの猫、私がここを通るたびに毎回姿を現し、立ちはだかるのです。やっぱり、縄張り意識とかそういう関係なのでしょうかね。取り巻きの手下猫たちも一様に攻撃態勢を示してくるので、以降このルートを使用することがだんだんと疎遠になってしまいました。

 そして時は流れて2020年代。何とはなしに黒崎に関するネット情報を眺めていたら、何やらマリーナ跡地付近で野良猫に多数遭遇するという記事がチラホラと散見出来ました。よもやとは思いつつも表示画像を見てみると、そこにはヤツと酷似した模様と毛並みの猫が・・・・!
 「まさか、ヤツがまだ生きていたのかッ!それとも子孫たちか・・・?やはりジョースターの血統は侮れんッ!(←意味不明)」
 どうやら初声マリーナ跡地に現れる近年の猫たちは人慣れしており、なんと触らせてもくれるようですが、油断してはいけません。杭の上に不自然に鎮座している猫を見かけたら、要注意です。
(2014年01月07日撮影)