|
|
◆『ヨコハマ買い出し紀行』第6話・第65話(*1)・第84話にて描かれた、道端の素朴な自動販売機小屋。その壁面に掲げられていた菱形の看板は、連載当時からちょっとした話題になっていましたよね。なんとなく見覚えのある、記憶に訴えかけるような渦巻のピクトグラムは、昭和・平成を生きた者なら誰もがピンとくるであろう、あの「蚊取り線香」の琺瑯看板に他なりません。
こうした琺瑯看板、レトロな雰囲気の似合う三浦にはけっこう残ってそうなイメージですが、実は殆ど見つけることが出来ません。ただ、第6話が発表された当時はまだ僅かばかり残っていたようで、初期のヨコハマ舞台地検証サイトではその報告が見受けられました。けれど私が本格的に検証を始めたのは97年、その頃には加速度的に消失してゆき、蚊取り線香の「渦巻き」をデザインした看板はついぞ発見できませんでした。
そして時は流れて04年頃、私の旧ホムペを見た方から「長沢にキンチョーの琺瑯看板がある」という情報を頂き確認に訪れるも、それは残念ながら殺虫剤の「キンチョール」のもので、蚊取り線香の渦巻きデザインのほうではなかったのです。それでも「レトロ風」な演出装飾ではない、リアルな家屋に取り付けられていた琺瑯看板という点では、貴重な物件だったということに間違いはないのですけどね。
こうした経緯から、このレポートは文字通りの「お蔵入り」となったのです。渦巻きデザインの看板が見つからない以上、これはどうやったってゴーインなこじつけにしかなりませんから。けれど、この長沢のキンチョール看板自体も今や既に消失風景。ならばせめてもの記憶と記録に残そうというわけで、夕凪収蔵庫での公開となりました。
 |
 |
 |
| ▲京急長沢駅近辺にかつてあった、ガチのリアル琺瑯看板。 |
▲今回の看板の素材撮影地は三ノ輪橋駅。演出装飾ですが。 |
ちなみに自販機小屋のモデル地という観点では、私はどうしても岩堂山登り口手前の建物を思い浮かべてしまうんですよね。
ここ、あたりに何にも無い場所に自販機だけがオアシス的にポツンと存在していて、「異の場」的な雰囲気がちょっと良いんですよー。バイクでもそうなのですが、自転車や徒歩で辿り着くと、より一層実感します。一時期、ここでダイドーの「ミスティオ」を飲むのがルーティーンになってました。
あれ?しかし今になって昔の写真をよく見てみたら、右端に写り込んでる自販機、もはや関東圏では激レアの「チェリオ」の自販機では!?
うわー!こんなトコにあったのかー!全然気づきませんでした。(と言うか、当時はそこまで稀少認識していなかったかも。)
消失する前に、せめて1本くらい買っときゃ良かったかなぁ…。
「飲んでミスティオ!シュワ〜ワセ〜♪」…なんてやってる場合じゃなかったよねぇ…。
 |
 |
 |
| ▲雰囲気だけ見れば、私は真っ先にここの自販機を連想します。 |
▲フワッフワッと気まぐれに曲がる道なんかも。 |
(*1)本記事を作成するにあたり、今一度『ヨコハマ買い出し紀行』全編を読み返してみたところ、第65話『岸』でもタカヒロが単独でここの自販機に訪れていることを確認。これは長らく見落としていました。しかも夕飯(?)の食材の買い出しをしていたマッキと出会うことから、ここが岩堂山周辺だとはちょっと考えられなくなりますねぇ。やはり南町近辺なのかも?まぁ、あくまで「雰囲気だけ」という捉え方ですよ、雰囲気…。
|
(2010年11月02日【長沢】/2026年2月06日【三ノ輪】/2014年01月07日【六合】 撮影)
|
|