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つれづれなるまヽに、ひぐらしPCにむかひて、
こころにうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなくかきつくれば、
あやしうこそものぐるほしけれ

家庭内IT備忘録

Windows 10の使用にはユーザーの”覚悟”が必要!

Windows 10はマイクロソフトのビジネスモデル転換が背景にあるのではないか

 アップル社がi-phone旧機種の動作速度を「良かれと思って」意図的に遅くしていた事実が発覚し、一部の国で問題となっている。

 最近の我流猫(当サイト管理者)の実体験から、マイクロソフトWindowsも似たような構図となっている可能性を指摘したい。

 Windowsは、広く一般化したWindows 95から連綿とバージョンアップを重ね、現在のWindows 10に至る。

 ただ、今までのWindowsとWindows 10との違いは、「常に最新のOSがインストールされる」点だ。
 今までは、一つのバージョンをリリースし、世の中に広く普及したころに次のバージョンをリリース、古いバージョンのサポートを終了し、新しいバージョンへの乗り換えを推奨する、いわば「新車」への乗り換えをマイクロソフトはビジネスモデルの柱としてきたと言える。
 ところが、Windows 10は逐次アップグレードされていくため、おそらくWindows 11は現れない(「アナウンスメント効果」のために革新的なアップグレードを行う際にリリースする可能性はあるが)。
 すると、今までの「新車乗り換え」ビジネスモデルはワークしなくなる。

 ではどうするか。マイクロソフトはどうやって儲けていくのか。

 Windows 10では、逐次アップグレードされることによって、あなたが使用しているPC上で、古いバージョンに適合していたプログラム(ドライバなども含む)が、新しいアップグレードに適合しなくなり、どんどん不整合が蓄積されていく。

 すると、ある日突然(もちろん、きっかけはアップグレードだが)、今まで普通に動作していた何かが動かなくなったり、プログラムが立ち上がらなくなったり、消えたりする。

 最近我流猫が経験したことは、その最たるものかもしれない。
 何せ、急にマウスカーソルが消えて、マウスもキーボードもまったく利かなくなるのだから。一切の入力ができない、PCに一切指示が出せない、まさに「なすすべなし」である。

 するとこんなとき民はどうするか。

 まずはPCや、サードパーティーの付属品を使用している場合には、そのメーカーに問い合わせるかもしれない。
 はじめからWindows 10であるPCや、Windows 10対応をうたっている付属品の場合は、そこでサポートしてもらえる可能性はある。
 しかし、少し古かったり、我流猫のように、前のバージョン(Windows 7、8、8.1など)から無償アップグレードしている場合には、「もともとPCに入っていたOSと異なるので、こちらではサポートいたしかねます。マイクロソフトに問い合わせて下さい。」という対応になる。
 あるいは正常に動作している別の端末か何かから、Windowsの旗マークのところから「問い合わせ」をクリックして、マイクロソフトに直接問い合わせる。

 いずれにせよ、マイクロソフトに行き着く。

 さて、ここで選択が待ち構えている(問い合わせた先のマイクロソフトの担当者がおもむろに提示する)。

 選択肢は3つ。
 1. ご自身で解決する(無料)
 2. 今回の特定の問題についてのみ、有償でサポートを受ける
 3. 有償でどんな問題でも年間でサポートを受ける

 1.の場合は、「マイクロソフト コミュニティで情報を検索する方法」というページを案内され、自分で何とかすることになる。
 ところが、結局皆お悩みをぶちまけているだけで、有効な解決策に行き当たることはまずない。
 「マイクロソフト コミュニティ」とググると、「マイクロソフト コミュニティ 役に立たない」とか、「マイクロソフト コミュニティ 他人事」という候補が表示されるのが、なによりの証左だ。
 みんながそう思っていなければ、そんな検索候補が表示されるはずがない。

 ITに自信がない一般ピーポーや、多少自信があったとしても、なんとか早く復旧させないとどうしようもない、と思う人は、通常2か3を選択するだろう。

 ちなみに、2(特定の問題のサポート)は1万円ちょっと、3(年間サポート)は1万5千円ちょっとだ。
 この特定の問題だけで1万とられるんなら、少し高くても年間サポートを受けよう、となるのが関の山だろう。

 我流猫はSEでもIT業界の人でもないけれど、一応趣味みたいな感じで「応用情報技術者」の資格も持っているし、そもそもコンピュータには子供のころから(ゲーム用ではなく、ガチでプログラミング用として)慣れ親しんでいるので(当時はちょっといいPCだと30万円くらいしたから、親にマジ感謝。初号機はNEC PC-88 VA)、時間がもったいなかったけれど、とにかくマイクロソフトのいいなりにカネを支払うのは絶対に嫌だし、癪に障るので、当然1(ご自身で解決)を選択。

 もちろん「ご自身で解決」は、結構大変。
 関連することをググりにググって、なんとか糸口らしきものをたどっていく。
 場合によっては英語のサイトも見ることになる。
 まあ、一般ピーポーはそこまでしないで1万5千ナンボか払うよね。

 はい。これが新しいマイクロソフトのビジネスモデル。

 i-phoneみたいに旧機種をわざと遅くするほど姑息ではないけれど、アップブレードによって不整合を惹起させ、サポートでメシを食う。

 米国企業の勤務歴の長い我流猫は、そうしたビジネスモデルの転換自体を否定はしない。
 でも、なんかやり口は、メシにバレない程度の微量の毒を混ぜて、こと切れたら保険金をむしり取る、みたいな感じに思えなくもないよね。

 ただ、Windows 10ユーザーは、知らないうちにそうした環境に晒され(言ってみれば「よかれと思って」微量の毒を盛られ)、知らないうちに勝手に「使用に際して覚悟しなければならない」状況が作り出されていることを認識すべきだろう。

 唯一の対抗手段は、ユーザーが連帯して「解毒薬」を共有することでしょう。
 このサイトはたいして役には立っていないと思うけれど、処方箋を共有することしか、無料で立ち向かう方法はないように思えます。

(2018年3月10日)

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