Junior High Entrance Exam 3 of GrrrNeko BASE

つれづれなるまヽに、ひぐらしPCにむかひて、
こころにうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなくかきつくれば、
あやしうこそものぐるほしけれ

4匹のネコの受験戦争

最難関校を目指す理由

3月10日放送のTBSテレビ金曜ドラマ『下剋上受験』では、「なぜ桜蔭(ドラマ上では桜葉)を目指すのか」について、「日本一高い山は?」と問われれば、誰でも富士山と答えられるが、「では日本で二番目に高い山は?」と問われたら、答えられる人は非常に少ないから、という理由が述べられていた。

これは原作本にあった記憶がないが(今ゴマが学校に持って行ってしまったので、手元にないので確認できないが)、たしかに北岳なんて知らなかったし、ドラマの脚本としては、狙い通りのインパクトがあった。

ただこの「そこに山があるから」的な答えは、中学受験を趣味と考えているのであればいいが、中学受験に「娘の人生がかかっている」という割には、ちょっとお粗末な感じが否めない。

パパねこの回答は:社会的相乗効果があるから。

たしかにこの回答ではドラマではインパクトがない。
しかし、桜蔭でも、JG(女子学院)でも、豊島岡でも、筑駒でも、開成でも、その先の東大、京大であろうとも、最難関校に入るということは、子供が、さらなる高みへと挑戦する可能性を広げるきっかけになると考える。

「社会的相乗効果」については、

  • 『やり抜く力(GRIT)』(アンジェラ・ダックワース著、神崎朗子訳、ダイヤモンド社)

p.122に書かれているが、要するに「朱に染まれば赤くなる」ということだ。一流が集まる団体に所属し、一流の連中と交われば、はじめ三流だった個人が混じっていたとしても、その集団は一流の比率が高いから、各構成員はおのずと一流に収斂されていく。

パパねこは結局東大に行くことができなかったが、複数の東大卒の人が「東大には自分より頭のいい人がいっぱいいて、自分の非力さを実感した」というような趣旨のことを言っていた。
厳しい受験戦争の勝者をして、かく言わしめるということは、一流の組織に属するということが、各個の能力をいっそう高めるインセンティブになることは自明であろう。

もっとも、何を以て一流とするかの議論はここでは敢えてしないし、東大すら世界的に見れば34位だ(タイムズ・ハイヤー・エデュケーションの世界大学ランキングによる。参照元サイト)。

卑近な例で言えば、一昨年、義父が胆管がんになったが、パパねこの栄光からの親友の一人が医師である(しかもたまたま肝胆膵担当の内科医であった)ため、実績のあるよい医師を紹介してもらうことができた。
結局、ゴマが生まれた病院で知り合った、同時期に出産したママ友に紹介して頂いた東大病院にしたので、パパねこの伝手は使わなかったが、親友の紹介は非常に心強かった。
ちなみに義父は予後も良好である。

要するに、そうしたハイスペックな人脈を持つことができるということ。
もちろん、社会人になってからも、ハイスペックな人脈を形成することは可能ではあるが、最難関校に行くということは、手っ取り早くこうした人脈を形成できることのほかに、自らもハイスペックな人材になる蓋然性を高めることができる、ということが非常に大きいと考える。

そして、世の中はどんどん二極化しているように思える。
富める者はより賢く富み、貧すれば鈍する。
だから最難関校に入れたい、これは『下剋上受験』の原作者の考えに近いと思う。

(2017年3月12日)

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