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Eメール聖書は易学〜聖書の作者は古代中国の易学者だった!〜

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Z 太祖たちからイエスにつながる系譜は、十字架そのものを暗示している
〜アダムたちの法外な長寿の秘密〜

@太祖たちの法外な長寿 A重大な秘密が仕掛けられていた

@太祖たちの法外な長寿

☆『古事記』の人物も長寿だが

 アダムに始まりノアを経てアブラハムに至る血筋の系譜に登場する人々を、聖書学では太祖と呼んでいる。その太祖のひとりノアは950歳で死んだとある。この法外な長寿ぶりはひとりノアだけのことではなく、全太祖たちについて言える。「創世記」から年齢を拾いだして、表にまとめてみよう。

太祖たちの生存年数表(年表示はユダヤ暦)
名前 生年 息子が
誕生し
た年齢
死亡時
の年齢
死亡年
@アダム
Aセト
➂エノシュ
Cケナン
➄マハラルエル
Eイエレド
Fエノク
Gメトシェラ
㊈レメク
元年
130年
234年
323年
392年
456年
617年
681年
867年
130歳
105歳
90歳
70歳
65歳
162歳
65歳
187歳
182歳
930歳
912歳
905歳
910歳
895歳
962歳
365歳
969歳
777歳
930年
1041年
1138年
1232年
1286年
1417年
981年
1649年
1643年
➉ノア
1048年 500歳  
洪水終了1648年
  950歳 1997年
Jセム
Kアルパクシャド
Lシェラ
Mエベル
Nペレグ
Oレウ
Pセルグ
Qナホル
Rテラ
Sアブラハム
1551年
1650年
1684年
1713年
1746年
1775年
1806年
1835年
1863年
1932年
100歳
35歳
30歳
34歳
30歳
32歳
30歳
29歳
70歳
600歳
438歳
433歳
464歳
239歳
239歳
230歳
148歳
205歳
175歳
2150年
2087年
2116年
2176年
1984年
2013年
2035年
1982年
2067年
2106年
 なぜこのように長寿なのか。『古事記』では神武天皇が137歳、崇神天皇が168歳などとやはり長寿なのだが、「創世記」ほどではない。この突出ぶりは何だろう。太祖たちの長寿ぶりについての諸説を挙げておく。
1 この世の始まりなのだから、人間も神のように超人的であった。(信仰の立場から見解)
2 古代人の空想の産物。(民族学的立場からの見解)
3 それぞれ太祖ひとりの寿命ではなく、各太祖を始祖とする部族の成立から滅亡までの年数である(歴史学・民俗学的立場からの見解)
 いずれも仮説・試論の範囲にあるものであるから、紹介に止めておく。

☆『聖書』中の系譜

 『聖書』の中で系譜を述べている文書は、旧約では詩篇類以外の全てといってよい。何らかの形で系譜が述べられている。新約では「マタイ」と「ルカ」が扱っている。
 これらのうち、ある程度まとめて系譜が述べられているのは、
1 「創世記」……アダム〜アブラハムに至る20代の名前を挙げながら、生存年数と息子が生まれた年齢を述べている。物語としては24代ペレツまで書かれている。
2 「ルツ記」……24代ペレツ〜33代ダビデまでが、列挙されている。
3 「歴代誌」上下……アダム〜ダビデ。
4 「マタイによる福音書」……アブラハム〜イエスに至る40人分の名前を、ほとんど物語を挟まずに列挙している。
5 「ルカによる福音書」……イエスから時代を遡ってアダムに至る77人分の名前を列挙している。

☆「マタイ」か「ルカ」か

 ここまでの易学による検証結果を踏まえるならば、アダムからイエスに至る系譜にも、易学的な編集加工がほどこされている可能性は高い。アドバイザー氏は、系譜にどんなメッセージを仕込んだのか。興味がわいてくるではないか。
 ただ、「ルカ」と「マタイ」では、名前と人数に食い違いがある。「マタイ」ではダビデの次にソロモン王を置き、以下ユダヤ王朝の歴代王を挙げている。これによれば、イエスはピッカピカの血筋なのである。
 対する「ルカ」はソロモン王を外し、その兄の系統が挙げられ、何やら「事実は並の庶民の出自でしたヨ」とでも言いたげな風で、さらには「創世記」にはないカイナムという太祖がアダムから13代目に上げられている。
 では、易学が加工の対象にしたのは「マタイ」の系譜なのか、それとも「ルカ」の系譜なのか。

☆「創世記」+「マタイ」の系譜

 そもそもこの系譜を俎上に上げる発端は、「創世記」であった。アダムの死亡年齢930歳が、天地創造六日目の序次13天火同人(てんかどうじん)が示す数の組み合わせであったこと、ノアの箱舟神話も易学によって構成されていたことからである。
 「ルカ」はイエスからアダムまでのすべてを書きつつも、「創世記」とは一部異なる系譜を挙げている。易学が「ルカ」の系譜に関与したのであれば、こういう異なる部分を放置するはずがない。もちろん意図的に矛盾を印象づけることもある。
 しかし、そういう場合には"いわゆる暗号コードですヨ"と、判読できるようなカギを残す。厩、ヘロデ王、三博士、皆そうであった。
 以上から、「創世記」+「マタイ」の系譜が、易学による加工の対象になったと見て、検証することにした。
 「創世記」にはアダムからアブラハムに至る20人、「マタイ」にはアブラハムからイエスに至る41人。アブラスムが重複するから、1をマイナスして計60人となる。ピタリ十干十二支である。アドバイザー氏は、やはり「創世記」+「マタイ」を対象にしている。

☆エノクの不思議

 前掲の「太祖たちの生存年数の表」を見ていただきたい。
 Fエノクの死亡時の年齢だけ極端に短い。ノア以前の太祖は700歳以上なのに、エノクはたったの365歳である。そして、次のメトシェラからノアまで、再び700歳以上に戻っている。とにかくエノクだけ短命なのだ。
 この部分の「創世記」の記述は、
 「エノクの年は合わせて三百六十五歳であった。エノクは神とともに歩み、神が彼を取られたので、いなくなった。」とあり、他の太祖たちについての記述とずいぶん違った表現になっている。不思議である。他の太祖たちの場合、例えば、「イエレドは962年生き、そして死んだ。」と、必ず最後に「死んだ」と結んでいるのにである。
 一般的な神学では、新約の「ヘブライ人への手紙」での指摘にもとづいて、「エノクは敬虔だったので、死の恐怖にさらすのが可哀相だと神は考え、生きているうちにこの世から取り去り、天国に連れていった」と解釈している。こういう形で神学が注意を向けざるを得ないほど、エノクについての記述はゴツゴツと突出しているのである。

☆「52あまり1」

 検証を開始しよう。
 この部分は、易学を持ち出さなくても、推理小説によくある暗号解読の手法で、ちょっと数字にこだわってみると、ある程度までわかるので、まずは易学を持ち出さずにわかる部分を述べよう。

 1 注目は、エノクがアダムから7代目ということと、365歳で取り去ったと表現されているうちの数字である。7代目の7は1週間の日数。365歳の365は1年の日数。そして、365÷7=「52あまり1」、である。
 このきわだった数字は、このように加工する何らかの必要性があったことを示している。易学と関係ないが、ひとりの人物あるいはひとつの事象について、まつわる数字のすべてがきわだった様相を示していれば、
@ それは前後関係の区切りとなると同時に、
A そこから先の展開を読み解くカギを暗示する。
つまり、その部分は暗号あるいはキー・メッセージの機能を持つ、と理解するのは自然である。そこで、

 2 ひとまず、7代目エノクのところで系譜の流れをいったん区切り、次のメトシェラを一人目として数えると、イエスの名義上の父ヨセフまでで丁度52人。イエスが「52あまり1」になった!

≪アダム〜イエスの系譜≫
(1)アダム (2)セト (3)エノシュ (4)ケナン (5)マハラルエル (6)イエレド (7)エノク[365歳の時に神が取り去る]
1@メトシェラ 2Aレメク 3➂ノア 4Cセム 5➄アルパクシャド 6Eシェラ 7Fエベル 8Gペレグ 9➈レウ 10➉セルグ 11Jナホル 12Kテラ 13Lアブラハム[ユダヤ民族の祖]
14@イサク 15Aヤコブ 16➂ユダ 17Cペレツ 18➄ヘツロン 19Eアラム 20Fアミナダブ 21Gナフション 22➈サルモン 23➉ボアズ 24Jオベド 25Kエッサイ 26Lダビデ[ユダヤ建国]
27@ソロモン 28Aレハブアム 29➂アビヤ 30Cアサ 31➄ヨシャファト 32Eヨラム 33Fウジヤ 34Gヨタム 35➈アハス 36➉ヒゼキヤ 37Jマナセ 38Kアモス 39Lヨシヤ[ユダヤ滅亡]
40@エコンヤ 41Aシャルティエル 42➂ゼルバベル 43Cアビウド 44➄エリアキム 45Eアゾル 46Fサドク 47Gアキム 48➈エリウド 49➉エレアザル 50Jマタン 51Kヤコブ 52Lヨセフ
あまり1 イエス・キリスト

☆52人か63人か

 3 メトシェラを含む52人は、次に示すように13人毎に重要人物が配置され、それが4ブロックになる。
 第一ブロックの13人は、メトシェラ〜ユダヤ民族の祖アブラハムまで。
 第二ブロックの13人は、イサク〜ユダヤ建国の祖のダビデ王まで。
 第三ブロックの13人は、ソロモン〜ユダヤ滅亡時のヨシヤ王まで。
 第四ブロックの13人は、エコンヤ〜イエスの名義上の父ヨセフまで。
 ……となる。ずいぶんきれいに揃っているではないか。この規則性は怪しい。13人は、イエスと12人の弟子との合計数でもある。
 もっともこの第二ブロックから第四ブロックまでが同数ということは、「マタイ」にもぼかしながら書いてあることであって、聖書学でも、何らかの作為であろうとしている。事実、「列王記」「歴代誌」に述べられている系譜とは、一部食い違っている。両文書では第三ブロックが16人になっていて、これにしたがうと、13人同数での四ブロックが揃うという規則性が壊れてしまう。

 4 すると、系譜には、アダム〜イエス間を、3人(16−13)加算して、63人とする観点もあることになる。

☆手口が見え見え

 5 以上の各項が解読のポイントであるとすれば、太祖たちの法外な長寿は、
@ アダムの930歳、エノクの365歳を、どうしても確定しておきたかったので、それに応じて他の太祖たちの年齢を大きく引き上げた。
A ひょっとしたら、編集加工以前の原型となる「創世記」の太祖たちの年齢に、エノクの年齢の倍730歳を、機械的に上乗せしたのかもしれない。つまり原型ではノアは220歳、メトシェラは259歳などであったことになる。この仮説ならば並みの人間の長寿者の2倍相当であり、それほど無理がない。
➂ 神はノアの洪水に先立って、「わたしの霊は人の中に永久にとどまるべきではない。人は肉に過ぎないのだから。」とわざわざ述べ、太祖たちの年齢のことは差し置いて、人の一生は120年になったと、矛盾した発言をしている。
 だから、原型段階では並の人間の長寿者は120年、太祖たちはその倍程度であったはずというAの仮説は、きわめて妥当な推理となる。
 そうなると前記の神のセリフ「私の霊は……」は、実に胡散臭いセリフだ。年齢を上乗せしすぎた編集スタッフは、さすがに気が引けたのか、このセリフで年齢上乗せ手法にひと区切りつけたかったのだ。収拾がつかなくなることを恐れたのであろう。手口が見え見えだ。
 C ノア950歳の次のセムが600歳、その次のアルパクシャドからガクンと年齢を落とし始め、アブラハムで175歳と、なんとか並の年齢に近づけるための辻褄合わせに、スタッフは知恵をしぼっている。
……こう分析してみると、最初に紹介した神学や民俗学的手法による長寿に関する諸説は論外である。

A重大な秘密が仕掛けられていた

☆焦点はメトシェラ

 この流れでのポイントは、エノクを記号として読み取らせようとしていることにある。ただ、これほど手の込んだ仕掛けをしたい事情は、いったい何なのかという問いかけを、念頭から外してはならない。どう考えても、この込み入った仕掛けは異常だ。
 「異常だ」という視点を忘れると、下らないマニアックな遊びにしか見えない。もしも遊びではないのだとすれば、重大な秘密を仕掛けたと見なければならない。それは何なのか。エノクに、区切り記号とキー・メッセージ機能とを持たせたとすれば、推理を展開する上での焦点はメトシェラに移る。

☆メトシェラとイエスの相似

 再び「太祖たちの生存年数表を見てほしい。メトシェラは生存年数から言えば、ノアの洪水終了時点でも生きていたことになる。ノアの洪水はユダヤ暦1648年に終了し、メトシェラは1649年に死んだことになっている。メトシェラはノアの洪水終了後さらに一年間存命している。
 ところが、ノアが神の指示で箱舟に乗せた顔ぶれはというと、そこにメトシェラはいないのだ。哀れメトシェラは、洪水のために溺死、ノアは知らんぷり。
 すると……なっ、なんと……メトシェラは死んでも生きていた?しかしメトシェラについては、物語らしいものはない。太祖中で最長寿の969歳だけである。
 ただ、似た人物がいる。イエスだ。十字架刑で死んだ後、三日目によみがえり、四十日目に昇天している。その間自分は生きていると、弟子や信者に姿を見せている。
 この相似は何だ。

☆秘密がありそうな気配

 では、エノクについての説明文「神が取り去った」を、"以下を読み解くためのカギ"と見立てて、"メトシェラ〜イエス間の52人を取り去って"みたらどうであろう。イエス一人が残る。
 残ったイエスはメトシェラの位置に来る。それを、"イエスをメトシェラとダブらせて理解してみよ"と読み直すとどうなるか。わからない。何か大きな秘密がありそうな気配は漂ってくる。
ここまでは、一般的で推理小説的な手法で読み解いてきたが、やはり以下は易学に頼ろう。

☆63人に六十四卦

 十干十二支の60という数字でアダム〜イエス間の系譜を整えた。エノクのところで系譜を操作してみると、メトシェラとイエスとを「あまり1」という意味を介して、重ねることができた。しかし、このままでは後にも先にも展開できない。
 その打開策を示唆しているのが、@太祖たちの法外な長寿の後半「☆52人か63人か」の4で述べた「系譜には、アダム〜イエス間を、3人(16−13)加算して、63人とする観点もあることになる。」である。すなわち63人に六十四卦を配してみる。だが、少し変だ。アドバイザー氏が「列王記」に四人追加して系譜総数を64人にしておいてくれれば、六十四卦がピタリ重なるのに、三人しか追加してくれなかったので、63人になってしまった。1卦あまってしまう。整然とした規則的な数字揃えが得意なアドバイザー氏のことだから、63人に止めておいたことには、何かねらいがありそうだ。またひとつ疑問が増えた。

☆十字架を突出表示

 六十四卦を配してみると、
アダム……序次1乾為天(けんいてん)
メトシェラ……序次8水地比(すいちひ)
イエス……序次63水火既済(すいかきせい)
 イエスの水火既済の中心的な意義は「完成された事業」であり、「家畜小屋(厩)で生まれた救世主」から意味の展開があったことは、Yー@の中で述べたように、ユダヤ暦元年を算出する際のイエスの時代の標識でもあった。
 してみれば、60年ごとの卦の巡りとダブらせて、系譜上のイエスも序次63水火既済の位置にしたかったのだ。その暗黙のストーリーを実現するために、四人追加とはせず、三人追加に抑えたのであろう。これで疑問は解決。
 メトシェラの水地比の中心的な意義は「王様と親しむ民衆」。しかし、卦の図形を見て、私は「あっ!」と、思わず口に出た。十字架である。図11をじっくり見ておいてほしい。水地比は、六十四卦中でただひとつ十字架を連想させる形なのだ。この卦の図形記号を念頭において、イエスをメトシェラとダブらせて把握すれば……。

 アドバイザー氏は、太祖たちの系譜に易学的な加工を複雑に施すことによって、十字架を突出表示したかったのである。そうとしか言いようがないではないか!
 ここから先は章を改めて、一気にイエスの十字架刑へと展開する。

☆トランプの起源か

 その前に、@太祖たちの法外な長寿の後半「☆52人か63人か」のところの3がまだそのままになっている。四ブロックに分けることによって何が見えてくるのか。結論は易学と関係なしであった。
 ただ、「マタイ」の太祖紹介の末尾には「アブラハムからダビデまで十四代、ダビデからバビロンへの移住まで十四代、バビロンへ移されてからキリストまでが十四代である」と、わざわざ思わせぶりな表現を使っている。こういう一見して明らかなサインは、いわゆる暗号コードがしばしば使う"ひっかけ"である。中途半端な読者を拒絶しているのである。私もそれにひっかかったことになる。
 ただ、チャーミングな発見をした。これは一組が十三枚から成るトランプであり、案外トランプの源になったのではないか、という発見である。
 トランプのキング、クイーンなど現在のトランプに表現されたものは、近世のフランス文化の影響が濃いといわれている。トランプそのものは中世以前からあったという説もある。いつ、誰が作り出し、どのように発展したのかについては、確認されていない。タロット・カードの影響もあったろう。ジプシー紀元説、ユダヤ起源説もあるらしい。

☆イエス=ジョーカー

 しかし、こう考えてみたらどうであろう。
イ 社会から孤立した修道院があった。
ロ 来る日も来る日も『聖書』と祈りに明け暮れていた。
ハ 一人の修道院僧がアダム〜イエス間の系譜に、なんとなくひっかかりを感じて、読み返しているうちに、前記3の構造に気づいた。
ニ そして、「あまり1」を真剣に見つめるようになり、「あまり1」に様々な働きを持たせることを思いついた。
ホ タロット・カードを参考にしてトランプ・カードを編み出し、やがてゲームに発展させた。
……この修道院僧は、イエスをジョーカーだと見立てたことになる。
 ゲームの中でジョーカーは他の52枚の何れの代役もするが、本物が出現するとその時点で無価値となる。点数はゼロになる。あくまでも影の存在だ。ジョーカーは「ジョークを言う人」であり、その存在自体がジョークだという意味合いもある。

☆中世に流行る

 修道院僧は、中国人アドバイザー氏がワザを駆使してこっそり『聖書』に埋め込んだ秘密を、易学なしで見抜いてしまった。イエスが「あまり1」の存在であることを知ってしまったのである。鋭い人物である。しかし、イエスの真相を誰にも言うわけにはいかない。
 イエス=ジョーカー説が表沙汰になれば、火あぶりにされてしまう。彼はトランプを制作して、その密かな発見を表現したのであろう。修道院内では温和で静かな微笑みを通しながら、内心は醒めきっていたに違いない。
 トランプは中世前から始まったとされている。イエス誕生から1260年あたりの中世ヨーロッパの一角で流行したとすれば、辛酉革命つまり「1260年毎の大革命」が起きようとしていて、その機運の現れとしてトランプの出現があったのかもしれない。

☆中世は第二辛酉革命か

 この頃、フランチェスコ托鉢僧団など鋭い信仰信条をかかげる僧団が、ローマ教会から自立している。また、キリスト教神学にギリシャの新プラトン主義思想を持ち込み、独自の神学を展開したエックハルトも、1260年頃誕生している。ローマ教会の従来からの教義解釈と権威とは、大きく揺らいでいたことになる。中世を脱して14世紀のルネサンスに向かう助走期でもあった。
 同じ頃、日本では日蓮の活躍がある。中国では蒙古の元王朝が成立している。その蒙古のヨーロッパ侵入も始まった。マルコポーロはシルクロードの旅を始めた。ヨーロッパにとっては、イエス誕生を第一辛酉革命とすれば、中世は第二辛酉革命だったのである。
 21世紀初頭の今から、およそ五百年後の西暦2561年に、ヨーロッパは第三辛酉革命を迎える。易学は、そのシルエットを描き終えている。日本および東アジア諸国は、豊かな自然と共にコツコツ歩んでいけば良いのである。易学はそう言っている。
 イエス=「あまり1」の意味をメトシェラの卦の図形記号と共に、後章で展開したい。胸の辺りがざわめいてきた。

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[ 「過ぎ越しの祭」も「出エジプト」も易学的に構成されている〜十字架はイエスの処刑を意味していない〜

も く じ

〇ごあいさつ

T イエスの誕生年=西暦元年は、 易学の論理で「革命の年」に設定された
@『古事記』『日本書紀』のトリックと西暦元年
 Aまるで説明がつかないローマの見解 B史上初の西暦元年成立論となるか C旧約と新約の要点

U 「東方の三博士」の話には、易学に根ざした九星の論理が貫徹していた!
@九星という年回りを確定する技術
 A方位を限定明記する怪しさ B易学のストーリー構成力を借りて

V 聖母マリアの処女懐胎物語は、司馬遷『史記』のコピーである〜中国文化の影響は易学以外にも見いだせる〜
@多くの人から疑われていた
 A『史記』解釈上の新発見か B墨子の思想はキリスト教と似ている

W 「ユダヤ暦元年」算出根拠は、まさに易学そのものに依っている〜易学の卦を絶妙に展開して文章化している〜
@ユダヤ暦元年を算出する糸口
 A中国人編集アドバイザーを想定すると B徹底的に易学で組み立てられている C序次24地雷復を絶妙に展開して D易学とは何か

X 天地創造の六日間は、序次1〜14と完全に合致している〜『聖書』全体を易学で読み解くべきことを示唆〜
@読み解いて拍子抜けする
 Aアダム930歳の出どころ B一度に三つのメッセージ

Y ノアの箱舟神話は、「新しい時代の始まり」を告げていた〜洪水神話の易学的構成〜
@ノアの家族構成が示すもの
 A絶妙な連動性

Z 太祖たちからイエスにつながる系譜は、十字架そのものを暗示している〜アダムたちの法外な長寿の秘密〜
@太祖たちの法外な長寿
 A重大な秘密が仕掛けられていた

[ 「過ぎ越しの祭」も「出エジプト」も易学的に構成されている〜十字架はイエスの処刑を意味していない〜
@「出エジプト記」は易学で加工されている
 A海が二つに分かれる卦 B十字架は宗教支配の理想的な姿を象徴

\ イエス処刑に至る『聖書』の記述は、『易経』の丸写しであった〜『聖書』は西暦300年代に書かれた〜
@「ペトロが三度拒むと鶏が鳴いた」の卦
 Aすべてがフィクションであった B『聖書』は西暦300年代に書かれた

エピローグ
@なぜ『聖書』を偽作したのか
 Aみなさまからいただいたメッセージ

蛇足〜なぜ私は『聖書』に興味を持ったのか
@母と共益商社とGHQ
 Aキリスト教会に通ってみたら…… B「イマジン」が教えてくれた反キリスト教精神 C男尊女卑は神が決めた! Dオー・マイ・ゴッドの意味〜人間は神の奴隷? E「プリズナーNO.6」〜キリスト教信者は囚人と同じだ! F私の曾祖父は易者だった G人を救うのは真理ではなく、真実だ!

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最終更新日:令和02年08月27日 学易有丘会
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