職員のお気に入りの絵本を紹介していきます。
クラスの子どもたちに読み聞かせた時の反応や、 自分が子どもの時に読んだ(読んでもらった)時のエピソード、 是非おすすめのこの一冊等々、連載したものです。
私が小さい頃、絵本を読んでもらった思い出は、正直あまりありません。(母には、読んであげたでしょ!と言われそうですが・・)
絵本が大好きになったのはこの仕事を始めてからで、その中でも特にお気に入りなのは、「とべ バッタ」の絵本です。まず初めて絵本を見たときに、'なんて変わった絵だろう'と思いました。しかし、お話を読んでいくと、その絵は、なんとも力強くお話の世界へとひきこまれました。絵本の内容は、いっぴきのばったが、へびやかまきりに食べられないようにしげみに隠れて住んでいたのですが、仲間もだんだんいなくなり、びくびく隠れて生きるのも嫌になって、ある日決意して新しい場所を求めて旅立っていきます。その旅の途中にいろんなことがおこるのです。
昨年度、5歳児クラスを担任したとき子どもたちに読みました。すると、へびに食べられそうになる場面では、真剣な顔で見つめていて、話をハラハラしながら聞いているのを感じました。そして、見終わった後、最後の絵を見て「友達に会えたね。」と嬉しそうな顔をしていたのを思い出します。この絵本の中で、私の心に響いた文章があります。
バッタが飛び続け、力つきようとしたとき、自分についている羽根に気づき羽根を使ってとび始めます。それを見た周りの虫たちは、みっともないとび方とばかにします。そのときバッタは思います。
「しかしバッタは、なんといわれようとへいきだった。じぶんのちからでとべることが うれしくてうれしくて しかたなかったから。バッタはとんだ たかくたかく。じぶんのはねで、じぶんのゆきたいほうへ、かぜにのってとんでいった。」
子どもたちにも、自分の力で道を切り開いていってほしいと思います。