4月の慌ただしい日々、新入園児の泣き叫ぶ声も次第に小さくなり、ようやく先生や部屋にも慣れてきた子ども達です。
杉の子保育園は認可後、24年目を迎えます。朝7時から夜22時まで、たくさんの子ども達が長い保育時間を過ごしていると思うと、感慨深いものがあります。保育園に通われる御両親の世代も日々、新しくなっています。保育の制度も次々に変わっていっています。
今月は、長い歴史を持つ、杉の子保育園の歴史にも目を通して頂き、保育園のあり方の参考にしていただけたらと思い、ここにシリーズで掲載していきます。
杉の子保育園は、無認可の時期-親と保育者が共同で運営していく共同保育所と言います-が15年あり、認可の時期が24年ですから、計39年の歴史があります。
無認可の時期が大変長いのは、当時の日本全体の保育所の状況が反映しています。1969年から70年代は、「働く婦人は家庭に帰れ」という風潮が強く、共働きの家庭にとって働く条件は大変厳しいものでした。特に保育所は全国的に少なく、まして、今のように育児休暇が無い時代ですので、産後7週経つと(43日目)、職場復帰しなければなりませんでした。認可園で乳児で預かってくれる保育所は皆無と言ってもよく、大半の母親は働き続けることをあきらめなくてはなりませんでした。全国でも足りない保育所を「公的にポストの数ほど保育所を」つくって欲しいという運動が起こり、当時のスローガンになっていました。当、九大地区でも、看護婦・検査技師をはじめとする「働き続けよう」というお母さん達のエネルギーが組合の婦人部を中心に運動となって始まりました。