杉の子保育園

園便り

Home > 園便り > ~連載シリーズ~ > シリーズ絵本 > かっくん~どうしてボクだけしかくいの?~

「わたしのお気に入り絵本」

 職員のお気に入りの絵本を紹介していきます。
 クラスの子どもたちに読み聞かせた時の反応や、 自分が子どもの時に読んだ(読んでもらった)時のエピソード、 是非おすすめのこの一冊等々、連載したものです。

「かっくん~どうしてボクだけしかくいの?~」
講談社 クリスチャン・メルベイユ 文/ジョス・ゴフィン 画/乙武洋匡 訳
かっくん~どうしてボクだけしかくいの?~

 この原稿を書くにあたって、幼稚園時代に私がどんな絵本を喜んでたのかを母に訊ねると、「読んであげてたけど、あんまりみてなかったよ。それよりも外で遊ぶほうが好きだったし・・」と何だかうまくかわされたような返事が返ってきました。たしかに小さいころの読み聞かせの思い出は、幼稚園で読んでもらってたなーというのしかありません。でも小学校に入ると、自分で字が読めるようになったことと、自由に本が借りられる図書館(幼稚園は週に2回の貸し出しでした)と、本が大好きな友達の影響とで、週に何冊も借りていくほど本が大好きになりました。
 今回紹介する本は、小さいころの思い出の本というわけではなく、たまたま店頭で見つけて(というより乙武さんが翻訳をしていたのにひかれて・・)出会ったものです。
 まんまる家族のなかに一人だけしかくい子が誕生します。おとうさんとおかあさんは「形は違うけどきみのことが大好きだよ」とかわいがってくれるけれど、おじさんだけは「絶対にまるくしてやるからな」といつも言うのです。大きくなってもしかくいままのかっくん・・。坂を転がったり、ぶつかりあったりして楽しそうに遊ぶまんまる君たちをみて、鏡の前で一生懸命に"かど"をとろうとするかっくんの姿に、胸がキューンとしめつけられてしまいます。最後どうなるのかは、ぜひ実際に絵本を手にとって読んでみてください。
 「この世の中(国だけでなく保育園・学校・職場・地域など)いろんなところに、いろんな人がいる。一人ひとり違ってていいんだ、当たり前なんだ」ということをあらためて感じさせられる一冊です。こんな時代だからこそ、まずは、大人の人に読んでほしいと思います。そして、保育園の子どもたちが理解するのはまだ難しいかもしれませんが、もっと大きくなって、この本が本当に伝えたいことを感じとってくれると嬉しいですね。