職員のお気に入りの絵本を紹介していきます。
クラスの子どもたちに読み聞かせた時の反応や、 自分が子どもの時に読んだ(読んでもらった)時のエピソード、 是非おすすめのこの一冊等々、連載したものです。
このお話は、おおやまさんのうちに届いた、おおやまさんのうちのいろんな人・物にあてられたお手紙の本です。
ひらきの左側に手紙が載せられて、右側に手紙をもらった人が描かれています。
「だいすけくんのところに てがみがきたよ」と、だいすけくんの頭の上に紹介してあり、もらった手紙はすばらしい手書きで書いてあります。「だいすけくん、げんきかい ハーモニカふけるようになった? こんどあそぼうね じゃあね」というものです。
はなちゃんにも、「はなちゃん ごきげんいかが? かみのけのびましたか? もうみつあみ できますか? そのうち すてきなリボン おくります さよなら」という手紙がきていて、お父さんのおおやまこうすけさんにも、お母さんの、おおやまはるこさんにも、犬の、おおやまわんすけくんにも、おおやまねこちゃんにも、オオヤマテレビクンにもれいぞうこさんにも、オオヤマ自転車くんにも、こわれためざましどけいくんにもお見舞いの手紙があり、ヤシの木くんにもやねくんにも、ポスト君にもちゃんと手紙がきて、だいすけくんにはもう一度また手紙がきて、手紙って、なんだかわくわくするなあ っとおもっただいすけくんとはなちゃんが「てがみがくるって、わくわくするけど、てがみをだすのは もっとわくわくしそうなきがして、だいすけくんはだれかにてがみをかきはじめ、はなちゃんは、すてきなてがみにおへんじをかくのは、もっとすてきなんじゃないかとおもって、やっぱりてがみをかきはじめたよ。」ということでした。
そして、この本の裏表紙には、便箋と封筒がセットしてあります。
読んだ後、単純な私は、本当にだれかに気軽に手紙がかけそうな気がして、この本と一緒に遠い知り合いに、手紙を書いて送りました。手紙って、拝啓とか、前略とか、時候の挨拶とかそんなものが大事なんじゃなくて、相手のことを思って、どうしてるのかな? とかそんな気持ちでもいいから気持ちを、自分なりに伝えればいいんだー、と、五味太郎さんのあまりにもかざらない手書きの文字と手紙の内容にすごく感動した本でした。五味太郎さんの本はなぜか、とても愉快です。ことばも厳選されていて、子ども達も五味太郎さんのお話はすぐ好きになります。私が手紙と、この本を贈ったという遠い知り合いは、当時悩みごとがあり、元気をなくしていたらしいのですが、おかげでとても元気が出ましたと、お返事をいただき、また私も、とても嬉しい気持ちになった思い出があります。