私は小さい頃それほど絵本を読んでいたわけではなかったのですが、それでも林明子さんの絵本には不思議と引き付けられ、読み終わった後には何だか心があったかくなったものでした。
　今回はそのなかでもとくに好きだった「あさえとちいさいいもうと」を紹介します。
　このお話はお母さんが出掛けている間に妹のあやちゃんがいなくなってしまい、主人公のあさえがあちこち探しまわるお話です。あさえがドキドキしながらあやちゃんを探すところでは「もしも、みかちゃんがいなくなったらどうしよう。」といつのまにか自分のことに置き換えて一緒にドキドキしていました。読み終わった後、妹が気になるのも言うまでもありませんでした。そんな林明子さんの魅力はこどもの表情一つ一つがとても丁寧で豊かなことと、絵本を読むといつでもすぐにこどもの世界に戻れるところです。
　子どもたちにもたくさんすてきな絵本に触れ大人になっても心に残るような出会いをしてほしいと思っています。