ポリプテルス:病気・ケガ

硬い硬鱗(こうりん-Ganoid Scale)で体表面を覆い守るポリプテルスは、白点病・水カビ病などの感染症やスレ傷による二次的な細菌感染に強く、病気になりにくい丈夫なサカナです。 生餌水槽内の細菌など外部からの侵入ルートを気を付けていれば問題ないかと思います。

ですがワイルド個体には高確率で寄生虫 マクロギロダクティルス ポリプテリィが寄生しています。 ポリプティの繁殖力はとても強く気づかず混泳させてしまうと、いともたやすく次々に水槽内のポリプテルスは感染していき、運搬や飼育環境などのストレスで免疫が低下しているところへポリプテリィの大繁殖も重なると死に至ることさえあります。 ポリプティが寄生しているかどうかは、ポリプテルスの体表面をよく観察すれば分かります。起毛綿のように細い虫が動いているのがポリプティ。 凄い危険じゃん!何とかしなくちゃ!なんて騒がずとも、きちんとした飼育を行っていれば問題ありませんし、長い年月飼育し続ければとのうちいなくなってたりもします。

市販の観賞魚用 治療薬品にも必ずと言っていいほど明記されている注意事項「古代魚には使用しないでください」 古代魚って結構な種類がいてそんな広範囲でいいのかなとも思っていますがポリプテルスも治療薬品に弱いらしい。 アクアリウムはじめました!な当初、やっぱり感染したとこがありまして、規定量の半分 もしくはそれ以下の量を使って短期間で薬浴して水換えで様子見てれば大丈夫!と助言をもらい、さっそく実行しました。 最終的には薬浴でトドメ刺した感じになってしまいました。もしかしたら隔離先の水槽に問題があったのかもしれない。

ポリプテルスのかかりやすい病気・ケガは以下のようなものがあります。

細 菌 エロモナス病 別名:立鱗病、ポップアイ、穴開き病

体表がガサガサし色が悪くなる、鼻孔が赤くなる、目が飛び出る、皮下出血による赤斑、ウロコが逆立つ など
カラムナリス病 別名:エラ腐れ病、尾腐れ病、ヒレ腐れ病、口腐れ病

ヒレの先が白濁や扇の骨組みだけの状態、口の周辺がただれる、淡黄色の粘液物がエラにつく状態など全体に溶ける
寄生虫 イカリムシ 体表面やエラに 細く短い糸状のものが体に突き刺さる
チョウ 円形の5㎜前後のものが付着

体を底砂などに擦りつけて 痒がるような動作をする
その他 スレ傷 飛び出し事故やケンカなどによる、スレ ヒレの裂けなど
転覆病 引っくり返りおなかとを上にし、水面に浮上 もしくは水底に沈んだ状態のままになる
マクロギロダクティルス ポリプテリィ 体表面に糸のような、起毛のワタのようながものが付着して動いている
目の白濁 目が白く濁っている
ミズミミズ 水槽のヘリや水中に細い虫が動いている

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突然メールで 体表面が赤くなってます この薬品使えば治りますか とか ヒレが避けたので効くやつ教えてください ていう質問がきます。 過去の経験から使いたければ用法・用量を守って自己責任でお願いしますと投げやりな返信。

ごめんなさい。とりあえず飼育水槽の状況が全く分からないです。薬浴してたのはかなり昔の話で今はもう水換えだけで対応しているので薬品使ってないとか言ってみたい。薬浴を前提の内容なので微妙に困ります。 暴れて鼻管ブラーンで千切れそうなってても 胸ビレ食いちぎられても 二次感染の予防に ちまちま水換え生活してるだけです。治療というよりポリプテルスの体力に賭ける感じ。

ポリプテルスあるあるで昨日まで元気だったのに翌日ポックリ他界。これが本当かどうか都市伝説的なものだけど原因は薬浴による薬品成分が蓄積したものだとか。 あくまでも観賞魚用の薬品なので成分に発ガン性や変異原性があったり、骨と結合して魚体内に残留する副作用があるようです。 本当にそれが原因で他界したの誰か確かめたのかなと思いつつ あながち間違ってない気もして使わなくなりました。使ったとこで治癒速度変わらない気もする。

薬浴代わりに塩水浴ってのもありますがポリプテルスは塩分に対する耐性が低い非塩耐性魚なので塩水浴禁止てのがチラホラ。魚類の進化歴史は、最初期に海水域で登場し、その後 淡水域に生息域を広めて適応進化し、再び海水域に戻りました。このとき海水域には戻らず淡水魚のままで終わったグループが一次的淡水魚。 ここにポリプテルス科Polypteridaeやアロワナ科Osteoglossidae コイ科Cyprinidaeナマズ科Siluridaeサンフィッシュ科Centrarchidaeパーチ科Percidae、ちょっと別グループの肺魚類Dipnoiなどがいます。 それに対し淡水域で適応進化してから海水域に行き、再び淡水域に戻った塩耐性のあるグループが二次的淡水魚。メダカ科Adrianichthyidaeなどが当てはまります。どう進化したかで耐性に違いがあります。

ポリプテルスの塩水浴禁止話は こういった内容からきたのかと思うけど、二次的に比べたら一次的淡水魚が耐性が低いだけでコイ科の錦鯉も金魚も塩水浴は普通に行われています。 ちょいちょい塩水浴させてますが特に支障みられません。何が正解なんだろう。

塩で対応してみる?