◆アカテガニの集団放仔が行なわれる大潮の夜は、同時に満月(あるいは新月)のタイミングでもあります。
この日は、雲一つない満月の夜。このままカニだけを見て帰るのは忍びないという思いから、夜の剱埼灯台へと向かうことにしました。
平日は昼間でさえ人の訪れることのない剱崎。夜ともなれば全く人はいないだろうと考えていたら、先客が2人。…考えていることは同じのようです。
軽く会釈を済ませ、互いにソーシャル・ディスタンスを保ちながら、潮騒だけが響く月夜の台地に身を委ねました。
誰も音をたてたり、大きな動きはとらず、ただひたすら黙して、月と灯台の光の軌跡だけを目で追うのです。
ずっといつまでも続いて欲しい、贅沢なひと時でした。
※地名は「剱崎」、灯台名は「剱埼」が正式です。誤植ではないので念のため。 |