海風通信 after season...

決死の放仔行動




◆大潮の夏の晩、森に棲むアカテガニたちは、お腹に抱えた我が仔を海へと放つため、危険を顧みず海岸へと降りてきます。
 ここ江奈湾では、森と海の間に県道が立ち塞がり、その行動はまさに死を覚悟せねばならぬほどの危険行為。それでもなお、次々とそして黙々と歩みを止めないカニたちの姿には、健気さとともに大自然の力強さを感じます。
 アカテガニの集団放仔行動は小網代湾が有名ですが、江奈湾は人間世界に非常に近い地域で共生しているという点において興味深く、ある意味、人と生物との奇跡的な環境バランスを維持してきている稀有な場所であるとも言えます。
 この地域は、本当にいつまでもこのままの状態でいて欲しいと切に願わずにはいられません。そして新たに道路を改修する際は、是非ともカニさん用のアンダーパスを!
(2017年08月08日撮影)