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おおきいなかま、あつまれ~!

 保育者と父母を結ぶ雑誌「ちいさいなかま」の紹介をします。
 「ちいさいなかま」を読んで感じたこと、思うことを伝えたい! そんな気持ちをお届けする連載です。

2017年8月号
2017年8月号

 朝から、せわしくセミの鳴き声がしています。夏真っ盛りですね。 園庭でも、時折、子どもたちがセミの抜け殻を見つけては「見つけたよ」と見せにきてくれます。
 今回のちいさいなかまの表紙は、そんな暑い夏に対して、涼しげな海の中の世界が描かれています。 『表紙のお・は・な・し』で、その物語が毎月紹介されています。 私がクラス担任しているのは、れんげ組で、今、大人がしていることを真似したい気持ちがいっぱいです。 布団の片付け、くま人形を寝かしつけ、絵本の読み聞かせなど、どれも身近な大人がしているのを見て、子どもたちなりに再現しているのを見ながら癒されている今日この頃です。 「ちいさいなかま」は、毎月1日に配布されます。 配布されている時、1歳児クラスで、お父さんやお母さんが、自分の子どもに、このちいさいなかまを渡している所をよく見かけます。 受け取った子どもたちは、大人がするように、膝の上に冊子を乗せて、1枚1枚めくったり、時折「アッター」などの言葉に保護者の方が「そうね」と受け止めてやりとりしているところも… 子どもと一緒に、「ちいさいなかま」を読みながら、表紙には、こんなお話があることを聞かせてあげるのも楽しいかもしれませんね。
 今月号も「子どものキモチはどこにある?」「きょうも、ぽっかりスィートで」「子どもが健康に育つには」などなど… 内容盛りだくさんのちいさいなかま。 読んでいると、必ず心のどこかで、この言葉良いなぁと感じたり、そうだな、と共感するところが出てきます。 今回、私が心に残ったのは、「読者のページ」でした。 悩みを抱えている保育者から、低月齢の子にどう関わっているかについての投稿でした。 その保育者は、発達段階を考慮して、介助が必要なことは理解していても、実際に散歩の帰り道で、ぐずって歩きたがらない場合、一人だけ抱っこしてあげるなどの特別扱いは、他の子への影響を考えると、避けた方がいい気もする、と悩んでいました。 私は、読み進めていくと、その保育者が、その子の気持ちを分かって受け止めたい思いが伝わってきました。 集団で生活する保育園ならではの悩みだと感じます。 話が少し変わりますが、私は6月に、全国保育問題研究集会に参加させてもらいました。 全国から大勢集まった保育士が、保育のテーマを基に議論し合う場があるのですが、この抱っこに関する悩みが話題に上がっていました。討論の結論としては、一人ひとり、抱っこする時間があっても良いのではないかという話になりました。 抱っこしてもらって、気持ちを切り替えて、次の活動に向かうことのできる経験が、次に、他のお友だちが抱っこを求めたときに「だっこしてほしいときってあるよね」って、言葉ではなくても気持ちで感じられるのではないか。 それが、他の子たちを受け入れる土台を作っていくのではないかという話でまとまりました。
 「ちいさいなかま」は、全国からの読者の思いが、たくさん詰まっています。 色んな情報や保育実践を自分の中に取り入れて、これからも”子どもの育ち”について、学んでいきたいと思います。