保育者と父母を結ぶ雑誌「ちいさいなかま」の紹介をします。
「ちいさいなかま」を読んで感じたこと、思うことを伝えたい! そんな気持ちをお届けする連載です。
かわいいハイハイ、ニコニコ走り回る姿、お父さんやお母さんとの素敵な絵画を、仲間と真剣に取り組む眼差し……子ども達の様々な表情を見るとができた運動会も終わり、秋らしさがグッと深まってきました。散歩などあまり戸外に出る機会のなかったたんぽぽ組の子ども達も、秋風を感じながら園庭で砂に触れたり、他クラスの子の遊びに興味を示したり、散歩先では、芝生や茶色になった葉っぱや、まつぼっくりに触れたり、新しい出会いを経験しているところです。
今月も興味深いものが満載の「ちいさいなかま11月号」ですが……『ただじゅんのあそびごっこ』(p50)の「耳をすませあそび」。うんと“音”を楽しむ遊びがいくつか紹介されています。コラムには、「声が届くとは、大きな声ではなく、伝える意思のある声です。相手の話をよく聞くという力も、遊びの中で育つ力です。」とあります。聴いて欲しい時、やみくもに大きな声を出したところでそれほど耳を傾けてはくれません……。伝えたい思いがある時ほど、「聞こえるかな……」というぐらい小さな声で語りだすと、グッと集中して、こちらに視線を向けて聴いてくれます。その目力にこちらが吸い込まれそうになることも。四六時中、耳にする様々な音や大きな音があふれる毎日の中、こちらの伝えたい意識や想いを相手に届ける手段として、どんな声・音の使い方がいいのか試行錯誤しながら過ごしていたな……と昨年ひまわり組を担当していた時のことを思い出しました。泣いて意思表示をするばかりだったたんぽぽ組の子ども達は、今指さしや「アッ!○△※☆…」「ンガッ!」などの言葉や、しぐさでたくさんの思いを伝えようとしています。そんな言葉にしっかりと耳を傾け、子ども達の伝えたい気持ちや思いに寄り添っていきたいなと思います。
今月号の特集にもなっていますが、今年2015年4月、「子ども・子育て支援新制度」がスタートしました。スタートして早7ヶ月ですが、いろいろな施設・事業所があったり、保育時間に差があったり、保育所職員の処遇面で悩ましかったり・・・問題点やわかりにくい事がいろいろとあると思いますが、特集では新制度の特徴や問題点など、わかりやすく解説されています。すべての子どもにとって安心・安全に過ごせる毎日が保障され、国や自治体の責任のもとでの保育制度をよりよいものにしていけるようにと、請願署名も始まっています(今一度、請願趣旨を読んでみてください)。この制度が施行されるにあたって、子どもの事・日々の食事・睡眠・友達との関わり・保育園の現状・働く保護者の事・働く保育士の事……どれほど理解している人が関わって来たのか?子ども達の未来を、人間形成をどう捉えているのか?と疑問に感じています。
だからこそ、「政治に無関心でいることはできるけど、政治と無関係でいることはできません。」(p21)の言葉のように、政治と向かい合い、国の動向にしっかり関心を持ち、時には声をあげることが、これからを生きていく子ども達に残せるものなのかなと感じます。
「ちいさいなかま」をまだ購読されていない方、興味のある方は見本誌があります。ぜひご覧ください!