保育者と父母を結ぶ雑誌「ちいさいなかま」の紹介をします。
「ちいさいなかま」を読んで感じたこと、思うことを伝えたい! そんな気持ちをお届けする連載です。
先週、年長児の合宿が無事に終わりました。今年は川遊びを中心とした活動に取り組み、木材を使った舟を一人一人作ったり、ペットボトルや牛乳パックを使った“いかだ”を作りました。合宿当日は、見事に梅雨明けして、川遊び日和…。舟といかだを持って猪野川へ行きました。自分の舟を川に浮かべて流した瞬間の子どもたちのはじけるような笑顔は今でもしっかりと焼き付いています。「ワァー、浮かんだ~」「はやいよ~」「もっと上から流してみようか」と、子どもの好奇心が広がっていく姿を見て、改めて“自分で体験する”ことの大切さを感じました。
「ちいさいなかま8月号」の『なんでもアート』というコーナーに、『流れ出る水の力で動く舟』が掲載されています。使うものはペットボトルや浅い容器など、いつも捨ててしまう廃材ばかりで、私も早速作ってみました。が、結果はうまく動かず…。「なんでうまくいかなかったのか?」「どうやったらうまくいくのか…」等、子ども自身が考え、工夫していく力をつける事は大事な力です。それにはやはり、“経験”が必要だと思います。舟の作り方は簡単なので、ぜひご家庭で子どもと一緒に作ってみてはどうでしょうか?
今月は、増刊号も付いており、『みんなで食べるとおいしいね』という“食育”がテーマになっています。掲載されている実践にもありましたが、「給食で苦手なものでも、これだけは食べて欲しい」と、日々、保育者は子どもと向き合っています。が、保育者の方が必死になりすぎると、子どもはもっと食べる気持ちをなくしてしまい、「食べることが楽しい!」なんて思えるはずはありません。先日、4歳児クラスでこんなことがありました。食事への意欲が少なく、好きなおかずの時以外は、量を減らして食べきるまでに時間のかかっていた子がいました。いつもは、保育者が「これぐらいなら食べられる?」と聞きながら、量を加減していましたが、その日は、「自分で食べられる量を決めて、減らしてみる?」と、自分で加減させてみました。「どんなに少なくしても、口出ししない!」と心に決めて…。すると、半分ほどに自分で減らして、すぐに食べきり、おかわりまでしたのです。「そんなに早く食べられるなら、減らさなくても…」「必要な栄養は摂れているのかな」そんな思いも一瞬よぎりましたが、「もう食べたよ! すごいでしょ?」とピカピカになったお皿を誇らしげに見せられると、「やっぱりこれで良かったんだ」と確信しました。食べさせられる食事よりも、たとえ少しの量でも、「自分で食べた!」と思える体験の方が、子どもの育ちに必要なのかもしれません。
保育をする中で子ども達に教えられることがあり、保護者の方との関わりの中で学ぶことがたくさんあります。これからも、子どもを中心に「どんな育ちを目指していくのか」保護者も保育者も一緒に心を開いて話していける関係を築いていきたいです。