03-31
●しまった。朝から原稿を書いてたら、参院NHK予算審議を録画するのを忘れてしまった。うわっ、4時半「いま田原先生と打ち合わせ中だが……」と電話。すみません、まったく勘違いして、すっぽかす結果に(関係者にメールで謝り、夜、田原に電話で謝る)。6時まで原稿書き。夕6時半、TOKIO ACT2ファイナルコンサート@武道館。深夜2時頃までメール書きほかいろいろ
●編集協力費処理で不手際 武富士から5千万円 週刊朝日。これはひどい。「結果的に」なんて言い訳は一切通用しない。カネをもらった広告ページに「広告」「××提供」「Presented by ××」などと必ず明記することは出版人・編集者の最低限の常識。「編集協力」でもダメ(通常は、たとえば坂本が田原総一朗の本を報酬を受け取って手伝ったとき、奥付や目次の末尾に「編集協力・坂本」と書く。この場合カネを払うのは出版社。出版社がカネをもらうヤツを「編集協力・××」とは書かない)。あとから展覧会で名前を出すなど聞いたことがないムチャクチャな対応。記事を出したその場で、読んでいる読者に「カネもらってます」と伝えなければ騙しであって、詐欺同然。GALACなんという少部数の雑誌で、もらうカネは数十万円以下でも、細心の注意を払ってやっていること。編集長はむろんクビ、朝日新聞社で週刊朝日を直接見ている部門トップも辞任が相当の大スキャンダルです
●週刊朝日は武富士から事前に5000万もらい、黙って記事をつくる。NHKは政治家に事前に相談し、黙って番組を変える。どっちも腐っている、というほかはない。こういうことがあるから、政治介入問題で「朝日新聞に基づくと、という主張をするな」と繰り返し書いているのです(私の主張は、安倍晋三の証言だけに基づくもの)
03-30
●当サイト読者に大サービス!! イースト・プレス刊「徹底検証! NHKの真相」目次を本邦初公開!! NHKのみなさんや国会総務委員関係者のみなさんが日々当サイトをチェックされているとのこと、お疲れさまです&ありがとうございます。コピーのうえ回覧などご随意に
●NHK本の作業が手離れ。ある民放重鎮と電話で話したら、発売日を聞き「まだ先でよかったな、NHKは。昨日今日の発売だと明日国会で本を振りかざして、『受信料の矛盾が、ここにこう書いてあるじゃありませんか』とやられただろうから」と。NHKムックには(中間)管理職の具体的な証言も入っていますから、ぜひお読みを。文春を目の敵にするNHK上層部が、報道の現場に「ニュースで芥川賞を取り上げるな」と指示を出していた話も出てくる
●自民党筋が「受信料に強制力を」という花火を打ち上げていますが、特定政党にしかお伺いを立てない放送局の視聴料を罰則付きで全国民に負担させるなどというバカな話はありえない。ただ、一連の動きの中で政治が、与野党を問わず、NHKにさまざまな側面から圧力を強めコントロールを強化しようとしているのは確か。NHKの問題を追及することと、政治家にNHKを好き放題叩かせることは峻別し、後者はNHKのために排除して、放送局の自律を図らなければなりません
●99年から講座を持った日大芸術学部の教え子で、母親第1号が出現する見込み。モルジブに行ったハネムーンベイビーらしく「TSUNAMIという名前でもつけるかと冗談を言っていたわけでございます」というから、「男なら守真虎だろ、やっぱり。主魔虎でもいいが強そうすぎ」などと返信
03-29
●資料整理、急ぎの原稿書き。6時半、NHKムックの青焼きが届く予定。8日見本出来。13日頃から書店に並びます。書店からの注文が1万何千だか来たそうで出版社は強気。このご時世に初版2万3000部だそう。坂本のほか執筆者・インタビュー登場者は、NHK関係者、田原総一朗、石井一(民主党副代表)、川崎泰資、浅野健一、小中陽太郎、小田桐誠、丸山昇、安井陽、星野陽平ほか。仮タイトルは「徹底検証・NHK大論争!――海老沢辞任では終わらない! 大手マスコミが報じない『NHKの真実』」とかなんとか
●いま出ている雑誌で、坂本が関係しているものを紹介しておきます。放送レポート193号(緊急アンケート 私が考えるNHK改革案)、特選街4月号(『特選街』でしか読めない[デジタル時代の(超)辛口コラム]30連発!)、日経マネー5月号(「この人のブックマーク」で作家の真山仁が当サイトを紹介してくれています)
●もうすぐ出るのは、月刊民放4月号(守ろう!放送法)、GALAC5月号(お騒がせ史6ページ)、GALAC6月号(ニッポン放送・フジテレビvs.ライブドア、6ページ21枚)、サイゾー次号(デジタル家電)、フォーサイト次号(地上デジタル放送)、イースト・プレスNHKムック、日芸(日大芸術学部)放送学科紀要「放送と表現」(テレビの原理と放送局。当サイト同タイトルのバージョンアップ版)など。産経新聞のNHK問題連載はライブドア問題で延期だそう
●準備ができしだい、サイゾー先月号掲載「NHK報道局記者絶対匿名座談会」(司会/構成は筆者)を当サイトにupします。NHKの報道現場が壊れてしまっていることを如実に示す生々しい証言です(注 これとイースト・プレス本に載るものは、登場する人物が別)
●今回のPCトラブルを奇貨となし、サイトの制作環境(PCドタバタメモ)なるページを仮up。兼高聖雄に監修を頼んでいるが返事が来ん
03-28
●11時、新潮社フォーサイト堀口晴正@神楽坂ジョナサン。次号で2p地上デジタル放送について書くことに。1時放懇・GALAC編集部。小田桐誠、中島好登、福島美子、久野明とイドンカルビで昼食。午後、青焼きチェックを手伝う。3時、月刊サイゾー小林稔和(ATOK2005は「稔和」の名前を変換できる。エライ)、ライター松嶋拡の取材。地上デジタルで必要になるテレビ受像機その他のデジタル家電やCATV施設などハード面をどう考えればよいか、という話。次号の特集の1つ。夕方、久しぶりに日本印刷・成田勝也と遭遇。月評会の日で、藤田真文、鈴木典之、麻生千晶、兼高聖雄らとご挨拶。8時前帰宅
●ATOK2005は、最初に当サイトの主要ページを読ませて辞書を強化済みなので、上の人名(過去にこの欄に書いたことのある名前)をすべて一発で正しいものに変換します。放送関係の用語なども同じ。これは便利
03-27
●人材育成に「琵琶湖塾」を開講 塾長に彦根出身の田原氏
滋賀県内の自治体やNPOなどで活躍する人材を育てようと、滋賀総合研究所は来年度から、社会人や学生を対象に「琵琶湖塾」を開講する。塾長は彦根市出身のジャーナリスト田原総一朗氏が務め、各界の第一線で活躍する人の講演や、塾生による研究発表を行う。
初年度は「生きる−21世紀の視点と行動力」を年間テーマに掲げ、地方分権や環境、福祉などについて9回開くことにしている。初回は田原氏、2回目以降のうち5回は同氏と親交のある著名人が講演し、3回は塾生が論文を発表する。各回とも、意見交換や討論に重点を置く。
塾は6月末に開講の予定で、月1回、夜に約1時間半、大津市のピアザ淡海か彦根市の県立大で行う。初年度は、420人の塾生を募集する。講師の顔ぶれや受講料は4月末までに決める。
県は来年度、同研究所に対し、講師への謝礼金や資料作成費などの塾運営費として530万円を補助する。県企画調整課は「強い個性を持つ講師の話を聞き、社会観や倫理観を豊かにしてほしい」と話している。
●以上、京都新聞3月19日記事。たいへん恐縮ですが、琵琶湖塾・副塾頭は田原の指名により東京出身の私が務めさせていただきます。よろしくお願い申し上げます
03-26
●イースト・プレスという出版社から、4月中旬にNHK問題を特集するムック本(別冊宝島をイメージしてください)が刊行されます。冒頭20p近くを費やしたNHK現役記者らによる証言(驚くべき内容といっておきます。坂本が複数に長時間インタビューをし、編集者にすら誰であるか教えていません)、NHK報道の問題点(たとえば東京発NHKニュースに海老沢・前会長が登場した回数は年間200回以上!。これが受信料で運営されるみなさまのNHKニュースの実態です)、受信料の問題点(不払い・保留・滞納・解約は200万件以上! 札幌市内の契約率50%程度、日本全国の契約率は6割台かそれ以下!)などの項目を坂本が執筆(400字120枚くらい)。巻末に田原総一朗インタビュー。今日、坂本担当分の校正戻しを終了
●NHKでは現理事らによる最後の粛清が激しさを増しています。昨年12月4日、私もパネリストを務めた日放労フォーラムに出席したNHK職員全員の名前が調らべ上げられ(特定され)、目を付けられています。あれだけの問題が露呈したのに、ETVチーフプロデューサー以外のNHK職員が(新会長・副会長を除き)誰一人として内部の事情を語らないのは、そのためです。4月上旬の経営委員会で現理事を全員退かせる決定をしなければ、NHKはもう持たないでしょう
●机上の新PCにホームページ制作ソフトを入れるにつき、機能はこれまでのホームページビルダー2001で十分(最新版の9にバージョンアップしてもxhtmlには対応しておらず、どのみちサイト管理・FTP=更新通信用ソフトとしての使用が主)だが、Windows XPに対応していないため、フリーソフトを使ってみることに。HTML Project2とFFFTPをダウンロードしインストール。どちらもよくできており、たいしたものです
03-25
●2時イースト・プレス打ち合わせ、校正刷り受け取り。琵琶湖塾の件その他で「5時すぎ」ANAホテルで田原総一朗と待ち合わせるも、6時20分になっても現れず。途中フロントあたりにいるのが見えたので、前の会合が終わってこっちに来るかと思ったら行方不明に。夜、電話あり、何か勘違いしたらしい。夜10時、某編集部の編集者が突然自宅に現れて、妙なことをいうので、「編集長から電話させろ」といい、会わずに帰らせる。編集長と電話で話し、でたらめすぎる対応のため原稿取り下げ(掲載中止)
03-24
●明け方20枚分ざっと書いたが、どうにも眠く少々寝て9時過ぎup。3時30分(仮タイトル)「月刊田原総一朗」打ち合わせ@ANAミーティングルーム。田原総一朗、坂本隆(元週刊ポスト編集長。私が20年以上前、初めてポストの仕事をしたときの編集者。「いまからでも間に合うスキー場」とかなんとかいう企画だった)、二木啓孝(ふたつき・ひろたか。日刊ゲンダイ・ニュース編集部長)、アスコム高橋克佳以下スタッフ5名。田原責任編集長・坂本(私)副編集長(責任編集長の代行というか、田原のおもりというか)・高橋編集長代理(実務上の編集長)という役割分担。5時過ぎ、ANA地下プロミネンスで「危機管理都市推進会議」(切迫する首都直下地震の危機に際し、首都機能を分散移転・バックアップする都市建設構想)、引き続きレセプション。衆院議員石井一、都市プロデューサー梅沢忠雄ほかとご挨拶。海江田万里、小里貞利、菅直人らが登壇・挨拶し、鳩山由紀夫が乾杯。鳩山「私は近頃、ナマズ男と呼ばれている。福岡の地震のとき九州に、中越のとき新潟にいた。考えてみれば、奥尻、十勝のときも北海道にいた。決してジシン過剰でいうのではありません」とかなんとか。北海道に行っていた小川和久も登壇し、危機管理につき熱弁
03-23
●2時30分、報告書up。神楽坂で受け渡し。今日GALAC校了日だが、どうしてもここまで執筆時間が取れず、放送お騒が史6p分22枚を夜までに書き入稿。引き続きイースト・プレスの原稿書き20枚
●各方面から「坂本は死んだのか?」「インフルエンザで寝込んだ?」とご心配いただき、誠に申し訳ありません。ありがとうございます。生きています。忙しく仕事をしております
●4月上旬発売のNHK関係のムック、進行中の単行本2冊ほか、ある問題で「政府を説得する」ための報告書40ページを書く必要に迫られ、この国のためも思って寝ずに書きました(テーマや提出先は当面伏せます)。今週いっぱい2〜3時間寝ては起きての生活が続きます。本当にすみませんが、よろしく
●DELLパソコンと19インチモニタは極めて順調。ただしホームページ制作ソフトだけは、時間が取られるので敢えてインストールせず、現在ただいまも子どものPCから打っています。ところで、実に驚いたことに、15インチ液晶モニタ(ブラウン管換算で17インチに近い)が「まったく話にならないほど」小さく、使いにくく見える!! DELLの19インチモニタは安いときだと3万6000円、本体は6〜7万円から。私の構成でも総額15万円前後、リースにすれば5000円×48か月程度のはず。みなさんには、少し無理をしても19インチ画面に更新されることを、強くオススメします。仕事がすごくはかどる。次の更新時には、オススメPC・ソフトのキモを、新しくページを作って全面公開します。以上取り急ぎ
この間のメモはヒマなとき入れます
03-04
●小川和久と昼食がてら打ち合わせ@ホテルオークラ別館。6時TBS、VTR録り。ライブドアvs.フジ・ニッポン放送問題。明晩のブロードキャスターで放映予定。ワープロで原稿書き。遅い。予定ではこのクソ雪の中、PCが届くはず
03-03
●ワープロで原稿書き。遅い。このままでは通せない!人権擁護法案〜緊急記者会見・アピールのお知らせ。以下、回ってきた文書をそのまま張り付け
●今月中旬、2年半前に廃案となった「人権擁護法案」が国会にふたたび上程されます。この法案では人権委員会を法務省の外局として設置することが提案されており、さらにメディア規制の規定は当面凍結するものの、削除されないこととなりました。
●人権委員会は行政から独立したものでなければならず、法務大臣の所轄に属するという今回の法案には大きな問題があります。国連が難民と認定したクルド人を強制送還(1月18日)するという法務省に人権救済を託してもいいのでしょうか。日本政府に対し、独立した第三者機関の人権委員会を設けるよう勧告した国連規約人権委員会の決定、またパリ原則にも反するものです。
●メディア規制の項目は削除ではなく、なぜ凍結なのか。その背景にはメディアを管理しようとする政府の意図はないでしょうか。凍結はいつ解除されるかわかりません。いったん解除されれば、メディアの取材、報道に対して政府による介入の道を開き、表現の自由や国民の知る権利を脅かすものとなります。この項目は削除すべきです。
●人権侵害の救済への取り組みは必要です。しかし、伝えられる法案の中身のままでは重大な欠陥があるといわざるをえません。このまま国会へ上程されることには強く反対するものです。
日 時 2005年3月8日(火)11:30〜12:30
場 所 参議院議員会館 第一会議室(会館入り口で通行証をお渡しします)
呼びかけ人・団体(順不同)
浅野健一(同志社大学・「人権と報道・連絡会」世話人)、 天木直人(元レバノン大使) 、飯田正剛(弁護士・自由人権協会理事) 、石塚聡(マスコミ市民副編集長)※、 岩崎貞明(放送リポート編集長)※、魚住昭(ジャーナリスト) 、岡本厚(世界編集長)※ 、小田桐誠(GALAC編集長)※ 、鬼塚忠則(入管問題調査会・弁護士) 、海渡雄一(監獄人権センター事務局長・弁護士)※ 、桂敬一(立正大学教員・日本ジャーナリスト会議)※、越川健一郎(サンデー毎日編集長)※。斎藤貴男(ジャーナリスト)、坂本衛(ジャーナリスト)※ 、篠田博之(創編集長・日本ペンクラブ言論表現委員会副委員長)※、田島泰彦(上智大学教授)※、寺中誠(アムネスティ日本事務局長)※、野中章弘(ジャーナリスト・アジアプレス)※、 原寿雄(ジャーナリスト)、日隅一雄(弁護士・東京第二弁護士会「報道と人権」部会長) ※、山田サトシ(ダカーポ編集部)※ 、吉岡忍(作家)※ 、出版労連/新聞労連/民放労連※(※は発言予定者。事情により変更する可能性もあります。ご了承ください)
●問い合せ先 アジアプレス・ネットワーク(APN)03−3467−8991
03-02
●ワープロで原稿書き。遅い
03-01
●当欄02-26の項目につき、兼高聖雄より補足メール。以下そのまま無許可転載します
●思うに、アプリ(特に市販のもの)及びOSは、年々肥大化する傾向にある。これはCPUの速度アップとHDDの容量の増大と、まあニワトリとタマゴの関係にあるのだと思われる。したがってクロックアップ、HDDの拡張を定期的に行わないと徐々に「時代遅れ」感が増すのが残念ながら現状。
●その意味で僕はいつもシステム用HDD(OS、アプリ本体、キャッシュ)と、書類などオリジナルデータ用ディスクは「別にすべき」だともーしあげてるわけでつ。ワープロソフトで文書を作っていたとしても、どうしてもディスクは断片化をおこす。これが処理速度低下の原因になってゆく。またバックアップ対策も常にしておくべきことは、今回のあぼーんでよき教訓になったともいえる。そのためにも実はMy Documentsはシステムとは別のHDDがいいのだと僕はおもっていまつでつ。
●ところでMacの場合は、存外ハードが安定しています。マウスとキーボードをのぞけば、平気で10年走ることがザラ。OSも新版をインストールして平気で動いたりします。その分、値段はやや高いですがね。
●ノートパソコンはどーすればいいのか。実はHDDが簡単に取り出せるそうです。というより、購入時に、HDDの換装が自分でできるか聞くべきだと どっかのblogに書いてありました。多くの方は「一体」だと思っているようですが、やっぱり買い換え時には取り出すべきなんですね。もうすこし情報を収集してみませう。
●周辺インターフェースですが、IEEE1394(別称Fire Wire:ソニーはiLink)は、基本的にはDV機器接続という認識が多く、Windows系のマシンでは「オプション」のことが多いようです(Macは標準)。しかしPC画像編集が広まるにつれ、搭載する機種は増加中。USBが現在スタンダード(高速なバージョン2.0が主流)ですが、速度はほぼ同じ。大容量一括転送時はIEEE1394の勝ち。外付けの場合はポータビリティ(WinでもMacでもUNIXでも認識できて持ち運び便利)をとると有効ですね。
徒然・・
02-28
●原稿書き。5時@ANAシャンパンバーで田原総一朗。イーストプレスNHK問題ムック(4月上旬刊)の取材とびわ湖塾の随筆について。その後、放懇に顔を出し、久野明ほかと太公望
02-27
●原稿書き。昨日のPCに関する記述は、とくに2台目以降を買う人におススメ。本体が安いから、ソフトにおカネをかけることができます。決定的に大事なソフトは、私の場合はワープロ(当然、国産の一太郎。外国製の日本語ワープロを平気で使う人間の気が知れないし、それを使いながら「愛国心」などというヤツはなお信用できない)、ファイアウォール&アンチウイルス(Norton)、仮想CD(CD革命。辞書・百科事典・音楽その他CD-ROM十数枚をハードディスクに圧縮保存し、いちいちトレイにセットせず瞬時に使えるようにする)、画像処理(Photoshop)くらい。あと、たいていのものはWEB上でタダで手に入る。人によっては仕事・学習・趣味などに応じて表計算や経理、英語その他、映像・音楽関係などが必要なくらいでしょう。ソフトにはカネを惜しまないほうがよいです
●日本の家電メーカーの発想はハード・技術至上主義なので(放送・テレビも同じ)、パソコンもハード至上主義になっていますが、肝心なのはいつでもどこでもソフトで、ソフトだけです。パソコンなんてタダの箱、テレビ受像機もタダの箱と割り切りが必要。箱だから安くてそこそこのものなら、何でもいいのです
02-26
●DELLアウトレット/エクスプレスについて知人から問い合わせがあったので、再まとめ。PCトラブルについて興味がある方は、02-19の項から上に日付をたどって読んでください
●【ハード面】を見ると、【1】PCは本体(マウス・キーボード含む)+モニタ+スピーカーで構成される。【2】本体のうちHD(ハードディスク)やマウスは3年程度で壊れても不思議はない、ゴミ(ソフト的な=PC内部では電気的な)が溜まる、相対的に見てCPUの処理スピードが遅くなる、などする。【3】だから本体だけを3年に一度買い換えることは合理的である。【4】それには、DELLのアウトレット/エクスプレスで6万円前後(税・配送料込み)で入手でき「3年間の翌日出張修理」付きのOptiPlexシリーズがオススメである。【5】買い替え時期になったら、最低限の構成(使うCPU、HD何GB以上、メモリ何MB以上など)を決めて2週間やそこらDELLサイトをこまめにのぞき、該当するものを見つけしだい速攻で注文すればいい(入金後3日で届く)。【6】モニタとスピーカーは簡単には(数年間は)壊れず、モニタをより大型・高精細にする以外は更新の意味が薄い。以前のものの流用を基本とし、気が向けば6年に一度の更新時にモニタを買えばいい(アウトレットで買えるし、ナナオなど定評あるメーカー製のよいものを買ってもいい)。スピーカーが壊れたら別途BOSEを買えばいい。【7】3年に一度新品が来るキーボードやマウスは常に1セットを予備で持つようにする
●【ソフト面】を見ると、【1】PCはOS(Windows98やXPなど)+アプリケーションソフト(PC購入時にCD-ROMが付いてくるか、自分でCD-ROMを買うほか、多くはネット上でただで入手可)+自分のオリジナルデータで構成される。【2】このうち、OSは3年程度で陳腐化するから、本体を3年に一度買い換えて更新するのは合理的である。【3】再インストールが必要だが、CD-ROMのアプリケーションソフトはそのまま、ネットで拾うフリーソフトはバージョンアップ版が、新PCで使える(ネット上のどこに落ちているかはメモを残しておく)。【4】オリジナルデータは、外付け(好みでポータブル型)HD(画像・ビデオ編集をしない人は40GBで十分。2万円以下。USB/IEEE1394どちらでも接続できるものがオススメ。古いPCはUSB接続が不安定な場合があるよう)を買い、毎回かならずこれにバックアップを取るようにする(FDは容量が小さすぎるし、CD-ROMは焼くのが面倒で、写真・映像・音楽アルバム集を残す以外は不向き)。このHDを新PCで読み取れば問題ない。【5】オリジナルデータは、書類はすべてMy Documentsフォルダかワープロの文書フォルダ、画像はすべてMy Picturesフォルダ、音楽はMy music、メール関係は……と保存場所を限定し、それ以外のむやみな場所に保存しないようにする。そして、同じフォルダを外付けHDの中に作り、PC内蔵HDと常に同じ中身にしておく。ネット接続の設定、ワープロ辞書なども、忘れずに定期的に保存のこと。【6】壊れなければ 3年に1つずつデータの詰まった内蔵HDが余分に溜まっていく。これは外付けHDケース(3.5インチ型、1万円以下)を買って入れれば、新PCで使える。個人情報の塊だから必ず取り外し、死ぬまで保存する(緩衝材でつつみ乾燥剤入りビニール袋に入れて寝かしておく)か、ハンマーやバールで目茶苦茶に叩き壊してから不燃ゴミに出すこと。再フォーマットして職場のPCや子どものPCの外付けHDに使い回してもいい。(古いデータが残っていることがあるので、そこから先に出してはダメ)
●兼高聖雄は、必要事項があれば追加・訂正してくれ
02-25
●PCトラブルでお騒がせしましたが、最悪の事態(直前まで書いていた単行本何十ページかがぶっ飛ぶというような)は回避。ご心配・ご迷惑おかけしました。新しいPCが昨日あたり飛行機に積まれたようで、全面復旧にはもう少々かかります
●原稿書き、打ち合わせいろいろ、PC関係のこまごましたこと、当欄02-21以降を更新など
02-24
●10時、日大江古田校舎。PC本体(20×40×40cm、12kg)に緩衝材を巻き、昨日買ったHDの小箱と一緒に、キャンプ用具なんかを入れるキャンバス地の大バッグでかついでいく(あいにく家人がクルマごと実家へ行っているので)。日大ではPCルームのボスである五十嵐さんが作業してくれ、兼高センセも立ち会う。シャーシを開けていろいろ調べ(「お感じがまったくない」って感じ)、内蔵HDを別のPCの外部HDとして読んでみると、ありがたや!! 生きていました。そこで、別のPCを介して内蔵HDからポータブルHDに、とりあえず必要なファイル(My Documents、一太郎ファイル、メール関係などのデータ)を移してもらう。大きなフォルダを移すのに20分やそこらかかり、全部で1時間ほど。なお、生きているといっても、レジストリをいじるプログラムは再インストールが必要
●PC内部については、リチウム電池を入れ替えてみたり、電源を抜き差ししたり、いろいろ調べた結果、「メーカー修理に出せば、電源ユニットは交換。どこがダメと調べるのが面倒だからマザーボードも交換になるだろう」と五十嵐・兼高両先生。ってことは3〜4万円かかるということ。「だからこのPCは破棄。もう2〜3万円ほど出して、たとえばDELLのアウトレットやエクスプレスで本体6〜7万円の最新機種を買ったほうが絶対にいい」とのお言葉。その際、まだ生きているHDは外付けのHDケース(1万円弱)に入れてバックアップ用HDとして使えばよいと
●今回は19インチ液晶(ワープロを縦書きにしたとき、単行本の縦40字が切れずに表示できるので非常に便利)に惹かれ、すでに注文してしまったので、アウトレットは次回検討することに。いや、勉強になりました。ありがとうございました(モニタは数年間は持つから、2 〜3年に1度、本体だけを買い換えるのは合理的。みなさんにもオススメ。なお、DELLで問題ないが、Dimensionシリーズでなく業務用のOptiPlexシリーズを買うべし、だそう。さらに、五十嵐・兼高両先生とも、本当はMacにしたほうがいいという意見)
●12〜1時、兼高聖雄とお茶。PC本体をまたかついで帰宅し、2時半、田原総一朗・アスコムと打ち合わせ@ANAホテル。4時、同じく田原、滋賀県庁・深井鉄平、滋賀総研・奥野修と琵琶湖塾打ち合わせ。5時、「通販生活」宮坂敦子と打ち合わせ。6時、滋賀県のふたりと神楽坂に移動し「響」で夕食。奥野修は夜のうちに大阪へ帰り、深井鉄平はもう一軒誘おうとしたら「明日、始発の新幹線でそのまま出勤」というので、また今度に。地方の生きる道そのほか、たいへん興味深く楽しい話。お疲れでした。帰る途中、雨は霙《みぞれ》に変わった
02-23
●午後、池袋で外付け(ポータブル)HD(ロジテック製40GB、USBかIEEE1394でPCとつなぐ)を購入。潮の文化手帖より小さい。ただ、1万5000円以下だろうと思っていたら2万円超。ネットで調べ電話で在庫を問い合わせたとき、店員が「高いですね。間違っていないか調べます」といっていた(間違ってはいなかった。3月発売の後継機は70cmの高さから100回落としても平気というのが売りで、しかも量販店では1万6000円台。間が悪いときは、こんなもんだろうと妙に納得)。何かというと、吸い出せた場合はこれにHDの中身を入れて持ち帰る。吸い出せなくてもバックアップ用外付け・持ち運びHDとしてムダにならないという作戦
02-22
●急ぎの短い原稿書き
02-21
●PCに詳しい日大芸術学部放送学科助教授・兼高聖雄に相談したところ「症状から、電源ユニットまたはマザーボードの一部の障害である恐れが強く、ハードディスク(HD)は生きている可能性がある。メーカー修理に出すと『HDの中身は保証せず』が前提になるから、その前にHDの吸い出しを試みるべし」とのご託宣。HDに日大紀要(放送と表現)のデータや研究資料も入っているというと、日大でできる人に頼んでくれるとのこと。ありがたくお願いする。原稿書き
02-20
●トラブッたPC(なにかと話題のSOTEC製。Athlonの1GHzを積んで驚きの安さ、といっても十数万したが)は丸4年を経過して更新の潮時。メーカー修理は10日から2週間かかり仕事の都合上も非常にマズイので、とにかく(直っても直らなくても)DELLを新規購入することに決定。オンラインでDimension4700c(Pentium4/520、19インチ液晶モニタ、HD80GB、メモリ1GB、FD/CD/DVD、Windows XP)を注文
●古いワープロ(東芝Rupo-V880。5代目くらいで、手許に残る最後のワープロ専用機)を発掘し、電池を入れ替えるなどして整備。急ぎの原稿書きができる体制を整える。フロッピーを経由して別室の息子のPCに入れ、ネット上のデータ(当サイトなど)を追加して送信するので、えらい手間。ワープロのキーボードも(昔は習熟していたが)勘が戻らず、効率極めて悪し
●PC-FAXは再稼働を開始しています
02-19
●【【【【【緊急のお知らせ】】】】】この項目はバックアップPC(息子の)から別系統の回線(私のはADSLだがこれは光ファイバ)を使ってupしています。18日夜9時すぎPCトラブルが発生。HDDにアクセスできず起動できない状態(クラッシュの恐れ大)です。土日をはさみ、重大なトラブルの可能性があることから、復旧に時間がかかっています。(1)メールはバックアップPCから送受信できますが、チェックの頻度が朝昼晩3回程度になります。締め切り/打ち合わせ/取材依頼など緊急の連絡は電話でお願いします。(2)2〜3月締め切り/打ち合わせの編集者の方(とくに直近に設定されている方)は執筆依頼書・原稿文字数・面会日時などを再送してください。(3)PC-FAXは停止中です。(4)データの多くはバックアップを取ってありますが、直近のものの一部は失われたかもしれず調査中です。(5)2〜3日は対応に追われます。執筆環境は確保してありますが、締め切りをちょっと延ばしていただくことになりそうです。(6)最小限の告知以外、サイト更新は一時停止します
●みなさまには大変ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします
02-18
●7月14日夜@全日空ホテルB1(いちばん大きい宴会場)で「(仮称)田原総一朗選集出版記念会」が開かれます。株式会社アスコムが中心となって数百人規模のパーティーを準備中で、田原が直接お願いするほか、いずれご案内を差し上げることになりますが、新聞・出版・放送はじめメディア界、政財界など田原総一朗と縁《ゆかり》深いみなさまでここをお読みの方は、ぜひ出席をご予定くださいますようお願い申し上げます。出版記念会と前後して、アスコムより「田原総一朗選集」第1巻・第2巻(以後全7巻を順次刊行予定)と雑誌「田原総一朗」を刊行する予定です。いずれも坂本が参画しています
●原稿書き
02-17
●原稿書き。@全日空ホテル1時「産経新聞」取材(3月からNHK特集を連載するそう)、2時「ビジネス・インテリジェンス」取材(テレビ局の経営問題を特集)、3時半アスコム・田原総一朗と打ち合わせ、6時高橋克佳と響でもろもろ打ち合わせ、10時半同理清蘭、12時すぎ帰宅
02-16
●発売中の月刊誌「サイゾー」に、坂本が企画した「NHK報道局座談会」その他が載っています。NHKのニュースはどう作られるのか、現場の証言と切実な声をお聞きください。同じく「放送レポート」はNHK改革案の大特集で、坂本も執筆しています。さらに、3月以降に発行される日本大学芸術学部放送学科の紀要「放送と表現」に「テレビの原理と放送局」を掲載しています。各大学のメディア関連学科には送付されることと思いますので、ぜひご一読ください
●原稿書き
02-15
●原稿書き
02-14
●いま、京都女子大学教授の柴山哲也(元・朝日新聞記者)が中心になって、メディアの総合研究を目指すシンクタンク(仮称)「現代メディア・フォーラム」の計画を進めています。メディア研究、教育、制作の三位一体を目指すNPOのシンクタンクを目指すもので、私もその趣旨に賛同しております。詳しくは当サイト現代メディア・フォーラム(シンクタンク「現代メディア・フォーラム」設立趣意書)を、ぜひお読みください。同ページ末に連絡先を載せていますので、ご意見をお寄せいただければ幸いです
●1時「週刊現代」の取材。人物論をやるそうで古舘伊知郎、報道ステーションについて。これ以外は原稿
●NHK夜7時のニュース中、ニッポン放送株買い占め問題で一方の当事者であるフジテレビ会長の話をえんえんと伝えたのは、NHKのフジに対する特殊なメッセージ。私は「どこで手打ちするかの問題」と書きましたが、「手打ちしない宣言」が出てしまったので問題はこじれるでしょう。それにしても、この手の問題で、しかもこんな段階で会長を出すとは、驚きました。大きな会社でこういう問題が起こったとき、業界団体のトップまで務める会長がテレビで何かいうものですかねえ?
02-13
●昨日3時半、小林道雄と「お茶した」以外は、ずーっと原稿書き
●「政治的公平」の議論は番組で深めよページに、「公平・中立」という概念についてをアップ。お読みください
02-12
●2月10日当欄がおもしろかったとメールをくれた編集者への私の返信。「(インサイドキックの正確性とパスのスピードを重視しないのは)まず、子どものときからの指導者が悪い。私は小3〜4からやっていましたが、『強く遠くへ蹴ることのできるインステップ(甲で蹴る)がキックの王様』と長いこと思っていましたから。子どものサッカーは、うまいヤツがドリブルでスイスイ抜いていきシュートを入れりゃいいので、パスなんか重視しない(自分よりヘタなヤツにはパスしない)。で、基本を忘れてしまう」。サッカーを知らない人がつくる典型が、こんなページ(ダイナミック・サッカー)。おもしろいと思うが、不満が残る。「インステップキックがキックの王様」と思い込む子どもや、10m先の選手の足元にボールを蹴れないくせにカーブ・テクニックを磨こうとする子どもが増えないことを、私は祈りたい
●自民党長野県連が、永田町の自民党本部での田中康夫の講演を中止に持ち込んだそう。以下は、田中康夫が「宜しければ、御覧下さい」というサイト。青山貞一 毎日新聞 勝谷誠彦。「どんなに自分がキライで、いつもケンカしているヤツでも、あるテーマについてはよい考えをもち、よいことをいうかもしれない。それには耳を傾ける価値があるかもしれない」と思うことのできないヤツは、偏狭な愚か者です。「坊主憎けりゃ袈裟《けさ》まで憎い」は、いい大人のやることではない。「お前のかあちゃん、でぇべぇそぉ!!」といってるガキと一緒
●このところスカパー!のシネフィルで「ブッチャー・ボーイ」(1998、アイルランド=米)という映画をやっています。ずっと前に録ったが今回はDVDに。日本では劇場未公開(たぶん少年ナイフ事件で自主規制)ながら非常なる傑作。主役Eamon Owensは「こんなガキ、映画で見たことない」という名演。宗教映画としても秀逸。「乙女の祈り」もなかなかだったが、もっとエグい。「操行ゼロ」「大人は判ってくれない」「トリュフォーの思春期」「時計仕掛けのオレンジ」と書いて、ピンとくる人にだけオススメ。確実にいえるのは、これを危険で遠ざけるべきだと思う者は、絶対に子どもというものがわからず、したがって少年犯罪を減らす方法がわからないこと(注:この映画を評価する者が、子どもというものをわかっているかどうかは、また別の話)。レンタル屋では「ホラー」の棚にあるらしいのでご注意
02-11
●ライブドアのニッポン放送株買い占めが話題。20年ほど前M&A(企業買収)が流行りはじめたころ、「BIGMAN」あたりで田原総一朗などとさんざん取材したものです。東洋経済の記者とはミネベアの高橋高見を追いかけ、田園調布の家の前で張り込んで帰宅したところ家に上げてもらったり、軽井沢の工場に行ったり、本社から出てくる社員を喫茶店に連れ込んで取材したりもした。企業買収で会社を大きくし毀誉褒貶《きよほうへん》の激しい人物ですが、「だいたい経営というのは時間を買うもんだ」「融資してうまくいかない企業には人を送り込みボロボロにして、結局乗っ取るのが日本の銀行。腐っているのはやつらだ。私の企業買収のどこが悪いんだ?」という言葉を鮮明に覚えている。正論です。高橋高見は神楽坂の料亭「一條」と深いつながりがあり、中曽根康弘らがよく来ていた。慶応の応援団でミッキーマウスを始めたのは、たしか、この人だったはず
●そういうことを知っていたから、私が編集長だったGALACの編集会議で「放送局の買い方教えます」という企画を検討したことがある。しかし、放送局が無防備すぎ、今回のような手口があまりにも簡単にできるので、ボツにしたことがあります。ただし、この手の話は最終的にカネ(資金調達力)のあるヤツが勝つので、ライブドアはフジテレビの敵ではない。どこで手打ちをするか、というだけの問題(間違えるとヤバイのはライブドア)
●北朝鮮の「核保有宣言」は大騒ぎするまでもない。東京新聞が伝える小川和久の見方(宣言は拉致問題で日本の強硬姿勢をやわらげてほしいとのアメリカへのメッセージ)通り。日米政府は北朝鮮政府に、核兵器や生物化学兵器の使用は北朝鮮の消滅を意味する(アメリカの核で全面反撃して叩きつぶす)というメッセージを送り続けており、それは伝わっています。中国政府も、その場合の朝鮮半島でのアメリカの核限定使用は了解済み(黙認する)と見られる。そのようなことを書いた小川和久の本(聞き手は坂本)が、最終段階にきていますので、もうしばらくお待ちください
●問題は、日本政府が「核問題の前に拉致問題の解決」とだけいっていると、米中韓ロと足並みが乱れかねないこと。日本人を拉致した北朝鮮のテロ行為は許し難く、拉致被害者やその家族の心中を察すれば、私もはらわたが煮えくり返る思いです。それでも、次のことは忘れるべきではありません
●1)「北朝鮮が日本を射程に入れたミサイルに核兵器を搭載するかもしれない」という問題は、拉致問題の解決・未解決にかかわらず解決すべきである(核兵器の問題は数万〜十数万以上の日本人の命が危ないという問題だから、人の命の軽重を数の多少でうんぬんできないことは当然としても、最大でも被害者が百数十人と見られる拉致の問題よりも、ケタ違いに深刻な問題といわざるをえない。この点は、もちろん拉致被害者や家族会も「そうすべきだ」というでしょう)
●2)30〜40年ほど前には、他国の主権を侵して拉致・誘拐・暗殺などを秘密裏に行うことは、北朝鮮だけの専売特許ではなかった。アメリカ(CIA)は中東や南米でやり、ソ連(KGB)も世界至るところでやり、韓国(KCIA)も日本でやった(金大中事件)。中国は国内で人民を大量に粛正していた(文化大革命の犠牲者は1000万人単位)。だから日本を除く6か国協議のメンバー5か国(上の4か国+北朝鮮)は、30〜40年ほど前の拉致・誘拐・暗殺といった問題について、日本と比べてはるかに無関心・冷淡である。深入りすると「やっていたお前はどうなんだ」と足元をすくわれるからだ。(この点、拉致被害者や家族会は「米ソ韓中の過去など関係ない。日本は自分がやられたことを(周囲がどうであれ)自ら解決すべきだ」というはずで、これはもっともな正しい考え方です。私が指摘するのは「その正しい考え方を、米ソ韓中にわからせるのはたいへんだ。なぜなら彼らは正しくないことを平然とやってきたから」ということ)。念のため、拉致問題の解決を先延ばしになどとは一言も書いてませんから、くれぐれも誤解しないよう注意してお読みください
02-10
●昨夜のサッカー北朝鮮戦、なんともみっともない試合。大方の予想通り3−0で勝てたものを、自ら浮き足だってブチ壊した。失点は、完全に川口のポジション取りミス。キーパーの基本はシュートコースを塞ぐこと(上から見たとき、ボールとゴールポスト2本の3点が作る三角形内で、どこにシュートが来てももっとも高い確率で止めることができる位置に、常にボール正面を向いて立つこと)だが、ニアポストに詰める基本を怠って中央に意識を向けすぎた。つまり、シュートでなくセンタリングが来ると勝手に思いこんで、中央の選手に引きずられた。もうひとつ川口(バックも)の明らかなミスは、フリーキックで壁3枚(3人)が立ったとき、もう1人立てといわなかったこと。危なかった(私はテレビに「バカ、壁が足りない!!」と叫んでいた)。小笠原の1点目は見事で、終始たいへんよい出来。中村も頑張った。高原は、あのドンピシャのヘディングを入れられないようでは、話にならない。「ツボに来たら絶対入れる」というパターン練習(何パターンかしかない)を徹底せよ(久保、早くリハビリを終わってくれ)。三都主は攻めはともかく、全然守らないのだから困る(左側の守備がザルだから、突破されると中央の守備が左に引き寄せられてマークがバラけ、右にボールを回されたとき人数が足りなくなる。失点シーンはその典型。今後もこの失点が続く)。くだらないことに無意味な文句をつけすぎ、審判ににらまれてイエローをもらった。闘志を見せるのと何でもイチャモンをつけるのは違うと知れ。もっともサウジの審判も相当にヘンだったが
●フランス・韓国W杯を見にいき、「ドイツ貯金も完璧」と豪語する放懇GALAC編集部・久野明の「怒りのメール」も到着
-----ここから、久野明による日本対北朝鮮戦レポート-----
●埼玉スタジアムのチケットは取れず、国立競技場で観戦したが、会場が盛り上がったのは、前半早々の小笠原のフリーキックのゴールと、ロスタイム大黒のゴールシーン。つまり、90分間内容に乏しい試合を見せられた。
●次に盛り上がったのは、交代で高原、中村がピッチに立ったとき。一夜にしてヒーロー扱いされている大黒の時は、それほど拍手もなく、期待感も薄かった。大黒起用は、ジーコ采配としては結果オーライだっただけ。勝ち点3をもぎ取るつもりなら、玉田を残し、ボランチ1枚(遠藤)を引っ込めて3トップにし、攻撃的布陣で戦う時間帯だったはずなのに。
●それにしても凡戦で、サッカー好きなら寝るような試合。とくに前半1点を取ってからの日本は、やる気も感じられず、中盤でパスミスのオンパレード。北朝鮮のほうがパスがつながっていたのには、見ていてあきれた。個々の選手については、坂本見解とだいたい同じ感想。三都主がイエロー累積でイラン戦出場停止は日本に朗報かも!?(三浦淳宏でOK)【←追記】もちろん当サイトの情報は、ジーコが成田空港で記者に「三浦」というより早い!! ついでにいうと高い対イラン戦はGK楢橋
●以下は、日本サッカーを見て常々感じている不満。よく「日本選手の技術レベルは高く、海外でも通用する」という評論家がいるが、大きな間違い。たしかに、アウトサイド・キックやインフロント・キックを駆使してボールに回転をかけたりして足元に送るなどの小技は巧い。だが、決定的に違うのが、キック力。ノンステップで逆サイドまでパスを出せる選手が、日本のスタメンにはいなかった。まあ、世界を見てもそこまでの人はそうはいませんから、これはいいとして……。(坂本注:世界トップクラスのキック力の持ち主は、たとえばロベルト・カルロス)
●一番の問題は、インサイドキックの正確性と、パス・スピード。とくにパス・スピードがないため、せっかくフリーの選手にパスしても、敵に詰め寄られる時間を与えてしまう。パスも不正確だから、イーブンボールになり、こぼれ球を拾われピンチになる。
●日本には、個人技(ドリブル)で敵陣を切り裂くようなスーパーな選手はいない。パスゲームで守備網を崩す戦術で戦うしかない。そのパスにスピードと正確性がないから、パスを受けた選手が前を向く“間”がとれず、あたふたしてしまう。自陣でパスを回しても、ゆるいボールばかり。守備陣がボールをまわすのは、敵の守りの薄いところを探すためなのに、逆に敵に詰め寄られ、あわてて前線に不正確なフィードをして、球を失うシーンが目立つ。
●インサイドキックで正確な強いパスをする。この基本は日本選手だってやればできるのに、やらない。選手、スタッフの意識の低さを感じる。技術論ばかりで恐縮だが、日本選手のへなちょこパスに、怒りが収まらないもので。
-----ここまで、久野明による日本対北朝鮮戦レポート-----
●お読みのみなさん。久野明も坂本衛も、東京12チャンネル「三菱ダイヤモンドサッカー」を毎週欠かさず、もう30年以上も前、英コベントリー「赤毛のカー」が来日したときの試合(日本代表が1対0で勝った!!)を国立競技場で直に見ていた。「サッカーへの招待」も八重樫の入門書も、私の小学校時代の愛読書。悪いけど、そこらのスポーツ解説者よりも目は確か。ゴールポストの脇とクロスバーの上を混同する実況アナも論外。ここに書いてあるのは、そんじょそこらの新聞・雑誌では読めない正しいサッカー解説なので、よろしく
●パスについていえば、強いパスができないことと連動しているのは、トラップ(ボールの受け止め動作)がヘタなこと。レアル・マドリーなんかの試合を見ていて感じる、ボールが選手の「身体や足先に吸い付く感じ」がしないでしょう。吸い付くどころか、ボールを平気で2〜3m身体から放してしまう。その2〜3mを1m、50cm、30cmと縮めるのが、世界との距離を縮めること。もうひとつトラップで思うのは、よい選手はトラップを「終えてから」でなく、トラップの「動作中に」身体の向きを次のプレーのために変えることで、これも日本選手には少ない。海外有名チームの試合を見るとき、後や横からボールを受ける選手が、半身になり「前を向きながら」トラップしているのを観察してください。敵ゴール前ではもちろん、後のほうにいて「さあ、これから攻撃だ」というDFやMFも、必ずやっているのがわかります。1人がそれをやれば、ボール回しが「0.何秒」か速くなる。何人か経由して、敵ゴール前にボールが近づくまでに「1秒」速くできれば、トップと敵ディフェンダーとの距離を(やらない場合と比べて)数m以上かせげる(敵にとっては、身体を寄せていく時間が1秒足りないので)。だからフリーでシュートが打てるわけ
●インサイドキックとは、ガニ股姿勢で軸足と他方の足首を90度にし、くるぶしの内側で蹴り出す、ゴルフのパターのような感じのキック。ヨーロッパと日本のサッカー1試合でキック総数を数え、インサイドキックが何%を占めるか比べると、むこうではものすごく多用していることがわかります。子どもにサッカーを教えるときは、「センタリングとクリア以外は、すべてインサイドキックを使え」といってもいいくらいのもんです(サイドチェンジとロングシュートはインサイドキックでなくてもよいが、キック力がないから、「サイドチェンジはパスのつなぎで。ロングシュートは打つな」が正解。インサイドキックしか使わせないミニゲームをやるといい)
02-09
●資料がすぐ出てこないので記憶だけで書きますが、アメリカの放送局では、ニュース報道はじめ放映済み番組をアーカイブ(資料保管庫)で公開し、視聴者が局に出向きさえすれば見せる、ということをやっています。その際、たとえば識者インタビューは3分しか放送できなかったが、実際のインタビューは1時間でたいへん参考になるという場合、その未放映のインタビュー映像全編をアーカイブに置いて公開するということもやっています。私は、放送局に対して「特定の番組を再放送せよ。未放映の編集段階の映像も放送せよ」と要求するより、「全放映番組をアーカイブ化し、視聴者による事後検証を可能とせよ」「できる限り未放映のインタビュー映像なども提供せよ」(むろん相手の許可が必要だし、編集も必要)と要求するほうが、はるかに実効性があり、筋が通っていると信じます。それは先進的な民主主義国で、メディア自らがすでに実行していることです。こういう言い方は大キライだが、あえてわかりやすくいえば、右も左も賛成できるテレビへの要求でしょう?(注:現行のアーカイブは局が見せたい番組だけを見せている)
●もうひとつ先進的な例(これは小川和久が教えてくれた)。米CBSは、湾岸戦争のとき「ガルフガゼット」なる膨大な記録集を25セットつくった。何億円だかかけて、何日何時何分に誰からどんな情報が入り、どんな報道をしたと(その後、何時何分にその情報は誤報とわかった――つまり、自分たちは誤った情報に基づき不確かな報道をしたという情報も含めて)電話帳のような本4冊にまとめた。まだ未公開だが、外交文書のように時期がくればジャーナリズム研究のため公開すると。日本の放送局で、湾岸戦争当時の進行表を保存してある局は皆無でしょう。イラク戦争ではCBSもヘタレたかもしれないが(坂本は未確認)、少なくとも湾岸戦争では自己検証をやった
●五十数年前、日本に放送法をくれたのはアメリカ(GHQ)です。私たちは、いまだに彼らに学ぶべきことを残している。放送法をボロ雑巾にしてはならない。杜撰《ずさん》な要求を掲げて放送法違反を社会に呼びかけることにも、私は反対です。「今回のNHKへの政治介入問題にどう落とし前をつけるか」ではなく、「今後、NHKへの政治介入問題を起こさないためには何が必要か」を、もっとまじめに考えませんか?
02-08
●日芸放送学科3年、松岡布佐子の意見「大学の正規授業内にて問題のビデオ(ETV「裁かれた戦時性暴力」)を視聴しました。後期最後の金龍郎先生の授業の中でのことでした。問題のビデオを流す前に、このシリーズがどういう姿勢で作られたのかと、同シリーズの1回目も参考に見ました。そのうえで見ると、明らかに番組の姿勢・内容が異なり、やはり実際に何らかの意図が働いたのでは……?と、思いましたが、見比べていない人がどのように受け取るか(明らかに第三者の意図が介入したと感じるか)は少し疑問です」。そう、放送するのが憚《はばか》られるムチャクチャな番組ですね。しかし、何か異常な事態があったとは思えても、ビデオからは政治介入があったとはいえない。そこをくれぐれも混同するな
●【3つ下の●から先に読んでください】今朝の段階で確認したところ確定文となったようです。確定後の1.(旧版の1.と2.をまとめたもの)への私の感想は、夜中の時点と同様。NHKに「実行不可能な無理難題の要求を含むから、放送法違反を公然と呼びかけていることになる。強く抗議する」と反撃されかねません。いまからでも、法律や放送に詳しい人の意見を聞き、「多様な解釈を許さず、厳密に意味を読みとることができ、反撃の余地がない表現」に修正されることをお勧めします
●新しい2.の「同番組の削除・改変前の内容」の放送要求も、NHKが「削除前の内容は、削除によって存在しない」といえば、それまで。内部告発者が(4年前に周到にビデオを録っておいたものを)出すか、(それがなければ新たに)盗み出すかしなければ、映像の存在は確認できない(「ない」とはいわない)。それを「放送せよ。あるはずだ。しなければ受信料不払い」と迫るのは、フセインのイラクに「核兵器か生物・化学兵器を出せ。あるはずだ。出さなければ戦争」と迫るのと同様に、マズイやり方。ビデオがなかった場合、「バカな要求をした」ことになるからです。ビデオがあった場合、NHKは「それは正式なものではない。放送できない」という。だって、正式なものじゃないでしょう? 編集段階の映像なんだから
●私は、放送局が自分の意に添わない番組(で、何らかの政治的圧力が疑われカットされた部分があると思われる番組……たとえばNHKのイラク戦争報道ニュース全般)を流したとき、「視聴者は『編集段階の映像を流せ』と抗議し、その要求を貫徹すべきだ」とは思わない。それを広く認めると、すべての放送が成立しない(要求受け入れは物理的に不可能だし、放送局が編集して放送する意味が失われる)からです。別の番組で、自民党や右翼から同じ要求が来たら、放送局はやっぱり編集段階の映像を放送すべきですか? それは認めずに、今回だけは自分たちだけの要求を受け入れろというのですか? その根拠は? その要求は放送法第3条に抵触するかもしれないと、なぜ思わないのですか? NHKが今回の要求を受け入れ、これこれの内容の番組を放送することにしましたと回答書を寄こせば、それは「外部のいかなる団体・人物であれ、またいかなる形であれ、放送内容を事前に通知・説明する行為」に当たりませんか?
●受信料支払い停止運動なるサイト(「(案)」「推敲中」とある)が目に止まりました。私は受信料は個人や事業所が支払うか支払わないか決めるべきだと思うので、支払い促進運動にも停止運動にも興味がありません。上のページが本物かどうかも不明です。ただ、本物であるならば、1.と2.の文案は「?」。1.は、NHKが「わかりました。『通常の業務』とした見解は撤回し、今後は『特別な業務』として続けます」といったとき困る。2.の「外部のいかなる団体・人物であれ、またいかなる形であれ、放送内容を事前に通知・説明する行為を禁じる」も包括的すぎて困る。出演者・協力者・スポンサー(これは民放の場合)など、関係者に放送内容を「ある程度」事前に通知・説明する行為は放送局では当たり前なので。つまり2.の申し入れは、全放送局にとって受け入れられない要求で、NHKが実行することもありえないから、この運動は「受信料支払い永久停止運動」となる。それは運動の趣旨に反するのでは。ようするに、NHKへの申し入れが2つ書いてあるが、2つとも的ハズレな内容。この文案に賛同を呼びかける大学教授が何人もいるとは、私には到底信じられません。文章は、推敲を終えてから公開しなければ……【7日深夜に執筆】
●今日はジェームス・ディーンの死後50年目の誕生日。昼前、舞台「理由なき反抗」「エデンの東」制作発表(二宮和也・松本潤ほか)@ANAプロミネンスの間。質疑応答の最初に「月刊誌GALACですが、演出のお二人(堤幸彦・鈴木裕美)に。各キャストのみなさんからイメージするのはどんなこと? また、それを踏まえて、どんな演技を求めていきますか?」なーんて質問。堤「(二宮は)刃の上を歩くギリギリな感じが出せる」、鈴木「かっこよさとみっともなさ、かわいらしさも出せれば」とかなんとか。明日朝フジ「めざまし」ほかでやるでしょう(演出家のコメントまでは出ないと思うが、おもしろい2人)。会見場でジャニーズ白波瀬傑、上甲薫(GALACでドラマ批評コラム「もっとドラマチック!」を大好評連載中)と話し、ロビーでジェリー藤島K、堤幸彦に挨拶。神楽坂に戻り「通販生活」編集長・武茂孝志、編集者・宮坂敦子と打ち合わせ。あとはずーっと原稿書き
●先日「特選街」編集部・阿部斉に会ったときにも感じたことですが、よい意味で「昔ながら」の編集者は、この手の雑誌にいるのだと思う。「通販生活」も「特選街」も、「うちの読者はこれこれだから、こういう記事を書け」という注文が明確で、そのために「何かないか。これはどうか」と先方から迫り、「こういう方向で一緒によいものを作りたい」という感じが伝わってくる。ところが、一般の雑誌の編集者は、読者像があまりハッキリせず、もちろん「こういう記事を書け・コメントをくれ」というのは明確だが、それが「知っていることのうち、これとあれを分けてもらいたい」という感じなのです。つまり、一般誌の編集者は、あまり作り手っぽくなく、どちらかといえばデリバリ屋さんっぽい。――とは、10年やそこら前から感じていたが、このところ立て続けに「特選街」「通販生活」から仕事の依頼があり(どちらも初めて)、改めてそう思ったわけですね
02-07
●綿井健陽が「大学での『公開授業』として、当の番組を学内で上映してみたらどうだろうか?」と提案している件で、以下弁護士・内藤篤の見解。当欄02-05もご参照
-----「日本1」のエンタメ弁護士・内藤篤の見解ここから-----
●授業・教育機関については、「学校開放などで教育機関以外の者が単に場所として学校を使用している場合」は不可。普通の大学が公開講座をするのはOK。たとえば「授業を受ける者」については「教育機関間での交流時の他校在学生、社会教育の授業を受ける者を含む」とされている。上映だけが目的の「公開講座」だと授業としての実態がないことになり問題となるが、一種のメディア教育の一環として、教師が生徒に講義をし、その中でこの映像を見せるぶんには、公開講座で可能であろう
●問題のビデオの録画は、著作権法30条(私的使用のための複製)でOK。そのビデオを授業に使おうとすると、第30条の規定する目的とは違うので、この時点で第49条(複製物の目的外使用等)により「第21条(複製権)の複製を行った」ものとみなされる。それを授業に使おうとしている時点で第35条(学校その他の教育機関における複製等)1項が適用され、結局これによって複製が許されたことになる、という読み方をする
●なお、第35条2項によれば、同時に2か所以上の場所で授業を行うならば、公衆送信を行うことができる
-----「日本1」のエンタメ弁護士・内藤篤の見解ここまで-----
●ようするに、誰がどうみても大学その他の授業の体をなしている「公開授業」で、教員が講義したりしながら、番組ビデオを流し、いつも授業でやるように討論したりすることは、NHKの許可など求めずに堂々とやってよいということです。実際にやる教員の方は、著作権法第35条ガイドライン(PDFファイル)を熟読し、これを逸脱しないようご注意(綿井健陽も↑これへのリンクを設定すべし。この話題で伝言ゲームする人も、ガイドラインは必ず伝えるように)
●録画テープは私も持っていますから、日大芸術学部放送学科でやってもいいが、4月下旬まで学校に行かないのが難。それと、何度もいいますが、このズタズタ番組の録画テープ・DVDをいくら目を凝らして見ても、政治介入があったかどうかなど、一切わかりません。ETV番組への政治介入があった決定的な証拠として確実なものは、現在のところ安倍晋三・内閣官房副長官(当時)による証言だけです(坂本が入手しているのは)。長井CPの証言は伝聞だから、政治介入の疑いは強く生じさせるが、証拠にはならない。どこがどうズタズタかは、今号週刊Spa!をご参照
02-06
●NHK民営化について主張したり記事を書かれる方は、NHK民営化についてにお目通しいただければ幸いです。放送の専門家がみな正しいことをいうとは限りません(むろん坂本も)。原稿書きで死んでいますが、NHK職員、某局視聴者コールセンター勤務の方などの情報をはじめ、いただいたメールはすべて読んでいます。ありがとうございます(職場のメールアドレスから送信しないように、くれぐれもご注意ください)
02-05
●田中康夫からメール「6日(日)10時から「サンデープロジェクト」に櫻井よしこ嬢らと共に全編に亘って出演します。宜しければ御覧下さい」
●すみません、もう1つ。NHK番組の上映を中止 東大での集会(共同記事) 東京大学教員が教育研究活動の一環として録画した(著作権法第35条第1項により可。第30条でも可)ETV番組ビデオを、公開授業において非営利かつ無料で上映(同第35条第2項・第38条第1項により可)すればNHKの許可なんていらない!! 教員の会は、その「集会みたいな公開授業」を市民団体と共催し、「これは授業だ」(実際に経済学研究科棟1番教室を使う)と言い張りゃいいだけのこと。資料代500円を集めるなら「番組ビデオの上映対価ではない」という証拠(内訳を明記した領収証控え、収支明細書など)を残せばいい。あとは市民団体に「案内などには『集会(公開授業)』と書いてね」と頼むだけ。求める必要のない許可をNHKに求めて、却下されたから中止とは……。東大に著作権がわかるメディア学者はいないのか!? 【趣旨は合っていますが、一部法律の解釈が違っていました。失礼】
●そもそも、番組ビデオを無断上映してNHKが著作権法違反だと訴えてきたら、受けて立てばよいではないか。法廷にNHKのCPでも上司でもDJのPDでも呼んで「直前に3分切ったのを知らないDJは、著作権者とはいえないのではあるまいか」とかなんとか主張すりゃいい。NHKがそんなヤバい裁判を自ら起こすはずもない。「奇跡の詩人」問題で上映会が全国各地で開かれたときも、NHKは警告止まりだった(著作権法を知っているNHKは、「上映」でなく「ビデオ録画」がダメだと警告した)。教員が授業で使うなら「録画」「上映」ともに問題ない
●あまりにバカで驚いたので、もう1点追加。NHK:「事前説明は悪くない」 橋本会長が自民総務会でと毎日記事。視聴者大衆に向けた「記者会見」で語ったことを、翌日「自民党総務会」という特定の政治勢力だけが集まる場所でこっそり釈明・弁解・訂正するような、「NHKの政治へのすり寄り」こそが問題なのだと、人びとは思っている。それをNHK現会長は全然わかっていない!! ダメだ、こりゃ。海老沢勝二・前会長が2004年9月22日に専務理事・技師長に抜擢し、2005年1月21日以前に自らの後釜に大抜擢した現会長のもと、受信料不払いは確実に拡大し、NHKの経営を揺るがします
●自民党総務会でのNHK会長発言は、視聴者大衆・国民をバカにしているだけでなく、前日の会長記者会見に出た記者全員をコケにしたもので、まともな記者なら不快感を抱く。記者クラブ(NHK放送記者会=NHKラジオ・テレビ記者会)が抗議声明を出しても不思議はない。記者は、会長会見よりは自民党総務会を取材したほうが、NHK会長の「誤解なき本音」を聞くことができるわけで。そんなのはおかしいってことに、NHKは、なぜ気づかないのでしょうね
●ひたすら原稿。各方面すみません
●1点だけ。2月4日の日刊ゲンダイに「受信料不払い100億円」との見出し。一連の不祥事「発覚後」の不払いを指すのでしょうが、正確にいうと「発覚時点」と「発覚後」を足す必要があるので、不払い額はもっと多い。NHKが発表した2004年11月末の受信契約件数3823万契約(から得られる受信料収入見込み額)を基準にすると、現在の受信料不払い額(見込み額のマイナス分)は「年換算」で300億円前後です。NHKの営業部門に確かめてください。これは年度末でも6500億円のせいぜい5%減ですから、NHKは乗り切れると見ています。私は乗り切れない(手を打たないと5%は10%に近づく)だろうと見ています
02-04
●原稿書き
●NHK以外の多くのメディアがトップ扱いしているニュースが、今朝6時40分から1時間つけたNHKニュース(おはよう日本)に1秒も出てきませんでした。NHK報道局は自分たちが何をやっているか、自覚しているのか? 政治介入問題で人びとは、NHKが政権与党に都合のよい番組しか流さないと疑っている。そこへ2月4日朝、まともな報道感覚ならばトップで扱って当然のニュース項目を、自局に都合が悪いからと「抹消」したNHKニュースが流れた。NHKは都合のよいことしか報道しない放送局だと、視聴者大衆はますます確信を深める。三菱自動車の存在意義はよい車を作って売ることだが、それをせずに欠陥車を売り続けたから、存亡の危機に至った。NHKの存在意義はよい番組を作って流すことだが、それをせずに今日もまた欠陥報道を流し続けているから、存亡の危機に至ることは必定《ひつじょう》。クルマの欠陥は事故が重ならないとわからないが、ニュースの欠陥は見ればわかります。三菱自は三菱重工や他メーカーが救えるが、NHKは受信料を払う視聴者にしか救えません。NHK朝ニュースは、冒頭で不払い40万弱を伝え、会長を生出演させて謝罪と改革への取り組みを語らせるべきだった。その判断力、決断力がない会長は、いても意味がない
●NHKに残された時間は、あまりありません。新会長・副会長は前会長が選任した理事全員の辞表をとりまとめ、「3月末に全員引き連れて辞める」と宣言し、ただちに外部識者を中心とする「再生特別諮問委員会」を立ち上げ、いつまでに答申を出すという悠長な方式でなく(いわばGHQメモ方式で)、決めた改革案(職員に提出させて審議)から手当たり次第に実行すべきです。それをせずにNHK職員が個別訪問しても、口先だけの説得に応じるほど視聴者はバカではない【追記:新会長が4月中に現理事や「海老沢チャイルド」と呼ばれる局長級の人事を刷新できるなら、次の会長へのバトンタッチはその後でもよいと思う。その人事刷新ができないなら海老沢体制が存続するから、彼らを道連れにさっさと退場すべき】
●何を実行すべきか、わかりませんか? たとえば、「政治家向け番組内容の詳細な事前説明は一切やめる」と宣言する(注:来年度は××億円かけて「シルクロード」やります、とは説明していい。それは制作費とタイトルだから詳細な内容説明ではない)。議員を個別訪問しての事業案・予算案説明は廃止し、議員会館会議室での説明会に変える。「政治とNHK」専門の視聴者対応窓口を設置し、視聴者の意見とNHKの見解・対応を公表する。職場ごとに再生案を話し合う集会を開かせ、そこでの発言は一切人事に反映させないと約束する。会長・副会長が職場代表の一般職員と日替わりで昼食をともにし、彼らの訴えを聞く。会長のニュース映し込みの悪慣行に禁止令を出す。経営委員と理事以上の給与・退職金額を公表する。対メディア窓口としてNHK隠蔽体質の象徴となっている広報セクションの機構と人事を刷新する。外部から招く次期会長(4月就任)を探す。次期理事の選定も進める(ボトムアップで人出しさせる)。受信料問題PTを発足させ、望ましいあり方を研究する。……などなど。あと2か月、必死でやれば、4月以降の不払いに歯止めをかけることができるかもしれません。やらなければ、受信料不払いは止まりません
●管理職以外の8500人で構成する日放労は、いったん解散し、NHK労働組合として再出発するほか、再生の道はないでしょう。先日の報道局匿名座談会(18日発売「サイゾー」参照)で出た「受信料不払いが『核爆弾』でなくて、何が僕らの武器なのだ?」の言葉通り。一般職員は視聴者と組む以外、もう手の打ちようがない。経営陣に質問書なんて出している場合じゃない。なぜ上のようなことをやれと提案しないの?
●スポニチ「貸しTV納入業者協会も受信料不払いに」。スポニチのNHK関連記事はたいへん丁寧で、全新聞のなかでトップクラスの出来。この記事中「件数の説明をした営業局長が、一連の不祥事を理由にしたもの以外も含めた不払い総数の具体的な数字を明らかにせず、報道陣から『国会答弁じゃないんだから』と皮肉られる一幕も」とある不払い総数が、私のいう170万±10万件。3月末には200万を突破します
●同記事は「NHK広報局は3日深夜、見解を発表。放送法第32条で『NHKの放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、NHKと放送受信についての契約をしなければならないと定められている』と指摘。『不祥事を理由とした受信料支払いの動きは極めて遺憾であり、撤回を強く求めた』とした。」と伝えています。ではNHK会長やNHK広報局は、NHKテレビで「不祥事を理由とした受信料支払いの動きは極めて遺憾であり、国民のみなさまに対して撤回を強く求めます」といえばよい。いえるものならば。それはいわずに貸しTV屋だけに居丈高になるのは、ご都合主義でみっともない
●同記事の「(NHK広報局は)『リース業者と契約を締結している年間受信料額は数億円』と反論。同局関係者は『実際は4億5000万円程度』としている。」も、NHK広報局が完全に墓穴を掘ったことを示します。NHKは特定の業界がいくら受信料収入を払っているかというデータを把握しており、それを公開した。ところが、これまでは「事業所がいくら払っているか示すデータはない」と説明していた。そこで記者のみなさんは、「650万事業所の受信料徴収状況を公表せよ」と迫らなければなりません。そうNHKに(総務大臣にも)聞いてください。事業所の受信料について徴収努力を怠ってきたデタラメぶりが、明らかになりますから。いいですか、テレビ100万台のリース業者から4億5000万円(たった3万契約!)しか取れていないと、NHKが自ら公表したのですよ。一般世帯から8割以上取っているといいながら、ふざけた話でしょう? さらに、誰と特定できる受信契約者(今回はテレビシステム運営協会の加盟36社)が、いくら受信料を払ったかをNHKが公表してしまったことは、極めて重大な契約者への背信行為です。たとえば、NHKのコメントをきっかけに、税務署が36社の税務書類にあるNHK受信料の金額を疑い、調べ直して課税することだってありうる。NHKは、これまで誰もまずいと思ってやらなかったことに、手を染めはじめた。明らかに壊れはじめたと思います。
02-03
●死にそうに忙しいので、当サイト内のリンクを2つだけ。NHK受信料不払いは、なお拡大する!! と NHK民営化について
●当欄に「前回11万3000件といっていた不祥事発覚後の不払いは、40万件以上に拡大との未確認情報あり」と書いたのは1月25日。この日録をさかのぼってご確認を。NHKが1月末の不払い約39万7000件と発表したのは、9日遅い今日になってから。これで4月から執行するNHK平成17年度予算「受信料収入前年比−72億円」が、3月末の見込みデータに基づくべきところ、1月末の見込みデータに基づいた水増し予算だったことが露呈しました。これを国会に提出し審議させるとは、国会軽視も甚だしい。国会は、NHKに修正予算を再提出させ、それを審議すべきでしょう。与野党問わず、国会議員はナメられています
●このままでは、受信料不払いは年度末(3月末)の時点で80万件以上、たぶん100万件に近づくか超えるかするでしょう。何事もない年でも、3月末のNHK受信料は2月末より必ず(最大数万件は)落ち込みます。これまでは4〜5月以降に回復しましたが、今回は引越先で軒並み不払いとなる恐れが強い。そして、今回の落ち込みとは別に、つまり04年9月の時点で、不払いが120〜130万件あります。これも数える必要があるため、NHKホームページにある04年11月末の契約数3824万件が、3月末は200万以上減って3600万件に近づく見込みです。この数は、海老沢勝二・前会長が就任した1997年の契約件数と同じ水準。結局、前会長がやったのは、新しい契約者を増やさずに、契約者の一部に「カラー契約→衛星カラー契約」という値上げを飲んでもらったことだけでした
02-02
●NHK職員の個人情報が国会で流出!! NHKが「個人情報」(笑)として公開を拒んできた(狂)NHK顧問の年俸を、総務大臣・麻生太郎が国会答弁で「4人で5400万円。1人1300万円ぐらい」とバラした(爆)。NHKは総務大臣に断固として抗議せよ!! それにしても麻生太郎はNHKの総務部長じゃない、日本国の総務大臣ですよ。何が悲しゅうてNHKに毎年平均1万7000円以上受信料を払っている国民は、総務大臣からNHK顧問の給与額を聞かなければならんのだ? 新聞は「個人情報だから教えない」と隠したNHK職員の名前を顔写真付きで報道せよ。NHKになめられているのは視聴者だけじゃない、記者諸君もですよ
●ここを更新する以外は原稿書き。「サンデー毎日」発売中の号に坂本もコメント。日下部聡の記事。例によって国境なき医師団・臼井律郎からのメール紹介をもって日録に
-----ここから臼井メール-----
●スーダン・ダルフールの話だけれど、アナンが調査のためダルフールに派遣した委員会のレポートが出て、“ダルフールでは重大な人権侵害が行われ、戦争犯罪の可能性も高いが、Genocideとはいえない”というのが結論です。世界中が速報で大きく伝えています。(坂本注:ここでBBC、NYTなどの記事紹介があるが省略)
●いつか書いたように、もしGenocideがどこかで行われていれば、条約に加盟している国々にはこれを止めるために介入する義務を生じますが、これを承知でパウエルや米上下院はダルフールをGenocideと呼んでいます。いくつかの人権団体も同様です。多くの人道団体や国連は、軍事介入をも正当化するこの言葉を、安易に使ってはならないと言い続けてきました。実際に見てきた人たちは、たとえばルワンダのGenocideなどとは明らかに違うといっています。今回のレポートは、妥当な線だと思います。ただしレポートは、重大な人権侵害はあり戦争犯罪の疑いがあるので、ハーグのICCへ送るべきといっています。これだってスーダン政府にすれば、十分過ぎるくらい強い表現です。
●日本のマスコミが、世界の動きについていけて、このニュースをちゃんと伝えられることを祈っています。そもそも、“Genocide”にあたる正しい日本語が未だにないのは、ひとつにはマスコミの怠慢です。“大量虐殺”は、“Massacre”の訳にはなっていますが、“Genocide”とはあきらかに違います。
●ところで、NHKの問題、がんばってください。貴君の言い分のように、普通の頭で考えれば当たり前に正しい話を、ちゃんとすることには意味があると思います。どうせ変わらないのだから考えても無駄、言っても無駄、という物わかりのいい人たちの態度が、日本人たちの、自分では判断できないで人の意見に従うという風潮を、大いに助長してきたと思います。NHKへの介入問題は、NHKと政治家と朝日の喧嘩といった卑近な話ではなく、報道機関の中立・公平の話だと思って見ています。
●今回の展開を見ていると、大部分の日本人にとって中立・公平という言葉は、自分の気に入らない人の悪口を言うために、否定形で使う表現のようです。本来は、肯定的に、自分を律するために使う言葉だと思います。ごく簡単に言えば、報道機関の中立とは政治的中立、公平とは立場の異なる両者の意見をどちらも伝えることだと理解しています。自分とは異なる政治的立場や、自分とは違う意見を伝えるのは、あたかも中立・公平な報道でないかのような論調が見受けられますが、変なことです。政治家が、報道の中立について云々したりすれば、これは言葉の矛盾かもしれません。公平でないと言うのならまだしも。
●それから、ここで中立・公平というときは、あくまで“報道機関”の政治的中立や、公平な報道のことで、“個々の番組や記事”の中立・公平のことでは必ずしもないと思います。個々の記事や番組に完全な中立・公平を求め、少しでも違うところは削除するというのであれば、様々な意見を載せて公平にするという原則に反し、かえって偏向になると思います。ひとつひとつの記事や番組は一見して中立・公平のように作っていて、しかし実は、報道機関としては中立・公平でなどないということだって十分あると思います。
-----ここまで臼井メール-----
●坂本によるご参考その1:Genocide=集団殺害を意味するが、語源がギリシア語のgenos(種族)とラテン語caedes(殺戮)の合成語であることから、ある国家あるいは民族(人種)集団を計画的に破壊するという意味で用いられる。 ジェノサイドという語は、ポーランド人法学者レムキンR.Lemkinにより《被占領ヨーロッパにおける枢軸国の支配 Axis Rule in Occupied Europe》(1944)の中で,ナチス・ドイツによるユダヤ人やジプシー等の迫害に対する非難を込めた言葉として初めて使われた。(平凡社「世界大百科事典」から)。Massacre=虐殺する。残酷に(cruelly)、乱暴に(violently)murderする意味《COD》 多数(large numbers)を残酷でまた野蛮な方法で見境なく殺すこと(indiscriminate killing)を意味する《Günther》(開拓社「英語類語辞典」から)
●坂本によるご参考その2:Google Newsの英語版の検索結果(検索語は「UN genocide Darfur」)と日本版の検索結果(検索語は「国連 ダルフール」)。世界で話題になっていることと、日本の新聞が書いていること(論点)は、明らかに違います。この朝日の記事では、国連とアメリカのズレすら伝えずに、外務省「どこにでも自衛隊がおつきあいするというわけには」、防衛庁「前向きに考えたい」。これが情けない現実
●“報道機関”の公平・中立は「ごく簡単にいえば」臼井の理解通りでかまわないが、念のため補足。たとえば架空の話で将来、一党独裁を標榜する「21世紀日本ナチス党」が登場し、自民党と対立したとする。その状況下で日本の“報道機関”は政治的中立(ナチス党と自民党のどちらにも偏らない立場)を維持する必要などない。自民党に荷担してナチス党を叩きつぶしてくれて、一向にかまわない。それは放送法違反ではありません。放送法第1条を第3条に優先させて、放送局は、民主主義を否定する政治勢力を叩きつぶさなければならない。つまり公平・中立とは“報道機関”、もっと広い言葉を使えば「表現者」が、自らの拠りどころとする価値観(その表現者がイカレていなければ、それは私たちの社会が長い歴史の中で妥当なものとして認め、選び、広めてきた価値観と、おおむね一致するはず)に基づく公平・中立を意味する。それは、表現者が不断の努力によって維持し、磨きをかけ、必要に応じて調整を加えるような、表現者の主観と営為に基づくダイナミックな概念なのです。誰もがよしとする客観的な公平・中立がどこかにころがっているとか、誰かから与えられるとかいうものではない
●たとえば「民主主義」は、多くの表現者にとって、自らの価値観や常識に一致するはず。しかし、私たちはそのことすらも不断に確認し、修正を加えなければならない。その価値観や常識は、人類の理想と一致しているように見えているが、実は他の社会を収奪して豊かさを手に入れた西欧社会の独善的な価値観にすぎないのではないか、と考えてみることだって必要です。「民主主義を世界に普及するのがミッション」などといって戦争するヤツが、現実にいるのですからね。当サイト「政治的公平」の議論は番組で深めよもご参照
02-01
●ここを更新する以外は原稿書き
●新聞・雑誌はじめ報道各社のみなさんへ。「NHKは、今年度末(3月末)時点での受信料不払いを40〜50万件と見込んでいる」と書くのはよいが、「NHKの今年度末(3月末)時点での受信料不払いは40〜50万件に達する見通し」と書いてはならない。それは読者をミスリードしますので
●NHKには、受信料不払いがどの時点でどの程度に達するかを推定する能力がありません。その能力がないから、不払いを軽視して傲慢不遜な態度を崩さず、会長や放送総局長が辞任に追い込まれたのです。40〜50万件は、04年11月末11万強→05年1月末30万前後(NHKはここまでの速報値は把握している)だから、そこから先を外挿(がいそう=extrapolation。補外ともいう。簡単にいえばグラフをそのまま延長して推定すること)して3月末40〜50万件といっているか、または予算の前年比マイナス72億円を先に決めて受信料平均年額1万7000円で割り算したか(商は42万)、どちらかの根拠しかありません。ところが今回は外挿法は使えない(04年9月末3万強→11月末11万強→05年1月末19万強と、グラフをそのまま延長して推定すると間違えてしまう)。だから、3月末40〜50万件という数字は信用しないほうがよいのです。とりあえず、「11月末の不払い11万3000件は公表したのだから、1月末の数字は?」「年度末40〜50万件の根拠は?」と、NHKに聞いたらどうでしょう
●もっとも、経営広報は以上のようなことを知らないから、知らない部署に聞いてもしょうがない。いつか、川島正が書いたGALACの記事(NHKのネット進出戦略)に経営広報部長がデタラメだと抗議してきたことがあったが、記事が出た2〜3か月後、海老沢会長(当時)はGALACに載ったのと同様の計画を定例会見で発表した。こちらがつかんでいたNHK経営企画室の情報を、広報は知らされておらず、醜態をさらしたわけです
●NHK内部(知っている部署)の見方も参考にしたうえで、私は現時点でのNHK受信契約数は3650万件前後と見ています(「前後」は±10万程度を見込んでください。これが現在、日本で報じられているもっとも実態に近いNHK受信契約数であると、私は確信しています)。NHKがホームページに掲げている最新の数字(2004年11月末現在)は3823万件ですから、これをすでに170万件前後も下回っています。4800万世帯と650万事業所にテレビが1台ずつしかないとして、受信料を支払うべき世帯・事業所の3分の1が払っていない計算です
●ところでNHKの過去の公式発表数字を信じるならば、私がつかんでいる現在の受信契約数は1998年(平成10年)の水準です。そこで、予算案における受信料収入見込みを調べると、98年度が6075億円で、2005年度が6478億円。受信契約数がほぼ同じなのに、収入見込みが400億円もズレていますね。これは主として、より高額な衛星カラー契約へ種別切り替えが進んだ(つまり実質的な値上げが進んだ)からですが、7年前の受信契約数が水増しされた数字である可能性も排除できません。いずれにせよ、受信契約数や契約率をどう見込んだ予算案なのか確かめずに認める、あるいは国庫から交付金23億円を支出することも黙って認めるのでは、国会総務委員会はちゃんと仕事をしているとはいえない
●忘れてはならないのは、受信契約数の100万や200万はどうでもよいとしても、しっかり受信料を払っている田舎の爺ちゃん婆ちゃんは、残念なことに自然に亡くなっていくのです。だから、2011年(国策によればデジタル放送全面移行の年)や2015年にNHK受信契約者数が3000万を割り込んでも、何の不思議もない。ところで、2011年段階でエリア内中継局のデジタル化を100%終了する見込みの民放局は、たったの2割(04年11月、NHK放文研の民放127社アンケート調査による)。人口集中地域からデジタル化を始めて末端まで終わらないからで、現在見ている民放テレビを2011年に見ることのできない世帯は4800万世帯の最大2割程度、おそらくは数百万世帯に達する(2011年にアナログ停波できない理由の1つ)。NHKのカネや公的資金(国や自治体のカネ、つまり国民の税金)を投入し、民放が映らないエリアを減らしたいところに、NHKのカネが先細ることは、極めて深刻な事態です。家電メーカーの04年10-12月期決算が出始めましたが、DVD、プラズマ・液晶テレビの値崩れで軒並み減収の気配。大画面プラズマ・液晶が高値で売れず、安値で儲からないのでは、これまた地上デジタル放送にとって悪いニュース。この後におよんで「地上デジタル放送はおおむね順調」などと妄言を振りまく連中の気が知れない
01-31
●ひたすら原稿書き
●イラク総選挙が50〜60%の投票率と報じられている。その通りなら、「命がけ」の選挙で大したもの。日本の国政選挙では20代前半の投票率は30%台、20代後半でもせいぜい40%(投票率いろいろ)。「民主化」が必要なのはどこの国?という感じも。ただ、何を根拠に投票率を推定したのか、選挙監視団・員が入れない危険な場所の選挙・開票がなぜ公正といえるのかが、よくわからない。成功と判定するには時間が必要です。イラク人だけを殺すテロは、かつて三菱重工ビルを爆破した連中のように、人びとから見放されている。しかし、選挙が成立しなかった地域や極端に投票率が低い地域をどうするか、その地域をはじめ各地の武装解除をどうするかという問題は引き続く。ブッシュが楽観するほど、話はうまく進まない
●GALACのデザイン・入力を担当する事務所BEARDを、野村礼が退職。7〜8ページ分の原稿をメールでぶち込み、1時間後に放懇事務所に行くととゲラ(校正刷り)が出ているという、月刊誌では通常あり得ない速攻でGALACを支えてくれたお方(ただし朝遅くに出て明け方までという彼の作業パターンに、こちらの原稿の上がりを合わせる必要はあるが)。6年の長きにわたり本当にありがとうございました
●昨夜は、田中康夫、田原総一朗、田中・東京事務所代表の平山誠の4人で全日空ホテル「雲海」。テレビ朝日「サンデープロジェクト」が田中康夫に出演依頼している件ほか、情報交換など2時間半ほど
01-30
●社員に最高200万購入要請 地震被害で三洋が自社製品(共同電)東京新聞朝刊には「親戚などが買うのはよいが領収証提出が必要」といったサイト記事にない部分も。これ、工場が中越地震でやられた三洋電機はたいへんだ、というだけの記事だと思いますか?
●この国の憲法には国民にはいろいろな「自由がある」と書いてあるが、サンヨー社員にはソニーの液晶テレビや松下のプラズマテレビをほしいと思っても1台目として買う「自由がない」(領収証を提出させる点で、「できる限り自社製品の購入を求める」という社会常識から大きく逸脱)。サンヨー社内は19世紀か、それとも18世紀か? 江戸時代の大地主が小作人に「凶作でたいへんだから、この豪商から反物や農具その他を必ずいくら購入せよ」と要求したら、水戸黄門が登場して、助さん格さんが大暴れするんじゃないのか?(注 黄門さまのスポンサーがサンヨーなら↑ここはもっと笑えるが、あいにく松下電器産業) 西武鉄道が社員全員に年に20万円分はうちの電車やバスや遊園地を利用せよといったら、バカだとは思わない? 給与の現物支給なら、製品を工場出荷価格に近い価格で入手できるからまだ社員は幸せなのかも(注2 某家電メーカー関係者からは「社員販売価格は大手量販店価格と変わらない」との指摘あり)。だが「市場で買え」といっているから、サンヨー社員は量販店その他に余計なカネを払わなければならない。それは、流通量や売上高を下げたくないからで、「粉飾決算」を連想させる会社ぐるみの出来レース。本来なら給与を下げるべきだが、みっともないからか、それはしない。だから、サンヨー社員は余計な所得税まで払わなければならない。この会社、労働組合はないんですかね。あるいは、そんな経営はおかしいと文句をいうまともな株主もいないのか。私なら、こんな会社には絶対に就職しないし、息子にも日大の学生たちにも絶対に就職するなといいます。知り合いで株を持っている人がいれば、損切りで売り飛ばせといいます。サンヨーの経営陣には、「今回のような非常事態には給与を下げる」という正直な会社のほうが、見せかけの給与水準を維持して自社製品購入を義務づけるウソくさい会社より学生も株主も集まるはず、という判断力が欠如している。こんな前近代的な会社がデジタル時代がどうのこうのというのを、どうやって信じろというのでしょう
●上の文章、注2を夕方追記。いま疑問に思ったのですが、報道が正確だとすると、部課長に昇進一歩手前の中堅社員も、2004年入社の新人社員も一律に20万円分、買わされるのですかねえ。弱者に辛くあたる、実にイタい会社と私には見えますが
●原稿書き。昨夜のNHK特番も見逃したが、報道によれば「NHKと政治との距離」に一切触れなかったようだから、論評に値しない。NHK受信料不払いは、必ず拡大します
●夜、田中康夫、田原総一朗と3人で食事@六本木
01-29
●終日原稿
●2日ほど前、日刊ゲンダイにNHK新会長・副会長就任の感想を聞かれ「会長は技術畑1本槍で政治・カネの面を知らず、副会長は10年NHKから離れており海老沢体制で何があったか知らず、何が問題か知らなければ改革はできない」「改革できなければ、年半ばにも受信料不払が100万になっても不思議ではない」とコメント。どの記事に使ったのか知りませんが
●同じサイトの【辻斬り説法】で俵孝太郎が「そもそも、従軍慰安婦問題の『民衆法廷』と称する政治ショーを公共の電波に乗せたことが重大な偏向だった」と書いているが、話にならない妄言です。じゃあ、「北朝鮮の『偉大なる共和国のマスゲーム』と称する政治ショーを公共の電波に乗せたことが重大な偏向だった」といえますか? そんな馬鹿げたことはいえない。 北朝鮮はどういう国かを報道するには、偏向と見えるその政治ショーだって公共の電波に乗せてよいに決まっています。NHKが「左翼の小集会をことさらニュースで扱う」との指摘も、今は昔の話。イラク戦争開戦のときNHK報道局ではハッキリ「反対デモや集会はニュースで扱うな」という指示が出ていました。もちろんデモや集会は「左翼」だけのものではなかった。海外の大規模デモは、自国の国旗を押し立てて(右も左も関係なく)やっていたが、その扱いも自主規制しました
●俵に限らず「テレビは偏向した主張やイベントを扱うべきではない」という人があるが、その人は「テレビは『この主張は偏向だ。あのイベントは偏向だ』と判断して、それらは扱わないと決めるべきである」といっているわけですね。私はなんで、テレビごときに「偏向かどうか」の判断を委ねられると思うのか、まったく理解できない。俵孝太郎は、たとえば醜態だったNHKの新潟中越地震報道を書いて、NHKの退廃を強く批判している。この批判に私は諸手《もろて》を挙げて賛成です。だからこそ、そんなだらしない(政権が代われば新しい権力にすり寄るであろう)テレビに政治的偏向の判断を預けてはダメだ、と思います。ところが、テレビはだらしないと批判する人がテレビに政治的偏向の判断を預けるというので、私は「?」と思わざるをえない
●なんでテレビを規律する放送法に「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」と書いてあるのだと思いますか? テレビに偏向なんて決めさせたらヤバイからに、決まっているでしょうが。占領下の1950年にできた放送法はアメリカが日本にくれたもので、日本の戦前の放送(ラジオ)は大本営発表しか流していなかったから、そいうのはダメだと日本人に教えた。で、マッカーサーによれば「日本人は12歳の少年のよう」に、スポンジが水を吸収するように、素直によいものを取り入れていった。半世紀余をへてなお、放送が世の中にはいろんな考えを持つヤツがいるのだと伝えることは、よいことだと私は信じます。それが自由主義の社会です。「偏向しているとテレビが決め、それは放送するな」といっているヤツは、自由社会の敵であって、北朝鮮の連中に近いのです。なぜいつもは北朝鮮を批判する者が、NHKへの政治介入問題に限っては北朝鮮の連中に近い発想をしているかといえば、党派(の問題)を言論表現(の問題)に優先させているから。それは(教条的)マルクス主義が陥った誤謬そのものであって、つまり「バカは繰り返す」(右も左も)わけです
01-28
●原稿書き。取材の電話いろいろ。サンデー毎日は次号で新たなNHKへの「政治介入」を暴露。午後、体調を崩していた中島好登が久しぶりに放懇に出たというので、ケーキを持って、ちょっと顔を見に行く。小田桐誠、福島美子、久野明と3時のお茶をして帰る
●夜、NHK顧問辞退のニュース。当たり前です。4月までに新会長・新副会長以外の全理事が交代しないと、NHKは持たないでしょう。朝日新聞28日夜の記事「顧問の報酬についてNHK、具体的な額を『個人情報』として明らかにしなかった。今回の件では、海老沢前会長ら3人には支払われないという」。個人情報? NHKの内部規定が? こんなバカなことをいうのは誰? 経営広報か? だったら、日本全国どこの個人の家庭でも、テレビ受信機を設置しているかどうかなんて、非の打ち所のない立派な「個人情報」だ。だから誰にも情報を開示しない。――NHKは、本当にそれでいいのか?
●朝、田原総一朗と電話で話したら、大意「あるところ(日刊スポーツだったか)に、NHK前会長は自分でコントロールできる『お稚児さん』を新会長・副会長にしたと書いた」「NHK長井CPと朝日記者は『失敗』した。政治家と組んでNHKを死守するという話になり、NHK内部には恐怖心が広がって、内部にあったNHK体制の改革の声など一切ふっ飛んでしまった」「この話はもういい加減にしたほうがいいと思う。NHKなんてもともと政府御用機関だし、そういうテレビ局があったって、どうってことないよ」
●最初の2点はその通り。日放労あたりもどうしてよいかわからないらしく、1月12日「ETV2001」についての報道を受けて「事実関係の調査を速やかにおこなうとともに、放送の自主自立を貫く姿勢を徹底するよう(経営陣に)申し入れ」と、まるで他人事。田原のいう3点目、「政府御用機関なんだから放っておけ」については、半ば同感する。放送法上NHKの経営委員長以下経営委員は内閣総理大臣が任命するのだから、最初から政府御用機関(に近い)ともいえる。私は現段階で放送法改正が必要だとは思っていない。「会長を決める経営委員を首相が決める放送局」(公共放送の放送局)が日本に1つあってよいと思う。しかし、なぜ「会長を首相が決める放送局」(国営放送の放送局)でないのかを、よく考えるべき。いうまでもなく政府から距離を置くためにそうしてあるのであって、だからこそ受信料制度で運営しているわけです。この点で、私は放っておけないと思っています
●NHKは、番組内容を事前に政府高官のところに説明にいき、それを聞いて明確に内容が偏向しているとわかったうえで政府高官が口にした「公正中立の立場で報道すべき」との指摘を聞き(この時点で「番組への干渉」が成立する。以上のようなやりとりを先進的な民主主義社会では「番組への干渉」と呼ぶ。使われた言葉にかかわらず、それを「番組干渉」と定義するのです。以上のやりとりは、安倍晋三サイトに書いてあること)、その時点から放送までの間に予定していた内容を3分カットした(この期間に右翼が押し寄せた、誰かが強く抗議したという事実が出ていないから、政府高官とのやりとりが3分間カットのきっかけになったと疑われているが、証明はされていない。しかし、「番組への干渉」があったと指摘するのに、その証明は必要ない)。2001年1月末に起こった以上の出来事は、NHKと政府の距離が近すぎることを示し、受信料制度で運営するNHKの趣旨に沿わない。放送法が想定する「政府と距離を置く→そのために受信料で運営」が、現実には「政府と距離が近い→それなのに受信料で運営」になっている。すると、どうなるか? NHKは「政府と距離が近いことを了解する人だけが受信料で運営」することになりかねない。それはNHKの崩壊を招くと、私は思う。だから、NHKは政府と距離をおけ、政治家は番組干渉を認めて反省せよ、と私は主張しています
●考えてもみてください。あなたが誰か身近な人に「今日、NHKでこんな番組をやってたよ」と番組内容を説明するとしましょう。持ち時間1分で説明するとして、それを聞いた人が「明確に偏って内容であることが分かり」(安倍晋三の言葉。「て」は「た」の誤植かも)ますか? そんなバカな話はないでしょう。いいですか、番組にどんな人物が出て、どんな発言をしているか、模擬法廷のどのシーンを使っているかなど、ある程度こと細かな説明を聞かなければ、「明確に偏った内容かどうか」など、わかるはずがない。万が一、安倍晋三という政治家が、そのような細かい説明を聞かずに「特定の番組が偏向しているか、偏向していないか」を判断したのなら、愚かにもほどがある。それは、政府高官が放送前の番組の内容をきちんと把握せずに「偏向」と決めつけたことを意味するから、検閲制度よりもなお、たちが悪い(検閲制度下では、番組内容を提出させ審査したうえで、放送の可否を決めるので)。安倍晋三がそんな愚かな政治家とは、私には到底信じられないから、この政治家(当時は内閣官房副長官)は、番組内容をこと細かに聞いたのです。そのうえで、なお「明確に偏向している内容」と判断して自分の意見をいえば、「公平中立という一般論を語っただけ」などという言い逃れは通用しない
●あなたの考えが右よりか左よりか、自民党支持か野党支持か無党派か、北朝鮮制裁に積極派か慎重派か、NHKが好きか朝日が好きか、などにかかわらず、あなたがテレビで見て「ふーん、そうなんだ」とか「そんなはずはねえだろう」とか思うNHKの番組が、特定の政治家だけには前もって内容をこと細かに説明済みのものだったら、いやーな気持ちがしませんか? 受信料を払ってそれを見る自分が、特定の政治家よりもコケにされているとは思わない? 思わないなら、あなた、奴隷根性が染みついてますよ。「いや、番組内容が気にくわないから、特定の政治家が前もって意見してくれたのはよかったよ」と思っている人には、こう聞きます。「従軍慰安婦については、あなたと政府高官の意見が一致するから、あなたはそう思う。しかし、あなたと政府高官の意見はいつでも必ず一致するか? 事前に説明を受けた政府高官が、その出演者は外せと意見して、それがあなたの好きな人物だったら、それでいいのか? 野党が政権を取ったら、政府高官の顔ぶれが代わるから、NHKは現・野党政治家に前もって番組説明しにいくことになる。それでいいのか?」と。ダメでしょ、そんなの。
●ところが自民党政治家は(おそらく一部の野党政治家も)、NHKが事前に説明にくることを、おかしいと思っていない。政治家は「NHKが視聴者をコケにしていること」を、当然のことのように受け入れている。つまり、政治家は、視聴者大衆に信頼を寄せておらず、視聴者大衆をコケにしていることになる。「NHKには事前に『偏向した内容だ』と判断のうえ『公正によろしく』といっておいた」と平然と語る政治家は、「この国の愚民どもにNHK番組をいきなり見せても『偏向かどうか』なんて判断できっこないから、自分が事前に判断のうえ意見しておいた」といっているようなものだと、私は思います。当サイト、視聴者は“バカ”なのか? 規制論者に染みついた“愚民思想”もご参照ください
01-27
●NHK前会長は、NHK顧問として影響力を発揮します。新会長は「悪くいう人を聞いたことがない、いい人」(NHK関係者)ですが、NHKの政治面やカネの面には詳しくなく、その部分の改革は(第三者機関でも設置しない限り)できません。取りやすいところだけから取る不公平な受信料制度、政権与党に極端い弱いNHKと政治の関係については、何一つ変化がありませんから、受信料収入は下げ止まらず、このままでは今年半ばまでに100万の大台に達する恐れが強いと思います
●原稿書き。夕方「特選街」打ち合わせ後、日本映像事業協同組合「ヤング映像クリエーターを励ます賞」授賞式@全日空ホテル。DVDだのデジカメだの春のPCラインナップだのを特集する「特選街」は、ただのグッズ紹介誌でなくメーカーに歯に衣を着せないこともいう(そのような記事を望む読者も多い)そうで、デジタル時代の「超辛口コラム」30連発!を特集
●26日は、原稿書き後(校了日翌日入稿ごめん!!)、問題の2001年1月30日NHK放映番組のビデオを視聴し、2000年9月段階の番組企画書(3バージョンある)、12月末段階の構成台本、ドキュメンタリージャパンが関与した最終段階の台本(ここからさらに3分削った)、裁判提出証拠その他資料を読んで放懇へ。週刊Spa!のK記者S氏の取材を受けた後、校正作業。岩本太郎(最近、岩本太郎ブログを開設)、小田桐誠、隈部紀生、田代勝彦とNHK問題ほかを話す。隈部紀生・NHK元解説委員は、新副会長の永井多恵子と2人で地方ニュースをやっていたそう。麻布の先輩で相模湖事件の翌年卒業というところから、ドブチュー、能登パン、伊月道海の話なども。私が中1のとき黒板に当てた三角定規がガタガタと音を立てていた幾何のドブチュー(すでにヨイヨイだった。話がよく聞こえないので、生徒たちは机を極端に前に移動させ、教室の後3分の1が空いた。保護者を通じてマイクを使えとの要求が届いたらしく、ある日ものすごく怒って何かいっていたが、よく聞き取れず)は早々に亡くなり、能登パンは根本昌博の結婚式で隣りの席になって帰りタクシーまで送ったが、その後亡くなった。ちなみに中川昭一は私が中1のときの高2か高3。こちらは「ケンちゃん」の同級生
●放映版は、冒頭の元従軍慰安婦(民間法廷で証言したアジア・オランダ女性)が、誰(どこの国の兵士)の相手をさせられていたかすら判然としないバカげた番組。何だったのかよくわからない民間法廷を紹介した後、「こんな裁判は無意味」との歴史研究者の長いコメントが出て、つまり民間法廷を否定する意見を強調したうえで、意義があったとの断片的意見、過去の従軍慰安婦問題の経緯その他を並べているので、全体として何がいいたいのか不明。私が制作会社側だったら「制作会社名は絶対に出すな(その代わり報酬は倍額出せ)」といったでしょう。そのくらい、放送することが憚られるみっともない番組です。「44分版と40分版を流せ。それを見比べようじゃないか」という意見があるが、44分版は存在しない(テープに残さずに消された)可能性あり(断定はしません)。念のため、このような間抜けな番組が放送されたことは、「政治介入があったことの証明」にはなりません。「NHK側がバタバタの状態で放送予定の番組内容を間抜けな方向へ改変したことの証明」にはなりますが
●私は、番組制作者も新聞・雑誌記者も私のような雑文書きも、番組や記事を世に出すときは、そのもっとも効果的な出し方を考えて出すべきで、それも仕事の内だと思っています。たとえば、自分では絶対にこうだと思っていても、ストレートに出したら反発を買って逆効果と思えば、世間の反応を見ながら小出しに出していくとか、代わりの誰かに言わせるとか、作戦を考えるのが当たり前。従軍慰安婦問題を扱うとき、自民党に誤解されそうだと思えば、自民党内部で重きをおかれ、しかも話のわかりそうなハト派的人物(後藤田正晴とか宮澤喜一とか)を取材し、そのコメントを最初から入れておく。右翼が騒ぎそうなら、右翼の大物(名前は出さないが、私は心当たりがあるし紹介してくれる人も知っている。マスコミ出ている連中ではない)に「日本が連合軍の占領下にあったとき、日本の女たちが占領軍兵士の性のはけ口になっていた事実を、どう思いますか」「あなた民族派でしょう。ならば中国や朝鮮の民族主義にも理解があるはずですね。そこで仮定の話としてうかがいますが、日本の占領地域で、その国の女たちが占領軍兵士の性のはけ口に利用されていたとしたら、民族派としてどう思いますか」と質問し、そのコメントを最初から入れておく(そのとき「日本の女たちが米軍兵士の相手をするのは当然だ」とか「アジアの女たちが皇軍兵士の相手をするのは当然だ」といったら、ふざけんなといいますが、もののわかった右翼がそんなバカなことをいうはずがない)。そのような発想や配慮のできない制作者ジャーナリストはダメだ、と思っています
●以上のようなことは、政治介入の有無や、NHK対朝日新聞の泥仕合とは、まるで関係がありません。興味のある方は次号、週刊Spa!にて
01-26
●次号の「放送レポート」はNHK問題を特集。メディア研究者などの意見を紙幅の許す限り紹介するらしく、坂本も400字5枚書いています
●同誌次号に書く予定だった地上デジタル論考「どうなってんだ? アナアナ変換」は、延期に。各地の電器屋さんから「2人1組で周波数変更設定に回っている。1軒につき1人の手取りが850円。ガソリン代と出張費は自腹」というような情報提供メールをいただいています。ブースター障害も大変な様子。ありがとうございます。ちゃんと原稿にしますので、しばらくお待ちください。
●地上デジタル放送計画の中枢にいる人物は「2005年は地デジの赤裸な事実が露呈する年」という。総務省はアナアナ変換にかかるカネを、四百数十万世帯を対象に1800億円、つまり1軒あたり3万円以上と想定し、予算措置を講じている(携帯電話を使っているすべての人から、そのためのカネを徴収し使っている)。何が起こっているか、おわかりですか? 変な話だとは思いません? 誰が途中でかすめ取り何に使うのか、気になりませんか? 新聞は「デジタル化はおおむね順調」などとトボケた記事を書くが、順調に進捗しているのは「実態隠し」だけですよ
01-25
●2005年度NHK予算案は、受信料収入見込みが前年度比72億円減と速報あり。100億円は確実との見通しでしたが、相当無理をして押さえ込んだ様子。これは案にすぎず、現在も不払い・解約が続いていること、1年前払い分が更新時に落ち込む可能性、3月引越シーズン後に落ち込む可能性を考慮すれば、現実のマイナスは100億円を越える可能性あり。なお、前回11万3000件といっていた不祥事発覚後の不払いは、40万件以上に拡大との未確認情報あり(←午後3時ころ。夜以降の報道によれば、NHKは年度末に40〜50万件の見込みと発表)。月末には発表されるでしょう。フジ「特ダネ!」から受信料問題でコメントをVTR録画したいと打診がありましたが、時間がなくナシに。サイトの数字は好きなように引用してくれと
●今日のNHK経営委員会で会長が辞任表明する見通し(時期を明言するかは不明)。8年前、坂本による就任直後の海老沢勝二インタビューをご参照。ここで述べられた抱負の何がどうなったか、各自ご確認を。なお、会長辞任でも、不祥事やその隠蔽に会長同様の責任がある現職理事に引き継ぐなら、笑止千万。NHKは改革できず、何も変わらない
●中立公正な報道を心がけるべきNHKのニュースが、政治介入問題で連日、自民党政治家の一方的な主張だけを垂れ流し続けている。放送法第3条の2の2「政治的に公平であること。」2の4「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。」に違反していることは明白だ。いいかげんにすべきである。念のため、「朝日だってやっている」は言い訳にならない。朝日、読売、産経、自由民主(旧自由新報)、聖教、赤旗など新聞の政治的公平と、NHK、日テレ、TBS、フジ、テレ朝、テレ東など放送の政治的公平は別物。放送法で規律されるのは放送局だけ。だからこそ放送は免許事業。朝日はNHKと話してラチがあかなければ、提訴前にBPO(放送倫理・番組向上機構)に権利侵害の苦情申し立てをしてよいケース(注:原則として個人の苦情を扱うが、企業からの権利侵害の申し立てを必ず門前払いするわけではない。提訴後はBPOでは受け付けない)
●「ポスト小泉」は安倍氏 野田氏、郵政で造反も(共同記事)。次期政権を狙うと仄聞《そくぶん=間接的にちょっと耳に》する民主党が、NHKニュースが「ポスト小泉」安倍晋三の顔だけを連日流し続けて、よく文句をいわないものだと、私はお人好しぶりに感心するというか、間抜けぶりに呆れる。夜7時は他局にニュースがないから、NHKニュースの視聴率は内容にかかわらずものすごく高い。そこで連日、特定の政治家の顔と声を流せば、人びとはその政治家に好意的な印象を抱くことは、心理学の分野で実証済み(たとえばR.B.Zajonc, Attentional Effect of Mere Exposure: Journal of Personality and Social Psychology 1968,9,1-27とか。いわゆる「単なる接触の効果」Mere Exposure Effect)。民主党その他の連中は、そんなことも知らんのか? テレビ時代のポピュリズム政治のもと、テレビで選挙を戦う政党ではないのか? 野田聖子はテレビ受けする若くてかっこいいヤツが首相候補だといっているではないか。野田聖子が「造反宣言」した郵政民営化については、坂本による首相就任前の小泉純一郎インタビューをご参照
●今朝の東京新聞コラム「政理整頓」で、論説副主幹の谷政幸が郵政国会についてなるほどの記事。与党政治家の「もう勝負あった。去年の参院選、竹中平蔵(郵政民営化担当相)の取った票に、長谷川憲正、荒井広幸(2人も郵政族で民営化絶対反対)の票が、二人分足しても及ばなかった」との見方、与党幹部の「小泉さんの怨念だな。総務省の、旧郵政省出身の役人が、先輩たちが郵政大臣だった小泉さんをいじめすぎたとボヤいているそうだ」との解説を紹介している。郵政改革のメリット・デメリットが不明なのは問題だが、中身はともかく民営化が成ることは成る、と
●寝ずに原稿を書いています。著者、編集者のみなさん、すみません(ホントはちょっと寝た)
01-24
●次の日経エンタテインメント、女性自身、週刊SPA!などに、NHK政治介入問題についての坂本の見解が載ります。週刊SPA!からは、番組の企画書や台本(それぞれ何バージョンかある)、放映テープなどを見て、何がどうなったか分析してくれとの依頼。その改変につき田原総一朗と森達也が対談する。私は当時の政府高官が「自ら語った証言だけ」から、NHKに対する番組干渉・政治介入があったと判断しています。台本など各種資料と放映テープはNHKが放送直前までに放送内容を改変・編集した証拠にはなるが、番組干渉・政治介入があった証拠には全然なりません。当たり前ですね。なお、44分バージョンの映像は手に入らない模様(台本のみ)
●古いインタビューですが、現在の政治・メディア状況に少しは参考になりそうなので、テレビな人びとページに、小泉純一郎、海老沢勝二をアップ
●国境なき医師団(MSF-Japan)副会長の臼井律郎からメール。例によって無断転載します(私へのメールは、送信者に断りなく当サイトで取り上げる場合があります。送信者名を出す場合は必ず許可を取りますが、それ以外の場合は返信しません―返信している暇がありません―ので、ご了承のほど)
-----ここから臼井メール-----
●ジャーナリズムにももちろん独立や中立といった概念はあるのだろうけれど、日本のメディアに、僕たちが考えているようなものは望んでも無理だろうとは思います。
●ただ、日頃議論している中で、独立・中立という僕たちにとって決定的に大切なものに関して、常にキーワードのひとつになっている「Conflict of interest」についてちょっとだけ。ジャーナリズムにも、関係あるかも。
●たとえばMSFなら、右・左に関係なく、政治家としての立場で入会を希望される方はお断りしています。政治的な目的と、僕たちの目的とは根本的に相容れないからです。最近は、製薬会社とも一線を画しています。製薬会社は、ある意味では人道援助のパートナーですが、同時に、エイズ治療薬のことなど製薬会社とはいつでも利害が対立する可能性があるからです。
●しかし、これは政治家や製薬会社を非難しているわけでも、また、現在MSFが政治家や製薬会社と具体的に利害が対立しているという意味でもありません。立場と目的が違うだけです。つまり、彼らはMSFとConflict of interestの状態にあるということです。こうした人たちを組織の内部に受け入れてしまえば、MSF本来の判断(人道援助の対象になる人たちの必要に基づく判断)ができなくなる可能性があります。別の言葉で言えば、MSFの判断と行動の、独立・中立の問題です。
●Conflict of interestは、日本語では「利害の衝突・対立」などと表現されるようですが、やや誤訳の観があり、日本語には適切な言葉はない気がします。必ずしも実際に利害が衝突して喧嘩している状態を指すのではなく、そうなりうる可能性のことも暗に言っているからです。Conflict of interestを避けるというのは、利害が衝突するかもしれない可能性を、可能性の段階で摘んでおくことによって、現実の問題になることを事前に防いでいるわけです。
●独立・中立というのは、それくらいデリケートな問題です。それくらい神経質でないと、独立・中立など守れません。放送前にあらかじめ政治家に相談に行って、そこで何を言われても影響されず、最終判断は自分たちでできるなどという考え方がもしあるのなら、それを言う人はConflict of interestという言葉の意味を知らないのだろうと思います。独立・中立という言葉の意味もです。政治を批判するのはジャーナリズムの使命のひとつだと理解しているのですが、もしそうなら、批判者と被批判者の間にはConflict of interestがあるのは当然です。それ以前に、モラルの問題ですが。
●自分たちの判断に影響を与える可能性のあるもの、特に権力からの干渉を極力排除して、はじめて独立・中立という言葉を使えるというのが、言葉の遊びではない独立と中立を目指しているものの常識です。
●こうした重い言葉を使うときは、まずきちんと定義してから使ってほしいものだとも思います。そうすれば、不要な混乱もなかろうと思いますが。
-----ここまで臼井メール-----
●臼井は「政治的な目的と、自分たちの目的とは相容れない」「政治を批判するのはジャーナリズムの使命のひとつ」といっている。しかし、その考えがすでに、日本の多くのいわゆる「ジャーナリズム」(マスコミ)からは失われている。そのことはConflict of interestという概念が存在しないことと同義。で、なぜかといえば、そもそも日本の「政治」という概念が、臼井たちの、あるいはフランスにおけるそれと、違うから。違うなかで、日本のジャーナリズムもそれなりの変容を遂げてきた、ということでしょう。どういうことか説明すると、ムチャクチャ長くなるので、また今度
01-23
●NHK政治介入のページに、「NHK」対「朝日新聞」の対立に巻き込まれるな!! 問題の本質を見失うな!!をアップ。朝日に批判的な人も好意的な人も、どちらも泥仕合に巻き込まれるのは得策ではありません。「朝日新聞によればこうだから、私たちはこう考える」などという声明文も、なんでそんな文面で出すのか、理解に苦しみます。これは朝日に好意的な側。朝日に批判的な側でわけがわからないのは、朝日がキライで安倍晋三がスキなのはよいが、自分の主張の裏付けに、不祥事を隠蔽しまくってきたNHK首脳の発言を援用するケース。なんであんなのを信じる気になるのか、理解に苦しみます
●なお、私は朝日が録音テープを持っていることは間違いなかろうと思いますが、持っているというはずもないことは常識。刑事が「あいつはゲロッた。お前も本当のことを言え」というように、記者が「政治家は認めた。どうだったのか」というのも、本当のことを言いそうもない相手に対しては、ありうる取材手法。確かにルール違反だが、ジャーナリストは、これは断固として伝えなければならないと思えば、オフレコの約束を破ろうがが盗聴しようがかまわない、というのが私の考え(私は「ジャーナリストはジャーナリストである以前に日本国民であって、日本国の法律は守らなければならない」とは思っておらず、「雑文を書いている私は、日本国民である以前に私であって、日本国の法律を守るかどうかは私が決める」と思っている。私が日本国の法律を守っているのは、多くの法律を守る価値のある妥当なものだと考えるからにすぎない)。法律違反を犯したなら、堂々と罪を認めて刑務所に入ればよい。そうまでして伝える価値があると思えば、勝手にすればよい。これは政治家も同じです。「政治家としての断固たる信念から、放送法違反は承知のうえで番組に介入した」というなら、まだ話はわかる。ところが「政治介入してない」というから、そりゃ違うだろうというのです
●それと、録音テープの有無は取材の信憑性には、あまり関係がない。GALACで郵政大臣(当時)の野田聖子を取材したとき、テレコを持っていかなかった。記事は掲載前に見せる約束だったからゲラ(校正刷り)を見せたら、広報から「こんなことは言ってない」と電話。先方はテレコを回していたはず。「冗談じゃない。調べ直せ」といったら、後で「上司のノートにあったが、自分のメモになかった。失礼」と電話があった。そんなもんです。なお、最近は広報を通して取材する機会が滅多にないが、ここ何年かはNHKも郵政省も、私の取材では必ずテープレコーダーを回していました。もちろん私に断ったうえで。郵政省は、取材相手のほかに必ずメモ係がついた。税金のムダづかいですね
●そうそう、ムダといえば、野田聖子のときは広報に求められてA4一枚にまとめた質問項目を事前に出したのですが、大臣が手元に持っていた質問書は、私がFAXした紙(のコピー)ではなくて、郵政部内でワープロを打ち直したものでした!! 最上部に1行「こんな紙はいらないはずだが、あえて出す」という意味のことを書いておいたので、それを大臣に見せたくなかったのかと思うが、じゃあそこだけ紙で隠すなどしてコピーすりゃいいわけで。「誰かが15分か20分かけて打ったのか。その国家公務員のコストはいくらかな」と、しみじみ思ったものです。もちろん野田聖子はインタビュー冒頭、「こんな紙はやめましょう。どうぞ何でも聞いて」といった。NHKでも役所でも、会長や大臣の指示ではなく周囲が、余計なこと、バカなことをするわけです
●郵政民営化については【Q&A】郵政改革をご参照。坂本が小泉純一郎にインタビューした記事(郵政民営化に触れている)、海老沢勝二にインタビューした記事(会長就任直後)も、時節柄参考になろうかと思いますので、なんとか時間をやりくりして当サイトにアップします
01-22
●サイト読者から「貴兄の観察では宮中歌会始(のNHKニュース映像―坂本注)に海老沢氏がいたということですが、阪神淡路大震災の式典にも海老沢氏と思しき人物が映りました。」とメール。私は昨年来さまざまなNHK関係者と接触し、証言も得ています。来月中旬発売の「サイゾー」にはNHK報道局「絶対匿名」座談会が掲載されますが、これにはニュースの現場カメラマンに対して「会長を必ず映し込め。パン(カメラを左右にゆっくり振る撮影)の最初や最後では不自然だから途中に出てくるとか、誰かと自然にしゃべっているとか、『たまたま映り込んだ』と言い逃れできる絵を、いろいろと撮ってこい」という指令が出ている、との話が出てきます
●昨夕この欄に記したNHK会長の辞任をめぐる話は、共同通信サイトが昨夜「NHK後任会長に技師長浮上 政府・与党筋が明かす【21:28】政府・与党筋は21日、辞任の意向を固めたNHKの海老沢勝二会長の後任に、橋本元一技師長(専務理事)の名前が挙がっていることを明らかにした」と速報した情報。「25日辞任表明」が伝言ゲームで私のところに来たときは(21日5時半すぎ)「23日辞任説・橋本元一という名前が挙がっている・どんな人?」でした。「どんな人?」については、6時頃に当欄01-19記事文末にリンクを設定済み。その後、詳しい人に電話で確認したことを踏まえて、22日午前段階での私の見方を簡単にお伝えしておきます。
●1)私は1か月以上前に当サイトに「NHK会長辞任は時間の問題」と書いており、年明けになって現会長が腹を決めたことを示唆する発言をしたので、辞任表明は驚く話ではない
●2)ただし、直近の段階で4月執行の予算案がまだ確定しておらず(受信料支払い拒否・保留・解約が止まらず、前年から100億円単位でいくら削ればいいか―100億で済むか、200億、300億か―ハッキリしない)、NHKエンタープライズとNHKソフトウエアの合併計画(大規模再編で、日本最大のテレビ制作会社が出現!!)も細部が詰まっていなかったから、現段階の辞任は考えにくい。「いつ頃までに辞任」表明はありうるが、これまでいわれていた3月末か、むしろ4月にずれ込むとの観測もある。一方で、現会長のつくった予算で4月から1年間NHKが運営されるのはいかがなものか、という声もある
●3)技師長の会長昇格は、政治とカネに深くはタッチしておらず、デジタル化計画の推進の旗印を掲げるにも好都合。経済界の納得も得やすく、ありうる人事だろう。だが、緊急避難的なワンポイント・リリーフであることは確かで、有力理事の何人かが残れば海老沢会長体制が続くのと同じ
●4)この時期に出た名前(最初に出た名前)は観測気球の可能性、したがって潰れる可能性も高い。外部からの新会長を招く可能性は、依然として高いと思われる
●5)かつて田中角栄、金丸信、野中広務といった大物郵政ボスがいた頃は、NHK会長・NHK経営委員長・ボスの3者で話をつければよかった(というか、ボスがNHK会長を決めていた)。現在は会長が話をつけるべき郵政ボスがいない。NHK側が自民党側の誰と話をつけるかといえば、小泉首相だろう
●この話の報道で注意しなければならないのは、政治部はエンプラとソフトウェアの合併計画の進捗《しんちょく》度なんてあまり関心がないかよく知らないし、学芸部は自民党の逓信族(総務族)についてあまり関心がないかよく知らないことです。NHK側は両方ともよく知っているのだから、よほど頑張らないと大所高所からの正確な記事は書けない。もちろん私も両方ともよく知らないけれども、私の場合は両方ともよく知っている人を、いつでも電話できるくらいには知っているわけです
●昨晩10時すぎ、田原総一朗と電話で長話。政治介入問題は「事前に番組内容を政治家に説明にいくNHKは、話にならない」点では一致するが、「政治家が一般論を語ろうとも、それは政治介入になる」点の見解が私と違う。そこは朝生的な激論。田原「NHKのあり方が許せないなら受信料を払わなきゃいい。NHKが本当に変わるのは受信料が入らなくなって、にっちもさっちもいかなくなったとき。それ以外のことでは変わらない」というのはその通り
●「一部の新聞・雑誌が、僕に隠れ左翼のレッテル貼りをしようとしている」というから、「タメにする記事を、いちいち気にしてもしょうがない」「いや、気にするよ。テレ朝のスタッフも心配してくれる」「でも、田原さんはあと20年30年とやるわけじゃないんで、何年かで追い落とすなんてできやしない。そもそも安倍さんはじめ、与野党問わず国会議員たちと信頼関係があるでしょう」「しかし、マスコミ全体が危うい方向に動いている。その動きの中でだよ」「森喜朗・前首相が『北朝鮮制裁は慎重に』といった。森さんが極めてまともな存在に見えるのだから、まあ、世の中がおかしいのは確か」てな話も。奥さんを亡くしてから、電話で40〜50分話すことが多くなりました。サンプロは中川昭一を呼ぼうとしたが断られ、竹中平蔵の郵政民営化論、憲法問題などでいくそう
01-21
●夕方の段階でNHK会長早期(23日)辞任説あり、ワンポイント・リリーフでH氏が内部昇格か。日テレ、フジは夕方ニュースで伝えたようですが、少なくともフジは「次」の名前は出さなかったらしい
●日大芸術学部放送学科「放送特殊研究V」今期最終授業。ノートを持ってこないと成績はつかない。その後、打ち合わせ2件で帰宅予定。電話は3時以降にお願いします
●NHKは「事前に番組内容を説明に行くが、政治介入は一切受けない(政治家のいうことはきかない)」といっているわけだ。じゃ、なんで事前に説明に行くのだ? 説明し、意見を聞いても直さないなら、そのまま放送して「ご覧ください」といえばよいではないか!? 実際に見てもらうほうが、言葉で説明するよりよくわかるはずだろう。そうはせずに、事前に説明に行くのだから、それは意見を伺いに、つまり御用聞きに行く。すなわち「政治介入を受けに行く」以外に理由がない。その席で政治家が何かいえば、それを政治介入というんですよ。そのとき政治家は「中立公正公平に」って一般論しかいわないか? 私が政治家ならNHK関係者に前もってこういいますね。「俺は一言もいわんぞ。ただし、右手で鼻をかいたら放送可、耳をさわったら放送不可だ」。そう事前に決めておけば、政治介入できるじゃないか。だから、政治介入を排除するには、「事前に説明には行かない」ようにしなければダメなの。そんなことも、わからんかねえ? ところで日本放送協会が御用放送協会なら、4800万世帯のうち2000万世帯やそこらが受信料支払い拒否をしても、不思議ではない。この国には野党支持者や無党派層【←28日に追記。ごく大ざっぱな話ですよ、こんなのは。計算なんかしてないよ】がそれくらい、いるからだ。NHKはいいのか、それで? 本当に潰れてしまうぞ! そのときは地上デジタル放送計画もご破算
●サイト読者からのメールを無断転載。ご本人は名前、住所、電話番号まで記していますが、ここでは匿名にします
-----ここからサイト読者メール-----
●NHKの政治介入の記事を読んで「やっと自分の意見と同じ」という気持ちを持ちました。
●私も安倍氏がNHKと会い、事前に番組内容を聞いた時点で「政治介入」が成立していると考えていました。安倍氏が「『公平中立な放送をお願いします』というのは当たり前」と言い放ったことを誰も問題にしないのが不思議でなりません。(サンプロの田原氏も聞き流していました)。
●しかし、現状ではNHK対朝日新聞の構図だけが際立つようになり、本来の政治介入の問題がずれてきているような気がして不安でしょうがありません。もちろん、NHK対朝日の構図は面白いことは面白いのですが、それは別次元の問題であり、そのこと自体に関してはお互いの泥仕合という気持ちがしています。
●問題なのはなぜ、この問題に報道各社が一斉に政治介入について徹底的に追及しないかということです。どこからが政治介入なのかという論点を強調しないのかが不思議でなりません。仰るように特定の番組(新聞なら記事)について事前に政治家に説明があった時点で「政治介入」と考えるのが筋だと思います。そのことが今回何も語られていないことにある意味恐怖を感じます。
●報道の公平中立とは特定の番組(記事)だけを指すのではないと思います。例えばNHKであれば一年間(予算の都合上)で偏った思想だけを報道しなければ公平中立を維持するものと考えています。むしろ、思想的に偏っているというだけで報道しなければ、それこそ偏向報道ではないでしょうか?
●今回の放送内容でいえば(私も模擬裁判自体は偏った内容だと承知していますが)、そういう主張をしている人がいる、そしてそうした人たちがこんな模擬裁判まで行って活動しているという「事実」を報道することにどこが問題あるのでしょうか。むしろ、それも国民(NHKの場合、受信料を払っている利益者)の「知る権利」でもあると思っています。その「知る権利」を妨害したともいえるのではないでしょうか。
●そもそもNHKが国会に予算承認をするのは、受信料を払っている国民一人ひとりに説明することが困難であることから、国民の代表である国会に承認を得ているのではないでしょうか。そのこともどうも意識されていないような気がします。
-----ここまでサイト読者メール-----
●次は「国境なき医師団Japan」副会長の外科医、臼井律郎からのメールを無断転載。ご存知かどうか、臼井が90年代後半にスリランカ・ミッションに参加したとき、「国境なき医師団」から受け取った手当ては月に10万円程度です。手術件数は1日に20件。いいですか、日本の病院では、医師がそのようなボランティアに行くのも海外に観光旅行に行くのも同じ扱いなんですよ。月10万円では、家族が日本で暮らせないでしょう。だから彼らは、病院をかけもちでアルバイトをし、カネをためてからミッションに参加する。医者はまだバイト先が見つかるが、看護士で行く人はなお大変
-----ここから臼井メール-----
●その後スリランカについて何か書き送ろうと思っていたのですが、何を書いても誰かの悪口にしかならない気がして、ちょっと躊躇《ちゅうちょ》していました。
●MSFが、津波に関する緊急援助に対する寄付のお願いを終了し、これ以降は“緊急”以外の支援を受け付けるとの声明を出したことは、フランスでは大論争になりましたが、結局おおむね理解されるところへ落ち着いたようです。しかしこれが日本で理解されるのは、いろいろな意味でとても難しい。
●そもそも、津波に拘わらず基本的にはすべての災害で、被災者を最初に助けるのはその地域の人たちです。ダルフールの避難民だって、逃げ出してから最初に口にする水・食料は、通りがかった場所で手に入れます。国際援助ができることは、多くの場合、キャンプなり何なりまでひとまずたどり着いた人たちが対象です。
●今回の津波でも、多くの国際機関やNGO,軍隊が、現地に入り病人や怪我人を助けたかのように宣伝していますが、彼らの大部分が現地入りした時点で、すでに多くの被災者は、地域の人たちなどに助けられて一息ついた後です。スリランカの一番貧しい地域に最も早く入った僕たちが見たものは、まさにこれです。津波は継続的な災害ではなく一回きりで、被災者が後から後から発生するという要素は少ないので、こうした傾向はますます強い。
●それを、MSFの後からきた人たちが、自分たちの活動で多くの被災者の生命を救ったかのように言ったり、まして自分たちが今活動しなければ、今後次々死者が出るかのように言うのは、ちょっとどうかと思います。
●最初の緊急事態は一息ついた、今後は再建など中・長期援助が大切だというのは、理屈に走った言い分などではまったくなく、現地にいて活動し、そして自分たちのしていることの意味をきちんと理解している者の正直な感想です。訳もわからず、ただ目の前で手を差し出している人に、持っているものを片っ端から渡している人たちにはわからないかもしれませんが。正確な調査が必要というのはこのことで、状況を把握しないと、自分たちがしている仕事の意味も理解できないということです。
●ついでに言うと、今回現地に入った僕たちのチームは、とても忙しくろくに寝る時間もなかったにも拘わらず、ダルフールはじめアフリカやイラク、パレスチナ、チェチェニア、北朝鮮などの話をたくさんしました。それぞれ経験があるもののチームで、目の前のスリランカの状況が、たとえばダルフールと比べてどうかということを常に考えていました。援助のProportionality(バランスの取れた援助)というのは、こういうことです。世界のどこかにいる、もっと必要な人を見落として、目の前の人を援助していないかという自問自答です。
●今回、世界の先進国から、未曾有の援助が非常に短期間に集まりました。理由は、津波の被害が前代未聞の大きさだったことの他に、メディアを通じて毎日多くのショッキングな映像が伝えられたこと、先進国の人たちも少なからず犠牲になり、ロケーションもプーケットなど先進国の人に比較的なじみのある場所だったことが挙げられると思います。同時に、多少でも人道的な気持ちのある人たちにとってはフラストレーション続きの2004年の最後の、クリスマス休暇中の出来事で、チャリティーをするには絶好のタイミングでもあったと思います。
●こうした世界の先進国の動きのただひとつの例外は日本です。MSFに関していっても、緊急援助をお願いしてから終了するまでの1週間に、世界中で60億円を超える支援が集まった中で、日本ではわずか千数百万円です。世界のMSFに占める日本の資金の割合は7%くらいですから、この割合を期待したとしてもその数分の一でしかなく、まして津波被害がアジアの出来事で、日本人も多く被災していることを考えると、この数字はちょっとショッキングです。
●日本の人たちや報道関係者が、被害にあった人たちの状況や、それに対する援助のことを、もう少し想像力をもって具体的に感じてくれるようになったらと思います。そうしないと、センチメンタリズムに流れた援助話に満足して、なかなか本当の状況の理解につながらないと思います。逆に僕たち援助する側から言うと、支援してくれた人がすぐ喜ぶような援助の仕方がいつもベストなわけではなく、時には支援者を説得してでも本当に必要な援助が何かを伝える必要があるということです。しかし実際は、日本からの援助者の大部分がこうした考えを持つにいたっていないので、まだ時間がかかりそうですね。
-----ここまで臼井メール-----
01-20
●テレビ東京・BS-JAPAN放送新年懇談会では、テレ東社長・菅谷定彦、常務・森廣成にGALAC(昨年10月号から)編集長・小田桐誠を引き合わせて引き継ぎ。菅谷社長とは「デジタル化でもっとも有利なのは御社。ますますほかと違うことをやるチャンス」と。森「0.1トン」常務には「私は、まだ0.0いくつって0が2つですよ」、制作一本だったのが年金がどうのと管理の仕事をやるようになって大変だというから「経理しかしらないオッサンがそれをやってはダメで、制作の人がやるから意味があるのでは」とか。放送批評懇談会からは志賀信夫、田代勝彦、嶋田親一、松尾羊一「会長は外部から緊急避難で半年くらいってものありだよな」、麻生千晶、島野功緒、中村登紀夫「サイトは検索ですぐ出る? 英文字を打ち込むのは面倒だ」「Googleに名前でも、『NHK政治介入』と入れても出ますって」、鈴木典之「月刊田原総一朗は、楽しみ」、隈部紀生(NHK元解説委員)「週刊現代の記事、個人視聴率ってちゃんといわなきゃダメじゃないか」「私が話したのは去年と比べての分析。あと、ニュースの高視聴率は指摘したがカット。週刊誌なもので」、石井清司、諫山修、永田俊和(ニッポン放送)、鈴木嘉一(読売新聞)、小林毅、今村庸一(駿河台大)、堀木卓也(民放連)、山田健太(新聞協会)「朝日の記事だけに立脚してものをいったら、朝日の記事が崩れたときにまずい」「当然だよ」、川端美樹、峯田淳(日刊現代芸能文化部長)「NHKやりましょうよ」「××って話どう?」「それ、もらい。これから打ち合わせしたい」、福島美子てな面子。中島好登はお休み。雑崎徹(朝日新聞)、米田龍也、岩田牧子(テレ東広報)ともご挨拶。それにしても、乾杯の音頭をとった記者さん、「テレビ東京、BS-JAPAN、ラジオテレビ記者会のますますの発展を祈って……」って、その三者に属さないみなさんの健康も祈念して乾杯してくれ!
●原稿書き。昼、入江たのしから電話がありNHK政治介入問題あれこれ。FM(J-WAVE?)でしゃべる日だそうで。6時半テレビ東京新年会@プレスセンター、その後「女性自身」取材。次号で主婦むけにNHK問題をやるそう。その後も原稿書き
●「週刊文春」渡部絵美衝撃告白 私を弄んだ堤義明/「俺の女になればリンクの一つや二つはやるぞ!」。当時、フィギュアスケート会のアイドルだった17歳の彼女を口説いた堤は、新宿プリンスホテルのベッドに押し倒した… うーむ、これはエグい。さすが文春です。本当なら、オリンピックの出発式だか結団式だか、井上康生が挨拶をド忘れした場面がありましたね。こんなジジイに何か挨拶してたんだ、日本選手団は
●≪関根昭義放送総局長は、番組内容を政治家に事前説明することについて、「放送法上、NHK予算は国会の承認を得なくてはならず、議員に事業計画や個別の番組について正確に理解してもらう必要がある」と話し、「当然」の対応との認識を示した。(19日 23時13分)≫と朝日記事。スポニチ記事にある「公平、公正、中立性を担保するため」との言葉は使ったのか? ここは詳しく報じる意味がある
●19日、NHKが教育テレビ問題で会見。≪関根放送総局長は「安倍氏から公正公平な報道をしてほしいという言葉があった」と番組への言及は認めた。しかし放送前に国会議員に番組内容などを説明することについては「公平、公正、中立性を担保するため」と正当性を強調した。≫とスポニチ。放送総局長のくせに展覧会の協賛金集めに企業を回ったり、NHKは「不祥事の被害者」と開き直った人物だけのことはある。制作中の番組について、政府高官である自民党議員に番組内容などを説明することが、こともあろうに「公平、公正、中立性を担保するため」とは!! 記事に間違いがなければ(探したが複数の記事が見つからない。以下は、スポニチ記事が正確ならばとの条件付きの話)、この発言は、NHKが政治的に公正中立な立場で番組制作をしておらず(説明に出向く国会議員の所属政党に偏りがあるから、特定の政治勢力の意見だけを番組に反映させようとしている)、放送法に違反している明白な証拠(放送法第3条「何人からも干渉され、又は規律されることがない」、第3条の2の2「政治的に公平であること」、第3条2の4「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」のいずれにも違反していると思う)。NHK経営委員会は、番組制作においてここまで政治的に偏向した責任者は排除せよと、NHK会長に迫らなければおかしい。野党も一斉に批判するはずで(しなければ、どうかしている。今日、共同会見を開け!)、関根昭義・NHK放送総局長の辞任は避けられないでしょう。
●前・放送総局長の弁明より、放送法違反が明確な現・放送総局長の暴言こそを、新聞は取り上げなければダメ。これは、テレビ朝日・椿発言事件に匹敵する、いや、それ以上の問題発言です。急ぎ、清水英夫、服部孝章など、放送法に詳しい学者に放送総局長発言を読んでもらい、意見を聞くべき。NHKの番組は、選挙特番や政治討論番組だって特定政党の国会議員に番組内容などを事前に説明し、そのことによって「公平、公正、中立性を担保している」可能性があることを、NHKの番組制作責任者が堂々と証言したわけですから。それにしても、政府高官である自民党議員に前もって見せることによって、公平、公正、中立性が担保された(確保・維持・実現された)番組を全国放送し、政府に批判的な人や自民党支持者以外の人からも受信料を取ろうって、いくらなんでも虫がよすぎる――そのように、自民党支持者や公明党支持者すら思うのでは? 番組制作責任者がこんなことをいう放送局の番組を、受信料を支払って見せられている民主党支持者や社民党支持者や共産党支持者は、相当なお人好しだと、私は思います
●昨夜、田原総一朗とこの問題を電話で話し、「今回ガンガンやるのはいい。だが、NHK批判ばっかりいってるヤツと思われないようにしないと」との忠告あり。そりゃその通りで、これでも相当に気を使い、抑制しているつもり。しかし、この問題のキモはどこと、誰かが言い続けないとまずい。「しんぶん赤旗」のこの記事、まぎれもない政治介入 NHK問題 ジャーナリストら緊急会見 “真実知る人発言を”は、見出しと坂本発言が重なっている。ちゃんと書いてくれたとありがたく思う一方、いろいろ誤解する人がいるかもと思ったりする。ただ、たとえば私の放送デジタル化計画批判は、自民党議員にも民主党議員にも話し、郵政大臣や影の総務大臣にも直接話したし、公明党(学会)系の雑誌や新聞にも、共産党系の新聞にも載っている。まあ、へんなレッテル貼りはされないだろうとは思っているのですが
01-19
●一部新聞が「女性民間法廷は偏向していたのだから、政府高官や政治家が事前に介入し、NHK番組を改変させるのは当然」と読める主張を書いていますが、言論・報道の自由を自ら否定するトンデモ主張。「女性民間法廷は偏向していた」と主張するのはもちろん自由だが、だからといって放映前の番組への政治介入を許してよいはずがありません
●北朝鮮では「独裁政権はよくない」という主張は「偏向」であり、許されていない。そのような北朝鮮はダメであるというには、「政府が偏向かどうかを決めるのはダメである」というしかない(「独裁政権はよくない」という主張が正しいかどうか北朝鮮政府と議論しても無意味。北朝鮮では「金正日は太り気味の小男だ」という正しい指摘をしても、粛正される恐れがあるわけで)。で、北朝鮮で「政府が偏向かどうかを決めるのはダメである」ならば、北朝鮮より民主的な日本国では、なおさら「政府が偏向かどうかを決めるのはダメ」なはず。もちろん日本政府や政府高官と「女性民間法廷は偏向していたかどうか」を議論しても無意味。そんなことは、あったり前でしょう。北朝鮮批判の急先鋒を自認する政治家や新聞が、北朝鮮でまかり通っているであろう「言論・報道の自由の抑圧」を日本でよしとするのは、何なのだ? 「ご都合主義」もよいところでしょう
●「言論・報道の自由」というのは、自分がキライな主張が流れることをも許すこと。なぜ許す必要があるかといえば、自分がキライな権力が登場したとき、自分の主張が封殺されては困るから。政府高官が、自分がキライな主張が流れるのを事前に阻止しようとすれば、それは北朝鮮がやっていることと同じ
●小林道雄が電話で「なぜ民主党は消極的か?」と聞く。私は次のように答えました。「政治介入をしたと疑われている安倍晋三は、自民党の有力な首相候補の一人であり、政権奪取を狙う民主党にとっては、どんな理由からでも叩いておいたほうが得策に決まっている人物。それなのに、民主党代表・岡田克也は早々に政治家の国会参考人招致は求めないと語った。どのような理由でそう語ったのかは推測するほかないが、民主党には自民党出身の政治家が少なからずおり、思想的信条的には自民党と変わらない、あるいはよりタカ派と思われる議員もいる。そのような議員が、女性民間法廷の判決はけしからんと思っても不思議はなく、番組の放送前にNHK関係者と接触し、番組内容について何らかの示唆をしていたとしても、私は驚かない。仮に、そのようなことがあり、NHK側が材料を握っている(「×月×日、NHKの誰それが、民主党の××先生をお訪ねし、番組について説明した」といつでも発表できる)のであれば、民主党が今回の政治介入の真相究明に及び腰でも不思議はないと思う。いずれにせよ、次期政権を狙う政党が、政権与党の有力首相候補の足を引っ張る最大のチャンスに沈黙を守っていることは、極めて不自然だ」
●インサイダー情報によれば、NHKの今年度予算(4月から執行)は前年度比3ケタ(100億円以上の規模)のマイナスとなりそう。職員給与の減額があれば、職員側も受け入れる見通し。前年度比「350億円減」というような場合は、デジタル化などで困ったことが起こる。会長辞任については、政治介入問題でかえって「居座り」の可能性も浮上!!(NHK側が「事実は封印し、命をかけて政治家を守る」と確約すれば、それは政治家の弱みを握ったことになる)。あと、副会長横滑り説ほか数人の候補者名を聞きましたが、まだ言わぬが花。ただし、清水英夫はない。高齢だし放送批評懇談会会長でGALAC編集顧問ですよ。ありえません
01-18
●10時、放懇事務局。1時、参議院議員会館。1時30分〜3時50分「NHK問題に関する緊急記者会見アピール」に出席。出席者は当サイトで告知したのとほぼ同じだが、土江真紀子は欠席。会場からは魚住昭、日放労副中央執行委員長・山越淳、福島瑞穂、岩本太郎らが発言。TBS(テレビ・ラジオとも)が来たほか、「民間放送」編集長・堀木卓也、「サンデー毎日」日下部聡、「毎日新聞」臺宏士、「サイゾー」畠山志穂、逢坂厳らの顔も
●坂本の発言要旨は次の3点。(1)前提として個人的な意見をいえば、私は女性民間法廷の結論(判決)に必ずしも与《くみ》しない。私は天皇に戦争責任はあったが、戦時性暴力の法的な責任を天皇に問うことなどできないと思っている。今日の出席者や会場のみなさんには、いろいろな意見があるだろう。しかし、さまざまな意見や考えを抱き、あるいは政治的立場、思想的信条を異にする者たちが、今回の政治介入は看過できないとこの場に参集した。このことが極めて重要だと、まず訴えておきたい。
●(2)記者のみなさんには、「政治介入」の有無に「?」(はてな)の方もいるだろう。しかし、安倍晋三さんが自らのホームページに書いていること「だけ」に基づいても、安倍さんが内閣官房副長官であった2001年1月29日に、NHK幹部に会い、放送前の特定の番組について事実関係を聞き、明確に偏った内容であると判断したうえで、NHK幹部に「公正中立の立場で報道すべきではないか」と放送局の行動を示唆する意見を述べたことは、明らかである。たとえば、子どもに対して勉強の内容を聞いたうえで「勉強すべきではないか」といえば、それはその子どもの行動を示唆する意見だ。その子どもは「子どもは勉強すべき存在だ」という一般論が語られたと思うはずもなく、自分が「勉強すべきではないか」といわれたのだと受け取る。同じように、放送局幹部に対して報道の内容を聞いたうえで「公正中立の立場で報道すべきではないか」といえば、それが放送局の行動を示唆する意見であることは、疑いを入れない。だから、放送番組に対する事前の干渉はあった。政治介入、政治的な圧力はあった。疑いの余地はない。放送法違反も、憲法違反もあった。メディアは、このことをしっかり報道すべきだ。(以上冒頭の5分)
●(3)安倍さんや中川さんは、放送法第3条の2の4「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。」を、特定の番組の中で実現しなければならないと考えているようだ。2003年秋の「ニュースステーション」問題のときもそうだった。しかし、その考え方は間違い。ある一方的な見方、別の一方的な見方、また別の一方的な見方……をいろいろと報道することが、多くの角度から論点を明らかにすること。政治的公平でも話は同じ。旧郵政省も総務省も、そのような法解釈である。メディアはこのことを踏まえて報道してほしい(以上終わり頃に1分)
●いったん帰宅し、6時志賀信夫、谷弘と@赤坂「魚しん」。志賀と別れ「グレース」「美」。ホッチキス型のライターがウケた。12時帰宅
●共同、時事、毎日などが夕方の時点で、会見アピールを速報。時事通信は、
≪続く内部告発を呼び掛け=NHK番組改変問題でジャーナリストら
2001年1月に放送されたNHKの番組が放送直前に改変された問題で、同局の長井暁チーフプロデューサーが政治的圧力があったと暴露したことについて、ジャーナリストら十数人が18日、参院議員会館で記者会見し、安倍晋三氏(自民党幹事長代理)の発言だけからみても政治圧力があったのは明らかだとし、「NHKの心ある人は声を上げてほしい」と、長井氏に続く内部告発を呼び掛けた。(時事通信)―1月18日18時1分更新≫
01-17
●明日1月18日(火)午後1時30分〜3時30分@参議院会館・第一会議室で今回の政治介入問題について「NHK問題に関する緊急記者会見アピール」を開きます。これはメディア全体の問題です。新聞、放送、週刊誌、月刊誌など報道各位には取材をよろしくお願いします。私がアドレスを知っているメディア関係者のみなさんには、後ほどメールで直接お知らせを出します――詳しいご案内
●発売中の週刊現代に「独占入手!海老沢[会長]も仰天!NHK視聴率1ケタ(秘)資料」なる記事。私もその資料を読み、読みとった分析(目立ったのは、ニュースの高視聴率、全体の対前年低下傾向、若年層の離反、大河など一部番組で若者を引きつける一方かえって高齢者離反も、など)を記者に伝え、(カットされていなければたぶん)コメントしています。※(秘)は「マル秘」
●2001年に内閣官房副長官だった安倍晋三は、自らのホームページで、朝日新聞記事に反論している。これを読めば、衆議院議員である安倍晋三・自由民主党幹事長代理(党改革推進本部長)が、内閣官房副長官であった2001年1月29日に、NHK幹部に会い、放送前の特定の番組について事実関係を聞き、明確に偏った内容であると判断したうえで、NHK幹部に公正中立の立場で報道すべきではないかと意見を述べたことは、明らかである。政府中枢にいる高官が、放送局の幹部に対して、放送前で制作中の特定の番組について、偏った内容であると判断したうえで「〜すべきではないか」と意見を述べることを、日本国はじめ民主主義社会では「放送番組に対する干渉」と呼ぶ。そして、政府高官が放送番組に対して干渉することを、日本国はじめ民主主義社会では「政治介入する」「政治的圧力をかける」などと表現する。もちろんそれは、放送法違反であり、憲法違反である。――詳しくは、安倍晋三ホームページ掲載の本人発言にて
●私は、戦時性暴力に関して天皇に法的な責任があるとはまったく考えておらず、天皇の責任を問うべきではないと思っています。多くの日本人もそう思っているでしょう。しかし、そのことと、天皇に法的責任があると結論した模擬法廷についての番組に対する政治介入をどう考えるかは、まったく別の問題です。以上、念のため
01-16
●テレビ朝日「報道ステーション」の安倍晋三発言について(発言テキストへのリンクもあり)、テレビ朝日「サンデープロジェクト」の安倍晋三発言についてをアップ。NHKは、意見が対立する番組については、放送総局長が放送前に「反論を入れ、バランスよくした」と説明に来たと、政府中枢にいた高官が証言している。そんなのは言論・報道機関ではなく、政府御用の国営放送も同然で、北朝鮮中央放送を笑えない。政府に批判的な人がNHKから離れ、受信料不払いが500万、1000万……と拡大しても不思議ではない異常事態です。NHKの崩壊・解体すら、視野に入れるべきかも。大変失礼、人名の字に間違いがありました。安倍晋三さんは安部さんではない。年末にも同じ間違い。寝不足からか、とにかくごめんなさい!!
●「兄の遺体を1年間布団に 死体遺棄で68歳女を逮捕」と共同電(リンクはしません)。そりゃ、法律上は死体遺棄だろうけど、別に山や川に捨てたわけじゃない。毎日通って、話をしたり拝んだりしていたのかも。逮捕し実名をさらすべき事件かどうか。自分が取材もしていない加盟社(配信を受ける新聞)は、考えてほしい
●原稿書き。夜、サイゾー打ち合わせ
01-15
●原稿書き。大量に仕事がたまっており、各方面からサイト更新どころではないはずだとお叱りを受けて当然の状況。ただ、賀状に「毎日見ている」と書いてくれた方も多く、また、メディアが強調しない問題があまりに目立つので、少しだけ
●今朝の東京新聞に、害・無能省(©田中康夫)による非人道的な日本人非支援措置の実態記事。日本外務省が、スマトラ沖地震でパスポートや所持金など身ぐるみ一切を失った日本人旅行者に、その場で帰国のための渡航証発行手数料2500円を請求。カネがない者には、保証人を立てれば5万円を短期に貸し付けると説明。さすが、首と胴体が分かれた香田証生の「遺体の搬送費用を遺族に請求する」といったセコい政府の外務部門だけのことはある。海外で災難にあった日本人同胞に対してこんな無理難題を押しつける、鬼畜同然の連中の給料は、私たちの税金から出ています。恥ずかしいことです。この連中から、シンドラーや杉浦千畝が絶対に出てこないことだけは、間違いないでしょう。役人としては法規に忠実でも、人間としてはクズです
●外務省に限らず、役所仕事というのは、本当にわけがわからない。日銀は偽札対策で旧札回収を急ぐと報じられているが、そんなことより前にメディアを通じて「旧1万円札を受け取るときは、夜店など暗い場所・視力の弱いお年寄りが店番する場所での受け取りに注意。見分けるポイントは第1に……、第2に……」とPRするほうが、どう考えても先。何も新聞に全面広告を打てとかテレビCMを打てとはいわない。記者会見を開き、注意を箇条書きにして画像見本と一緒に伝えろといえば済む。しかし、11日には金融業界を集めて注意喚起したが、タバコ屋の婆さんにも伝わるような形での国民への注意喚起は、まだない。日銀サイト表紙にも何の注意喚起もない。どこにあるのかわからないこのページを作って、全国民に注意を呼びかけたつもり?
●1月14日のNHK夜7時ニュース、冒頭の主な項目フラッシュの歌会始の俯瞰《ふかん》映像の中央に、NHK会長海老沢勝二の顔がちゃっかりしっかり映っていたことに、みなさんは気づきましたか? この期に及んで、まだそれをやるかと、驚き呆れます。この映像を見た右翼は、皇室の伝統行事で会長の存在をアピールするとは何事だと、NHKに抗議するのでは? まさか、辞任の腹を決めた会長が「今日出席するから映し込んでおけ」と命じたとは思えない。ニュース報道の制作レベルで忖度《そんたく》したのでしょう。同ニュースでは、御製《ぎょせい》を朗々と放映し、政権与党お気に入りの番組に仕上がっていました。同じ番組で、「”事実誤認”NHKが文書で抗議」と朝日新聞を批判し、奈良小学生殺人犯のニュースでは毎日新聞を攻撃。最近まれに見る興味深い夜ニュース
●日放労は「(ニュース項目に直接関係ない)会長の顔を定時ニュースで映し込むのはやめよう」運動をやれ!! 同時に「誤解を招くから、ニュースに偶然映り込んだ会長映像はカットしよう」運動もやってくれ!! 頼むから自浄作用を発揮せよ。(注:「歌会始」ニュース本編では会長のご尊顔を拝し奉ることはできず、顔を出さなくてもニュースを伝えることは十分に可能。さらに注:ニュース冒頭にわざと会長映り込み映像を出し、NHKへの批判を強める作戦ってことは、まさかないでしょう?)
01-14
●アジアプレス代表・野中章弘から「今回露呈した政府高官による政治介入は、公共放送NHKの根幹に関わるだけでなくメディア全体の問題。瑣末な事実関係の違いなどで終息させてはならない。そう注意喚起する会見なりシンポジウムをやる必要があると思うが、どうか」と電話。どんなやり方があるか、人出しは、など話す。田原の意見も聞くことに。ここをお読みのみなさん、いざというときはよろしくお願いします
●NHKの内部告発者の証言と安倍晋三・元内閣官房副長官の証言には、NHK幹部との接触の経緯など、いくつかの異同(不一致)がある。しかし、安倍晋三は、放送日の前日にNHK幹部と会ったこと、その際「公平公正な報道を行ってもらいたい」と述べたこと、その段階で「偏った内容と認識していたこと」は認めている。政府高官からNHKに事前に政治的な圧力がかかったと判断するには、以上の本人の証言があれば十分である。呼びつけたか出向いたかなどという経緯は末梢的な問題であり、政治介入の有無を判断する材料にも、政治介入を否定する材料にもならない。――詳しくは、政治家とNHKの接触の経緯など、事実の異同について
●日大授業。午後、田原総一朗と取材・打ち合わせ。あとは原稿書き
01-13
●NHK番組改変問題 「会長了承していた」と告発者会見(朝日新聞サイト)。NHK番組制作局教育番組センターのチーフ・プロデューサー長井暁の勇気ある告発に敬意を表します
●当サイトにNHK番組に政治介入。政府高官が放送前に干渉し、番組内容を変更。「裁かれた戦時性暴力」でをアップ。坂本の見解を記しています
●疑われていたことだが、NHKに激震。旧日本軍の慰安婦問題を裁く民衆法廷を扱ったNHK特集番組に対し、2001年1月の放送直前に、当時、官房副長官だった安倍晋三らが圧力。この圧力を受け、NHKは番組を改変のうえ放送していた
●日本国憲法「第21条 1 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。」、放送法「第3条 放送番組は、法律に定める権限に基く場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない。」――自民党幹事長代理・安倍晋三らの行為は、言論・表現の自由を侵すもので、憲法違反です。また、NHKの放送番組に対する「干渉」であり、それによって番組が「規律」されたことは明らかですから、放送法に違反する行為です。しかも、放送後の抗議ではなく、事前に放送に介入し番組をねじ曲げた点で、検閲(これも憲法は禁止)に近い、きわめて重大な問題。言論報道機関に属する、あるいはフリーで言論活動をするすべての人びとは、このような政治家による言論・表現活動への介入に、強く抗議すべきであると思います
●同番組の改変は訴訟沙汰になっているにもかかわらず、NHKは政治家による干渉を隠していた。NHKが、このように政権与党の言いなりになる御用機関にすぎないならば、野党支持者は受信料を払うのをやめるでしょう
01-12
●昼過ぎ、NHK問題で「週刊現代」記者が来る以外、ずっと原稿書き。同誌17日発売号をご参照
●インド洋大津波で、各国の警報体制がどうと報道されていますが、日本は? 十数年前、13号埋立地(現在のお台場とその南に広がる人工島)をよく取材しました。臨海副都心計画の批判者の一人、早稲田大学の尾島俊雄に何度も話を聞いたが、「津波が心配。防潮堤の外側で、人の住むところではない」「液状化で、埋めてある共同溝が分断され浮き上がる」(注:広大な原っぱに見えるが、道路下は巨大な溝が縦横に走る。水道光熱ゴミすべてそこを通す計画だった。建設中のある日曜、太田勝久カメと巨大な現場にいったら誰もいないので、下に降りて撮影しまくり)といっていた。関東大震災時にも津波被害(たとえば千葉県で死者・行方不明1300人)が出ている。山が迫っている紀伊半島の沿岸部も危ないのでは。「はるか対岸のTSUNAMI」ではありません。ところで世界最大の再保険会社ミュンヘン再保険は、東京・横浜圏のリスクについてとんでもない想定を……。数十万人はすべて死者?
01-11
●原稿書き。国境なき医師団「支援物資行き渡らず」(JNN=TBSが臼井律郎を取材したビデオ映像。元ページが見つからないのでGoogleのキャッシュ)
●山古志村長「村復興に1000億円必要」座談会で 村長は「まだ確定ではないが、村がすべて復旧するには約1000億円の費用が必要」と明らかにしたそう。ならば、断じて「すべて復旧」させるべきではない。山古志村の人口は700世帯、2222人(うち生産年齢人口1236人)。農業生産額は年6億円程度。10年で100世帯以上減った(「市町村の姿」データは2000年と古い)。そのような村に1世帯あたり1億4000万円も支出する余裕は、誠にお気の毒だが、日本国にはない。そう判断し、村民を導くのが政治家や行政官というもの。国や県を動かせ(カネを出させろ)と村民を煽るのは、ナンセンス極まりない
01-10
●12月28日にスリランカへ出発し8日に帰国した国境なき医師団(MSF-Japan)臼井律郎から、「取り急ぎのスリランカ報告」メールが昨夜あり。なるほど、専門家のいうことは違う。そのまま転載させてもらいます。8日成田空港で会見する臼井律郎(時事通信配信の写真ニュース)
-----臼井医師のメールここから-----
●現地の状況は、地域のコミュニティ、国内のボランティアなどの迅速かつ大変手厚い対応のお陰で、それなりに落ち着いてきつつあります。亡くなった人は帰らないけれど、生き残った人たちは気を取り直してがんばっているといったところです。国際社会からの援助も現地に届いており、役立っています。とりあえず(今の時点では)、最低限の援助物資や薬は基本的には足りています。皆様ありがとうございます。しかし問題点も多々あり。
●まず、現地での評価活動が非常にプア(貧弱)。どの地域にいるどんな人たちに、どんなニーズがあるのかということを把握する前に、手当たり次第に援助している観あり。現状に関するデータが非常にプアで、あるレポートによれば2000人の避難者がいるはずのキャンプへ行ってみると200人しかいなかったり、逆に、どの資料にも名前さえ挙がっていない場所に、援助されず数百人が暮らしていたり。他から出たいい加減かもしれない数字やデータを鵜呑みにせず、状況を把握するためにまじめに評価活動をしているのは、失礼ながらMSFだけのようです。
●今回は援助物資が世界中からどんどん届くので、早く配ってしまいたい気持ちはわかかる。しかし、手近にいる人から順に援助物資を渡して、実はもっとも必要とする人を見落としている危険性を考えないと。しかも、現地でのコーディネーションはゼロに近い惨状。それぞれのアクターが、それぞれ勝手に活動しています。あることろは援助がダブる反面、あるところは忘れられていたり。全体に、都市部から遠ざかるにしたがって、援助が手薄になっています。みんな、配りやすいところから配っているせいか。
●コレラなど伝染病の危険性はもちろんあり、最大限の注意と、万一発生した場合の緊急対応はとても重要ですが、そうした危険性を騒ぎ立てている人たちは、実は現地のデータを持っていない。何か起きた場合の対応の準備もしていない。声ばかり大きい観あり。実際に調べて回ったところ、現在まで感染症流行の兆候はありません。もちろんこれは、今後も大丈夫という意味でも、サーベイランスしなくてもいいという意味でもありません。一番大切なデータ収集をしないで、ただ可能性の話だけで騒いでいる人が多い(しかもその多くは医療関係者でさえない)。十分な数のトイレはもちろん必要。しかし、それを今すぐしないと、明日にもコレラが大発生するかのように言いふらすのはちょっとどうか。
●百〜数百人くらいの比較的少数の避難民が、草原の真ん中にぽつんとキャンプしている場合など、とりあえずトイレは広い野原のままにしていても、今すぐコレラということはない。むしろ、これからこうした人たちを何か所かに集中させようとしており、そうした場合にはトイレが足りないと本当に危ない。しかし、これに先んじて対応しようとか、準備ができるまでそうした人の移動を止めようとかいう話はあまりなく、ただ騒いでいる観が強い。
●当面、取りあえずの緊急事態の最初の最初は乗り切った観があるので、今後は中・長期の援助が重要と思います。しかし、まだ最初の最初の段階であるということを忘れてもらっては困る。現地の人たちにとっては、これからの長い戦いの始まりが始まったばかりです。まだ発生から2週間です。
●具体的には、すでに首都まで入っている莫大な援助物資を、今後いかに必要な人たちのところまで運んで、ちゃんと配るか。(すでに4輪駆動の車もトラックも運転手も大変不足している。しかも首都では大渋滞が始まっているので、外国からトラックをもっていけばいいという話でもない。トラックもっていくのなら同時に道路も作らないと、渋滞を悪化させるだけです。ヘリ持っていくのなら、同時にヘリポートも作らないと。急には無理でしょ。言い換えれば、この国の人員・経済力・インフラに見合ったペースでしか援助できないということです。)
●同時に、きちんとした評価活動がないと、必要な人も必要なものも同定できない。感染症の危険についても、ただ騒ぐのではなくきちんとした評価を継続し、そして万一の発生の場合にすぐ対応できる準備をしないといけない。心的外傷に対する対策も、あと2〜3週間くらいで評価を始めないといけない(これは早すぎても駄目。最初の2〜3週で心的外傷の評価をするのなどというは非医学的です。)
●もう少し長期的には、再建援助が大変重要。10年単位の時間と、現在までの援助総額に、もうひとつかふたつゼロを足した額が必要と思います。現在の国際社会の援助熱がさめたころに、本当に金と時間のかかる援助が残されたという話にならないことを祈っています。とりいそぎ。また報告します。
-----臼井医師のメールここまで-----
01-09
●原稿書き
●札幌市におけるNHK受信契約率の実態を、NHK受信料問題のページに追記。札幌市では事業所の受信料はもともとナシと考えても「契約率が5割台」です(公式発表データを計算すればそうなる)。事業所からも取る必要があることを考えればなお低く、もちろん「収納率」はさらに低くなります。沖縄、大阪、東京は、札幌市よりも低い数字でしょう。首都圏の都市銀行の窓口に勤める知人の証言によれば、昨年12月19日に放送した「NHKに言いたい」の翌日の月曜日以降、窓口に口座解約が殺到。その支店ではふだん日に1件あるかないかなので、窓口嬢たちが「昨日の番組のせいだ」と噂しあった。年明けは、年末ほどの集中は見られないとのことですが、不払いや解約が拡大しているのは確か。3月の会長辞任は規定路線でも、それより前に具体的な抜本策を取らないと非常にまずい。今年度4月からのNHK予算は縮小せざるをえない見通しです
●NHK不祥事と「受信料不払い」(支払い拒否)拡大の経緯にも追加
●サイト読者から「NHK民営化についての考えは?」とのメールをもらいましたが、当欄12-08を参照。NHK民営化で、日本の放送が現在よりよくなることはほとんど何もない(受信料制度という曖昧システムがなくなってスッキリするだけ)と思われるので、私は民営化に反対です。この点は、たぶんNHK海老沢勝二会長と同じ考え。NHKを民営化して現在より悪くなることは、デジタル化が完全崩壊し、全放送局が減収減益となり、全放送局で番組の劣化が起こり、高齢者むけ番組は激減し……などいろいろある。現在のNHKを維持するつもりなら、民営化しても国民の負担額はたいして変わらない(民放テレビはタダだと思っている人が多いが、広告企業を通じて民放テレビに流れるカネは年に1世帯平均4万数千円で、家族4人年収600万円というような家庭ではその2〜3倍になる)。ただし、部分的な切り離し・民営化は検討の余地があります。NHKは公共放送ですが、NHKがやっても税金で運営する国営放送がやっても同じだという部門は、部分的な切り離し・国営化に検討の余地があります。もちろん全体の国営化には大反対
01-08
●MSFJapan臼井律郎の報告→共同通信(日経、地方紙はこの記事)19:26/毎日新聞20:23/読売新聞21:41/産経新聞22:09。詳報が届けば当欄で紹介します
●午前9時過ぎ、バンコク空港にいる国境なき医師団(MSFJapan)副会長の外科医・臼井律郎からメール。日本語が打てない環境で英文なので、以下要約。「今日午後4時に成田に到着予定。たぶん空港で記者会見。1998年にMSFミッションで滞在したスリランカ東岸のバティカロアで調査。そこで見たことは実に興味深い。帰国後に書き送る。MSFが議論を招いた件についても、会見で説明する必要があるだろう」。論争を招いたとは、パリのMSFが今回の活動に十分な寄付金が集まったとして、寄付受付中止を表明したことでしょう。報道各位には取材をお勧めします
●昨日のへちまは、シリコンバレーに4年いた森敏明が日本メーカーの駐在員生活(子どもの学校を優先したら家賃3000ドル)を報告。早期退職割増3000万(早く手を上げた「上乗せ分」がその額で、基礎退職金は別。他業種から「何それ?」の声)をもらい銀行から不動産に転職した斎藤敬之がガンジス沐浴体験を語る。TOEICは990点!! 多磨全生園の医師・村上龍司は、患者が減ってきた、膨大な資料の散逸を恐れると。年末に脳出血で倒れたKを見舞った報告も。曽根宏は、英語教育革命の伝道師として講演活動に忙しい。藤森隆は麻布PTAのおばさまパワー爆発につき、口数少なく語る(その存在は進学塾などに知れ渡っているらしく、誰かが「株式会社にしろ!」)。キリがないのでこのくらいにするが、ほかのみんなも、それぞれ仕事その他の有益な話やバカ話を語り、おおいに盛り上がる。久典《きゅうてん》が「終電がなくなるから」と途中で立ったので、もう終電?と思ったら「三島に帰る」と。エラい!! お疲れ!! 次回は臼井のスリランカ報告でどうよ
01-07
●原稿書き
●午後6時半〜11時半へちま@もー吉・松井秀喜部屋。出席は、曽根宏、李家孝昭、森敏明、中込洋之介、斎藤敬之、内藤篤、匿名希望トリ、村上龍司、大留真一、間瀬泰宏、松本久典、藤森隆、坂本衛の13名。なお欠席は、臼井律郎、石川隆、三浦晴男、今田幸伸、野入英世、蒔田清、大西重之、米谷達哉、片山一(坂本把握分)。俺は聞いていないゾという方は、メールでご一報を
01-06
●インド洋大津波による日本人死者は200人〜250人に達する見込み。相当な死者数ですが、マスコミの扱いは小さい。その理由の一つは「未確認だから」ですが、10日も見つからなければ、残念ながらほぼ絶望でしょう。引き波にさらわれれば遺体も出ない。「遺体が出ないから生きている」と信じたい気持ちはわかるが、それは家族の気持ちであって、行政や報道が合理的な理由もないのにそう思う(そう思っているかのように行動する)のは、錯誤かサボタージュのいずれかです。ある人はもう一つの理由を「遊びに行った人たちだから。中越地震で住んでいた人がやられたのとは訳が違う」という。外務省が全然やる気がなさそうなのも、同じ理由からなのか
●それにしても、「外務省高官の誰が現地に行ったのだ?」とテレビにも新聞にも疑問の声が出てこないのは、国民みんなが他人事だと思っているからか? 海外での邦人の保護は外務省の仕事(外務省設置法「第四条 外務省は、前条の任務を達成するため、次に掲げる事務をつかさどる。」「九 海外における邦人の生命及び身体の保護その他の安全に関すること。」)であると知らないのでしょうか?
●原稿書き。GALAC編集部の新年会@イドンカルビと、記者会見1つに欠席
01-05
●原稿書き。世界の目はインド洋沿岸に集まっているが、イラクがひどい状態。1月末の選挙を強行しても延期しても泥沼
01-04
●原稿書き。NHK関係者からの年賀状に「難破船に乗っている気分」。そうでしょう
01-03
●ようやく今日、外務省が安否不明の日本人旅行者数を680人(タイ・プーケット周辺170〜180人、スリランカ60〜70人、モルディブで約30人)と発表(共同記事)。私は5日前に知っていましたし、当サイトをご覧のみなさんも4日前にご存知の情報ですが。日本人死者が中越地震を上まわることは確実で、200〜300人に達する「可能性」があります(現地にいた日本人は旅行客だけではない!)。政府高官が現地に行かないのが、本当に不思議です。災害対策は、最悪の「可能性」を想定して講じるのでなければ意味がない。災害報道もです
01-02
●30日私の、1日家内の実家に1晩ずつ泊まり、2日午前帰宅。昨晩はほかに見るものもないのでNHK新シルクロード・プロローグを見る。第1部は25年前の旧シルクロードで取材した人びとを訪ねる。昭和20年=日本の敗戦から25年後の昭和45年は高度成長のピークでした。ちょうど中国もそんな感じで、文化大革命の余震の続く時代から高度成長の絶頂期へ。昨年、本づくりを手伝った岡本行夫が「中国は高度成長期の日本が5つ6つある感じだ」といっていた通り。第2部はシリーズの音楽監督を務めるチェリスト、ヨーヨー・マの音楽づくりに焦点。マはとてもおもしろい男。音楽でわかりあうのだという情熱に打たれます。西洋音楽家が弦楽器をイランの音にチューニングするときにいった「めまいがする」感覚を、私たちは忘れてはいけない。ドレミは世界標準だが、違うものが世界標準でも不思議はなかった。絶対と思われていることをすべて相対化しなければ、世界の問題は解けません
●よい出来の番組だったが、NHKの日々のニュースとの落差に愕然とします。ロマンチックに、ノスタルジックに隣国を眺めているだけでは、本当に大事なことはほとんどわからない
2005-01-01
●謹んで新年のご挨拶を申し上げます。「おめでとうございます」とは申しません。未知のサイト読者のみなさま、今年もよろしくお付き合いのほどお願いします。既知のみなさま、旧年中はいろいろとありがとうございました。今年もよろしくお願いします。仕事が詰まっており、賀状を書く時間が取れません。寒中御見舞いも、1月20日まででは無理そう。雨水の頃のご挨拶となろうかと思いますが、ご無礼ご寛恕のほどお願い申し上げます
●この国が「壊れていく」という印象を持ちます。昨日、津波被害の続報を求めて(他局がニュースをやらないので)NHKを見ると、昼ニュースも夜ニュースも「紅白」のリハーサルをニュース項目に入れている。NHKも「壊れている」と嘆息せざるをえません。アメリカはパウエルと弟ブッシュを現地に出すと決めたが、日本はどうするというニュースの影も形もないどころか、ニュース内に自局番組の宣伝を堂々と流す。「報道」とは「ニュース」とはという自省も、「恥」という感覚すらも失っているようです。こういうものと一緒にダラダラと壊れてゆくのか――マスメディアは正念場を迎えていると思います。
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2003-05-25
●リニューアル版運用開始。リニューアル終了まで2〜3か月かかる見込み。旧版は残します
2002-04-11
●ホームページ試験運用開始。キリがないので、未校正ありのまま見切り発車しました。あしからず
●この欄、文中敬称略ってことでよろしく願います