
1946年11月3日に日本国憲法が公布されてから、80年の月日が経過しました。80年の間、条文は一文字も修正されていませんが、冷戦を軸とする国内外の情勢のもとで、その解釈は常に揺れ動いてきました。なかでも戦争放棄と軍隊の不保持を定めた九条は、議論の焦点となりました。事実上の軍隊を保有し、その活動の範囲を拡大していこうとする政治権力と、平和主義の理念の徹底をうったえる市民運動の対抗は、戦後日本政治史の流れを規定する重要な要素であったといえます。
しかし、二一世紀、とりわけ2010年代以降の時期に入ると、それまでの前提を大きく踏み破る事態が起こってきます。そのひとつの象徴が、第二次安倍晋三政権による集団的自衛権行使容認の閣議決定、さらには安保法制の強行採決でした。近代国家の基底にある立憲主義すら顧みない暴挙に対しては、多くの批判が寄せられました。一方、国外においても、自国の利益を露骨に優先し、法秩序を無視した行動をとる政治指導者が各地で現われ、人びとが長い苦闘の末に獲得した原理を軽々と否定するような行動が目につきます。日本の現状はこうした国際情勢とも連動しており、より広い視
野で丁寧に憲法の意味について考えていく必要を感じさせます。
本特集では、以上のような状況をふまえ、憲法の歴史と現在について、掘り下げて検討します。平和主義、象徴天皇制、学問の自由をめぐる議論を通して、日本国憲法の来し方と現在、そしてこれからについて、考察を深めたいと思います。(編集委員会)
| * | 特集にあたって | 編集委員会 |
| 論 文 | 高市改憲の狙いと護憲運動の課題 The Purpose of the Constitutional Change by the Takaichi Government |
渡辺治 WATANABE Osamu |
| 論 文 | 女性天皇・女性宮家と日本国憲法 Female Emperors, Female Imperial Families, and the Japanese Constitution |
河西秀哉 KAWANISHI Hideya |
| 論 文 | 日本学術会議の法人化から考える学問の自由と独立 Academic Freedom and Independence Considered through the Lens of the Science Council of Japan’s Incorporation |
大橋幸泰 OHASHI Yukihiro |
| 第60回大会準備号 戦争と平和の人類史�U |
大会テーマの設定にあたって |
全国委員会
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| 《第1日目》「戦争と法・国際秩序」 「アメリカという問題」の現在地点 |
中野聡
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| 《第1日目》「戦争と法・国際秩序」 「国際秩序」論を超えて―異なる世界認識の可能性 |
小林啓治
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| 《第2日目》「人びとは戦争にどう向き合ってきたか」 日本中世後期地域社会における仏神と安穏 |
服部光真
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| 《第2日目》「人びとは戦争にどう向き合ってきたか」 日常のほころびと近世民衆宗教―一八〇〇年前後の名古屋を事例として― |
石原和
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| 《第2日目》「人びとは戦争にどう向き合ってきたか」 近世ドイツの平和・戦争・生存戦略―三十年戦争を例に― |
斉藤恵太
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| 歴史のひろば | 「からだ」と「書くこと」 ―『歴史評論』二〇二四年八月号「特集 オーラル・ヒストリーがひらく世界」に触発されて― |
石川良子 |
| 科学運動通信 | 高屋築山古墳(安閑天皇陵)立会調査 参加記
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阿部大誠 |
| 科学運動通信 | 畝傍山東北陵(神武天皇陵)立会調査見学参加記録
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中村聡 |
| 書 評 | 古閑正浩著『平安京と近京圏の形成史』
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國下多美樹 |
| 書 評 | 鹿毛敏夫著『近世天文塾「先事館」と麻田剛立』
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平岡隆二 |
| 書 評 | 海原亮著『近世藩医の学問と医療環境』
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青木歳幸 |
| 書 評 | 高媛著『帝国と観光』を読んで
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菅沼明正 |
| 紹 介 | 倉本一宏著『平安貴族の日記を読む辞典』
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黒須友里江 |
| 紹 介 | 刑部芳則著『勲章の近代史』
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荒船俊太郎 |
| 訃 報 | 服藤早苗氏〈歴史科学協議会評議員〉
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| 会 告 | 会費口座振替に関するお知らせ
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