『歴史評論』2025年8月号(第904)/ Historical Journal(REKISHI HYŌRON) August 2025 vol.904

特集/「敗戦」80年と歴史研究T―人びとが向き合った戦争― “80 Years since the "Defeat" of WWII: Historical Research in Japan(T)”

定価 1,045円  


 2025年はアジア・太平洋戦争における日本の「敗戦」から80年の節目となります。19世紀後半以降、日本の対外進出や植民地支配、アジア・太平洋地域での戦闘と軍事占領、そして日本の「敗戦」と植民地支配の終焉(被支配地域にとっては支配からの解放)が、日本のみならずアジア世界に大きな影響を与えたことはいうまでもありません。他方で、戦争を直接体験した世代が社会から姿を消しつつある現在、その経験を未来へ引き継ぐことは一層重要になっています。 そこで本誌では、戦争がいまを生きる人びとにとってどのような意味を有するのかを考えるべく、三号連続企画を用意しました。その第一弾となる本特集では、主に1930年代から「敗戦」までの日本社会を対象にした研究を取り上げます。戦争に向かう社会の変化や、戦時体制が人びとに何をもたらしたのかを考えたいと思います。
 巻頭論文が示唆するように、近年の諸研究は、戦争がどれほど社会の深部へ浸透し、諸個人の生を左右していたのかを明らかにしています。戦争と性・ジェンダーの関係についても議論が深められました。本特集の各論文が、男性労働者、村落、大衆娯楽、兵士、女性をそれぞれ取り上げていることは、そうした動向を反映しています。市井の人びとが、どのように戦争を支え、いかなる困難に直面したのかを確認することで、過去―現在の戦争にいま≠ヌのように向き合うべきかを探りたいと思います。
 (編集委員会)

  *  特集にあたって 編集委員会
論   文 戦時期日本の政治と社会をどうみるか?
An Overview of the Historiography of Politics and Society in Wartime Japan
源川真希
MINAGAWA Masaki
論   文 徴用工の男性史 
―日本人新規徴用工の「体験記録」を読む―

The Masculinities of Japan’s New Conscripts during the Asia-Pacific War
佐々木啓
SASAKI Kei
論   文 銃後の「むら社会」
Village Community in Japan during the Asia-Pacific War
坂口正彦
SAKAGUCHI Masahiko
論   文 戦時日本の娯楽と文化
Entertainment and Culture in Wartime Japan
金子龍司
KANEKO Ryoji
論   文 兵士と戦場
Japanese Soldiers and the Battlefield
山田朗
YAMADA Akira
論   文 ソ連占領下の「満洲」で
In Manchuria under Soviet Occupation
平井和子
HIRAI Kazuko
歴史のひろば 遊廓・性買売研究の成果と課題 
―「主体」と「構造」の関係をめぐって

沢山美果子
曽根ひろみ
人見佐知子

 歴史の眼 千葉県における公文書管理条例制定に向けた動き
宮間純一
 歴史の眼 能登半島地震といしかわ史料ネット 
本多俊彦
科学通信運動 応神天皇陵外構柵改修工事立会調査見学 参加記
阿部大誠
科学通信運動 市野山古墳飛地い号外構柵工事立会調査参加記
梅原七海
書   評 山田淳平著『近世の楽人集団と雅楽文化』
北原かな子
書   評 山本明代著『第二次世界大戦期東中欧の強制移動のメカニズム』
野村真理
紹   介 飯田泰三著『近代日本思想史大概』
大久保健晴
 

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