海風通信 after season...

supplement 04
 『ハトってあんなに大きかったっけ』

 タイトルの一文だけでピン!と来た人、かなりのヨコハマ通ですねー。
 このフレーズは、月刊アフタヌーン誌上に於いて発表された『大合作2』という作品の中で、アルファさんが呟いた心の声です。
 『大合作』(*1)とは、アフタヌーン創刊〇○周年の記念として、当時の連載に関わっていた作家陣や有志が文字通り合作して一つの作品を
作り上げたというお祭り企画モノ。『大合作』・『大合作2』と、つごう2回企画され、芦奈野氏はその両作品に携わっています。

 1回目の作品ではアルファさんの役回りは控えめでしたが、2回目ではまさかのナース姿(!!)での登場となり、桜 玉吉氏(*2)やハトよめ(*3)との
夢のコラボ(!?)が実現し、その存在感も増していました。当時の私は両作家ともお気に入りだったので、このカラミはホントに嬉しかったですね。写
真でも分かるように、雑誌だけでなく、その後に纏められたコミックス(*4)も買ってしまいましたよ。え?そんなことより、『大合作』のあらすじとはどん
なものだったのか、ですか?……聞きたいのですか?ホントに?……え、え〜と…大体こんなカンジです。↓
【あらすじ】
 禁断の医療とバイオテクノロジーの濫用により巨大化させられてしまったハトよめ。そんな陰謀渦巻く闇の病院で看護師を勤めるアルファさんは、今日も患者の桜氏のセクハラをさらりと受け流しつつも、健気に業務をこなしていく。
 その最中、復讐に燃え院長室へと向かう巨大ハトと鉢合わせしたアルファさんは、ビクッとしながらも「ハトってあんなに大きかったっけ」と冷静に分析……している場合か!?止めないのか、アルファさん!?あ、止めなくていいのか?
 怒りで突き進むハトよめの暴走はもう誰にも止められない!悪徳病院に鉄槌を!今だ、貫け!ハトビーム!!!(*5)
 (※この説明には極めて個人的な主観から見た解釈が多分に含まれています。)

 さぁさぁ、どーですか?この「あらすじ」を読んで、アナタもすごーく読みたくなったのではありますまいか!?(←そうか?)
 ま、まぁ正直なところ合作にありがちなドタバタ感は否めませんが、それでも当時を知る人にとっては一見の価値はアリかと思いますよ。
 それにしても、今回は注釈が多いなァ……。では、これにて御免。シンイチ パーンチッ!(*6)


 (*1) 『大合作』は創刊10周年記念企画として、月刊アフタヌーン1997年2月号に掲載された。
     『大合作2』は創刊14周年記念企画として、月刊アフタヌーン2001年2月号に掲載された。
 (*2) 桜 玉吉『なぁゲームをやろうじゃないか!!』……本人が主人公(!?)の漫画。
 (*3) ハグキ『ハトのおよめさん』……やさぐれたハトがお嫁さんの漫画(←そのまんまか)。略して『ハトよめ』。
 (*4) 2002年2月22日発行。当時のコメントだけでなく、描き下ろしの『大合作ギャラリー』なども特典として収録されている。
     ちなみに芦奈野氏は、あさりよしとお氏の『るくるく』の主人公・るく(瑠玖羽)を描いている。
 (*5) ハトよめの必殺技。何かにつけてビームを発射し、辺りを焦土と化す。かつてダンナも直撃を喰らったことがあるが、何故か生還している。
 (*6) 岩明 均『寄生獣』のミギーが『大合作』で習得した必殺技。単にシンイチとミギーの立場が逆転しただけという説も。