海風通信 after season...

supplement 05
 「蟲師」外譚 『海のちらちら』

▲夕方、海に来たから試してみましたよ。
 『海のちらちら』というエピソードは、漆原友紀氏の『蟲師』の世界観をベースに、5人の作家がそれぞれにオリジナルの短篇で描くというコラボ読み切りの一作品として、芦奈野氏が手掛けたものです。雑誌『good ! アフタヌーン』2015年1月号に於いて発表されました。
 つまりは芦奈野氏が描く『蟲師』なワケですが、ともにオカルト的なフシギ現象を題材にしているという点で多数の共通項があり、作品に違和感はあまり感じられません。(ギンコさんも登場するのにね。)
 すなわちこれは『蟲師』でもあり、『コトノバドライブ』でもあるのです!(…と、思いたい。)ちなみに『コトノバ』も同時期に連載継続中であり、この作品の約1年半後には「潮マインドのこと」において、この現象をさらに発展させたような展開があり、何か意図的な繋がりを感じずにはいられません。
 余談はこのくらいにして、本題へと戻りましょう。
  本作品では、陽の傾いた波間の乱反射から生まれるフシギな光の話について、そのやり方(見方)と共に、次のように描かれています。

 夕方 海へ来たら 一度試してみてほしい
 波のおとなしい港の中から始めるといい (真夏は避けよう 目に良くない)
 日が傾いたら 照り返す光の帯をながめてみよう 何かを探ろうとはせず ぼんやりと
 最初はただ弱い乱反射 不意に帯の外へ はずれていく光が見える
 一度目に留まると 湧き立つ魚のように 無数の光がくにゃくにゃと踊りだす

 このように詳細に示されていると、どうにも試してみたくなりますよね!?というわけで、実際にやってみました。場所は江ノ島近辺の河口付近。このポイントに特に意味は無いのですが、鎌倉の御霊神社の面掛行列を観た帰りということで、何か神懸り的な現象でも起きやしないかという期待も込めて、突然に思いついたのです。(ちょうど夕方だったし、真夏というわけでもなかったので。)

 で、結論はと言うと、…まぁ、やっぱりダメでした。光の粒が残像となり重なり合って、じんわりと陽炎のようになることはあるのですが、たぶんこれは誰でも経験していることでしょう。やはり私には「ある種の“力”の切れ端」すらも無いようです。でもこの感覚、なんとなく一概に否定しきれない、不思議な説得力があるんですよね。やっぱり、見える人には見えるのかな?
 アナタも、海でこの話を思い出したら、一度試してみては?
▲どうにも辛抱が足りないのだろうか。光の粒にしか見えない。 ▲まぁ…虫みたいなもんだなぁ。(画像は加工処理してます。)

2018/09/18