海風通信 after season...

supplement 02
『風見魚製作日誌』 

◆BBSでも先述した通り、押入れを徹底整理した際に発掘したものは、約8年前に作りかけのまま放置していた『風見魚』の木片でした。
 これをこのまま処分してしまうのもなんだか気が引けるので、とりあえず失敗してもいいからカタチにしてみよう!ということで取り組んでみたら、
 見事にやる気が再燃することに。このページは、まったくの趣味の一環として作り上げた、気分的・突発的な風見魚の製作記録です。

【素体切り出し】 2018年09月09日

 『ヨコハマ買い出し紀行 芦奈野ひとし画集』にて公開されていた設定資料集をもとに、正確に各比率を測定。加工しやすいバルサ材を使用し、大まかなカタチに切り出しを行う……と、この作業をしたのが、実に8年前!
 今回は木材表面の汚れや劣化・損傷部分を取り除き、更なるサカナの輪郭線に沿う形で切り出していきます。
【素体削り込み・ヤスリ掛け】 2018年09月11日

 輪郭線の切り出しがほぼ完成。バルサ材は、チーズを削るかの如くサクサク加工を行なうことが出来るので、この輪郭の仕上げが最も楽しい工程でした。コーヒーを淹れ、ゴンチチの音楽を聴きながら作業をすれば、世界観に酔えます(笑)。本当に、いつまでも削り込んでいたい至福のひと時でした。そのせいか、サカナの胴体部分が少し小さくなった!?
 切り出し後、全体を滑らかにヤスリ掛け。設定では、尾びれの方へ行くにつれて厚みが薄っぺらくなっていくようですが、バルサの強度を考慮し、ほぼ均等にしました。
【下地塗装・部品調達】 2018年10月16日

 バルサは予想以上に塗料を吸い込むので、サーフェイサーを塗った上でマットホワイトを吹き付けベース塗装完了。それでも木目が浮き出してきますが、良い感じに『手作り感』の雰囲気が出ているようでもあり、結果オーライということで。
 プロペラは自作しようか悩みましたが、しっかりと回って欲しかったので、模型飛行機用の既製品を代用しました。羽根のカタチも、なるべく設定に似たものを選択。さすがに実用品だけあって、テスト段階でも物凄くよく回りました。
【彩色選定】 2018年10月18日

 色選びは特にこだわりたかったので、ホームセンター等の塗料では満足できず、画材屋さんのアクリル塗料を採用。画集の設定では、「サカナの柄は赤茶から赤紫の間」と書かれていたのでビックリ!これまで『サカナのキーホルダー』のイメージに引っ張られて、同じウルトラマリンブルーだと思い込んでいましたよ。カラーイラストを改めて見ると、確かに紫傾向なんですね。
 リキテックスのディオキサイジン・パープルも良かったのですが、最終的にはターナーのブルー・バイオレットとレッド・バイオレットに絞りました。そして屋外撮影時に、より色彩が映えるという観点から、レッド・バイオレットを選択。個人的には2バージョン作りたかったかな…。
【本体部完成】 2018年10月19日

 サカナ本体の模様の色塗り。型紙やマスキングテープを使ってキッチリと仕上げても良かったのですが、『先生のペンダント』の設定資料内での芦奈野センセイのコメント曰く、「シロート仕事っぽく、少しにじんでいて、味といえば味」という部分に大いに共感してしまったので、目やエラ部分などの位置マーキングだけ取り、あとは一気に模様を描き上げました。
 尾びれの部分の模様なんかは、よく見ると凄くテキトーなんですが…まぁ、味ですよ、味。
【全体完成】 2018年10月21日

 充分に乾燥させたのち細部処理を行い、プロペラなどの各部品を取り付けて完成!
 プロペラキャップなど、以前のパーツとは変更されているのが分かると思います。実は素材となっているバルサが非常に脆いので、ネジ部などもいろいろと変更し、強度を増しています。

 今回、使用した道具は大体こんな感じです。材料費と込みで4000円くらい。とにかくプロペラが1500円と高かったかな。ここらへんも自作すれば半額くらいでいけるかも?
【風見魚、空へ!】 2018年10月30日

 せっかく作ったので、風見魚の故郷(!?)の風を浴びせるべく、三浦半島へと向かいました。
 風の強い黒崎の台地では、実に快適にプロペラを回し、空を泳ぎます。

 8年越しの悠長な計画が、今ようやく達成されました。