海風通信 after season...

かえる




ぱっと 夏になる

◆第85話「かえる」のエピソード中で使用された、かえる型の蚊遣り器。(そのまんまだよ…。)
 作中ではたったの2コマしか登場していませんが、記憶に残るアイテムとしてはインパクト絶大。いつかは作ってみたいと思っていました。
 しかしこれもまた素材を集めてしまうと満足して、数年間放置状態に。今回『アフタヌーン40周年展』が開催され、そこでの会場限定物販品が公開されるにあたり、期待とはちょっと異なる予想外のラインナップに、「コウ(談社)、そういう事じゃないのよ…」(←ニナ・パープルトン風に)と落胆し、逆に一念発起して作る意欲が湧き出したのでした。
 素材としたのは、100均でも手に入るような以下の簡単なモノ。実はこの「かえる蚊遣り」を作る以前に、第17話「波」で登場する「パックリ魚」のオブジェ(下画像参照)を作成する計画があったのですが、意図せずして「かえる蚊遣り」のほうが先行する結果となりました。まぁ夏直前ということで、この機を逃がしたくなかったのですよ。
 ……では、以下にて製作過程を。
▲小型ゴミ箱と軽量粘土と蚊取り線香スタンド。 ▲アルファさんの部屋にある、口を開けた魚のオブジェ。

 デスクに置くような小型でクマの形をしたゴミ箱、使用するのはこれの上部分(蓋部分)のみ。このドーム部が半円状に開くので、既にかえるのパックリとした口の大まかなイメージが掴めます。そして耳の部分を削ぎ落して本体の内骨格とし、ペットボトルやプラスチックにも引っ付くという強粘性軽量粘土をこれに貼り付けていきます。紙粘土だけでも作製は可能だと思われますが、強度と末永く使うという実用性を鑑みると、やはりフレーム的なものは必要かと考えました。粘土の貼り付けはザックリと、かつ大胆に肉付けをしていき、後で紙やすり等で丁寧に削り込み、表面の滑らかさを浮かび出させて、形を整えていくという具合です。納得のいくまで磨き込めるのが、軽量紙粘土の良いところですねー。
 着色は、今回もターナーのアクリルガッシュのお世話になりました。選んだ色は、「和カラー」シリーズの「苔色」と「生壁色」。この画材はホントに塗り易くて、お気に入りです。「絵の具のくいつきがいいってことだよね 上等!」(←またかよ。)
 工程を思いっきり端折ってしまいましたが、下写真が着色前の中間完成状態と、完成時の「かえる蚊遣り」の後ろ姿の図です。結果的には、後ろ姿のほうがより原作に似せられたような気もしますね。でも、どちらもよく見ると、原作とはまるで似ていないのですが…。(言わないでー!)
▲粘土を貼り付け、無着色状態のかえる。 ▲このポジションに、実は一番こだわりました。

 さて、ここからは「かえる蚊遣り」【改良版】編です。
 原作通り蚊取り線香を上から吊るす方式にすると、ちょっと線香の取り付けや保持に強度的に不安が残るのですね。
 そこで、「蚊取り線香スタンド」なるものを採り入れました。これだと下から固定するタイプなので、安定性は抜群。また、線香の取り換え作業もラクなので実用性も増しました。ただ、灰の受け皿の銀色のアルミ皿(実は浅田飴のフタです)が色合い的に気に入ってたのに、口径上の問題で使用できなくなってしまったのが残念なところ。代用として大容量のジャムの蓋(直径8cmくらいのもの)を利用しています。これが実は線香スタンドにジャストフィットだったので、一時的に採用しました。けど……う〜ん、やはり銀色のほうがそれとなくリアルな「高級感」があったかも?
▲ジャムの蓋と線香スタンドが、不思議にジャスト・フィット! ▲改良型カエル蚊遣り。長く使わせていただきます。

 ところで、実は私、花火や線香など、モノを燃やす匂いが生来あまり好きではないのですね。それだけに、これまでの人生において蚊取り線香を使う機会というのは極稀でした。それでもこうした匂いを嗅ぐと、遠い夏の記憶が少なからず蘇ります。作中での「煙がたった瞬間 五 六個の場面がパパッと走って」という表現は、実に言い得て妙だと、寂莫の想いを感じずにはいられませんでした。
 ということで、この夏は積極的に蚊取り線香を使う機会が増えそうです。こうした行動も、やがては記憶の糧になるのかな?
(2026年06月30日撮影)