西日本地域と星の名 2018/11/21

【星の伝承体系】
 星の名は、それぞれが個別に伝承されてきたわけではなく、多くは地域ごとにまとまった体系が つくられています。この体系は、地域の立地条件や生業、暮らしのあり方と密接なかかわりがあり、星の利用実態 に基づいた伝承から成立している場合が多いようです。当館が公開している星の名を体系別に整理すると、ほぼ23種 の星あるいは星群によって構成されていることがわかります。基本的には、これらの組み合わせがその地域における 主体的な利用体系となるわけです。一つの対象に対して複数の呼称が存在することを考慮すると、実際の星名体系は もっと複雑になり、同一地域内においても異なる体系が伝承されています。
 星が暮らしに活かされていた時代には、多くの星が利用体系に組み込まれていたものと推測されますが、そうした 時代が終焉を迎えてからは、体系が次第に簡素化された傾向が窺えます。これらは、地域や生業の枠を超えて代表的な星(星群) に次第に収斂されていったためと考えられます。おうし座のプレアデス星団やオリオン座の三つ星、おおぐま座の北斗 七星が、そのもっとも顕著な事例として挙げられます。

【地域別の体系】
 この展示における西日本とは、滋賀県から沖縄県までの23府県が含まれます。当館が行った星の名に関する調査では、その すべての自治体において体系的な伝承が記録されています。ただし、これらはごく一部の地域を除き2014年以降に本格的な 調査を開始していますので、地域によっては体系的な特性を示すに至っていない場合もあります。また、海のない県を除いて、 主に沿岸部(漁港付近)での伝承を記録していますので、当該地域については必ずしも全域の特性を示していない点と併せてご 理解ください。
 展示では、東日本編と同様に地域ごとに星の「利用体系」と「星名体系」の双方について解説を行っていますが、なかには少 ない事例から記録を整理した府県もあります。したがって、今後の調査次第では体系の構図に変化が生ずる可能性があることを 明記しておきたいと思います。
 表記については、地域別に対象となる星(星群)と伝承された星の名を一覧表の形式で示しました。掲載の順序は、 概ね北天の星座からはじまり、春の星座、夏の星座、秋の星座、冬の星座、南天の星座、惑星という構成になっています。

滋賀県  2019/04/25

【利用体系】
 2013年以降に湖北地方や東部及び南部地域で調査を継続しています。滋賀県では、農業を中心に琵琶湖沿岸の 漁業などが生業の主体ですが、過去の記録からは星の伝承に関して希薄な地域と考えられてきました。現地調査 においても、おおぐま座・オリオン座・金星というもっとも簡素化された伝承パターンの域を出ない状況が続いて いましたが、2019年になって東部の一部地域でこぐま座やおうし座(プレアデス星団)を加えた標準体系が確認 されました。

【星名体系】
 本来は地域特有の、あるいは隣接する地域の影響を受けた星の名が存在したものと推測されますが、多くは 標準的な呼称によって構成されています。これまでに記録された星名でもっとも特徴的なのは、オリオン座三つ星の サンタイボシでしょう。本来は東日本で伝承されてきた星名であり、西日本での記録は貴重です。また、金星に ついてもミョウジョウ系以外に多様化の傾向がみられます。

湖岸地域の星名体系

星座(星群) 長浜市 高島市 ◇◇◇◇◇◇◇
 おおぐま座 ナナツボシ ナナツボシ
 わし座 スイギュウセイ
 プレアデス星団
 三つ星 ミツボシ
 金星@ アケノミョウジョウ ヨアケノミョウジョウ
 金星A ヨイノミョウジョウ ヨイノミョウジョウ
 月に接近した星 チカボシ

東部および南部地域の星名体系

星座(星群) 甲賀市 米原市 A 米原市 B
 こぐま座 ネノホシサン
 おおぐま座@ ナナツボシ ナナツボシ
 おおぐま座A ヒシャクボシ
 プレアデス星団 スバル
 三つ星 ミツボシ サンタイボシ ミツボシ
 金星@ アケノミョウジンサン アケノミョウジョウサン アケボシサン
 金星A ヨイノミョウジンサン ヨイノミョウジョウサン ヒトツボシ

京都府  2018/05/20

【利用体系】
 2015年より北部沿岸域と南部の一部で調査が行われています。沿岸域では漁業を中心に、また南部では里山の暮らしを 主体とした利用ですが、現在確認されているのは、おおぐま座・ぎょしゃ座・おうし座・金星というパターンに、七夕説話 に基づくこと座とわし座を加えた構成となっています。

【星名体系】
 おおぐま座とオリオン座では北部、南部ともに全国的な星名であるナナツボシとミツボシが伝承されています。一方、 北部沿岸域で記録されたノトボシは、若狭湾沿岸から丹後半島に至る地域において能登の地名に由来する固有の星名と して注目されます。また、スマルは西日本を中心にプレアデス星団を代表する呼称であり、人びとの暮らしと深く関わり ながら広範な地域において定着している星名の一つです。

北部沿岸地域の星名体系

星座(星群) 京丹後市 A 京丹後市 B 宮津市
 おおぐま座 ナナツボシ ナナツボシ
 こと座・わし座 タナバタノホシ
 ぎょしゃ座 ノトボシ
 プレアデス星団 スマル
 三つ星 ミツボシ
 金星@ ヨアケノミョウジョウ アケノミョウジョウ ヨアケノミョウジョウ
 金星A ヨアケノオオボシ ヨイノミョウジョウ
 木星 ヨルノミョウジョウ

南部地域の星名体系

星座(星群) 相楽郡笠置町 相楽郡南山城村 加茂郡和束町
 おおぐま座@ ナナツボシ ナナツボシ
 おおぐま座A ヒシャクボシ
 こと座 オリヒメ オリヒメサン
 わし座 ヒコボシ ヒコボシサン
 プレアデス星団
 三つ星
 金星@ アケノミョウジョウ アケノミョウジョウ アケノミョウジョウ
 金星A ヨイノミョウジョウ ヨイノミョウジョウ ヨイノミョウジョウ

大阪府  2019/05/25

【利用体系】
 2014年より大阪湾に面した沿岸地域と内陸の一部地域で調査が行われています。沿岸部では、こぐま座・おおぐま座を 始めとして、おうし座・オリオン座・おおいぬ座と続く星の利用が確認されたほか、ふたご座についても出漁時の方角を 定めるための目標としていたことがわかりました。一方、内陸部においては、今のところおおぐま座・オリオン座・金星 という単純な利用パターンが認められる程度です。

【星名体系】
 沿岸部においては、おうし座のスバルとそのアトボシ、オリオン座のカラスマとそのアトボシという具合に、冬の代表的な 星の連なりを利用している点が注目されます。こうした見方は、北日本の沿岸部で主にイカ釣り漁の指標として利用された 体系と同じパターンを示し、西日本の太平洋側では数少ない事例の一つと言えるでしょう。また、ふたご座のガニメは星を 生きものの眼と見た事例で西日本では一般的な呼び名ですが、フタツメはそれらの原型となる星名とみられます。

大阪湾沿岸地域の星名体系T

星座(星群) 泉佐野市A 泉佐野市B 阪 南 市
 こぐま座
 おおぐま座 ナナツボシ ナナツボシ
 プレアデス星団 スバル
 おうし座 スバルノアトボシ
 三つ星@ カラスマ ミツボシ
 三つ星A ジョウトウヘイ
 おおいぬ座 カラスマノアトボシ
 ふたご座@ ガニメ ガニメ
 ふたご座A フタツメ
 金星 ヨアケノオオボシ ヨアケノオオボシ ヨアケノミョウジョウ
 月に接近した星 チカボシ

大阪湾沿岸地域の星名体系U

星座(星群) 泉南郡岬町 ◇◇◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇◇◇
 こぐま座@ ネノホシ
 こぐま座A キタノホシ
 おおぐま座 ヒシャクボシ
 プレアデス星団 スマル
 三つ星
 三つ星+小三つ星 カラスキ
 金星 オオボシ

内陸地域の星名体系

星座(星群) 交野市 豊能郡豊能町 ◇◇◇◇◇◇◇
 おおぐま座 ナナツボシ ナナツボシ
 プレアデス星団
 三つ星 ミツボシ ミツボシ
 金星@ ヒトツボシ
 金星A アケノミョウジョウ アケノミョウジョウ
 金星B ヨイノミョウジョウ ヨイノミョウジョウ

兵庫県  2019/04/25

【利用体系】
 兵庫県の調査は、2014年以降に瀬戸内海沿岸の一部地域および淡路島を含む島嶼部、それに北部の日本海沿岸域で継続されて います。都市部では沿岸の埋め立てや工業化が進んでいるものの、漁村集落の面影を残す地区も点在しているなど多様な環境が みられます。しかし、漁業そのものは大きく衰退し、かつての漁労習俗を伝える人たちが高齢化によって現場から次々と離れて いる現状は、他の地域と変わりません。
 漁業における星の利用体系は、こぐま座・おおぐま座・プレアデス星団・三つ星・りゅうこつ座・金星などで構成され、そこで 記録された星名もほぼこの体系に沿ったものとなっています。

【星名体系】
 プレアデス星団はスマル系を中心にいくつかの変化形が認められものの、本来の多様性は記録できていません。ただし、生業に おける利用の重要性を考えると、この星に対する人びとの関心の高さが窺えます。また、北極星や北斗七星、三つ星についても、 かつては多様な星名が伝承されていたものと推察されますが、記録ではネノホシやナナツボシ、ミツボシという一般的な呼称に 止まっています。なお、アワジボシはこの地域特有の星名で、淡路島の方角に出没するりゅうこつ座のカノープスをその土地の 名称で呼び分けている点が注目されます。

瀬戸内海沿岸地域の星名体系

星座(星群) 明石市A 相生市 明石市B
 こぐま座 ネノホシ
 おおぐま座 ナナツボシ
 プレアデス星団@ スマルサン スマル スマル
 プレアデス星団A スバル
 三つ星 ミツボシ ミツボシ ミツボシ
 りゅうこつ座 アワジボシ
 金星@ ヨアケノミョウジン アケノミョウジョウ アケボシ
 金星A ヨイノミョウジョウ
 金星B オオボシ

淡路島および島嶼地域の星名体系

星座(星群) 淡路市A 淡路市B 姫路市(家島)
 こぐま座
 おおぐま座 ナナツボシ ナナツボシ
 プレアデス星団 スマル
 三つ星 ミツボシ ミツボシ ミツボシ
 金星@ ミョウチョウノアカリ ヨアケノミョウジョウ ヨアケノミョウジョウ
 金星A オオボシ

北部沿岸地域の星名体系

星座(星群) 美方郡香美町 美方郡新温泉町 ◇◇◇◇◇◇◇
 こぐま座
 おおぐま座 ナナツボシ ナナツボシ
 プレアデス星団
 三つ星 ミツボシ ミツボシ
 金星@ アケノミョウジョウ ヨアケノミョウジョウ
 金星A オオボシ オオボシ
 金星B ヨイノミョウジョウ
 月に接近した星 オオボシ

奈良県  2019/05/25

【利用体系】
 北部および中部の一部地域について2015年以降の記録があります。いずれも山間地の集落における伝承で、 これまでに確認されているのは、おおぐま座・おうし座・オリオン座・金星・月に接近した星という構成です。 他にこと座やわし座の記録もありますが、生業や暮らしとの関わりはうすいものとみられます。生業の主体で ある農業において、具体的な星利用の伝承を記録できない状況は残念です。

【星名体系】
 山辺郡と宇陀市において記録されたおうし座のスワリボシやハゴイタボシ、オリオン座のカラスキボシは、 この地域における伝統的な星名とみられます。これに一般的なナナツボシ(おおぐま座)やミツボシ(オリオン座) が加わります。また、金星ではミョウジョウ系を主体にヒトツボシがあり、その他七夕の星であるオリヒメ (こと座)とヒコボシ(わし座)など意外に多様な星名がのこされていると言えるでしょう。

北部地域の星名体系T

星座(星群) 奈 良 市 桜 井 市 ◇◇◇◇◇◇◇
 おおぐま座
 プレアデス星団
 三つ星 ミツボシ ミツボシ
 金星@ アケノミョウジョウ アケノミョウジョウ
 金星A ヨイノミョウジョウ ヨイノミョウジョウ
 月に接近した星 チカボシサン

北部地域の星名体系U

星座(星群) 宇陀市 山辺郡山添村A 山辺郡山添村B
 おおぐま座 ナナツボシ ナナツボシ
 こと座 オリヒメ
 わし座 ヒコボシ
 プレアデス星団 ハゴイタボシ スワリボシ
 三つ星 ミツボシ ミツボシ ミツボシ
 三つ星+小三つ星 カラスキボシ カラスキボシ
 金星@ ヨアケノミョウジョウ アケノミョウジョウ ヨアケノミョウジョウ
 金星A ヨイノミョウジョウ ヨイノミョウジョウ
 金星B ヒトツボシ
 月に接近した星 チカボシサン

中部地域の星名体系

星座(星群) 吉野郡大淀町 吉野郡川上村 ◇◇◇◇◇◇◇
 おおぐま座 ナナツボシ ナナツボシ
 プレアデス星団
 三つ星
 金星@ アケノミョウジョウ アサノミョウジョウ
 金星A ヨイノミョウジョウ
 月に接近した星 チカボシサン

和歌山県  2018/05/20

【利用体系】
 北部沿岸域から南部沿岸地域にかけて、2013年以降に行った調査の記録があります。現行の漁業主体は、南部の地域で 定置網や海老網に代表される網漁、一本釣り漁など、中部で網漁や釣り漁など、また北部においては小型底曳き網漁などと なっています。星の利用については、こぐま座・おおぐま座・おうし・オリオン座・おおいぬ座・金星という一般的な 体系が伝承されているものの、その他の夏の星座や他の冬の星座などに対する星名は確認されていません。

【星名体系】
 南部沿岸地域では、隣接する三重県南部地域と類似する要素が多くあり、星の伝承に関して一つの文化圏を形成している ものと考えられます。おおぐま座のナナツボシやオリオン座のミツボシなどはその典型的事例ですが、同じ三つ星の呼び名で あるカラスキボシは奈良県とのかかわりが認められます。また、おうし座のプレアデス星団の場合は北部から南部にかけて ヨリアイボシという和歌山県の特徴的な呼び名が伝承されています。中部沿岸には、やはり特徴的な星名としてウシトラボシ (丑寅星)が記録されているものの、残念ながらどの星を指すものか詳らかになっていません。さらに、流星の呼称として 記録されたホシノヨメイリ(星の嫁入り)は、豊かな感性をもった星名で関東や東海、紀伊半島沿岸などに分布しています。

北部沿岸地域の星名体系

星座(星群) 和歌山市 有田郡広川町 ◇◇◇◇◇◇◇
 こぐま座 ネノホシ キタノホシ
 おおぐま座@ ナナツボシ
 おおぐま座A ヒシャクボシ
 プレアデス星団@ ヨリアイボシ
 プレアデス星団A スバル
 三つ星 ミツボシ ミツボシ
 金星@ アケノホシ ヨアケノミョウジン
 金星A ヨイノミョウジン

中部沿岸地域の星名体系

星座(星群) 田 辺 市 日高郡みなべ町 ◇◇◇◇◇◇◇
 こぐま座 キタノヒトツボシ
 おおぐま座 ナナツボシ
 プレアデス星団 ヨリアイボシ
 三つ星 ミツボシ ミツボシ
 三つ星+小三つ星 カラスキボシ
 おおいぬ座 オオボシ
 金星@ ヨアケノオオボシ ヨアケボシ
 金星A オオボシ
 流星 ホシノヨメイリ

南部沿岸地域の星名体系

星座(星群) 東牟婁郡那智勝浦町 東牟婁郡串本町 ◇◇◇◇◇◇◇
 おおぐま座 ナナツボシ ナナツボシ
 プレアデス星団@ ヨリアイボシ ヨリアイボシ
 プレアデス星団A スバル
 三つ星 ミツボシ ミツボシ
 金星@ ヨアケノオオボシ
 金星A ヨアケノミョウジョウ アケノミョウジョウ
 金星B ヨイノミョウジョウ ヨイノミョウジョウ

鳥取県  2017/08/23

【利用体系】
 2014年以降に東部の岩美町から大山町にかけての沿岸域において調査を実施しています。現在の漁は、定置網や曳網、 刺網、一本釣り、イカ釣りなどが行われていますが、かつては沿岸漁場での伝統的なイカの一本釣り漁が盛んでした。 当時の対象はスルメイカが主で、その後は次第にケンサキイカ主体の漁へと変化してきたようです。したがって、星の 利用はこうしたイカ釣り漁をとおして伝承されてきた星名が主体です。確認されたパターンは、こぐま座・おおぐま座・ カシオペア座・おうし座・オリオン座・金星という構成を示しています。

【星名体系】
 プレアデス星団のスマルやオリオン座のカナツキ(あるいはカラツキ)は、伝統的な体系の一部とみられ、後者は 隣接する島根県を始め西日本各地でいくつかの転訛形を認めることができます。また、同じオリオン座のサンバンボシは、 遠く関東の千葉県沿岸に同様の記録があり、発想の類似性に驚かされます。こぐま座の星名は、これまでのところ3種の 記録があってやや多様的な兆しがみられるほか、日本海沿岸地域でのイツツボシ(カシオペア座)は比較的貴重な存在と いえるでしょう。

沿岸地域の星名体系T

星座(星群) 鳥取市 東伯郡湯梨浜町 東伯郡琴浦町
 こぐま座 キタノホシ
 おおぐま座
 プレアデス星団 スマル スマル
 三つ星 カラツキ サンバンボシ ミツボシ
 金星@ オオボシ オオボシ
 金星A アケノミョウジョウ アケノミョウジョウ

沿岸地域の星名体系U

星座(星群) 岩美郡岩美町 西伯郡大山町 ◇◇◇◇◇◇◇
 こぐま座 ヒトツボシ ネノホシ
 おおぐま座@ ナナツボシ ナナツボシ
 おおぐま座A シャクシボシ
 カシオペア座 イツツボシ
 プレアデス星団 スマル スマル
 三つ星@ カナツキ
 三つ星A ミツボシ ミツボシ
 金星@ オオボシ アケノミョウジョウ
 金星A ヨアケノミョウジョウ

島根県  2017/08/23

【利用体系】
 日本海に面した島根県は、鳥取県と山口県をつなぐ長い海岸線を有しています。それだけに漁港の数も多く、このうち島根 半島沿岸の一部について2014年に調査を行いました。また、その後西部沿岸域の一部でも調査を実施しています。鳥取県と 同じように、かつては沿岸部におけるイカ釣り漁で栄えた土地柄からか、星の利用はやはりイカ釣りの暮らしと深いかかわりが あるようです。確認されたパターンは、おおぐま座・さそり座・おうし座・オリオン座・おおいぬ座・金星という構成ですが、 代表的な星のいくつかは今なお健在です。

【星名体系】
 プレアデス星団のスマルとオリオン座のカラツキについては、鳥取県や山口県の一部地域と共通する要素を含んでいます。 おうし座のアルデバランやおおいぬ座のシリウスにアトボシ系の星名が伝承されていることは、北陸地方や東北、北海道など との関連を想起させます。また、さそり座のダワボシはこれまで知られていない星名で、まだまだ陽の目を見ない星の伝承が 各地に埋もれていることをよく示しているといえるでしょう。さらに、ダワボシの利用が本来のスルメイカ漁ではなくケンサキ イカ漁にあったことは、これまで知られていたイカ釣りの星に関する伝承とは一線を画すものとして注目されます。

東部沿岸地域の星名体系

星座(星群) 松 江 市 出 雲 市 ◇◇◇◇◇◇◇
 こぐま座
 おおぐま座 ヒシャクボシ
 さそり座 ダワボシ
 プレアデス星団 スマル スマル
 三つ星 カラツキ カラツキ
 金星@ ヨアサノミョウジョウ ヨアケノミョウジョウ
 金星A ヨイノミョウジョウ
 金星B アケノホシ オオボシ

西部沿岸地域の星名体系

星座(星群) 浜 田 市 益 田 市 ◇◇◇◇◇◇◇
 こぐま座
 おおぐま座 ナナツボシ ナナツボシ
 プレアデス星団 スマル
 アルデバラン スマルノアトボシ
 三つ星 カラツキ ミツボシ
 おおいぬ座 カラツキノアトボシ
 金星@ ヨアケノオオボシ ヨアケノミョウジョウ
 金星A ヨイノオオボシ

岡山県  2019/04/25

【利用体系】
 2014年から瀬戸内海の沿岸地域および島嶼部において調査を継続しています。兵庫県と同様に沿岸域の開発が進み、 また瀬戸大橋の建設によって漁業を取り巻く環境は大きく変化しました。その主体はカキやのりなどの養殖に重点が 置かれていますが、その一方で伝統的な漁法である一本釣り(特にマダイ)やタコ壺漁などもまだ継続されています。
 漁業での星の利用は、周辺地域とほとんど変わりません。これまでに、こぐま座・おおぐま座・かんむり座・ プレアデス星団・オリオン座・ふたご座・金星・それに七夕説話に基づくこと座とわし座を加えた伝承パターンが確認 されています。

【星名体系】
 北極星では、ネボシあるいはネノホシが代表的な星名と考えられます。おおぐま座のナナツボシやオリオン座の ミツボシは全国的な呼び名ですが、おうし座のスマルやふたご座のフタツボシも西日本では一般的な星名です。また、 本来の伝統的な星名としてツボアミが記録され、かんむり座の半円形を漁網の形に見立てた星名と判断しました。

瀬戸内海沿岸地域の星名体系

星座(星群) 倉敷市 備前市 瀬戸内市
 こぐま座 ネボシ ネボシ
 おおぐま座 ナナツボシ ナナツボシ
 こと座 オンナボシ
 わし座 オトコボシ
 プレアデス星団 スマルサン スマルサン スマル
 三つ星 ミツボシ ミツボシ ミツボシ
 金星@ ヨアケノミョウジョウ ヨアケノミョウジョウ ヨアケノミョウジョウ
 金星A ヨイノミョウジョウ ヨイノミョウジョウ
 金星B オオボシ アカツキノミョウジョウ
 金星C ヨアケボシ

島嶼地域の星名体系

星座(星群) 備前市(頭島) 笠岡市(真鍋島) ◇◇◇◇◇◇◇
 こぐま座
 おおぐま座@ ナナツボシ ナナツボシ
 おおぐま座A ヒシャクボシ
 かんむり座 ツボアミ
 プレアデス星団 スマルサン
 三つ星 ミツボシ ミツボシ
 ふたご座 フタツボシ
 金星@ ヨアケボシ ヨアケノミョウジョウ
 金星A オオボシ アケノミョウジョウ

広島県  2019/06/25

【利用体系】
 広島県では、2013年以降に西部沿岸域、東部沿岸域および周辺島嶼地域のいずれも一部で調査を継続しています。 広島の漁業といえばカキ養殖がよく知られていますが、それらを含めて漁業そのものの衰退が進行しているようです。 記録された星の利用体系は、こぐま座・おおぐま座・プレアデス星団・三つ星・金星などで構成される一般的なもので 今のところ地域特有の利用に関する情報は得られておりません。

【星名体系】
 おおぐま座のナナツボシやオリオン座のミツボシは全国的な呼称であり、プレアデス星団のスマルなども西日本を 中心に広域的な分布を示す一般的な呼称です。ただしヨルノミョウジョウ(木星)は事例の少ない星名と言えるでしょう。

西部沿岸地域・島嶼地域の星名体系

星座(星群) 呉 市 江田島市 ◇◇◇◇◇◇◇
 こぐま座 ネノホシ
 おおぐま座 ヒシャク ヒシャク
 プレアデス星団 スマル
 三つ星 ミツボシ ミツボシ
 金星@ アケノミョウジョウ アケノミョウジョウ
 金星A ヨイノミョウジョウ ヨイノミョウジョウ
 金星B オオボシ
 木星 ヨルノミョウジョウ

東部沿岸地域・島嶼地域の星名体系T

星座(星群) 尾道市 福山市 A 福山市 B
 こぐま座
 おおぐま座@ ナナツボシ ナナツボシ ナナツボシ
 おおぐま座A ヒシャクボシ
 プレアデス星団 スマル
 三つ星 ミツボシ ミツボシサン ミツボシ
 金星@ アケノミョウジョウ アケノミョウジョウ ヨアケノミョウジョウ
 金星A ヨイノミョウジョウ
 金星B オオボシ ヒトツボシ

東部沿岸地域・島嶼地域の星名体系U

星座(星群) 東広島市 竹 原 市 ◇◇◇◇◇◇◇
 こぐま座
 おおぐま座 ナナツボシ
 プレアデス星団 スマロ
 三つ星 ミツボシ ミツボシ
 金星@ ヨアケノホシ ミョウジョウ
 金星A

山口県  2019/06/25

【利用体系】
 日本海沿岸および瀬戸内海沿岸のいずれも一部地域で、2014年以降に実施した調査記録があります。山口県では 小型定置網をはじめとして各種曳網漁や刺網漁、一本釣り漁、かご漁、採貝採藻など多様な漁業が展開されており、 現在はかき、のり、魚類等の養殖も行われています。また、多様なイカ類を対象としたイカ釣り漁は、日本海沿岸域で 重要な存在でした。こうしたさまざまな漁で星の利用が図られてきたわけですが、具体的な伝承として記録された 事例は限られています。
 星の利用は、こぐま座・おおぐま座・おうし座・オリオン座・金星という構成で、ほぼ標準的なパターンです。

【星名体系】
 典型的な体系とみられるのは、おおぐま座のナナツボシ、おうし座のスマル、オリオン座のミツボシ、それに ヨアケノミョウジョウ(金星)です。一部地域では、おおぐま座の星名に伝統的な呼称がみられるものの、総体的に 地域固有の伝承は失われているようです。また、日本海沿岸域でアトボシ系の星名が残されていることは、イカ釣りを 中心とした役星の存在を窺わせます。

日本海沿岸地域の星名体系

星座(星群) 下 関 市 長 門 市 ◇◇◇◇◇◇◇
 こぐま座 ヒトツボシ
 おおぐま座 ナナツボシ ナナツボシ
 プレアデス星団@ スマル スマル
 プレアデス星団A スバル
 アルデバラン スマルノアトボシ
 三つ星 ミツボシ ミツボシ
 金星@ ヨアケノミョウジョウ アケノミョウジョウ
 金星A ヨイノミョウジョウ
 月に接近した星 チカボシ

瀬戸内海沿岸地域の星名体系

星座(星群) 宇 部 市 岩 国 市 周 南 市
 こぐま座 ネノホシ
 おおぐま座@ チソウ
 おおぐま座A ナナツボシ ナナツボシ
 プレアデス星団 スバル
 三つ星 ミツボシ ミツボシ
 金星@ オオボシ アケノミョウジョウ アケノミョウジョウ
 金星A ヨイノミョウジョウ

徳島県  2018/04/28

【利用体系】
 北部から南部にかけての沿岸域で、2016年以降に調査を実施しています。また、2018年には西部山間域でも調査を行い ました。徳島県は、瀬戸内海から紀伊水道、そして太平洋という異なる海域に接しており、沿岸部においてはそれぞれの 環境に応じた漁業が営まれてきました。
 現在のところ、体系的な星名伝承が記録されているのは南部の沿岸域が中心ですが、全体としてこぐま座・おおぐま座・ こと座・おうし座・オリオン座・金星というパターンが確認されています。なお、一部地域で七夕行事に関連した伝承も 認められますが、生業とのかかわりはみられません。

【星名体系】
 こぐま座のネノホシをはじめとして、おおぐま座のナナツボシ、プレアデス星団のスバルあるいはスマル系呼称、 オリオン座のミツボシなど、いずれも一般的な星名によって構成されており、伝統的な地域固有の呼び名はまだ記録されて いません。ただ、一部の漁港ではこぐま座の北極星をオオボシと呼ぶ事例があり、金星に対する同名の伝承と混在して います。また、プレアデス星団をコボシと呼ぶ事例もみられますが、特殊なケースと言えるでしょう。

南部沿岸地域の星名体系

星座(星群) 海部郡牟岐町A 海部郡牟岐町B 海部郡海陽町
 こぐま座 オオボシ ネノホシ
 おおぐま座 ナナツボシ ナナツボシ ナナツボシ
 こと座 オリヒメ
 わし座 ヒコボシ
 プレアデス星団@ スマル スマル スバル
 プレアデス星団A コボシ
 三つ星 ミツボシ ミツボシ ミツボシ
 金星@ アケノミョウジョウ オオボシ アケノミョウジョウ
 金星A ヨイノミョウジョウ ヨイノミョウジョウ

北・中部沿岸地域の星名体系

星座(星群) 小松島市 鳴 門 市 ◇◇◇◇◇◇◇
 おおぐま座 ナナツボシ
 こと座・わし座 タナバタノホシ
 わし座 ヒコボシ
 プレアデス星団
 三つ星 ミツボシ ミツボシ
 金星@ ヨアケノミョウジョウ ヨアケノミョウジョウ
 金星A ヨイノミョウジョウ

西部山間地域の星名体系

星座(星群) 三 好 市 ◇◇◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇◇◇
 おおぐま座 ナナツボシ
 プレアデス星団
 三つ星 ミツボシ
 金星@ アケノミョウジョウ
 金星A ヨイノミョウジョウ

香川県  2018/04/28

【利用体系】
 2014年以降に西部および東部沿岸地域の一部で調査を継続しています。西部地域では瀬戸大橋によって岡山県側と 道路や鉄道が直結されたことにより、沿岸の開発が進んでいるようです。漁港はかなり整備されていますが、東部 地域も含めて漁業そのものの衰退はやはり深刻です。
 これまでに確認された星の利用体系は、こぐま座・おおぐま座・カシオペア座・おうし座・オリオン座・ふたご座・ 金星というパターンを示し、かつての伝統的な漁業と星利用の一端を窺わせる構成となっています。

【星名体系】
 記録された事例から推察すると、こぐま座ではネノホシが、おおぐま座はナナツボシ、プレアデス星団はスマル系、 そしてオリオン座三つ星はミツボシ系などの星名がやや優占する傾向が見られます。全体的にカシオペア座のイカリ ボシを除いて、今のところ一般的な星名が多い状況ですが、地域固有の呼び名としてふたご座のトウサンボシと カアサンボシが確認されています。

西部沿岸地域・島嶼地域の星名体系T

星座(星群) 仲多度郡多度津町 観音寺市 丸 亀 市
 こぐま座 ネノホシ
 おおぐま座 ナナツボシ ナナツボシ ナナツボシ
 プレアデス星団 スマル
 三つ星 ミツボシ ミツボシ
 ふたご座@ カアサンボシ
 ふたご座A トウサンボシ
 金星@ ヨアケノミョウジョウ ヨアケノミョウジョウ ヨアケノミョウジョウ
 金星A ヨイノミョウジョウ ヨイノミョウジョウ アケノホシ

西部沿岸地域・島嶼地域の星名体系U

星座(星群) 三 豊 市 ◇◇◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇◇◇
 こぐま座
 おおぐま座@ ナナツボシ
 おおぐま座A シャクボシ
 プレアデス星団
 三つ星 ミツボシ
 金星@ ヨアケノミョウジョウ
 金星A ヨイノミョウジョウ
 金星B ミョウジョウサン
 木星 ヨナカノミョウジョウ

東部沿岸地域の星名体系

星座(星群) さぬき市 東かがわ市 ◇◇◇◇◇◇◇
 こぐま座 ネノホシ
 おおぐま座 ナナツボシ
 カシオペア座 イカリボシ
 プレアデス星団 スマル スマルサン
 三つ星 ミツボシ ミツボシサン
 金星@ ヨアケノミョウジョウ ヨアケノミョウジョウ
 金星A ヨイノミョウジョウ ヨイノミョウジョウ

愛媛県  2017/04/15

【利用体系】
 2015年に東部および西部の一部沿岸地域で調査を実施していますが、当初は体系的な伝承を記録できませんでした。 2016年から島嶼部の調査が加わり、ようやく基本的な体系の確認が始まったところです。愛媛県内には200近い漁港が ありますが、いわゆる伝統的な漁法による漁業から養殖や栽培を主体とした漁業へと転換した地域が多く、特に南西部の 沿岸域ではかなり早い時代に星の伝承が廃れていったものと考えられます。一方、島嶼部において伝統的な漁法が継承 されている地域には、星の伝承がまだ少しだけのこされているようです。
 現在確認されている星の利用は、おおぐま座・おうし座・オリオン座・おおいぬ座・金星という一般的な伝承パターン ですが、今後の調査次第でさらに拡充される可能性があります。

【星名体系】
 おうし座のスマルやオリオン座のミツボシ、そしてオオボシ(金星)などはいずれも近隣地域と共通する呼び名ですが、 一部の地域でスマルおよびミツボシに続くアトボシ系の星名が記録されています。

東部沿岸地域・島嶼地域の星名体系

星座(星群) 今治市 A 今治市 B ◇◇◇◇◇◇◇
 こぐま座
 おおぐま座 シャクシ
 プレアデス星団 スマルサン スマルサン
 おうし座 スマルノアトボシ
 三つ星 ミツボシサン ミツボシ
 おおいぬ座 ミツボシノアトボシ
 金星@ オオボシサン
 金星A ヨアケノミョウジョウ ヨアケノミョウジョウ

西部沿岸地域の星名体系

星座(星群) 伊 予 市 大 洲 市 ◇◇◇◇◇◇◇
 こぐま座
 おおぐま座 ナナツボシ
 プレアデス星団 スマル
 三つ星 ミツボシ ミツボシ
 金星@ ヨアケノミョウジョウ アケノミョウジョウ
 金星A ヨアケボシ ヨイノミョウジョウ

高知県  2018/04/28

【利用体系】
 2015年に西部沿岸域で調査を開始し、2018年には東部沿岸域や内陸部へと拡大しています。これら沿岸部の地域では、 一般的な網漁や釣漁などの他に一部地域で養殖漁業が営まれ、またサンゴ漁という特殊な漁法もみられます。これまでに 確認された星の利用体系は、こぐま座・おおぐま座・おうし座・オリオン座・おおいぬ座・金星というパターンを示し、 ごく一般的な構成となっています。

【星名体系】
 全体として一般的な星名が多い中で、オリオン座のカセボシは瀬戸内海や四国地方を代表する星名の一つとして知られて います。また、金星のオオボシは全国でみられる星名ですが、土佐清水市のそれは明け方の金星ではなく、夕空に最も早く 明るく輝く金星を対象としためずらしい事例となっています。

西部沿岸地域の星名体系

星座(星群) 幡多郡黒潮町 土佐清水市A 土佐清水市B
 こぐま座 ネノホシ ネノホシ
 おおぐま座@ ナナツボシ ナナツボシ ナナツボシ
 おおぐま座A シャクノホシ
 プレアデス星団 スマル スマル
 三つ星@ ミツボシ ミツボシ ミツボシ
 三つ星A カセボシ
 金星@ アケノミョウジョウ アケノミョウジョウ ヨアケノミョウジョウ
 金星A ヨアケボシ オオボシ

東部沿岸地域の星名体系

星座(星群) 高 知 市 香 南 市 ◇◇◇◇◇◇◇
 こぐま座 ネノホシ
 おおぐま座 ヒシャク ナナツボシ
 プレアデス星団 スバル スマル
 三つ星 ミツボシ ミツボシ
 おおいぬ座 オオボシ
 金 星 ヨアケノミョウジョウ ヨアケノミョウジョウ

内陸地域の星名体系

星座(星群) 香 美 市 ◇◇◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇◇◇
 こぐま座
 おおぐま座 ナナツボシ
 プレアデス星団
 三つ星 ミツボシ
 金星@ アケノミョウジョウ
 金星A ヨイノミョウジョウ

福岡県  2019/06/25

【利用体系】
 関門海峡を挟んで山口県と接する企救半島および佐賀県寄りの西部沿岸域で、2014年に調査が始まりました。 2016年以降は、企救半島より南の東部沿岸域一帯や北部沿岸域と一部の島嶼でも調査を行っています。このうち 大都市圏にありながら漁師町としての面影を遺す企救半島地区では、漁業の衰退こそ顕著にみられるものの、 星の利用に関してかつての伝統的な利用体系がかろうじて伝承されていました。それは、こぐま座・おおぐま座・ プレアデス星団・オリオン座・金星という標準的な構成です。東部や北部沿岸域においても利用パターンはほぼ 同じ傾向を示しています。

【星名体系】
 企救半島では、ネノホシやシソウ、スマル、それに広範な分布を示すサカマスなどが混在した体系の存在が確認 されました。さらに他の地域ではヒトツボシ(こぐま座)やヒシャクボシ(おおぐま座)、ジョウトウヘイ(オリ オン座)などが加わる展開をみせているものの、全体として一般的な星名を主体とした構成です。

北部・西部沿岸地域の星名体系T

星座(星群) 北九州市 糸 島 市 福 津 市
 こぐま座 ネノホシ
 おおぐま座 シソウ ナナツボシ
 プレアデス星団 スマル スバル
 三つ星 ミツボシ ミツボシ ミツボシ
 三つ星・他 サカマス
 金星@ ヨアケノミョウジョウ ヨアケノミョウジョウ アケノミョウジョウ
 金星A ヨイノミョウジョウ ヨイノミョウジョウ

北部・西部沿岸地域の星名体系U

星座(星群) 宗像市A 宗像市B ◇◇◇◇◇◇◇
 こぐま座
 おおぐま座 ナナツボシ
 こと座 タナバタサマ
 プレアデス星団 スマル
 三つ星@ ミツボシ ミツボシ
 三つ星A ジョウトウヘイ
 金星@ アケノホシ ヨアケノミョウチョウ
 金星A オオボシ ヨアケノミョウジョウ
 金星B ミョウジョウ

東部沿岸地域の星名体系

星座(星群) 行 橋 市 豊 前 市 築上郡吉富町
 こぐま座 ヒトツボシ ネノホシ
 おおぐま座 ナナツボシ ヒシャクボシ ナナツボシ
 プレアデス星団 スマル
 三つ星 ミツボシ ミツボシ ミツボシ
 金星@ ヨアケノミョウジョウ アケノミョウジョウ アケノミョウジョウ
 金星A

佐賀県  2018/06/23

【利用体系】
 2014年から北部沿岸域や有明海沿岸域で調査を継続しています。北部沿岸域では、漁業の衰退により一部の漁港を 除いて閑散とした光景が目立ちます。かつては手釣りによるイカ漁が盛んでしたが、その対象は主にケンサキイカで、 山陰地方西部のイカ釣り漁と類似した形態をもっています。また、有明海沿岸域においても一部の地域を除いて、 総体的に漁労者の減少や漁業の衰退が進んでいるようです。
 確認された利用体系は、こぐま座・おおぐま座・おうし座・オリオン座・金星という一般的なパターンですが、 これまでのところ、イカ釣り漁における特異的な利用があったかどうかは明らかでありません。

【星名体系】
 北部沿岸域の伝承では、プレアデス星団の呼称としてスバルが一般的です。また、オリオン座ではヨコジキあるいは ヨコズキという名が記録されています。これは本来のヨコゼキ(横関という漁網の一種)から転訛したものと考えられ ますが、現在は原意が失われ星名のみ伝承されているのが実態と言えるでしょう。一方、有明海沿岸域では、北斗七星の 呼称としてアブラマスという伝統的な星名が確認されています。

北部沿岸地域の星名体系

星座(星群) 唐津市 伊万里市 東松浦郡玄海町
 こぐま座 ヒトツボシ
 おおぐま座 ナナツボシ
 プレアデス星団 スバル スバル スバル
 三つ星 ミツボシ
 オリオン座 ヨコジキ ヨコズキ
 金星@ オオボシ オオボシ
 金星A ヨアケボシ
 金星B アケノミョウジョウ ヨアケノミョウジョウ
 金星C ヨイノミョウジョウ

有明海沿岸地域の星名体系

星座(星群) 藤津郡太良町 ◇◇◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇◇◇
 こぐま座 キタノミョウジン
 おおぐま座@ アブラマス
 おおぐま座A ナナツボシ
 プレアデス星団 スバリ
 三つ星 ミツボシ
 金星@ アケノミョウジョウ
 金星A ヨアケノミョウジョウ
 金星B ヨイノミョウジョウ

長崎県  2018/06/23

【利用体系】
 長崎県は、壱岐、対馬、五島列島など多くの島々を有した県です。ここでは、2014年以降に実施した調査の記録が あります。北部の平戸周辺では、佐賀県と同様にかつてはイカ釣り漁が行われ、江戸中期から明治初頭にかけては ナガスクジラやセミクジラなどの鯨漁も盛んでした。
 また、南部の大村湾や橘湾、長崎半島、それに有明海などの各沿岸域においてもそれぞれに特徴的な漁業が展開 されてきました。特に有明海においては、佐賀県や熊本県などと共通する漁具・漁法が認められ、それは星の伝承にも つながっているようです。確認された利用体系は、こぐま座・おおぐま座・おうし座・オリオン座・金星でごく 一般的な構成となっています。

【星名体系】
 現在のところ、南部と北部ともに地域の特徴的な星名は記録されていません。こぐま座(北極星)のネノホシや、 おおぐま座のナナツボシ系、オリオン座のミツボシ系は全国的な分布を示し、おうし座のスバル系は西日本を中心に、 また、オリオン座のヨコジキなどは隣県の沿岸域にも通じる分布を示しています。

北部沿岸地域・島嶼地域の星名体系

星座(星群) 平戸市 A 平戸市 B ◇◇◇◇◇◇◇
 こぐま座
 おおぐま座 ナナツボシ
 プレアデス星団 スバル スバル
 三つ星 ミツボシ ジョウトウヘイ
 オリオン座 ヨコジキ
 金星@ ヨアケノミョウジョウ ヨアケノミョウジョウ
 金星A ヨイノミョウジョウ
 月に接近した星 チカボシ

南部沿岸地域の星名体系

星座(星群) 長 崎 市 大 村 市 ◇◇◇◇◇◇◇
 こぐま座 ネノホシ
 おおぐま座@ ナナツボシ ナナツボシ
 おおぐま座A ヒシャクボシ
 プレアデス星団 スバル
 三つ星 ミツボシ
 金星@ アケノミョウジョウ ヨアケノミョウジョウ
 金星A クレノミョウジョウ ヨイノミョウジョウ
 金星B ヨアケボシ
 金星C オオボシ

熊本県  2018/06/23

【利用体系】
 2015年に天草地方および南部沿岸域の一部で、2018年には有明海沿岸域で調査を行いました。主要な島々が 橋によって結ばれている天草には多くの漁港があり、それぞれ地域の特性を活かした多彩な漁業が営まれて います。特に網を使った漁では、底曳網や刺網、まき網をはじめとして、底刺網、ゲンジキ網、マス網、カコイ網、 イソダテ網、アゴ網など実にさまざまな漁法が確認されたほか、延縄漁や一本釣り漁も盛んです。また、有明海 沿岸域では、海苔の養殖やカニ漁などが各地で行われていました。
 かつては、こうした漁業で利用されたとみられる星の体系が存在したようですが、調査によって記録された星は こぐま座・おおぐま座・さそり座・おうし座・オリオン座・金星というパターンです。このうち、おうし座の プレアデス星団には、この星の動きから天候を予測するタイプの伝承がのこされています。

【星名体系】
 おうし座では、スマルを基本とした転訛形が、またオリオン座においてもマスボシの系統に属する星名が目立ち ます。わずかな事例ながら、さそり座のメゴイナボシは、地域の暮らしに根差した貴重な存在として注目してよい でしょう。なお、各地の記録から推察すると、金星に関しては変化に富んだ呼称の広がりが感じられます。

天草地方沿岸地域の星名体系

星座(星群) 宇 城 市 天 草 市 天草郡苓北町
 こぐま座
 おおぐま座 ナナツボシ ナナツボシ ヒシャクボシ
 さそり座 メゴイナボシ
 プレアデス星団 スワリ
 三つ星
 オリオン座 サカヤノマス サカヤンマス
 金星@ ヨアケノミョウジョウ ヨアケノミョウジョウ アケノミョウジョウ
 金星A ヨアケノホシ ヨイノミョウジョウ
 金星B ミョウジョウ

有明海沿岸地域の星名体系

星座(星群) 熊 本 市 宇 土 市 ◇◇◇◇◇◇◇
 こぐま座 ネノホシ
 おおぐま座 ナナツボシ ヒシャクボシ
 プレアデス星団 スバル
 三つ星 ミツボシ
 オリオン座 サカヤノマス
 金星@ ヨアケノミョウジョウ ヨアケノミョウジョウ
 金星A ヨアケボシ

大分県  2018/11/21

【利用体系】
 北部沿岸域において2016年に調査が実施され、その後南部の一部地域でも記録がのこされています。北部地域における 漁業は、底曳網漁やタイ網漁、タコ壺漁、ワタリガニ漁、イカ漁など多彩ですが、漁業の衰退や高齢化によって現役漁師が ほとんど姿を消してしまった漁港も少なくありません。現在も継続的に漁が行われている地域でさえ、一部の漁を除いて 活力の衰弱化が進んでいます。南部も含めてこれまでに確認された星の利用体系は、こぐま座・おおぐま座・カシオペア座・ プレアデス星団・三つ星・金星というパターンを示しています。

【星名体系】
 ネノホシ(こぐま座)、ナナツボシ・ヒシャクボシ(おおぐま座)、スマル(おうし座)、ミツボシ(オリオン座)など、 いわば標準的な体系で構成されています。カシオペア座のW形をイツツボシとして認識していたことは、西日本では少ない 事例と言えるでしょう。

北部沿岸地域の星名体系T

星座(星群) 国東市(武蔵町) 国東市(国東町) 国東市(国見町)
 こぐま座
 おおぐま座 ナナツボシ ナナツボシ ヒシャクボシ
 カシオペア座 イツツボシ
 プレアデス星団 スマル
 三つ星 ミツボシ ミツボシ ミツボシ
 金星@ ヨアケノミョウジョウ アケノミョウジョウ アケノホシ
 金星A ヨイノミョウジョウ ヨイノミョウジョウ

北部沿岸地域の星名体系U

星座(星群) 宇 佐 市 中 津 市 ◇◇◇◇◇◇◇
 こぐま座 ネノホシ
 おおぐま座@ ナナツボシ
 おおぐま座A ヒシャクボシ
 プレアデス星団
 三つ星 ミツボシ ミツボシ
 金星@ ヨアケノミョウジョウ ウゥボシ
 金星A ヨイノミョウジョウ
 金星B ミョウジョウ

南部沿岸地域の星名体系

星座(星群) 津久見市 ◇◇◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇◇◇
 こぐま座
 おおぐま座 ナナツボシ
 プレアデス星団
 三つ星
 金星@ ヨアケノミョウドウ
 金星A ヨイノミョウドウ

宮崎県  2018/11/21

【利用体系】
 2016年に南部沿岸域で、また北部から中部沿岸域については2018年に調査が行われています。漁は各種の網漁や 延縄漁、一本釣り漁などで、漁港によっては特徴的な漁労習俗がみられる事例もあります。ただし、漁労従事者の 高齢化はやはり全県にわたって進行しています。
 これまでに星の伝承として確認されている利用体系は、こぐま座・おおぐま座・プレアデス星団・オリオン座・ おおいぬ座・金星というパターンです。このうち、北極星や北斗七星は北の方角を認識する手立てとして、また 三つ星については、金星と同様に夜明けを知る指標の一つとして利用されているようです。

【星名体系】
 おおぐま座では、ナナツボシを主体としてやや多様化の傾向がみられますが、スバル(プレアデス星団)系列や ミツボシ(オリオン座)などは、ほぼ全県共通の星名となっています。また、金星に関しては一部でヨアケメジョや ヨフケノミョウジョウという特徴的な呼称を記録しており、特にヨアケメジョは、隣接する鹿児島県から派生した 分布を示すもので注目されます。

北部沿岸地域の星名体系

星座(星群) 延 岡 市 東臼杵郡門川町A 東臼杵郡門川町B
 こぐま座
 おおぐま座 ナナツボシ シャモジボシ ヒシャクボシ
 プレアデス星団 スバル スマル
 三つ星 ミツボシ ミツボシ ミツボシ
 金星@ ヨアケボシ
 金星A ヨアケノミョウジョウ ヨアケノミョウジョウ
 金星B ヨイノミョウジョウ
 月に接近した星 ツキボシ

中部沿岸地域の星名体系

星座(星群) 児湯郡都農町 児湯郡川南町A 児湯郡川南町B
 こぐま座
 おおぐま座 ナナツボシ
 プレアデス星団 スバル
 三つ星 ミツボシ ミツボシ ミツボシ
 おおいぬ座 オオボシ
 金星@ ヨアケノミョウジョウ ヨアケノミョウジョウ ヨアケノミョウジョウ
 金星A ヨイノミョウジョウ ヨフケノミョウジョウ

南部沿岸地域の星名体系

星座(星群) 宮 崎 市 日 南 市 串 間 市
 こぐま座 ヒトツボシ
 おおぐま座 ナナツボシ
 プレアデス星団
 三つ星 ミツボシ ミツボシサマ ミツボシ
 金星@ ヨアケノミョウジョウ アケノミョウジョウ ヨアケメジョ
 金星A ヨイノミョウジョウ
 金星B

鹿児島県  2018/11/21

【利用体系】
 鹿児島県では、2015年に北西部沿岸域および島嶼域の一部で、その後も大隅半島地域や薩摩半島地域で調査が 行われています。しかし、奄美群島をはじめとする多くの島嶼部は未調査のままです。これまでに確認された 利用体系は、こぐま座・おおぐま座・おうし座・オリオン座・金星という一般的なパターンですが、具体的な 利用事例として大隅半島南部の一部地域では、北極星を北方の目印として重視していました。

【星名体系】
 鹿児島県には多くの島嶼群が所属し、それぞれに多様な文化を有するという特性がみられます。北西部沿岸域 では、ナナツボシ(北斗七星)、スバル(プレアデス星団)、ミツボシなど一般的な星名構成がみられるものの、 大隅半島の一部地域においては伝統的な星名がまだのこされています。佐多岬に近い田尻(本土最南端の漁港)に 伝承されたスバイドン(プレアデス星団)は、その代表的な存在と言えるでしょう。金星の呼び名の一つである ヨアケメジョも、宮崎県とともに南九州ならではの星名となっています。

北西部沿岸地域の星名体系

星座(星群) 出水市 阿久根市 ◇◇◇◇◇◇◇
 こぐま座
 おおぐま座 ナナツボシ
 プレアデス星団 スバル スバル
 三つ星 ミツボシ
 金星@ ヨアケボシ ヨアケノミョウジョウ
 

大隅半島沿岸地域の星名体系

星座(星群) 肝属郡肝付町 肝属郡南大隅町A 肝属郡南大隅町B
 こぐま座@ キタノホシ
 こぐま座A キタボシ
 こぐま座B メアテボシ
 おおぐま座 ナナツボシ ナナツボシ ナナツボウ
 プレアデス星団 スバイドン
 三つ星 ミツボシ ミツボシ
 三つ星+小三つ星 サカマス
 金星@ ヨアケボシ ヨアケノミョウジョウ ヨアケボシ
 金星A ヨアケメジョ

薩摩半島沿岸地域の星名体系

星座(星群) 指 宿 市 南さつま市 ◇◇◇◇◇◇◇
 こぐま座 ヒトツボシ
 おおぐま座 ナナツボシ ヒシャクボシ
 プレアデス星団 スバイ スバル
 三つ星 ミツボシ ミツボシ
 三つ星+小三つ星
 金星@ ヨアケボシ ヨアケボシ
 金星A ヨアケノミョウジョウ ヨノクチボシ

沖縄県  2019/12/25

【利用体系】
 鹿児島県と並んで多くの島嶼からなる沖縄県では、島ごとにさまざまな利用体系が存在していたものと考えられます。 また、沖縄・宮古・八重山全域における星の伝承を記した文書の写しが久米島や多良間島、波照間島などで見つかってい ます。
 1978年に八重山の竹富島で最初の調査が行われて以降久しく空白期間がありましたが、2017年にようやく宮古島と 石垣島の追加調査が実現しました。さらに2019年には沖縄本島とその周辺域で記録をのこしています。これまでに確認 された体系は、こぐま座・おおぐま座・プレアデス星団・三つ星・金星を基本形とし、これにケンタウルス座の二星 (αβ)が加わります。

【星名体系】
 ニイヌファブシ(北極星)やナナツブシ(北斗七星)、ムリブシ(プレアデス星団)、ミツブシ(三つ星)などの特徴的 な星名が、それぞれの星座を代表する基本形として伝承されています。これらは、さらに島ことばや文化などの影響を受け つつ微妙に転訛した言い回しを生み出してきました。金星も含めて、全体として変化に富んだ星名体系が構築されていた ものと推測されます。
 沖縄本島地方において、ナビゲェブシ(おおぐま座)やユウバンマンジャーブシ(金星)、ヤーウーチィブシ(流星)など が近年においても確認されたことは、この地域の伝承力がまだ健在であることを十分に証明しているようです。

沖縄地方の星名体系T

星座(星群) 国頭郡国頭村 国頭郡大宜味村 国頭郡本部町
 こぐま座 ニヌファブシ ニヌファブシ
 おおぐま座 ナナチブシ ナナチブシ
 プレアデス星団 ブリブシ
 三つ星 ミチブシ
 金星〔暁の明星〕 ユアケブシ アケマブシ
 金星〔宵の明星〕 ユウパンブシ
 流 星 ナガリブシ ナアリブシ
 彗 星 ホウチブシ

沖縄地方の星名体系U

星座(星群) 国頭郡伊江村A 国頭郡伊江村B う る ま 市
 こぐま座 ニイヌファブシ ニイヌワブシ
 おおぐま座@ ナナチブシ ナナチブシ
 おおぐま座A ナビゲェブシ
 プレアデス星団 ブリブシ ムリブシ ムリブシ
 三つ星 ミチブシ ミツブシ
 金星〔暁の明星〕 ユウアキブシ ユウアキブシ
 金星〔宵の明星〕 ユウパンマンジャー ユウパンマンジャー
 流 星 ヤーウーチィブシ ナガリブシ

沖縄地方の星名体系V

星座(星群) 糸満市A 糸満市B 南 城 市
 こぐま座 ニイヌファブシ ニイヌワブシ ニイヌファブシ
 おおぐま座@ ナナチブシ
 おおぐま座A ナビゲェブシ
 プレアデス星団 ブリブシ ムリブシ
 三つ星
 金星〔暁の明星〕 ユウアキブシ
 金星〔宵の明星〕 ユウパンマンジャーブシ
 流 星 ヤーウーチィブシ
 彗 星 ホウチブシ

宮古地方の星名体系

星座(星群) 宮古島市 A 宮古島市 B 宮古島市 C
 こぐま座 ニヌファブシ ニヌファブス ニヌファブス
 おおぐま座 フニブス
 プレアデス星団 ムリブシ ンミブス
 三つ星 ミツブシ ミツブス
 金星@ ユアケブシ アカファイフブス
 金星A ユウファイフォブス ユウファイフブス
 その他の星

八重山地方の星名体系T

星座(星群) 石垣市 A 石垣市 B 石垣市 C
 こぐま座 ニヌハブシ ニヌハブシ ニヌファブシ
 おおぐま座 ナナツブシ ナナツブシ
 プレアデス星団 ムリカブシ ムリブシ ムルブシ
 三つ星 ミツブシ ミツブシ
 金星@ ユアカブシ ユアケブシ ユアキブシ
 金星A
 その他の星 (ウマヌハブシ)
※ウマヌハブシは「午(南)の方にある星」の意味ですが、どの星をさすものか不明です.

八重山地方の星名体系U

星座(星群) 八重山郡竹富町 ◇◇◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇◇◇
 こぐま座@ ニイヌファプシ
 こぐま座A トマリプシ
 プレアデス星団@ ムリカブシ
 プレアデス星団A ウルウルシ
 三つ星 ミツボウ
 ケンタウルス座 パイガフシ
 金星@ アカキンブシ
 金星A ツカマフシ