メディアとつきあうツール  更新:2004-08-03
すべてを疑え!! MAMO's Site(テレビ放送や地上デジタル・BSデジタル・CSデジタルなど)/サイトのタイトル
<ジャーナリスト坂本 衛のサイト>

日録メモ風の更新情報(坂本衛)
2004年4月〜6月

2004年4月〜6月の更新情報

06-30
●明け方から雨と雷。体長2cmくらいの子カマキリを庭で発見。ここで大きくなるつもりらしい。夜6〜8時、田原総一朗と打ち合わせ
●昨晩1484から野沢尚についてのメールあり。「テレビに向かって真摯に仕事をしていたヒトを1人失った」「締め切りの数日前には常に原稿が届いているという、クリエーターとしての誠実さに満ちているような人だった。せめて、『青焼きでブチ込む』とかいえるくらいの図太さがあれば・・・(誰とはいわんがね)」と。はて、誰のことだろ? 私は面識がないが、野沢は2週間ほど前、GALAC定期購読の申し込みをしてくれていました。最近では、テレ朝ドラマ「砦なき者」(原作・脚本)がギャラクシー月間賞に選ばれていた。合掌
テレビの原理と放送局(テレビとは?地上放送局とは?)に参考リンクをつけておきました。学生さんは目を通しておくように

06-29
●朝、ルーフバルコニーでヤモリと遭遇。4階まで上がってきたものらしい。ひたひたした足先が、なんともかわいいもんです
●アメリカがイラクへの「主権」移譲を28日に前倒し。当初予定の30日に大規模武装蜂起・妨害行動との見込みによるムチャクチャ異例の措置。新生イラクを秘密裏にスタートさせ、CPA行政官ブレマーがこっそり逃げ帰らざるをえないほど、バクダッドとその周辺の情勢は悪化しています。混乱はさらに続き、新しいアメリカ大統領が選出されるまで、事態の改善はない。仏独ロはブッシュ政権を見捨て、次の米政権下で初めて協力する腹。日本も「負け組」から抜ける準備を始めなければならないが、今回の前倒しすら大慌てという現状では、ダメぽ。そもそも14万の外国軍がやりたい放題の国に「主権」があるとはいえない
●5日発売の潮市民講座「イラク暫定政権」を書くのに、占領期の日本をちょっと調べましたが、収まりきらず本文ではほとんどカット。イラク占領と日本占領の最大の違いは、イラクでは「降伏なきまま政府を潰し、武装解除なきまま軍・警察を解体した」が、日本では「降伏した政府を残し、武装解除のうえ軍・特高警察を解体したが警察は残した」ことです。そこに至るまでにイラクではわずか1か月で点と線だけを制圧したが、日本では4年かけて多くの都市を焼き払った(罹災者1000万、死者300万)。日本は徹底的に痛めつけたうえ天皇を尊重したが、イラクはいい加減にやっつけたうえ宗教指導者を無視した。日本には米軍有数の大物エリートで知日家のマッカーサーを送り込んだが、イラクにはブレマーなるチンケな小物官僚を送り込んだ。日本はほとんど単一の民族が天皇の下「赤子」《せきし=親である天子に対して赤ん坊である国民》としてまとまった島国だが、イラクは人類最古の都市文明の発祥の地で数千年来、民族・宗教が入り乱れ続ける文明の十字路。子ブッシュの占領政策がうまくいくと思うほうが、歴史に無知蒙昧なイカレた発想です

06-28
●今日GALAC青焼き、午後編集部へ。校正後、放懇法人化の引き継ぎ資料を作る。テレビの選奨委員会(月評会)をやっていたが、「野沢尚自殺」の報に一同衝撃
テレビとは?地上放送局とは?(テレビの原理と放送局)をup。5月22日@六本木ヒルズ・テレビ朝日1階UMUで開かれた民放労連・青年協セミナー「放送の未来を考えよう」(放送のあり方を考える集会)の講演録。当日のレジュメに大幅に加筆し、一般向けにわかりやすくしてあります。「そもそもテレビとは?」という議論は、もっとも肝心なことなのに、ほとんど見かけない。テレビの参考書や教科書にも書いてない。ぜひご一読を。日大放送学科の生徒は必読

06-27
●直径15cm近い大輪の朝顔が咲きはじめ、シソは虫が食いはじめました。4日ばかり更新できず失礼しました
●午後、家人と小林道雄見舞い。流動食が始まったとのことだが、この日は胃が痛むと。一進一退を繰り返しつつ徐々に回復に向かうということでしょう。帰り、西東京名物というカリントウ屋に寄る。響で夕食。赤城下の井上一家と遭遇
●夜遅く田原総一朗から打ち合わせ日時の確認電。「最近どう?」にGALAC編集長交代を報告。デジタル放送について質問するので10分ほど解説。こちらの選挙情勢についての質問には「民主が強い。自民に並んできた。参議院で並ぶだけでも大変なことだ」。私は民主党代表・岡田克也が女性にどこまでウケるかがポイントだと思いますが、周囲で聞くと前代表より評価する声が強い感じ

06-27
●直径15cm近い大輪の朝顔が咲きはじめ、シソは虫が食いはじめました。4日ばかり更新できず失礼しました

06-26
●Keiさん、メールありがたく。GALACは神楽坂通り(神楽坂上交差点のさらに上、よしや隣り)の文悠書店に常備してあります

06-25
●午前中、日大授業。「飲み会をやりたい」といってる生徒があるそうなので、次回に飲み会案を出します
●6時、放送批評懇談会理事会、引き続き2004年度第42回定例総会@ホテルサンライト新宿。出席者は麻生千晶、諫山修、市村元、入江たのし、岩本太郎、小田桐誠、音好宏、茅原良平、隈部紀生、上滝徹也、斎藤弘美、坂本衛、志賀信夫、嶋田親一、島野功緒、清水英夫、鈴木典之、滝野俊一、田代勝彦、田中惣二、田中典子、谷口和巳、永田俊和、野田慶人、藤田真文、藤久ミネ、堀木卓也、三原修(ほかに80名近くが委任状を提出)、事務局から中島好登、福島美子
●総会議題は2003年度事業報告、同決算報告、第42-43期(2年間)役員案、2004年度事業案、同予算案、放懇法人化案で、いずれも原案通り承認(鈴木典之議長の名司会により波乱なきシャンシャン総会)。私が務めていた出版編集委員長の新任(GALAC新編集長)には小田桐誠が選出されました。ただし、実務上は5月末に企画を決めた号(8月6日発売号=2004年9月号)まで私が編集長を続けます。正式な「この号で終わり」のご挨拶は8月6日号に掲載しますが、ここではひとあし早く、みなさまのご指導ご支援によってGALACを刊行・編集し続けることができたことを心から感謝し御礼申し上げます。本当にお世話になり、ありがとうございました。引き続き小田桐誠編集長によるGALACへのご支援をよろしくお願いします。総会後、石井、岩本、小田桐、堀木、三原、中島、福島と東順永。石井彰が「今日は編集長を慰労し新編集長を励ます飲み会」と宣言したので、甘えてご馳走に。某の「自分が局に電話するときは、本名を名乗らないと総務に回ってしまう」との愚痴に大笑。ザーサイ、ピータン豆腐、湯葉セロリ、水餃子、紙豆腐(と店では呼ぶが正式名称は知らない)、砂肝揚げ、ビーフン炒めに紹興酒3本。水餃子と砂肝には、からし油(マスタードの超激辛油)が合う
●なお、GALAC2003年10月号掲載の総力特集「地上デジタル放送の落としどころ」が、現行の地上デジタル放送計画がすでに破綻しており、2011年にアナログ放送を止めることはできないという当然の見通しを伝えた(別に私一人が勝手にそう主張しているわけではなく、NHKや民放でデジタル計画に携わる関係者の見方を集約した特集記事であり、現職の国会議員、知事、大新聞論説委員、テレビ出身大学教授、テレビキャスター、テレビ労組代表、テレビ批評家などが全員、実名・顔写真入りで現行計画に対する批判的な論考を寄せた。新聞にその手の記事は出ないが、日本を代表する新聞でテレビに関する社説を書く記者が、GALAC誌上では全国民にタダでチューナーを配りでもしない限り普及は困難との見方を明らかにしている)ことから、GALACに対する圧力が強まり、それが編集長交代を招いたのではと心配してくださる方がいる(日経OBの大留明夫はそのような電話をくれた)ので、念のため説明しておきます
●私が「GALAC」の前身「放送批評」の編集長になった(放懇の出版編集委員長になった)のは1996年。その時点で新雑誌へのリニューアルは決まっており、1997年にGALACが新創刊しました。ところが、当時の放送批評懇談会は部内のルールが前近代的といってよいほど未整備で、理事長や委員長や委員の任期すら明確な規定がなかったため、1998年の理事会に私が規約改正を提案。坂本衛・内藤篤(エンタテインメント弁護士)両理事が起草担当として改正案の叩き台を作り、これを98年6月以降の理事会で毎月少しずつ検討・修正し、99年4月の理事会で最終案を決め、5月の総会で成立させました。この規約に2000年度から「委員長・委員の任期は2年で連続2期まで」とあるため、今回、出版編集・選奨事業・企画事業の3委員長(坂本・上滝・音)がめでたく全員退任となりました。つまり、私は自ら提案して放懇の規約に定められることになった任期に基づいて退任したのであり、放送局の圧力によって退任したわけではありません。
●いくつかの放送局から私を名指しする陰湿な圧力への低次元の嫌がらせがあったことは事実ですが、そんなのは過去数年間に何度もあった。しかも、GALACに対して直接抗議があったわけではなく、放送局の××広報部長その他との電話でのやりとり(むろん録音済み)も「正式な抗議と考えて公表してよいのか?」「いや、ここだけの話にしてくれ」というものなので、私から公表するつもりはありません。なお、新理事への就任は、選挙で選ばれた時点で自ら辞退しました。私個人への攻撃が放送批評懇談会の運営に影響するとすれば、本意《ほい》ではありませんので

06-24
●昨日の入稿原稿に直し発生。グダグダ作業。続いて25日放懇総会に出す「事業報告書」「放懇法人化プロジェクト最終報告書」を書く。仕事進まず

06-23
●難航したが、GALAC原稿「テレビは感情を、なぜ感情だけを極端に増幅するか?」脱稿。GALAC責了日で朝から放懇。中島好登、福島美子、久野明と校正。岩本太郎、小林潤一郎も来る。ドイツ料理カイテルで昼食。オヤジが「頑張リマショウ!!」(チェコとの対戦を控えたサッカーの話)。そば成田屋で夕食。1ページの「感情増幅」事件年表が、データを盛り込みすぎ、なんと本文活字8Qで上がってきた。掟破りながらそのまま突っ込むことに。実物大では校正不能というシロモノ
●東京・高田馬場の団地で5歳の男児を投げ落としたとして中2の少女(13歳)を補導。うちから30分も歩けばいける場所。困ったものです。突き落とされた5歳のガキは遊び仲間のお姉ちゃんを脅していた。ガキの母親はパチンコ中だった。5歳も13歳も昼日中からゲーセンに入り浸っていた。少女は小僧の横っ面をひっぱたき口封じするというような妥当な解決策を思いつかなかった。少女は虐待を受け転々とした学校で差別されるなど、悲惨な過去を背負っていた。このような5歳と13歳の小さなモンスターを作りあげたのは、親をはじめとする大人であり日本社会。子ども2人を責める気には全然ならない

06-22
●昼夜の別なく原稿書き

06-21
●TBS系BSデジタル会社BS-iから個人情報が流出。懸念していた事態です。以下は、私、デジタル化に納得していません(「論座」2003年03月号)インタビューに坂本が答えた一節。「デジタル化が双方向に必須なんて嘘《ウソ》です。受信機と電話線をつなぐというだけの話で、今のアナログだってできる」「でも、個人情報保護が言われる時代に『何でテレビ局にそんなデータを渡さなきゃいけないのか』という声は当然出てくる。『自分が何を見た』なんていう情報はプライベートな話であって、それが物販会社なんかに流出したら、テレビはおしまいですよ」「原点に戻れば、双方向性って何だという話です。今のテレビ局は視聴者対応の窓口が少なすぎる。番組への不満なんて、伝えられない。クイズに答えるよりも、そういう双方向性の充実が先でしょう」(警鐘を鳴らす意味でこの言葉を使ったので、こんなことでおしまいとはむろん思っていません。念のため)
●原稿書き。終わらない。この欄3日分まとめて更新
●台風接近で高波による死者が出た。森田正光に聞いた話(1度この欄に書いた)によれば、「5mの波」とは、100回波が打ち寄せるとき、高い波33回(3分の1)の平均が5mという意味(「有義波高」または「3分の1波高」という)。肝心なのは「今日の波は5m」ならば、1000回に1回くらいは5mの2〜3倍の高さの波が必ず来ること。「突然高波にのまれた」人はこれ。だから台風で海が荒れているとき、海岸に近づいてはならない。しばらく見ていて波が届かないと確認してもダメ。子どもがいる方は、そう教えてください。気象情報では、ただ「高波に注意」ではなく「なぜ近づいてはダメか」を繰り返し伝えるべきです。天気予報のディレクターは人の命を救うことができるのです

06-20
●原稿書き。夜、えびす亭

06-19
●4時すぎ麹町・文春別館(民放連の入るビル)1階で、橋田・小川さんのお別れ会。アスコムは全員総出でスタッフ、お疲れさまでした。モハマド君が来る、田原も来るということだったが、お先に失礼し、田無で入院中の小林道雄を見舞う。「イラク情勢はどうなってる? 多国籍軍は?」というのでひとしきり解説。「樋口一葉」を読んでいて、明治初期の士族の話、明治の文学世界の話(いずれもムチャクチャいい加減な世界)など。神田京子の「京子café」@下北沢PIGAには行けず。案内もらったのにすまん
●小川和久と電話でしばらく話す。イラク問題、多国籍軍の評価、アメリカとの付き合い方、小泉首相論など。「2度目の北朝鮮訪問後、家族との会見場にカメラを入れたのは実にしたたか。行き当たりばったりに見えるようで、計算している」には同感。相当な自信がないと、あれはできない。「ワンフレーズ・ポリティクス」と、それこそワンフレーズで片付けられているが、小泉テレポリティクスはもっと研究が必要です。「単行本はそちらのペースで」とありがたい言葉

06-18
●宮内庁の東宮大夫が18日の記者会見で、皇太子妃が「強迫神経症」だとした複数の雑誌報道について「憶測であり、事実ではない」と否定し、「メンタル面の専門医に対応をお願いしているのは事実だが、病名がつくような状態ではないと聞いている」と説明。ただ気分が晴れないというような状態なら、専門医に見せる必要はない。しかし、メンタル面の専門医=精神科医には見てもらっている。それで病名がつかないなんてことは、ありえません。万が一、本当に病名がつかないなら、診断がつかないわけだから、治療はできず治る見込みも立たない。つまりは、宮内庁の役人が白昼堂々、将来の日本国の象徴であり日本国民統合の象徴である天皇になることが決まっている皇太子の妃について、「精神科医に見せているが、治る見込みがないと聞いている」という意味の発言をしたことになる。東宮大夫がそんな大それた発言をするわけがないから、「病名がつくような状態ではないと聞いている」という部分は、病名を隠していると解釈するほかありません
●筆者はこの1年ほどの間に、友人が1人、大学の教え子で少なくとも2人が鬱病になり、うち1人の入院に付き添いました。その際いろいろと調べてわかったのは、次のようなことです。(1)鬱病でもっとも重要なのは、早期に正しい診断をつけ、薬(どれが適切かは試さないとわからない)による治療を始めること。(2)次の段階で重要なのは、本人が「病気である」と受け入れ、しかも「必ず治る病気である」と信じて病気に立ち向かうこと。(3)治るまでに長期間かかるのが普通だが、完全に治らなくても病気をコントロールできるまでに至ればよしとすべき(早急に100%の結果を求めるべきではない)こと。皇太子妃の病名はわかりませんが、メンタル面の病気は総じてこのような対応が必要です
●日大授業予定通り。兼高聖雄と打ち合わせ。昼、BSデジタル関係者と食事。ここ数日、原稿とてもたくさん

06-17
●共同サイトのニュースから2つ。ブッシュ政権の交代要求 元CIA長官ら27人。「ブッシュ政権は合理的な分析よりもイデオロギーに基づいて、米国を出口の見えない、高くつく戦争に導いた」「建国以来225年の歴史の中で、米国がこれほど孤立し、恐れられ、信頼を失ったことはない」――同感です。日本国は、そのブッシュと心中はできない。次期大統領に選ばれない場合を考えてもっと距離を置くべきだと、首相に忠告する専門家はいないのですかねえ
●手をたたくと魚が集まる 三菱電、模擬水族館を公開。筆者は29インチテレビ(初めてダイヤトーン・スピーカーを付けることが許されテレビ事業部門が大喜びしたという最初のCZ)や掃除機のユーザーであり、それら三菱電機の製品に不満はない。まして悪い感情など持っていないけれども、やっぱり「こういうものは馬鹿げており、くだらない」と指摘しなければならないと思います。この技術はすばらしい。マンガのキャラクターが宇宙空間を漂っていて合図すれば集まってくるなら、何の文句もない。しかし、魚のニセモノで子どもが喜ぶかもという軽薄な思考、想像力の欠如はダメです。本物の水族館では、大きな魚が小さな魚を飲み込んだり、死んだ魚が漂ったりする。そのような生き物の姿を見せつけ体感させることが子どもにとってもっとも重要なことは、佐世保の事件を見れば明らかでしょう。ハード(技術)が優れているだけではダメで、つねに肝心なのはハードをどう使うかというソフト。開発チームにはソフトがわかる者を入れなければならない

06-16
●テレ朝Nステ所沢ダイオキシン報道、和解へ
●19日4時〜@麹町、イラクで取材中に襲撃され亡くなった橋田信介さんと小川功太郎さんのお別れの会。一般の方も献花できます
●どうでもいいが、人口が減りながらより繁栄した国というのは、世界史上で皆無だそうです。日本国の21世紀の課題は、拡大・発展ではなく縮小・維持(選択的な拡大・発展)であり、官民すべてのセクターでの不採算部門からの撤退だろうと思います。最大の不採算部門は、誰がどう見ても第1に日本国政府、第2に地方自治体ですから、これを縮小するしかない。現在は、政府・自治体にブラ下がり、おこぼれでうまい汁を吸う部門(たとえば道路公団)を削るのに四苦八苦という段階。田中康夫は自治体でやっているが、ブラ下がらなくてもある程度「オイシイ」と示して「これまでのうまい汁はやめよう」と説得するわけだから、これは大変。しかし、地方から変えるという戦略は正しい。地方自治体では、できる限りのものを政府から切り離す。個人ベースでも、できる限りのものを政府から切り離す。で、政府を不良債権の塊にしておいてチャラにする(使えるものだけ残し、あとは踏み倒す)。明治維新というのは、それをやったわけです。先の敗戦でも、同じようなことが部分的に生じた。歴史は繰り返すでしょう
●佐世保の事件で「バトル・ロワイヤル」の影響など、不用意にあげつらうべきではない。加害少女のアンケート「【バトルロワイアル・プログラム】であなたが選ばれたらどうしますか? いっとくけど逃げられません。殺しあう?殺しあわない?」に、被害少女は「(1)。殺るヵナ。殺られるよりかゎィィ。」((1)は実際は丸数字)と答えている。だったら何なのか、という話。6人に5人の割合で「オーケイ。殺し合いにのってやる。」ですが、こんなのは遊びに過ぎません。戦前の男の子は100人が100人「兵隊さんになる」(人殺しを厭《いと》わない職業につく)といっていたのだから、それより全然マシ。なお、この件は報道で既出かもしれません(筆者は見ていないが)

06-15
●午前中テレ朝、鳥越俊太郎取材。中島好登、坪井正幸と。次号GALACグラビア。「竹田」で昼食。焼魚定食とコロッケ定食オススメ
●前経産相の平沼赳夫が講演で「教育基本法では個人の尊厳が強調されている。日教組の教育とあいまって、個人の尊厳が行き過ぎて教室破壊が起こり、生徒同士が殺し合いをする荒廃した状況になってきている」(朝日新聞)。引用が正しいのであれば、ムチャクチャにデタラメな話です。教育によって個人の尊厳がきちんと強調されていれば、殺人は減る(実際、凶悪犯罪は戦前よりはるかに減っている)。むろん佐世保の少女も自らの尊厳を貫くために同級生を刺し殺したのではなく、平然と友だち個人の尊厳を踏みにじった。だから問題は、教育の現場で個人の尊厳が地に落ちたことであって、文部省、全国教育委、日教組、非日教組教員、親たち(いずれもその一部)にその責任があるというなら、話はわかる。しかし、個人の尊厳がズタズタになった学校で、さらに個人よりも国家や歴史や文化を強調する教育を施して、どうしようというのか。そんなことでは荒廃した状況を改善できない。個として自立していない奴隷のような人間を育て、国家に従属させても、問題は解決しません
●念のため。私は歴史教育などやめてしまえとは、まったく考えていません。子どもの頃に読んだ「日本の歴史」とかいう本(題名は忘れた)は、元寇に立ち向かった九州の武士たちだの、楠木正成親子だの、「後に続く者を信ず」といって死んだ将校(確か坂本少尉とか、そんな名前)だのが登場する、それはそれは美しい感動的な物語でした。つまりは皇国史観に貫かれた「物語日本史」ですが、私は全然否定するつもりもないし、読みたいヤツは読めばよい。ただし、旧ソ連や現北朝鮮のその手の本も、それはそれは美しい物語に決まっていると思います。私たちの半世紀の歴史は、そのような絶対的価値観の相対化から出発したのであり、後戻りはできない。卒業式に日の丸を掲げる・掲げないなどというくだらんことで争っているどちらの勢力も、私は進歩がなく話にならないと思います

06-14
●原稿書き

06-13
●インターネットでは佐世保の2人のホームページ(被害少女のもの一部と、加害少女のものほとんど)、2人または1人の写真数点、加害少女の自宅周辺図、同俯瞰写真、同住所・家族構成(一部伏せ字)などが出回っています。私もコピーしましたが、同じように自分のパソコンに取り込んだ人は何千何万といるでしょう。それはもう止めることができません。「3000万世帯に安価な常時接続環境を」なるe-japan計画は、その種のことが誰でも簡単にできるようにしようという国策といえます。検索エンジンGoogleに中1で習う英語(girlとかschoolとかasianとか)を2つも入れれば、本屋でビニールをかけて売っている本や雑誌と比べものにならない刺激的な画像が無数にあるサイトに、誰でもアクセスできる(小中学校のPCルームでは当然みんなやってるはず)。それを3000万世帯で可能とするのが国策だ、ともいえる。ようするに機械さえ売れりゃいいハード偏重の箱モノ主義で、どのように使うのか、その結果どうなるかとは、推進者は考えもしないわけです。そちらのほうが、ケタ違いに重要な問題なのですが。この点は国策である地上放送のデジタル化も同じです
●加害少女が見ていた(リンク集に入れたり、画像を使ったりしていた)サイトは、たとえばこういうもの。3つめは私も読んだことのあるおもしろサイト、残り2つは今回が初見(一部報道で見かけたが)。【注】血が飛び散るような表現を含みますので、見る人は自己責任で赤い部屋チャックノチャックス笑いのチェーンメール
●原稿書き

06-12
●昨11日2〜5時、日大上滝クラス特別授業。講師フジ取締役編成制作局長・山田良明、同次長・大多亮《とおる》。山田は家にテレビがやってきたときから変わらない「テレビへの思い」について、大多はトレンディ・ドラマの呪縛から脱却を図るフジの「ドラマ戦略」について。おもしろい。とりわけ大多亮はサービス満点、7月ドラマの冒頭シーンや10月からのクリスマスにかけてのドラマ展開までも語っていましたが、むろんここでは言わぬが花
●原稿書き

06-11
●日大授業は予定通り。黒川玲子から「病院に持っていくものの話があったので、救急車をタクシーのように使う祖母の孫として、救急車呼ぶときの心得も」との情報。以下に無断転載
●救急車は、基本的に呼んだ場所の近辺の病院にしか行きません。そして、かかりつけの病院以外は、行きたい病院に連れて行ってくれるということはありません。なので、自分が「ここに行きたい」と思う病院には、必ず平常時に一度でもかかってカルテを残しておくことが、重要です。うちの救急マニュアルとしては、【1】かかりつけ病院に電話し、受け入れてくれることを確認。その際には、「行ったほうがいいですか?」というよりは「行きますのでよろしく」くらいのあつかましさで。【2】119番に電話。かかりつけ病院が受け入れてくれることを伝える。患者の病状はもちろん、年齢・性別・症状がいつからかを必ず聞かれるので、メモっておく。【3】搬送経路の確保。家の玄関の前の荷物をどける、車が止まりやすいようにしておく。【4】救急隊員が到着したら、メモって置いたことを伝え、しばし休憩。保険証、診察券、財布を確認。ふたり以上家族が動けるようで、車があれば、病院に向かって出発する。【5】ひとりは救急車に便乗。その際、家から離れた病院に行く際は、 救急車が迷わないように、注意を払う。アホみたいな話ですが、近所からくる救急車は、近所しか知りません。港区の病院にいくのには、地図を見てノロノロ行きます。うちの祖母は狭心症もしくは心筋梗塞なので、それやられたら死んでしまいます。なので、私がナビします。あんな緊急性を要する車なのに、ナビは搭載されてません。ま、そんな緊急性を要する病気なのに、遠くの病院に行くな、と思っているでしょうが、たとえば、地下鉄サリン事件のような大災害が起きたとき、彼らはどうするんでしょうかね。【6】余計な人は救急車に乗らない。なぜなら、救急車はサスペンションが異常に悪く、乗ると必ず、酔います。行く必要があるなら、電車、もしくは乗用車、タクシーで行くことをオススメします。【ちなみに】これは東京都内の一部の話です。横浜市民病院は、脳梗塞の既往歴があっても「昼間に来てください」と言います。市民病院なのに、市民に冷たい。おかしい話です(ここまで黒川メール)
●筆者は、大学の頃だったか静岡の母の実家にいたとき、祖母が近所でバイクにひっかけられ、救急車を呼び同乗して搬送したことがある。一人しかいなかったので、知らせに来てくれた人に「向かいの人に伝えて」と言い置き、財布とボールペンだけ持って現場にすっとんでいった。ひっかけたバイクのナンバーは1000円札にメモ。救急車の中ではずっと祖母の手を握り「すぐ着くから大丈夫」と元気づけたが、まあチンタラ走るなと思った。サスペンションの悪さなど覚えてない。病院から自宅(東京)に電話し、静岡の親戚に知らせた。救急隊員の名前くらいは聞いておくのだった
●このときの経験があるので、救急車が通るとき停車しないクルマを見ると腹が立つ。わが家のクルマは左に寄せハザードを点けて停車します。いつか川崎の市バス(生田駅発ナントカ営業所行き)に乗ったとき、後ろから救急車が迫って来るのに停車も減速もせず、次のバス亭まで平然と走り続けたのには呆れた。乗車するとき「××に行きます?」と聞いても答えず、もう一度聞くとかすかにうなずいたヘンな運転手だった。下車後、地元住民にこの話をすると、「川崎の市バスの態度の悪さは、自分が乗った公共交通機関の中で最低最悪だ。口を開かなかったのは、酒を飲んでいて、臭いを隠すためだったんじゃないか」といった。あの運転なら、なるほど、そうかもしれないと思いました。地元メディアは、調べてみれば?

06-10
●朝、小林道雄の入院の件で講談社・小田島雅和(野間記念館副館長)と電話で話し、元木昌彦平松南両氏への連絡を頼む。夕方、病院にちょっと顔出し、二言三言かわして帰る
すべてのお母さん方に(将来お母さんになるだろう女性、娘や妻がお母さんになるだろう男性にも)確認してほしいこと。昨晩、神楽坂の地下鉄の階段を上がってくるとき、こんなことがありました。私のすぐ前を、赤ん坊を抱いた若いお母さんと男の子(赤ん坊の兄らしい4〜5歳)が上っていた。子どもはパンか何かの袋をぶら下げてひょこひょこ歩く。ところが、雨でぬれていたせいかすべって転び、膝を打ちました。するとそのお母さんは「何やってるの!! ダメじゃないの!!」などと声を上げ、痛さに顔をしかめる子の手を引いて、踊り場に避けた。子どもが倒れたとき、私はころがってこないように手を差し出したから、後ろの人に邪魔だと思ったのかもしれない。いったん通り過ぎましたが、戻って「ああ、君はお母さんの荷物を持ってあげてたんだね。そりゃエライな。今日は雨だから、ぬれていてすべったんだよな。痛かっただろ? 次の雨の日は、気をつけたほうがいいと思うねえ」といってやろうかと、私は思いました(実際はいわなかった)
この男の子が、なぜ転んで怒られなければならないのか、私には全然わからない。転びたくて転んだわけじゃなし、悪いことなど何もしていない。袋を下げていたからバランスが悪く、手をつくことができなかった。注意深い親ならリュックを背負わせ、子どもの両手は開けておくものですが、この子の親はそうしなかった。オマケに痛い思いまでした。この子には理不尽な話ですが、それでも母親は絶対だから「なんかわかんないけど、やっぱボクが悪かったんだ」と思ったでしょう。なお、このお母さんは、感じのよい服装のきれいな人で、粗暴な雰囲気などまったくない、ようするに普通の女性でした。で、問題は、このように理不尽な怒り方をする母親がものすごく多く、学校の教師などにもものすごく多いこと。帰って家人に話すと、「それは、いってやったほうがよかった。公園などで見ていると、まったく意味不明に怒っている母親が多い。娘と出歩いてそういう親を見たら、絶対にあんな怒り方をしてはいけないと話している」という。すべての人は、自分の周囲の「お母さん」がそのような物言いをしていないか、確認してほしいと心から願います。子どもが転んだときに、適切な対応と言葉かけができる親の子どもは、適切な対応と言葉かけを学ぶので、絶対に人を刺したりしませんし、刃物を振り回す子を放ってなどおきません
●佐世保の小学校は、カッターを振り上げた段階ですら、誰一人として適切な対応と言葉かけをしていなかったようだから、いずれ殺傷事件が起こって当たり前です。この意味で、教育委も校長も教員も保護者もPTAも、事件を防げなかった責任が間違いなくあります。被害者の親も、学級の保護者の一人としての責任は免れません
●なお、そのように人の気持ちがわかることは、セレトニンのような脳内物質の作用に関係があるらしい。なんでも、(わけのわからない)人の気持ちをくみ取ろうとする訓練ができている第1に保育園・幼稚園の先生、第2に看護婦には、その機能が強いそうです(また聞きなので、確かなところはよくわかりません)
●朝刊には「教育基本法に愛国心」の見出し。ひどい時代になったものです。教育基本法をどう変えたって、子どもたちにはクソの役にも立たない。「日本」「くに」「故郷」は、誰にいわれなくても、みんな愛している。それ以外の「国家」「政府」「国家公務員」が、みんなから愛されて当然の存在だとでも? 亡くなったレーガン元大統領は1981年の就任演説で「現在の危機において政府は問題の解決になっていない。政府こそ問題の種だ」と述べた。まったく同感で、バブル崩壊以降ずっと「現在の危機において日本政府は問題の解決になっていない。日本政府こそ問題の種だ」と、私は思っています

06-09
●8日午後10時すぎ「偏屈庵」ことノンフィクション作家の小林道雄が入院(奥さんは放懇に留守電をいれたようで、すぐにはわからず。朝9時半すぎに電話を入れて知る)。仕事をすべて飛ばし、午前11時すぎ病院着。「下腹部の痛みが耐え難く救急車を呼んだ」と。MRIを撮りにいくのを送って奥さんと近くのコーヒー屋。バナナ1本しか食べていないというので腹ごしらえ。午後、主治医(副院長・外科・竹内俊二)の説明を3人で聞く。盲腸〜上行結腸付近の憩室炎(憩室=胃腸など管腔性の臓器にできる袋状の突起。40歳以上ではふつうに見られる)で(たぶんごく小さな穿孔から)膿みが広がっており要手術。奥さんは準備や連絡のためいったん家に戻る。5時半から手術。手術室の前で手を握り「もうまな板の鯉。しっかり切られていらっしゃい」と。術後の電話連絡を奥さんに頼み、夜7時すぎ帰宅
●(以下はその後の奥さんの話)手術は成功。夜9時半ころ戻り、意識もハッキリ。姪と一緒に執刀医の説明を聞き、切ったものも見た。ガンの心配もないとのこと
●ご参考まで、病院にもっていったもの。バスタオル・タオルのセット、膝掛け(奥さん用)、クリアケース(病院からもらう書類を入れる)、A4レポート紙、スケジュール帳、ホワイトブック、ペン2本、マジック1本、セロテープ、マグネット10個(書類をスチール壁に貼る)、クオカード・テレホンカード(手元にあった未使用のを数枚)、カネ。はるか昔、女流作家の誰かがエッセイに「メモ帳、鉛筆、赤エンピツ、袋に入れた10円玉いっぱい……」と、入院見舞いでもらったものを書き連ねていたのを読んでから、私はこういうものを持っていくようにしています(用意したのはほとんど家人)。あと便利なのはウォールポケット、枕元にブラ下げる小さな屑入れ、クッション(病院の椅子は硬い)、クリップボード(なんやかんや書類を書くので下敷きに)、時計、イヤホンなど

06-08
子育てと仕事の両立困難――石原伸晃国土交通相が、首都圏では子育てのため働くことを断念する女性が多いとみられ、職住接近の実現などが重要とする2003年度首都圏白書を閣議に提出、了承。なんということもないニュースですね。新聞やテレビは、役所の発表通りに概要を紹介して終わり。私は、こんなことを考えます
●子育てのため働くことを断念する女性が多いなら、働くために子育てを断念しないまでも、疎《おろそ》かにする女性が多いはずだ。たとえばパート勤めを余儀なくされる主婦は、PTAや部活の世話(当番で強制されたりする)が重荷になる。そのために、子どもに好きな部活をやめさせる主婦もいるだろう。そのことが大きなストレスとなっている子どもが、全国に何千何万といるだろう。働く女性を助けるためにガンガン公共事業をやって職住近接を実現などという発想は、時代遅れの箱モノ主義だ。そもそも白書は「働く女性と働く意欲のある女性の割合が、首都圏では30歳以降で全国平均より低い」から首都圏では「働くことを断念する女性が多い」と分析しているらしいが、私はそれは「首都圏は全国平均よりも所得が高い」ことを示すにすぎないデータであると思う。つまり、分析が間違っていると思われる。(ただし、本文を読んでいないので、あくまで共同配信記事からの憶測)「首都圏在住の25−44歳までの女性3750人にアンケートした結果、専業主婦のうち育児・出産で仕事を辞めた人が39・4%に上った」から、何だというのか。この比率が50%や70%になったほうが、子どもたちにとっては幸せかもしれない
●ついでにいうと、パートの主婦や介護老人をかかえる主婦がPTAに出てきにくいのは当たり前であって、私が小学校のPTA会長をやったときの執行部は「そのようなお母さんに仕事を強制すべきではない」「PTAで何を話し合っているか、毎月しっかりした報告書を作って、そのようなお母さんにも情報を共有してもらおう」という考え方で一致していました。ところが、PTAにはヘンな民主主義・悪平等主義がはびこっており、「とにかく全員に何らかの係を割り振る」などという馬鹿げた方針を採用するPTAが少なくない。どうでもいい会合(先月は何をしましたなんて報告だけの月例会とか)なんて忙しい親は欠席すればいいと思いますが、おせっかいな役付が出席を強要したりする。困ったものです。そうそう、小学校の4月最初の保護者会は、「PTAの役を決めるから欠席する」という母親が多いってことをご存じですか? 親たちがそんなことをやっているようでは、子どもが救われるはずはない
●午前中、雨で順延の津久戸小運動会に顔出し。新校長・小滝岩夫、前校長・荒木喜久子(2001年〜文部科学省・中央教育審議会委員)はじめ地域のみなさんに挨拶。PTA会長・高野浩樹と昼メシ。小島・鶴巻小PTA会長、三上一家の顔も。午後6時〜、放懇で法人化プロジェクト会合。田代勝彦、永田俊和、中島好登。終わってイドンカルビ

06-07
●レーガン元米大統領が死去。スター・ウォーズ構想(大陸間弾道ミサイルを宇宙空間で撃破)で知られますが、これは崩壊寸前のソ連をさらなる軍拡に引きずり込み、無駄ガネを使わせて倒すというトラップ(罠)。構想を出す前に、米政府は「もう勝った。ソ連は終わり」と認識していた。東西冷戦に西側が勝ったのは、別に水爆やミサイルで勝ったわけではない。勝利したのは「自由」、あるいは「自由な欲望」です。レーガンは、その最大のスポークスマンの1人でした
●レーガン時代のイラン・コントラ(86年に発覚)は、国家安全保障会議軍政部次長ノース中佐らがイランに武器供与し、代金3000万ドルをニカラグアの右翼ゲリラ「コントラ」に流していた事件。イランに武器を売ったらという提案者はイスラエル。レーガンの対ソ融和は同事件の失地回復の狙いがありました。これは記憶してよいことでしょう
●自らアルツハイマーであることを公表したレーガンは(そうさせた周囲も)、これは偉かった。明らかに、全世界の人びとに勇気と安心を与え、人びとから無知や偏見を取り除きました。皇太后の病気を隠し、化粧までさせて「お元気なお姿」をPRした残酷官庁とは、雲泥の差です。皇太子が自らの思いを文書で公表する予定と伝えられていますが、私は文書の中で皇太子妃の病名を公開すべきだと思います。それは多くの人びとに希望と勇気と安心を与え、人びとから無知や偏見を取り除くでしょう。そして、きちんと予算をつけ正式の医療団を組むべきです。隠したり隔離したりしながら中途半端な治療を続けて、よいことなど一つもありません

06-06
●同級生を殺した小6少女の小5のときの担任が毎日新聞の取材に応じています。記事の内容を信じるならば、事件が起きた学級はつい2か月余り前までいわゆる「学級崩壊」状態にあった、極めて問題の大きいクラスです。学校での菓子食い、授業無視、いじめ、担任への暴力があり、被害者はその「クラスのリーダーだった」そう。5年の段階で緊急保護者会が開かれ、教師2人制が採用されて当然のケース。まともな教育委員会なら、知らなかったはずはない。緊急保護者会を開いていないのであれば、校長も保護者もPTAも全然まともではない。「女児は5年生の2月、好きだったバスケットボール部を母親の意向で辞めた。そのころから授業を聞かず、ほおづえをついて居眠りをするようになった。だが、元担任は『私の知る範囲では、そういうことはなかった』。」――30人学級で児童の居眠りに気づかない担任は、教員不適格者です。毎日の記事はそのことを伝えて、教員、学校、教育委に(子どもを荒れ放題にして兆候を見逃した)大きな責任があることを強く示唆しています。通常このようなインタビューは取ることができず、ある小学校の特定のクラスの問題がここまで全国的に公開されてしまったことも珍しい。教育委員会も学校も大混乱を来すでしょう。マスコミは特定の個人を追いつめるような過剰な取材をするべきではありません。なお、私の経験では、問題とされるクラスでも「そんなことはない。いい先生だった」という保護者や児童が相当数いるのが普通です。記事は元担任だけに取材しているようですから、この点は慎重に読むべきでしょう。この記事だけでは本当のところはわかりません。【注】学級崩壊と書きましたが、あくまで「いわゆる『学級崩壊』」です。授業は崩壊しているのに学級は崩壊していない(あまりに教員がヒドいため、かえって子どもが結束を強めてまとまるような)ケースもよくありますので、念のため
読売新聞記事では、事件の10日ほど前に「カッターナイフを振り上げていたことがわかった」と。記事の内容を信じるならば、そういう子は普通の子ではないので、事件直後に得られた周囲の大人たちによる「普通の子が……」「信じられない……」という証言や感想は、デタラメだったことになる
●この件で夕方、小林道雄とも話し、有益な意見をいくつか。○断片的な警察発表に振り回されるべきでない。問いつめる大人に6年生が「はい」「うん」と答えていって得られた結果にどれほど信憑性があるか。○殺し方が非常に陰惨だったという話があり、事実とすれば非常に特異なケース。というか普通の人間にはできないこと。○まだ出てきていないが、加害少女の母子関係に注目。など
●昨晩は家族(1人は学校関係の宴会)で西早稲田かわうち。往復ぶらぶら散歩

06-05
●案の定、カッターで斬りつける映像の封印が始まりました。愚かなことですが、スポンサーが「差し替えてくれ」といえば、商業放送局は拒否できない。テレビは、「流すのはよくない」と心底思っているわけではなく、「やめておいたほうが無難」と思っているだけです。放送にたずさわる多くの人は、立ち止まってものごとを自分の頭でよく考え信じる道を進みたいと思っているはずだが、放送局やテレビ全体としてはそうならない。いつも、その場しのぎの対応になってしまいます。NHKは刃物が登場する中学生日記を「家族や友だちと一緒に見てほしい。そしてよく話し合ってほしい。他人や自分を傷つける人にならないでほしい。相談があればプロデューサー××まで連絡してほしい」と呼びかける画面を挿入して、そのまま放送すべきであると私は信じます。それこそ、テレビが今やるべきことです
●いいですか、かつてテレビは青少年のためにならないと「しりとり侍」や「ネプ投げ」を中止にしたんですよ。佐世保の小学校の6年1組が、何かあればワーっとみんなが集まってバンバン誰かを叩きまくる「しりとり侍」状態だったら、今回の事件は防げたかもしれないと思いませんか? 7、8年も前のこと、ある小6の女の子が「先生はケンカもさせてくれない」と嘆いていたのを思い出します。「口ゲンカでもすぐに割って入るから、邪魔でしょうがない」と。この教師は、とても熱心ないわゆる「いい先生」で、休日の行事にも盛んに出て(すると教育委にウケがよい)教頭試験を目指していた。そんな教師が増えれば増えるほど、今回のような事件は増えるでしょう。「いい先生」でも、子どものことなんか全然わかっていない場合が少なくありません。まして「しりとり侍」や「ネプ投げ」にダメ出しした青少年問題の「専門家」が、何かをわかっていたとは思えません
●このままでは映画バトル・ロワイヤルも封印されるかもしれません。封印せよという人びとの考え方はこうでしょう。(1)バトル・ロワイヤルは残虐で暴力的な映画だ。(2)だから、普通の子どもを残虐で暴力的な子どもにした。(3)その極端な例が佐世保の小6女子で、とうとう同級生まで殺してしまった。(4)したがってバトル・ロワイヤルはダメ映画であり、封印すべきである。(5)封印すれば、極端に残虐で暴力的な行動に出る子どもは減るだろう
●しかし、この考え方は実は順序が逆で、倒錯した論理です。本当は、(1)普通の子のようでも、ときに極端に残虐で暴力的な行動を起こす子どもが増えた。(2)世の中の変化や若者の感性をすくい取ろうとした監督が映画を作ったら、残虐で暴力的な映画バトル・ロワイヤルが生まれた。(3)この映画は若者の感性を敏感にすくい取ったので彼らにウケて、そのシーンを真似する者まで出た。(4)したがってバトル・ロワイヤルをダメ映画として、封印しても意味がない。(5)封印しても、極端に残虐で暴力的な行動に出る子どもは減らないだろう
●映画は(小説もマンガも)「原因」ではなく「結果」です。週刊ジャンプでもなんでも手近なマンガ誌を見れば、出てくるのは殺すかぶん殴るか笑い飛ばす話ばかり。しかし、マンガが殺したりぶん殴ったり笑い飛ばしたりする子どもを増やす「原因」なのではない。マンガは多くの子どもの欲求に応えた「結果」にすぎない。子どもの気持ちに敏感な優れた作家ほど、ウケるマンガを描いて彼らのストレスを解消させているのは当然。それを子どもの気持ちがわからない鈍感な人びとが非難するのは、理に適《かな》いません。「テレビは社会の鏡」という。その通りで、鏡に映った像を覆い隠しても意味はない。鏡を割ってもダメ。鏡に醜い像が映るなら、それは現実が醜いのです
主要新聞・テレビがやっているが、やめたほうがよいと思うこと→学校の詳細な教室配置図の公開。この小学校は池田小のようにムダな国家予算で建て直しなどしないはず。ならば、何年後かに今回公開された図を参考に学校に侵入した(誘拐した/刺した)という者が現れかねない。だから詳細な図は公開すべきでない。同じ理由で、全国どの学校でも主事室より手前(校門と主事室の間)に校内案内図を掲げてはならない。学校での子どもの安全について少しでも思いを巡らせた経験があれば、そんなことは常識のはず。【付記】読売サイトでは現場見取り図に「佐世保市教委調べ」とあり、教育委員会が出したらしい。むろん何も考えず、求められるままに出したのでしょう

06-04
●佐世保小6女子は、自分が何をしたのか、本質的にわかっていません。カッターで刺し相手を死に至らしめたことはわかっているが、それがどういうことなのか(相手にとって、その家族にとって、社会にとって、自分にとって何を意味しているか)、人が死ぬというのはどれほどたいへんなことなのか、よくわかっていない。ここ10年ばかりで殺人を犯した少年の多くがそうで、家裁の担当官など専門家はみなそのことを指摘しています。詳しくは小林道雄著「退化する子どもたち」を参照。わかっていないのだから、少年法改正で低年齢者を厳罰に処しても、まったく意味も効果もありません
●昨晩は11時半近くまで松よし。兼高聖雄とイロイロおもしろい話。時間がないので、いずれまた。今日日大授業は予定通り

06-03
●小6カッター殺人、事件前夜のTVドラマで実行決意(毎日15:00up)。下の記事は今朝書いたことですが、私の考えはまったく変わりません。2Hドラマで刃物を振り回すシーンを規制しても無意味です。それをやるなら、すべてのニュース映像だって止めなければならないが、止めたところで殺人事件は絶対になくならない。テレビは断じて、殺人少年犯の言葉に従ってドラマ「ギフト」を封印した愚行を繰り返してはならない!!
以下は「一般論」です。お間違えなきよう。子どもAが子どもBを普段とまったく異なる方法で攻撃するときは、その直前までBがAよりも圧倒的に優勢である場合が多い。子どもA・B・Cが仲良しだとたいてい2対1の対立を招くが、これは1対1の人間関係だけでは説明できないことが多い。左の対立は、思春期では女子のほうが男子よりはるかに深刻で陰湿であることが多い。極端な方法で他人を攻撃する子どもは、ふだんおとなしく普通の子どもに見えることが多い。小学校の単学級(1学年1クラス)は人間関係が6年間固定されるため弊害が大きい。インターネットや映画やテレビは事件を引き起こすきっかけ(引き金)にはなっても、事件の本質的な原因には絶対にならない。殺人の原因は人間関係の対立であって、インターネットが悪いわけでも、映画が悪いわけでも、学校が悪いわけでも、カッターナイフが悪いわけでもない。したがってインターネット・映画・学校・カッターナイフの規制はいずれも無意味である。テレビや新聞で事件について語る人は、このくらいの一般論をわきまえていないと困ります
●竹野内豊のギャラクシー個人賞受賞シーンの動画がYahoo!芸能ニュースほか数サイトで流れています。これについて所属事務所・研音の肖像権管理部門から「できれば止めてほしい」と放送批評懇談会に連絡あり。エンターテインメント弁護士・内藤篤に相談のうえ処理。撮影・配信した時事通信は、WEB上の動画はテレビ芸能ニュースのように認知されルールが確立されたものとは考えていないと柔軟な姿勢。そのままだと3か月置くことになるというので、ニュース価値がなくなる(それ以降はギャラリー映像とでもいうか、映像そのものを楽しむものになる)1週間をメドに配信停止とすることで、各方面とも納得したはずだったが
●夕方、兼高聖雄と飲む

06-02
●稲本のケガを久野明が分析。「後半ロスタイムになろうかという時、ニッキー・バットと浮き球を競り合って互いに足を上げ、バランスを崩し、もつれ合って倒れた。ピッチを叩いて痛がっていた。起き上がれず担架で運ばれたので、心配していました。スロー再生で見ると、稲本の足首にネビルが倒れこみヘンな角度で曲がったので、ヤバイと思いましたが、まさか全治三か月とは。いいパフォーマンスでフラム残留をアピールしていただけに、残念な結果。ケガした選手を取るクラブもないでしょうから、海外完全移籍もむずかしくなる。ガンバ大阪に戻るしかないのでは」
●三菱自動車岡崎工場に勤めるエンジニアの奥さんからこんなメール(むろん実名入り)。「企業として許されない隠蔽体質があったことは確かで非難されても仕方ありません」「『あのリコール隠しの三菱が、また』と画面いっぱいのマーク入りで繰り返されるたびに、針でさされるような気持ちです。とくにNHK名古屋の報道は、三菱が大嫌いなんだなと、伝わってきます」と。ってことはトヨタが大好きなわけか
●別の奥さんからは「6月1日のフジ『××テレビ』にあまりにも事実と違う報じ方があった。ここまで、事実と違うことがテレビに流れるのか。どういうからくりなのか」とメール(むろん実名入り)。この件は調べて、必要と思えば東京新聞に書きます
●小6女子カッター殺人のような事件をなくす方向にむかう唯一の根本的な方法は、子どもを育てるすべての親が、どんな悪さをする子に育てようが、とにかく人の息の根を止める決断をしてしまう子どもだけには育てないこと。学校や地域や社会やメディアができることは間接的・限定的であって、とりわけ青少年の行動を規制する法律や制度はなんの役にも立ちません。ところが、世の中には他人や、自分の子どもを殺してしまう親が何人もいる。子どもを育てるすべての親にちゃんと子育てせよといっても、できない親がいて当然。この種の事件を減らすことはできても、根絶することはできないでしょう
●私は、小学校PTAの仕事をしたり、GALACで青少年とテレビの問題を扱ったり、現在も毛利子来・藤田紘一郎と子育ての本を作っていたりと、この種の問題に強い関心を払ってきたつもりです。で、いまは、問題の多くは親(家庭)に起因する(親や親に代わる者がうまく子育てをすれば、多くの問題は防げる)と思っています。あくまで「多くは」であって、1億2500万人も住んでいれば、例外は相当数あるに決まっていますが
●たとえば、いわゆる「きれる子」は、その親には当然わかるし、注意深ければ教師やほかの親でもわかると思います。問題は、その子の親は問題と感じていない(親が原因であることがほとんどだが、そんなことは考えもしない)のがつねで、注意深い教師はとても少なく(学校に1人いれば御の字だが、その教師が担任や養護教諭でなければ手の打ちようがない)、注意深い親はもっと少ない(年に100日くらい学校に顔を出すPTA会長のうち組織ではなく子どものために仕事をする者とか、カウンセラーや看護婦などの専門家が自分の子の友だちを見てわかるというように、特殊なケースに限られる)こと。「きれる子」ですらそうなのだから、「普通の子」はもっとわからない。小児科の毛利子来は「子育てねえ。どうすればいいのか、結局わからないねえ」といっていた。精神科医の北山修は「『殺せ』『殺せ』という声が頭の中に本当に響いて止まないのかもしれないんだ」といっていた。基本は「わからない」で、そこが出発点だと思います。わかったふりをして、安易で無意味な解決法を声高に唱える者は、疑ってかかったほうがいい
●そもそも、イラクの子どもの命を救おうと現地入りして人質にされた日本人を、政治家が「自業自得」といい、「自己責任が欠如した非国民」扱いして恥じない(で「年金未払いの自己責任はナシ」の)、命の安い国ニッポン。こんな国では小6女子が同級生を刺しても、とりたてて不思議はないでしょう

06-01
佐世保市で小6女子が同級生をカッターナイフで刺殺。小学校にはカッターもハサミも彫刻刀も持ち込み禁止という無意味な反応をしてはなりません。世間の一部はそのような無意味な反応をするでしょうけれども。GALACはドラマ「ギフト」に影響されたバタフライナイフ事件の際に「バタフライナイフ規制は無意味。バタフライナイフがなければカッターナイフで刺す」と書いています(宮台慎司らによる座談会「テレビは殺人を教唆したか?」ほか)。カッターを取り上げても、階段から突き落とす。じゃあ全学校を平屋にするか?――この種の短絡思考の行き着く先は「学校をなくせばいい。それなら生徒同士の殺しは防げる」であって、話にならないくだらん結論です。そのくだらなさは、池田小に防犯ベルを何百個つけたなどという対応と五十歩百歩といっていい
●この事件について一部の民放夕方ニュースは「お祭り騒ぎ」。見るに耐えない2Hドラマレベルの憶測が飛び交っていました。学習ルームに相手を呼び出したのは、刺した少女かもしれないし、刺された少女かもしれない。カッターナイフは刺した少女のものかもしれないし、刺された少女のものかもしれない。最初に斬りつけたのは刺した少女かもしれないし、刺された少女かもしれない。これらのことについて、報道する者は(スタジオのゲストも)「現時点では一切わからない」というべきであって、自分勝手な見込みや思い込みを伝えるべきではありません。それは報道のイロハです。むろんNHK7時はイロハを心得ていましたが
ノルウェーで今日から飲食店、事務所、公共施設など人が集まる室内で全面禁煙。うーむ。従業員も全員タバコを吸う喫煙レストランは、なぜ認められないのだろうか
●どうでもいいが夕6時15分現在、共同通信サイトの表示がヘン(7時前接続できず)。旧版より全然使いにくいし、表紙は設計しなおさなければダメ。念入りに調べたが、1日午後9時47分現在、共同サイトからは「今日、佐世保の小学校でカッター殺人があった」という情報をすぐには得ることができない!! ニュースの軽重を一切問わず新情報を追加していくため、その日のトップニュースが夜には消えてしまう。実に馬鹿げたことです(その後いろいろいじっていたら、「主要ニュース」という見出しの囲みの右端にある非常に小さな「一覧」という文字から、このニュースにたどりつけることに気づいたので「すぐには」の表現を追加。私はインターネットを利用し始めてからずっと共同サイトをホームページにしているが、ここをクリックしたのはリニューアル後初めて。トップニュースが消えるという印象は変わりません)
●【付記】22時50分現在、佐世保の事件が主要ニュースのトップに復活。社会の一覧からは消えたまま。そして今度は、間違いなく世界的トップニュースの「イラクで35人以上死亡」「イラク暫定政権発足」が、トップでなくなってしまう。だから、国内・国外問わず主要ニュースについては見出し数項目をつねに掲げたほうがよいのでは。これは共同サイトだけでなく、新聞社サイトに共通した問題だが、一面トップの大見出しも社会面の小見出しもサイトでは同じような扱いになってしまう。読者にニュースの価値を判断できるリテラシーが備わっていればよいが、そうとは限らない。これについてはもっと研究が必要でしょう。なにしろテレビ局の報道セクションすら「共同はなんといっている?」が口癖で、他社にニュースの価値判断を委ねてしまっているのが現状ですから。共同サイトの話に戻って、もう一つだけ気になること。トップ記事の最後に「記事全文へ」とあるので何か省略されているのかと思うと、別にそんなことはなくいつも同じ記事であるから、「全文へ」の意味が不明。飛んだ先で「記事見出し」をさらにクリックすれば、それぞれの全文は読めるけれども
●昨日のギャラクシー賞贈賞式では多くのみなさんにご参加いただき誠にありがとうございました。厚く御礼申し上げます。放送批評懇談会常務理事・出版編集委員長・GALAC編集長なもので
●WOWOW佐久間■二(■は日の下に舛と書く)、テレビマンユニオン重延浩、日本印刷中村武、竹野内豊、大山勝美、鳥越俊太郎、長野智子、テレ朝原一郎、アジアプレス綿井健陽、毎日新聞荻野祥三、研音小川ナオ・氣田武はじめみなさんにご挨拶。司会の小林大輔とギャラクシー賞についてしばらく話す。「子どものころ――グループサウンズ全盛のころ毎週見ていましたよ」とも。記憶では火曜夜なのだが「ザ・ヒットパレード」かな? なにしろ30年以上前、というより40年近く前(1960年代後半)の話なのでよく覚えていませんが
●放懇関係では清水英夫、志賀信夫、伊豫田康弘、田代勝彦、嶋田親一、上滝徹也、藤田真文、石井彰(今度またゆっくり)、野田慶人、音好宏、永田俊和(帰り高田馬場まで一緒)、市村元(2週間後の締め切りで原稿を書けという)、小中陽太郎(「シルミド」を観てきたとかで大興奮)、隈部紀生、斎藤正道、橋本孝良、天野輝和、麻生千晶、伊藤洋子(「オッス!! この前はごめんよ。飲み行こうぜ!!」と例の調子)、高橋克佳(橋田信介の事件で疲労困憊の様子)、堀木卓也(教育論を熱く語る)、兼高聖雄、滝野俊一、小田桐誠(二次会に行くといってたが見失った)、津田浩司、谷口和巳、竹内和芳(連日お会いしますねえ)、金山勉、深川章、山家誠一、入江たのし、小林毅、仮屋和則、田中典子(お花をどうも)、鈴木理恵、まりもめいり、ぶぶりん、末武和人、楜澤新太、黒川公人、藤孝司、放懇事務局からは中島好登、福島美子、石橋さや夏、久野明、佐々木七津女、藤久美子、咲間まみ、受付アルバイトはフェリス女学院大兼高クラス。まりもは1日にニューヨークに帰るというので「ブッシュ君によろしく」と伝言。「わかった。でも再選は無理。落ちるわよ」とのご託宣。傘を忘れた(が、「俺様」がちゃんと持って帰ってくれた。感謝)

05-31
●夕方から、ギャラクシー賞贈賞式・記念の宴@ウェスティンホテル東京(恵比寿)ギャラクシールーム。12時半から準備。俳優では竹野内豊(次号GALAC表紙)、局関係ではNHK会長海老沢勝二・民放連会長日枝久ほかが来るそう
昨日の焼肉は熱かった。昼時点でこりゃ気温30度を超えると思ったが、炭火のそばでは体感温度40度ってところ。ひっきりなしに水分(アルコールを混入して消毒済みの水)補給。理清蘭一族、伊藤勲(往年の大洋の名キャッチャー。理清蘭に飾ってある写真で長嶋・王と写ってるお方)一家、駒見(しょうちゃん)一家、安田天(相変わらずよく「語る」)一家、新ちゃん一家、片桐直子、佐藤和美、米谷夫妻、花豊一族、案山子ママ、久保合介(新宿区議)、竹内和芳(祥伝社社長)、ナベ、宇佐美・前PTA会長はじめ数十人ばかりと話したり飲んだり。4時頃には骨付きカルビ・チョリソ売り切れ。6時半〜20人ほどで三宝に行き焼肉。こちらの焼肉も熱かった。志帆、大声を上げてすまぬ。志帆の言っていることは正しい。だが、みんなが「しょうがねえな、このクソじじい」と「許してる」ことを、あの場で「許さない」と過剰に言い張ってはいかん。それはシラケるからだよ。帰り、菊地実(メディア開発綜研社長)と遭遇。理清蘭に「こちら菊地先生」と紹介すると「先生なんて蔑称は使わないでいただきたい」

05-30
●今日、神楽坂の青空市。昼〜夕、花豊の上(←地図)で焼肉中。天気も夕方まで大丈夫(数時間後に雨が降るかどうかは、天気予報に従うよりレーダーで雨雲を直接確認したほうが当たる)
●手術中に患者の血液が目に入り、外科医がC型肝炎ウィルスHCVに感染。同じことは歯科の現場でも発生しているはずで、患者同士の感染もすでに起こっている可能性がある(04-21本欄記事参照)。贈収賄の逮捕者が出て一件落着とばかり、歯科医療に関する報道が止《や》んでしまったが、流すコンテンツがないと嘆いている放送局は、なぜ取材しないんでしょう?

05-29
●イラクの2人――橋田信介と小川功太郎は絶望。誠に残念です。冥福を祈ります。この2人もまた、先の人質と同様イラクの人びとの味方だった。非武装の外国人を見境なく殺しまくれば、残るのは重武装の軍隊だけ。それはイラクにとってマイナスだという判断は、銃撃グループにはない。ファルージャのイラク少年を救おうとした日本人を殺すとは何事だと思うけれども、ファルージャで女こどもを殺した米軍を追い出すため何でもやるという連中の発想はわかる。こういう連中が相当数いる限り、殺し合いは何年も続くでしょう。イラク人のイラクに戻して殺し合いが収まるとも思えない。サダム・フセインは数十万の人びとを殺すことで政権を維持していたし、当時よりも武器は拡散しているわけだから。八方塞がりだが、状況が変わらないなら、いるだけ損。そうアメリカが判断して、油田やパイプラインなど重要拠点だけを守り残りは撤収するというシナリオも、(1〜2年後以降には)ありうるかもしれません
●明日30日は神楽坂の青空市(昼12時〜夕6時)。うちからコンロ、ベンチ、テーブルを持っていき、花豊の上あたり(←地図)で理清蘭の屋台を出して、焼肉やチョリソを焼きます。おヒマな方はどうぞ。日中は曇りらしい

05-28
●イラクで襲撃されたのは「イラクの中心で、バカとさけぶ」(アスコム)の橋田信介の一行では、との情報(共同08:03)。橋田については本をつくったアスコム高橋克佳・谷口暢人らから、いろいろと話を聞いていました。ご無事を祈ります。不肖・宮嶋の上官たる歴戦の報道カメラマンで、ベトナムでも空爆下の地上で取材していた。本の巻頭には橋田信介・宮嶋茂樹・勝谷誠彦の座談会を掲載。あとがきは橋田信介の遺書です。「ハシやんなんか、死んでもビタ一文出ない、自分で葬式代を負担せねばならぬのだ。それでも決意を固めたのだ。愛する妻、幸子よ、一人息子の大介よ、お父さんは行ってまいります」
●日大授業は予定通り(上の一節を朗読させた)。終了後、社会心理屋の兼高聖雄と「テレビはなぜ感情を、感情のみを刺激し、増幅するか」について討議(次号GALACネタ)。4時半すぎ大留真一来る。みんなで夕食。9時すぎまで
●昨日、放懇で藤田真文らとTBS「告白」のギャラクシー月間賞辞退・取り消しについて話す。小林潤一郎お疲れ。かつ銀で久野明と夕食。すみません、ごちそうになってしまって

05-27
●映画「ファイト・クラブ」でタイラー(ブラッド・ピット)が、自動車会社がリコール(欠陥を公表し無料回収・修理)に踏み切るときの数式をまくしたてていた。リコールコストと損害賠償・見舞金コストをてんびんにかけ、前者が後者を上回る限り絶対にリコールしない。まさに三菱自動車(三菱ふそう)が好例ですが、これをやると最終的に会社存続すらも危うくする巨大なコストが降りかかってくるケースがあります。会社清算のうえでの新規巻き直しも視野に入れるべき段階にきたようです
●「たかが」食中毒を起こした「だけ」の雪印乳業、「たかが」飼っていたニワトリがインフルエンザにかかって大量死した「だけ」の浅田農産が思い出されます。とりわけ後者は、会長夫婦が首をつり、息子の社長らは逮捕され、会社は消滅し、全従業員が路頭に迷った。死者を出した点だけ見れば三菱自動車は浅田農産より悪質といえるが、マスコミ報道からはそうは見えないし、そう主張する人もいない。なぜでしょうか。一つには三菱が「大きくて立派な会社」だからでしょう。そこで思い起こすべきは、私たちの社会でもっとも「大きくて立派な団体」――つまり、国です(念のため。この「国」は役所や外郭団体の全体という意味であって、日本全体を意味する「国」ではない)。国が重大な不始末をしでかしても、浅田農産のように、あるいは三菱自動車のように責任を追及されることはない(監督官庁では誰がどう責任をとった? 責任をとらないなら監督不要では?)。私は、そのことのツケが最終的に社会全体の存続すらも危うくする巨大なコストとして降りかかってくることを危惧します。国債も医療費も年金も高速道路も郵便もです。21世紀前半の私たちの課題は、国と社会をどううまく切り離すかだと思います。言うまでもなく郵政省を郵政公社にしても切り離したことになっていません
●今日GALAC青焼き。今週は4日連続放懇で、仕事(生活費を稼ぐ仕事)が全然進まない

05-26
●夕6時半、放懇理事会。志賀信夫、伊豫田康弘、田代勝彦、麻生千晶、山田健太(新聞協会。最近「法とジャーナリズム」を上梓。マスコミ関係者必携の法・法律手引き書としてオススメ)。放懇法人化プロジェクトというのの座長として中間報告。私見では放送批評懇談会は法人化すべきであり、選択肢の第一候補はNPO法人(中間法人ではなく)
Nステ所沢ダイオキシン報道 最高裁判決を撃つ!をup。6月6日発売GALACは「おかしいぞ!!裁判所」と題して最近のおかしなマスコミ判決を取り上げます。その参考としてお読みいただければ幸い

05-25
●夕方5時〜GALAC編集委員会。兼高聖雄、小田桐誠、谷口和巳、滝野俊一、入江たのし、小林潤一郎、中島好登、久野明。終わって近くの焼肉屋。今期出版編集委員会の打ち上げを兼ねて夕食。イドンカルビなる骨付きカルビとかマッコリとか。福島美子、「俺様」こと石橋さや夏も
北朝鮮問題の「これが常識だ!!」をup。時節柄、のぞいていただくのも一興かと

05-24
●2時半に起き原稿。GALAC校了で朝から11時すぎまで放懇
●昨日は神田京子(新宿末広亭を終わって来る予定が師匠宅へ)、衣川真理子、岩附永子が欠席。残念でした。天気はギリギリもったが、午後6時頃には降りはじめ天幕を張った。黒川玲子はウサギのトイレに加工する木箱を忘れていった。またね。夜、田原総一朗から「どう?」と電話。年金問題(田原本人の未払い含む)、小泉訪朝、年金・学歴詐称に見る政治家の幼稚さなどについて話す。「小泉がいかなきゃ5人は帰ってこなかった」(そこは評価する)、「ただ、ちょっと急ぎすぎた」(積み残し、宿題大)と田原。参院選狙いのパフォーマンスなら1か月後でいい(むしろサプライズ!!)わけだから、「なぜあんなに急いだんです? やっぱり年金?」と聞くと、「年金で、もう一つ出てくるのではという話がある」そうです。ウーム

05-23
●日大教え子(1999年度メインのマス演受講者)と昼からテラスでバーベキュー。黒川玲子、本田尚子(神田京子)、井上千穂、桜井恵、横山由貴、加藤愛、衣川真理子、岩附永子らが来る予定
●昨日の「放送のあり方を考える集会」は、地方局にとって地上デジタル現行計画が何を意味するかを絶望的に示しました。参加者は講師の多くを除きほぼ全員が放送局員だが、キー局員も私を含む講師も、地方の実態に改めて衝撃を受けたといっていい。準備ができ次第このサイトでも内容を伝えます
●集会を取材したマスコミはゼロ。本当のことをハナから報じない当事者のテレビは除き、新聞・雑誌やほとんどの学者・アナリストは、地上デジタル放送とは何かについて総務省―NHK―民放連―メーカーだけに聞いて回っている。イラク戦争についてホワイトハウス―ペンタゴン―イギリス政府―兵器メーカーだけに聞いて回ったら、まともな報道ができると思いますか? 地上デジタル放送の問題は、あなたの家のテレビはじめすべてのテレビチューナー(録画機やパソコンやラジカセにもついている)が、あと2600日余りですべて使えなくなる(現行価格が最低でも20万円近いテレビ買い替え費用も、5万円のチューナー買い替え費用も、アンテナ・ケーブル費用も、すべてあなたが負担する)話なんですよ

05-22
綿井健陽から、日朝会談を前に2年前にやった「これでいいのか北朝鮮報道」にリンクしたと連絡をもらう(綿井健陽Web Journal表紙参照)。実質1年半前だが、もうそんなにたつのかと改めて思います。それほど長い間、別れ別れになった家族の気持ち・感情は、どれほどのものか。他人に推し量れるはずもないが、今日のテレビは全局が同じ横並び映像で、これでもかこれでもかと人びとの「感情にのみ」訴える報道をするでしょう(いま午前3時過ぎだが、そんなことは見なくてもわかる)。なぜ、テレビは「感情にのみ」訴えるのでしょうか?
●平凡社世界大百科事典によると「感情とは〈気持〉〈心持〉のような、人間の心理状態の受動的で主観的な側面をいう」「われわれにとってきわめて身近なものでありながら、この感情の学問的解明は遅れており、相互に対立し合うさまざまな説明が与えられている」「感情の問題をもっと掘り下げて考えてみる必要があろう」。なるほど。ということは、私にいわせれば、テレビと感情の問題をもっともっと掘り下げて考えてみる必要がある。テレビ学者は感情のことを、心理学者はテレビのことを知らない。われわれにとってきわめて身近なものでありながら、テレビの学問的解明は話にならないほど遅れているからです。一例をあげれば、放送やテレビを研究する学者で、現在進められているデジタル化はテレビ・番組の質を劣化させると明確に断言している人(正確なものの見方をしている人)を、私は日大教授の上滝徹也はじめ、ほんの何人かしか知らない。デジタル化がテレビの未来を拓くなどといってる脳天気な学者は、テレビとは何かが本質的にわかっていません。テレビの現場では多くの制作者たちが、現在のデジタル化はテレビ・番組の質を劣化させるのではないかと懸念している。何年後かには自分が勤める放送局はなくなってしまうだろう、生活はどうなるのかとまで心配する局員もいる。彼らの問題意識の表れが、たとえば今日の民放労連「放送のあり方を考える集会・青年協セミナー」(東京六本木・テレビ朝日)。1時から「そもそも地上放送局って?」を担当。よろしくお願いします
●綿井健陽は「タイミングをみて『これでいいのか北朝鮮報道 第2弾』を開催した方がいいかも」とも。31日に相談

05-21
●日大授業は予定通り。あー、受講票は早く出しましょう。副手さんがもう3回くらい名簿を作り直していて申し訳ないからね。兼高聖雄先生に「来週いつ飲む予定だっけ?」と聞いたら「18日!!」「うっ。ごめんなさい。そうでした。電話くれた?」「バタついてるみたいだから、かけなかったよ」と、あまりにも優しいお言葉。深く反省しております。まったく今週前半はイカレてました。後半もイカレてるけどね。というか今年前半はイカレてますが。手帳の18日夜の欄に「飯田橋」なる怪しい記述があり、17日に一応放懇で「これ何だか知らない?」と聞いてみたが、「知るわけないでしょ、そんなの」と福島美子はじめ全員がいう(当たり前だ!)。なので、誰かと会う約束をしたときの「この日かこの日」の書き込みと勝手に思いこむことにしたのでした。改めて飲む日を約束。放懇によってからテレ朝へ。岩田淳に22日の資料その他を渡し、打ち合わせがてら話す。夕方帰宅し、朝一膳食べただけなので家人にラーメンを作ってもらい、眠いので居間でゴロッと横になり、起きたら0時。(20日は原稿がいまいち進まず。潮の東山法子から「引き続き、原稿をお待ち申し上げております!」とのメールが21日午前3時に入ってきたりして、「あと少し」とか返信しつつ、あんまり眠いんで朝5時半に目覚ましを6時半にセットして寝たのだが、やはり1時間では寝たことになってなかった。寝不足3日間分くらいを解消)
●この項、言い訳じみててつまらんですね。100%言い訳ですから当然ですが

05-20
イラク人遺体とふざける米軍バカ兵士(今日公開)ほか鬼畜虐待写真(ABC) ←警告!! ぼかし入り全裸画像と、見るに耐えない残虐な画像を含みます。見る人は自己責任で。全12枚。59年前これをやられたら、日本人はどうしたでしょうか?
文部科学副大臣が学歴詐称。「米ボストンのタフツ大学院卒業」と虚偽の学歴を公表していた(当人が担当していた文部科学省が所管する小学校の子どもたちむけの日本語でいえば「卒業していないのに卒業したとウソをついていた」)前副大臣・原田義昭(福岡5区、当選4回)は「必須単位が一つ足りなかった。大変な責任を感じている。教育行政を汚さないために、最善の方法だと思う」と辞任。教育行政を汚したから辞任したのに、ヘンなことをいう男ですね。「副大臣を辞することで責任は十分に果たした」もふざけた言い草。「副大臣を辞することで勘弁してください」といわなければならない。この政治家の果たすべき責任は昨日まで、副大臣の職務をまっとうすることだったはずだが、その責任は十分に果たしてない。途中で辞めたんだから。それどころか、このホームページ座右の銘は「真実一路」!!)だって税金を使って作り替えるのだから、国民に損害を与えているわけです。つまり、しゃべっている日本語が滅茶苦茶(記者の聞き書きという点は割り引く必要があるとしても)。ウソをついた小学生が「学級委員長(でも掃除係の班長でもなんでもいいが)を辞めることで責任は十分に果たした」といったら、「ふざけんな。廊下で立ってろ!!」です。こんなヤツが学校行政を見ていれば、子どもが悪くならないほうが不思議。ところがほとんどの子どもが悪くならないのは、この男が学校行政に関して何もしていなかったからでしょう。こういう連中が「青少年の有害社会環境からの保護」などといったら、信用しないに限ります
●この3日ほど、GALAC最終追い込みの原稿書き。今晩、1日遅れで潮5p分入稿予定

05-19
「総務省」を名乗る匿名の人物から「総務省地上放送課は馬鹿ばかり」なるタイトルの次のようなメールあり。「NHKの技術のプロの意見を聞きながら、各地方総通に指示を出すのですが、理解できないままに中途半端な指示ばかり。また、地方の実態を意見しても、これまた現場経験がなく理解できない始末。ここ数ヶ月、指示に基づきいろいろしましたが、全部無駄なこと。最近やっと無駄であることが理解できたようですが、上の指示だからと、続行命令。こんな状態ですから、電力の増力は到底無理。事前対策のための準備作業がまったく空回り。民放各社も、放送開始日は視聴者に対し約束していたことなので、仕方なく協力(お付き合い)しましたが、増力は準備出来次第で期日を指定していないので、総務省のわがままにつきあう気はないとのこと。難しい作業をしているのに、中心になっている所のお方たちが馬鹿ばっかりでは……。早ければ、年内に地上デジタル破綻か」
●総務省地方総合通信局はアナログ周波数変更対策(いわゆる「アナアナ変換」)とブースター障害・共聴施設での飛び込み障害調査を担当している。ある専門家は「その実地作業の連携がうまく取れておらず、実務経験のないキャリアの指揮がダメといいたいのだろう。実際その通りだ」と解説。確証はありませんが、西日本――周波数が混み合う「電波銀座」の瀬戸内または有明あたりの地方放送局からのメールかもしれません(もちろんそれを装った、ほかの誰かからのメールかもしれません)。受信は5月2日ですが、夜も寝ずにアナアナ変換をやってるヤツをつかまえて進行状況や問題点を確かめるのに日がかかりました。当サイトはアルジャジーラみたいに来たら何でも流すわけではないので、あしからず

05-18
●この項に続く2項は17日深夜〜18日未明に書いたのですが、朝、新聞・テレビを見ると小沢辞任を「(小泉と)差し違え」「究極の選択」などとする政治記事・レポートが多い。全然ハズしてます。差し違えが有効なのは、互いの格が均衡している場合だけ。会社を辞めた平取(ヒラの取締役)や部長が「オレが辞めたんだから社長も辞めろ」といって通るはずがない。小泉と小沢でいうと、総理大臣である前者は、三権の一角を占める行政府の長であり、(象徴天皇を除き)日本国の代表である国会議員で、議会から辞めろといわれたら議員全員を辞めさせて選挙に持ち込む権限(解散権)を持つ日本国の最高権力者・リーダーです。一方、後者は、一野党代表に目された国会議員(本人によれば「一兵卒」)。後者が「なってもいない野党代表を辞退した」ことをもって前者に「現職の首相を辞任せよ」と要求できると思うのは、完全にイカレた発想です。そんなことを言ったり書いたりする政治部記者は、世間の常識を知らないのだから、役人や教師を一般企業で研修させるように外に出して勉強させたほうがいい。年金未加入・未納を理由に小泉は退陣すべきであるという国民は、アンケート調査によれば1割程度。それが国民の常識というものです
●小沢一郎も。だから、全党の「党首・旧党首級会談」を開きなさいよ、サッサと。小泉・現首相/自民党総裁、菅・民主党代表、神崎・公明党代表、羽田・元首相、土井・元衆議院議長(前・社民党党首)、石原・東京都知事らが未納・未加入ということは、共産党以外の党首級・総理にしたい人物ベスト5くらいがほぼ全員汚染されているわけだから、どの党はいいがどの党は悪いなんていってもしょうがない(共産党政権にしたいなら話は別だが、そうしたいのは多数派ではない)。みんなダメなの。だから、緊急党首級会談を開き、次の4つを決める。(1)「超法規的措置」として全国会議員の納付状況を公表。(2)その際、未納・未加入を理由とする辞職は「誠に申し訳ないけれども」一切求めない。(3)未納・未加入議員は深く反省し、国民に対して「二度と致しません」と約束する。(4)議員年金は即刻廃止し、国民年金に1本化する。――これで再出発するしかない。これをやらない現職国会議員どもが決めた国民年金制度なんて、どこの誰がまじめに払うつもりになると思う? これをやらずに国会議員はどのツラ下げて、「国民のみなさん、私たちが議決した通り払ってください。それが義務ですから」と頼むつもりなの? 新聞もこのくらいのことを社説で提案・主張したらどうですか?(05-14記事を参照)
●福田康夫と菅直人が辞めたのは、他の連中と比べてちょっとバランスが悪い。しかし、与野党で1人ずつ首を差し出したということで、もういい加減にすれば? 目クソ鼻クソなんだから。民主党は「菅は党代表、小泉はどうしてくれる」といいたいだろうが、小泉は一国の首相。こんなくだらんことで辞める必要などない。念のため、未納・未加入がくだらんどうでもいいことなのではない。辞める理由とするのがくだらんこと

05-17
●12時、毛利子来「子どもは汚く育てよ」本、追加取材。相変わらずおもしろい。ちょっと通風気味だそうで、くれぐれもお大事に。午後、小林道雄から「またNortonがいかれた」とレスキュー要請電。NortonとWindows Me復元機能はムチャクチャ相性が悪い(仮想CDソフトも一枚かんでるかも)ので「Meの復元は厳禁」といってあるのに「復元しちまった」そう。出がけだったので5分しか話せず、たぶん直ってない。夕方、放懇「法人化プロジェクト」田代勝彦、河野利明。岩本太郎も来る。原稿整理などし、とって返して仕事(綿井健陽の飲み会は欠席)。あとで気づいたら、毛利子来と会う予定は、なんと18日正午でした。「あれ? 明日じゃなかった?」といわれたのに、「え? 今日でしょう」といってしまった。ヒドい勘違いをメールでお詫び

05-16
●原稿書きとレジュメいろいろ作成。雑用多し。サンプロ最初だけ見る
●今日の東京新聞サンデー版(見開き全紙を使ったカラー大図解)はテーマ「原理主義に揺れるアメリカ宗教事情」。時宜を得たたいへんよい企画。これだけでも1か月分取る価値はあるといったら誉めすぎか。先日会った中東研究者の高橋和夫は「中東でいちばん重要な国はアメリカ。そのアメリカを日本人は知ったつもりになっているが、実はよく知らない」といっていた。そのアメリカを知るためのよい資料。販売店にはまだ残部があるだろうから入手を勧めます(100円)。サイトを見たら、送料+代金を切手で送り郵送してもらうこともできるようです

05-15
●ん、田原総一朗もかい。ま、会社辞めたときはバタバタで、食っていくのが精一杯だから、未納があっても不思議はない。田原がなぜ、どんな状況で東京12チャンネルを辞めたか、退職金がいくらだったかは、坂本の聞き書き「田原総一朗のつくり方」(PENTHOUSEに二十数回連載)を参照。日曜サンプロで謝るでしょう。私は2年弱ほど編集プロダクションに所属したことがあるが、辞めたとき忙しく、面倒くさいと思って失業保険をもらわなかった。もらえるものすらもらわないのだから、払うものを払わないこともあるでしょう、フリーの人間は
●小泉純一郎サイドは、国会議員は1986年3月まで任意加入(義務付け前)と説明します。30年前にも20年前にも、むろん年金担当の新聞記者や放送記者がいました。彼らが「『国民皆年金』を先頭切って推進すべき国会議員が、国民年金に任意加入とはおかしい」と、いつの時点で主張したのか、あるいはしなかったのか。年金担当記者は新聞社やテレビ局の厚生年金に加入していたはずだが、だから何の問題もないというわけではないのです
●夜8〜11時半、小田桐誠と飯田橋「樽八」

05-14
●5月22日(土)13時〜18時半(受付12時半)民放労連主催「放送の未来を考えよう」(放送のあり方を考える集会)@六本木ヒルズ・テレビ朝日1階UMU。【基調講演】1)坂本衛「そもそも地上放送局って?」2)千田利史(ワンズ・コンサルティング代表/元電通企画開発部長)「メディア環境の変化がもたらすもの」【パネルディスカッション】「地上放送の将来イメージありますか?」市村元(テレビユー福島常務/元TBS報道局長)、伊藤永嗣(長野朝日放送営業開発局)、松本恭幸(武蔵大講師/電子コミュニティ論・市民メディア論)、山本ひろし(インデックス・メディア開発室長)、岩崎貞明(メディア総研事務局長/コーディネーター)【参加対象】放送職場に働く方だれでも(年齢不問)※ただし会場都合で100名程度まで【参加費】3,000円【問い合わせ】民放労連03-3355-0461
●昨日の高橋和夫、実におもしろい。久野明、カメラ坪井正幸と。成田屋で天せいろを食べつつ。イラクの今後の見通しも(最悪のシナリオがもっとも起こりそうなこと、というのが実に困った問題ですが)もたいへん勉強に。6月上旬GALACをご期待ください
●今日の日大授業は予定通り。兼高・中町・金研究室をのぞく(お嬢がいないときのみ喫煙可らしい)
●出ました、筑紫哲也・石原慎太郎に続き、小泉純一郎の未納(未加入含む)一家入り!! だから日本人の相当数が未納であり、国家中枢部でも「都合の悪いことは、バレるまで嘘をつき通す」というモラルハザードが当然になっており、週刊誌が「こんな噂」と書くことはたいていその通りであって、誰も人のことをあまりいえないわけです。日本の子どもたちが全員ウソツキな大人に育っても、全然不思議ではない。ウソツキが「自己責任」なんていうときはハナから疑ってかかるべきことも、この国の常識。だからサイト名が「すべて疑え!!」なのです。しかし、このクソ忙しいときに、未納を理由に全議員を辞めさせるわけにはいかない。非常事態のこの際、与野党あげ挙国一致体制で全国会議員の年金納付状況を一斉に公表し、「国民のみなさん、すまんかった」と謝って幕引き・再出発するしかないのでは。ピョンヤンから家族を連れ帰って参院選挙大勝利という小泉首相のシナリオはやや崩れたものの、どいつもこいつも未納・未加入なんだから、選挙の争点にはならないわけで。それに、払ってるヤツはいいヤツばかりかといえば、そんなこともない。役所務めやサラリーマンは身内に手厚い制度が整備されており、自由業の連中は制度が未整備という根本的な問題がある。私がよく知るフリーライターは申告時に「生活保護を受けたら」と勧められたほどで、彼はずっと未納だと思うが、私は全然とがめるつもりなどありません。逆に、彼ににまともなギャラを払わない社会や業界(私が編集長を務める雑誌を含み、従って私を含む)のほうが悪いと思っています

05-13
●5月22日(土)13時〜18時半(受付12時半)民放労連勉強会「放送の未来を考えよう」@六本木ヒルズ・テレビ朝日1階UMU。【基調講演】千田利史「メディア環境の変化がもたらすもの」と坂本衛「(仮)そもそも地上放送局って?」らしいです。放送職場に働く方はだれでも参加できますが、参加費3,000円。詳しくは後ほど
●午後「アラブとイスラエル/パレスチナ問題の構図」(講談社現代新書)などの著者で放送大学助教授の高橋和夫に取材@新宿。次号GALACのグラビア。ちなみに次号表紙は泉谷しげる

05-12
●互いに見ず知らずの人が含まれるメールアドレスのリストに一括してメールを送るときは、CCでなくBCCで送らなければいけません。この2〜3日、赤の他人のアドレスがゾロゾロ並ぶCCメールが3通来ましたので、念のため
●マイクロソフトの宛先の[CC]および[BCC]ボックスの使い方についてには、ヘンなことが書いてあります。基本的にCCメールは「ご参考までに」送る「単なる情報」で「返信不要」などと説明している。現実にはCCメールはそんな意味でなく「一斉同報メール」として使われていますから、この説明は誤りです

05-11
●田中康夫は日曜のフジ報道2001に出て何かいった? すみません、見てなかったもので
●マスコミは連日「また国会議員が未納ファミリーの一員と発覚」と報じます。しかし、支払うべき日本国民の年金未納率が4割弱なら、支払うべき議員の4割が未納で不思議はないし、マスコミ社員の家族や親戚の4割が未納でも不思議ではない(本人は厚生年金に加入しているでしょうが)。「払っていないヤツは何がなんでも職を辞すべき」なら支払うべき日本国民の4割が失業する。だから、そうはいわないほうがいい。ところで、100人中40人が泥棒だとして、その100人を前にただ「泥棒はやめましょう」といってもやめない。だから「足を洗ったほうが絶対に得だ」と40人に信じ込ませる具体的な方策を講じるしかない。話は簡単で、それができないシステムは破綻したシステムです。肝心なのは破綻しないシステムを作ることであって、破綻しない保証があれば一元だろうが三元だろうが、パーセンテージが10だろうが20だろうが、そんなことはどうでもいい。私は、誤差の範囲というべき何パーセントの違いに賛成反対と議論する年金改革など、最初から無効だと思っています
●昔、松本優生という医療にめっぽう強いジャーナリストと健康保険の話をしていて「年金はどうしたらいい?」と聞いたことがある。すると「いいの。あれは、しょうもないけど黙って払っておけばいいの」というので、私は以来ずっと払っています。夫婦2人の年間納付額はGALAC編集長として得る報酬1か月分よりはるかに高いが、欠かしたことはない(念のために書いておきますが、私は就職してGALAC編集長をやっているわけではなく本業はフリーのもの書き。編集手当てや原稿料はもらうが、ちゃんとした編集長としての給与など得ておらず、もちろんボーナスも社会保険もない)。未納国会議員の報酬1か月分は期末手当てを入れれば200万円近く(交通費などを入れれば数百万)でしょうから、なんともセコい連中だといわざるをえない。福田康夫も菅直人も土井たか子もです。手続き上のうっかりミスが悪いのではない。苦労して払っている人びとの存在を忘れた、その腐った性根が悪い。
●年金と関連して放送について一言。「国民皆年金」はもう何十年来、日本の国策で、すべての人の老後にかかわる重大問題です。しかし、それすら40%近い人が払わないで平気なのです。支払う義務があるのに年金なんてどうでもいいと思う4割は、NHK受信料をきっちり収めるでしょうか? ちょっと高いけど地上デジタル放送受信機を買ってくれと頼んで、みんな素直に買うでしょうか? これは深く考えたほうがよい問題です【12日付記】一部の表現(1億2500万人の4割が未納と取られかねない箇所)を訂正

05-10
●仕事。合間に放送リンク集をちょっと直してup。綿井健陽の帰国報告の飲み会があるそう

05-09
●田原総一朗と電話で、報道ステーション、サンプロ、菅直人、民主党のこと、マスコミのへたれ具合などあれこれ。明日菅直人辞任。「小沢一郎もこんなときに気の毒。やるならもっと万全の構えでと思ったけど」といったら「そんなことない、いいタイミングだよ。こんなことでもなきゃ変わらない」と田原。まあ、そうかもしれない
●このサイトの読者らしい若者(24歳)から「ジャーナリストとしてきっかけをつかむには、どうしたらよいのでしょうか?」とメール。エラそうなことをいえる立場ではありませんが、しばしば同じようなメールを受け取りますので、今回だけは少々意見を書いておきます。以前に個別の相談に応じたことはなく、今後は以下を読んでくれというつもりです
【1】まず大前提は「すべてを疑え!!」。私が言ったり書いたりすることも疑うべきだし、そもそも坂本衛がジャーナリストと呼べる存在かどうかも疑うべきです。疑り深いだけではダメですが、疑り深く、しかもつねに誰かの身になって物事を(相対的に)考えることができる人は、ジャーナリストに向いているかもしれません。いきなりメールを寄こす人は、人生の重大事を見ず知らずの人間にたずねる点で疑り深いとは思えず、たずねる相手の身になって物事を考えない(末尾の注を参照)点でも、ジャーナリストに向いていないかもしれません
【2】八百屋になりたい人は八百屋とは何かを考えたほうがよいのと同じで、ジャーナリストになりたい人はジャーナリストとは何かを考えるべきです。誰かにメールを打つ前に、図書館で大事典の類《たぐい》とその他参考になりそうな本を20〜30冊(ノートを取りながら)読んで、自分なりのイメージをつかんでください。ジャーナリストとしてのきっかけをつかんだ実例も見つかるはずです。図書館で本を探したり読んだりメモしたりするのが不得意な人は、ジャーナリストに向いていません
【3】通俗的なジャーナリズムの定義は「日々起こる社会的な事件や問題の様相や本質を速く・深く人びとに伝える作業。またはそれをする表現媒体」というもので、ようするに新聞・雑誌・テレビ・ラジオなどで時事問題の報道・解説・批評などを行う活動や部門がジャーナリズム。そこで働く人――新聞・出版・放送などの編集者・記者・ライターは広い意味のジャーナリストといえます
【4】だからジャーナリストになる手っ取り早い第1の方法は、新聞社・出版社・放送局などに採用方法を問い合わせ、試験や面接に合格して入社することです。ただし、新聞社に入ったが営業部門に回されたというように、ジャーナリズム部門を持つ会社に入ってもジャーナリストになれない場合がよくあります
【5】そこでジャーナリストになる非常に困難な第2の方法は、フリーでジャーナリスト活動を行うことです。この方法が非常に困難な理由は、仕事が不定期で報酬が低く食べていくのが大変なのと、媒体社(新聞社・出版社・放送局など)のジャーナリストがやらない仕事か、やっている場合は媒体社のジャーナリストより高い水準の仕事をしなければ、その媒体では採用されないからです。以上の困難さえクリアすれば、フリーのジャーナリストには名刺に肩書きを刷り込むだけでなれます
【6】よく「ジャーナリストになって真実を伝えたい」という若者や学生がいます。私の考えをいえば、真実などというものは神様でなければつかむことはできません。ジャーナリストは真実らしきものに近づく努力はできても、真実をつかむことも、伝えることもできません。ですからジャーナリストの仕事とは、ある出来事についての真実をつかんで伝えることではなく(不可能なことを仕事にするのは間抜けな話)、ある出来事についての自分の見方を伝えることです。自分の見方がない「ジャーナリスト」は、たとえば政府発表をそのまま右から左に流すことしかできませんから、存在意義がありません(政府発表をホームページに載せ、みんなが読めばいいだけのこと)。
【7】3つめに書いたジャーナリズムの定義をもう一度お読みください。事件や問題の「様相を速く」伝えるマスコミ企業はたくさんあります。しかし事件や問題の「本質を深く」伝えるマスコミ企業は多くありません。大型トラック脱輪事故の報道があったとき、どの新聞・雑誌・テレビが同時にトラックの製造メーカーの名前を伝えましたか? だから、ただ世間で思われているジャーナリストになってもダメで、よいジャーナリストになるべきです
【末尾の注】もの書きを仕事とする人に質問して返事をくれと頼むときは、その人が書く文章は400字あたり5000円とか1万円というような価格(実際にはもっと幅があります)で売買されていることを忘れないほうがよい。見ず知らずの「絵描き」にいきなり質問して「答えを絵に描いて送ってくれ」と頼んだら失礼でしょう。見ず知らずの「もの書き」にいきなり質問して「答えを文に書いて送ってくれ」と頼むのも失礼な話です

05-08
●この2〜3日そっけない日録ですみません。ちょっと時間が取れたので、書き足しています
●福田康夫辞任は、なかなかにしたたか。菅を道連れに幕引きする腹。一両日中にも菅直人辞任表明の見込み。江角マキコを国会に参考人招致せよといってしまったのだから、自分も国会で参考人に立たなければ筋が通らないところに、奥さんが出てくるようでは、どうしようもない
●日本の子どもたちは、イラク戦争のブッシュやラムズフェルド、年金未納の政治家たち、三菱自動車(三菱ふそう)の経営者たちを、どう見ているでしょうか。どいつもこいつも、都合の悪いことはできるだけ隠し、どうしようもなくなるまで謝らない。テレビニュースを見て「ああ、世の中ってこういうもんだ」と思っているかも。では、青少年有害社会環境とは何? 猿が大統領をやっているとしか見えないブッシュ? 元全米海軍レスリングチャンピオンのラムズフェルド? 自己責任の自覚がまるでない年金未納政治家? 容疑は業務上過失致死、つまり金儲け仕事で誤って人を殺した無責任経営者? テレビニュース? 下品お下劣なおバカ番組? このなかで青少年にとっていちばん有害でなさそうなのが、下品お下劣なおバカ番組だと、私は確信していますが
●東京裁判やニュルンベルク裁判では「平和・人道に対する罪」で日独の戦争犯罪人が死刑にされた。東南アジア各地で弁護人もなしに開かれた無数の軍事裁判(軍法会議)では、捕虜虐待の罪で多くの日本軍人が死刑にされた。無実のまま殺された軍人・軍属も少なくない。自らは手を下していなくても部下の罪を背負って死んだ日本軍人もいた。「アメリカよ、ふざけんな」としかいいようがありません。靖国神社への参拝を欠かさないという人びとは、なぜアメリカに対して黙っているんでしょうね。それこそ靖国に祀られた戦死者たちを冒涜《ぼうとく》する沈黙であると思います

05-07
●午前、日大授業。上滝徹也、兼高聖雄らと話す。池袋で昼食。6時、日大生と飲む(かわうち)。ゼミ研究でデジタル化を取り上げたいので話を聞きたいと。坂本サイトの放送デジタル化ページにリストがある文章を全員がすべて読み、質問書を提出するとの条件で会うことに。途中、なぜか日大OB黒川玲子が「自転車でそばを通りかかった」と登場。夜10時半まで
●たとえば、次のようなことを話してやる。BSデジタル放送は普及世帯が500万といわれるが、こんなものはインチキ。うち200万弱はアナログ方式のCATVで見ているアナログ放送だから除外するほかない。妥当な(現実に近い)普及数は、デジタル方式のCATVで見る20万強の世帯と、チューナー出荷台数総合計300万台の8がけ程度(80%か85%かはハッキリしない)を、重複はあるだろうが(その数はハッキリしない)足したもの。これは多めに見積もっても明らかに300万世帯を越えない。したがって、始めてまる3年以上経過しているのだから、BSデジタル放送の普及世帯数は年100万を越えない。ということは、このペースで普及が進むと4800万世帯に行き渡るのに約50年かかる。以上は子どもでもわかる合理的な推論だが、新聞やテレビが一切触れないのは、「知らない」か「知っているがいわない」かのどちらか
●300万世帯に置かれるテレビとはどういうものか考えてみよ。小学校の30人学級では、2人の家にしかそのテレビはない。その2人は地上アナログ放送のおもしろそうな番組を好んで見るに違いない。BSデジタル放送は10チャンネル以上あるのだから、2人がある晩に同一BSデジタル番組を見る可能性は極めて低い。だから「昨日BSデジタル放送でこんな番組を見た」「うん、僕も見た」と話している小学生は、日本全国に1人もいないだろう。現状ではその程度のしょぼい放送であるということは、明白な事実だ
●BSデジタル放送の普及300万世帯は、BSデジタル放送だけを受信しているのでなく、地上アナログ放送に加えてBSデジタル放送を受信している。ある日の夜7時には地上放送におもしろおかしい番組が5つやそこら並んでいる。するとBSデジタルでNHKニュースやWOWOWやスターチャンネル(以上は有料放送であることに注意)を見る場合を除き、民放を見る人はほとんどが地上放送を選ぶはず。仮に300万世帯のうちテレビをつけているのが8割で、うち7割が地上放送を見るとすれば、BSデジタル放送を見ているのは全国で70万世帯。その半数がNHKやWOWOWやスターチャンネルを見ていれば、民放BSデジタル番組を見ているのは35万世帯。これを民放5系列で分ければ平均7万世帯となる。実際には、ある民放BSデジタル番組を見ているのは全国で15万世帯かもしれないし3万世帯かもしれないが、そのような小さなケタの数であることは間違いない。野球中継なら放送で見ている人の数は野球場の観客数より少ないというケースがありうる。BSデジタルラジオに至っては、ある番組の聴取者が全国で100人とか50人というケースがありうる(これはラジオ関係者からそう聞いた)。だから撤退する。じゃあ、そのような放送に誰が広告費を投じるか? 東京・世田谷区は人口80万で世帯数40万。数万は「町」の人数だ。まともな企業なら新聞にビラを入れたほうが安くて効果的だと思うだろう
●てな話をえんえん4時間半。渡部夫妻、低予算で長時間申し訳ない。ごちそうさまでした

05-06
●本日GALAC6月号発売(←表紙写真はこちらから)。表紙はジャニーズ山Pこと山下智久。グラビアは山Pと蜷川幸雄。蜷川は二宮和也を「人間同士の微妙な距離感を表現できる役者」とベタ誉めでしたが、そのことは記事には出てきませんのであしからず。特集は、報道ステーションの“決意”(チーフプロデューサー蓮実一隆が「ブッシュ単独インタビューが取れたとしても、初回トップニュースはテコンドーだった」と、ものすごいことをいってます。昔、蓮実について長い原稿を書いたからupしようかな)、J・VIG日本映像事業協同組合10年の挑戦(「澤田隆治に聞く」も収録)など
●終日単行本仕事

05-05
●終日単行本仕事

05-04
●単行本(毛利・藤田本)仕事。夜コゴさん・家人と理清蘭→サンドール(コゴさんの店子《たなこ》。古い歌うたいまくり)

05-03
●このサイトは民主党関係者も熱心に読んでくださっているようです。引用はどんどんどうぞ
●家人の実家に一晩泊まり、速攻で帰る。実家は川崎市多摩区(新宿から30分くらい)だが、テレビの受信状況が恐ろしく悪い。2階の屋根のトップに屋根馬をつけてさらにアンテナを立ち上げているが、TBSやフジはロクでもない画像。とくにTBSは色がムチャクチャに乱れ、ドラマのセリフよりうるさいビーという雑音が入りっぱなし。したがってこの家ではTBSやフジは、どんなによい番組をやっていても基本的に見ていません。なお、ここはアナアナ変換の対象地域ではない。CATVもない。多摩丘陵を川が刻む多摩地区にはこのような家が多く、アナアナ変換作業を視察した民放関係者から「『いままでこんなヒドい画質で見ていたんですか?』と驚愕した」と聞いています。そのような家は関東だけでもおそらく百万単位で存在するでしょう。放送局はデジタル化以前にやることがある、としかいいようがありません

05-02
●昨日の二子玉川は、ベトナム料理のジャンズ。生春巻、揚げ春巻、クラゲのサラダ、ベトナム風お好み焼き、牛肉団子、牛タン煮込み、カニの汁ビーフン、焼きそば(やわらかいの、かたいの)、タピオカなどを注文。トマトやキュウリなど野菜いっぱいにナッツ、魚介類を使ってやたらとヘルシー。春巻のタレにも魚醤が入る(娘はつけないほうが好きと)。タピオカ好きの姪は「緑豆入り」に大笑い。ビールを飲んで1人4000円見当。おススメはお好み焼きと春巻きかな。駅まわりで買い物をして帰る
●東急ハンズで「反射低減仕様」なる液晶保護フィルム(ELECOM社製。品番EF-FL15。1800円くらい)を買って帰りPCディスプレイに装着したら、反射が増えた!! タバコに着けるライターの火の反射が気になったことはこれまで一度もなかったのに、貼った後は反射するので気づきました。まあ、ひどく反射するわけではなく、はがすのも面倒なので、保護用と割り切ってそのままに。安物はダメですね。子どものPCディスプレイ(ブラウン管)には電磁波を気にして住友3Mのフィルターを着けてあるが、2万ナンボでディスプレイ本体より高かった。こちらは文句ない機能
●夜、家人の実家へ

05-01
英米軍の暴行が相次ぎ発覚 占領に打撃も。戦場という極限状況では当然やっているはずのことですが、ここまで報じられるのは、米英兵士たちも「こりゃダメだ」と思い始めたからでしょう。日本政府は直ちに、米英政府に事実の確認を求め、厳しく抗議すべきです。イラク人が米英軍を「鬼畜米英」視するのを日本政府は止められない。ならばイラク人に「自衛隊は鬼畜米英軍の同類ではない」と思わせるために、米英に抗議するしかない。この件で抗議して米英との仲が悪くなるとも思えない
●中学のころ読んだチャーチル「第二次大戦回顧録《抄録》」に、アメリカ参戦(太平洋戦争の勃発)の報を聞いたチャーチルが「これで世界の五分の四が味方だ」と安堵し、勝利を確信するくだりがあります(子どもながらチャーチルは偉いヤツだと思った。本は実家にあり30年以上前の記憶によるので、間違っていたらご教示を)。目先ブッシュのアメリカと仲良しなのがよいのか。いま世界の何分のいくつが米英側なのかという「大局観」が、私たちには必要です(政治家にはとくに)。第一次大戦から第二次大戦までの間に、日本はこの大局観で誤ったと私は思っています
●夕、実家に寄り二子玉川で食事

04-30
●昨日の本田トークで「ん? 何いった?」という箇所が1つあったのだが、いま思い出した。「釈迦に説法」というべきところ「馬の耳に念仏」といったんだ。どちらも「言ってもムダ」で、釈迦も念仏も説法も似てるが、「みなさま方には釈迦に説法でしょうが」といわんと、ね。「みなさま方には馬の耳に念仏」じゃあ「馬も休み休み鹿になりなさい」なワケだ。悪いね、重箱ネタで
サイト・リニューアル中。スタイルシート変更で表示が一時おかしくなりますが、ご容赦を。放送/テレビの索引もようやくスタート!!(ただし、まだ空っぽで先は長い)
●「どこがリニューアル?」とお思いでしょうが、ソースの味が前と違う(テレビ論にはまだダサいページが残る。表紙まわりも)。ホントはリンク列をリストに書き換えたいところだが、表示の制御がいまいちのため踏み切れず。なお、当サイトGoogle検索が10日ほど前のGoogleの仕様変更以降、文字化けしていたのも修正

04-29
●2時ピアニスト本田聖嗣トークコンサート@雑司が谷音楽堂。セヴラック「ロマンティックなワルツ」(組曲「休暇の日々から」より)1911年作、ハイドン「ピアノ・ソナタ ハ短調」1771年作、ショパン「バラード第1番」1833年作、ラヴェル「道化師の朝の歌」(組曲「鏡」より)1905年作。アンコールでショパン「子犬のワルツ」、FF・VII「忍びの末裔」。曲の合間に、作曲家、作品、その時代、歴史や文化的背景などについて、さまざまなエピソードを盛り込みつつ、楽しく、見事に語る。セヴラック(1872〜1921)は第一次大戦前夜の華やかなパリを嫌いド田舎に引っ込んだ作曲家。交響曲の父ハイドン(1732〜1809)は新しい試みに積極的で、若いモーツアルトからもさまざまなことを吸収。ショパン(1810〜49)がバラードを書いた背景にはポーランド1830年11月蜂起。映画「戦場のピアニスト」独軍大佐の前で主人公が弾いたのもこれだが、実話はノクターン遺作。2年間隠れ住んでピアノに触れなかったら、バラードは弾けない。ポランスキーがこの曲を選んだ思いはよくわかる。奥さんがバスク人だったラヴェル(1875〜1937)はスペインに特別な思い。ボレロがそうだが「道化師―」も。ドビュッシーと「印象派」で括《くく》られるが、本人は違うと主張、うんぬん。本田は華麗なテクニシャンだが、実に理知的なピアニスト。麻布出身では山下洋輔以来の理知的なピアニストだろう。教育テレビあたりに登場してよい逸材
●数十人でいっぱいになる小さな音楽堂で、演奏後にお茶会。本田「MAMO's毎日見てますが、25日から更新してませんねえ」。うっ。ありがとう。申し訳ない
●帰りは、目白通りを歩いて帰る。こんな道。デカい「田中」の表札の家(あの方の屋敷。隣りにマンションが建ち入居募集のビラ配り中。覗かれるとかでねじ込んだと週刊誌の見出しで読んだが、あれか)→国家公務員共済のグランド他→和敬塾(昔、川谷昌宏が住んでいたが、西寮建て直しだと)→ガーデニング屋(大きな温室まであって、品ぞろえがいい)→椿山荘→江戸川公園入り口(30代と思える女ホームレスがブツブツ)→自宅。ぶらぶら寄り道しながら小一時間
●どうでもいいけど、年金保険料「七人の未払い」の福田康夫、谷垣禎一、中川昭一は麻布。7人中3人麻布卒ってのは何なんだ? 割合大杉

04-28 04-27 04-26
●まとめて終日仕事。25日夜スターチャンネルでハリポタ秘密の部屋をちょっと見る。3人とも大きくなりすぎ。28日深夜サッカー対チェコ戦を見る。久保竜彦は身体能力高く、ときにワールドクラスのシュートを放つが、この日も。ただ、勝てたのは幸運。というか楢崎のお陰。【30日付記】とくダネ!によると、ハリポタの第4作も主人公らは同じ俳優でいくそう。無理筋っぽいが。

04-25
●昨日今日は、朝晩妙に涼しい。たまっている単行本原稿、仕込みメールなど終日。日芸学生お役立ちページを2004年版に更新。午前10時頃からヘリがうるさいが、なにかあったかな

04-24
●サッカー女子日本代表、エラい!! 男どもより根性あると見た。明らかにサポーターの勝利でもあった。北朝鮮チームは国立競技場の応援に呑まれ、焦った様子がありあり

04-23
●午前日大授業。午後2時放懇GALAC編集委員会(入江たのし、小田桐誠、谷口和巳、中島好登、久野明)。「感情増幅装置としてのテレビ」を次次号で取り上げることに。次号「おかしいぞ!!裁判所」に関してドキュメンタリージャパン橋本佳子と電話でちょっと話す。東京地裁判決への見解はまったく同感
●22日の神田京子、40人以上の客で満員。演目は「柳沢昇進録 お歌合わせ」「妲己《だっき》のお百 徳兵衛殺し」(だと思うが、正しい呼び名かどうかは知らない)。「勉強会」ということらしいから遠慮なく感想を書かせてもらいます。まず元気があって、これは大変いい。お百は初めての口振りだったが、柳沢よりよい出来で、キャラも合っていると感じた。悪女路線は売り物になりそう。かわいい、カラッとした悪女、をよろしくね。ちょっと「噛む」ねえ。会場にいたR子に「噛むな」といったら「今日は噛まないほう」と囁いたが……。殷の紂王《ちゅうおう》の音の高低は違うのでは?(もし違うとすれば、教えてくれた人が間違っているかもしれんから、ちゃんと調べたほうがいい)。「侍」が出てきたところでは(本人同様)ギョッとしたので、よろしく。語りを思い出す間と実際の話の間を、もっとうまくごまかしたほうがいいとも思った。一本調子でガンガン押す中にもっと間合いを取り強弱をつけることと、思い出す顔をしないことの二つ。あと、途中にはさむギャグというか笑いを取る部分の言葉を、もっと自分なりに新しく工夫してもよいのでは。たとえば酒池肉林のところで「……にパチンコに麻雀」とかいってたが、この日のように客が若けりゃ「アーケードゲームにプレイステーション2」っていってみるとか。もっと先に行っての話かもしれないが、勉強会なんだから。全体的には実に堂々と輝き、すばらしかった。しっかり研鑽を積んでください。神田京子が日本を代表する講談師になることは間違いない(と某お笑い批評家にいったら「私も同感だが、全体の数が少ないんでね」だと)

04-22
●GALAC青焼き。夜8時からいま売り出し中の女講談・神田京子の会「京子カフェ」@トーキングモンキーズ(新宿・厚生年金会館脇)。神田京子は先代神田山陽に弟子入り、「お前は今日来たから『京子』だ」とわかりやすい(通常の言い方では安易な)芸名をもらった。山陽「最後の弟子」で、最後の弟子にありがちなことだが、もっぱら介護をしたり入れ歯を洗ったりしていたらしい。神田京子は日大マスコミ演習VIの坂本の「最初の生徒」の一人でもあり、最初の生徒にありがちなことだが、出席率も成績も非常によかった。感想はあとでゆっくり
●午後、GALAC青焼き。なんとか遅れを吸収
●前日書いたことの続き。歯科医師会問題でもっとも頑張っていたのは、新聞では東京新聞(全紙を丁寧に読み比べたわけではないから、およその印象だが)。その東京新聞に、ちょっと矛を収めてもっとバランスのよい報道をやってくれと頼むのは、話が違う。逮捕者が出る前からガンガンやっていた路線をもっと進めてくれというほかはない。自分の経験から明らかだが、何か問題をえぐり出すときは、すべてを疑いあら探しに専念したほうが、よい記事ができる。突っ走っている取材者に別の視点も考えろというのはマイナスです。だから、ちょっと違う視点から全体を考えるというのは、スクープする者とは違う者の役割なのです
●そこで問題は日本のマスコミのあり方。新聞やテレビの多くは一社が突出すると、「その問題を別の側面から取り上げよう」とはならずに、「その問題にはなるべく触れないようにしよう」となる(なぜそうなるかは、あとでゆっくり)。新聞では北海道新聞、テレビではテレビ朝日がガンガンやった警察の裏金問題が、ほかのところではほとんど取り上げられないのがよい例。しかし、その他大勢社は、逮捕者が出たりすれば、まったく触れないわけにいかない。そこで、その場合は行政や警察の発表に頼る。行政(もちろん警察も行政の一部)は、自分たちにの責任がもっとも小さくなるように取り繕って発表するわけですから、結局、行政の責任を問い国民全体の利益を考える報道がなされない結果を招いてしまいます

04-21
●中央社会保険医療協議会(中医協)をめぐる汚職で日本歯科医師会(日歯)会長らが贈賄容疑で逮捕された件で、ある歯科医からメール。逮捕される事態を招き「恥ずかしい限り」、贈賄工作は「初耳の話で困惑」と歯科医師会の非を認めつつ、なお「国民にとっての良質な歯科医療」を追求する立場からの報道の必要性を訴える内容。「4年前の保険改訂時、日歯連盟役員が非常に強気で、各地で今回は10%ほどの上げ幅があると吹聴し」「消費者物価の上昇には程遠いが、医科歯科のいわれなき格差を是正するものとして会員は期待」していたが「実際はわずか1%ほどの改訂、しかも初診料について非常に厳しい縛りをつけたもの」だった。その後も中医協は動かず、そこで交渉役だった逮捕者らの「今回の嫌疑である贈収賄が行われたのであろうと思われます。」という
●中医協については「医療側、支払い側、公益側の三者構成ですが、肝心の患者サイドの委員がいません。労働組合からの委員はいますが、専任の組合役員は労働者の代表ではあっても、一般人の代表とは思えません。医療側は引き上げを求めるのはあたりまえですし、支払い側は引き下げたい。そこに患者サイドが立ち会えないのはおかしな話です。また、肝心の診療報酬ですが、単に数字をいじっているだけで、この病気を治すにはこの処置が必要で、そのためにはこれだけの経費がかかるというような話はまったくありません。これではまともな医療ができるわけもありません。」だそう
●たとえば「歯科医院で、感染予防を完璧に行っているところは数パーセントにすぎないといわれる」が、これは「割に合わないから」。切削器具は血液などを内部に吸い込んでしまい、そのまま次の患者に使うとエイズやB・C型肝炎の院内感染も十分あり得るので、アメリカでは滅菌が義務付けられている(コストは1人あたり約5ドル)そうだが、「これに対する予算措置はまったく行われていません。歯科医院で感染症にかかるかどうかはロシアンルーレットのようなものです。適正な予算措置をとりその代わりに義務付けをし、確認をすることが必要」だという。このような問題もあって歯科医は引き上げを要求しているのに、贈収賄事件だけをクローズアップして歯科医の言い分をすべて切り捨てるのでは、国民にとってよりよい医療を考えることにならないと主張しています
●私は、贈収賄事件を起こした歯科医らを擁護するつもりなどまったくありませんが、この歯科医(念のため書いておきますが、メールではもちろん実名や役職を明かしており、匿名のタレ込みなどではありません)の主張はその通りだと思います。汚職事件を背景に、日本の歯科医療の問題点をわかりやすく浮き彫りにし、国民不在の行政の責任までも鋭く問うような報道が、もっとなされてしかるべきでしょう

04-20
●朝から放懇へ。蜷川幸雄は取材で「俺はインタビューに応じたら、その記事はそいつ(取材者)のもんだと思ってる。一切直さない」といっていました。坂本もほぼ同意見で、入稿段階でコメント部分の記事を送ってもらっても、明らかな誤りと、言い換えたほうが読者により正確に伝わると思う場合以外は、基本的に直しません。周囲の対応が本人の意向と違うときは、ちょっと困る。昼、諫山修、福島美子、久野明と石焼きビビンバ。終日校正や原稿手直し。今日中にすべて印刷所へ入れる予定だったが、坂本担当分の遅れに加え、まだ入らない原稿があり、明朝に伸ばす。日本印刷・成田勝也は午前と午後に2度顔を出し「まだなの?」坂本「昨日今日は週刊誌みたいな急行ペース」成田「あの、GALACは月刊誌なんですけど……」と泣く。久野明と太公望で遅い夕食

04-19
●当たり前のことですが、ある人が「自己責任」を自覚しているかどうかと、その人の命を税金を使って救うか救わないかは、まったく関係がない別次元の問題。自らの不注意から――たとえば酔っぱらってタバコの火を落して火事を出し、類焼を招いて近所の何人かを焼死させた人の命だって、消防隊は命をかけて救う。そんなことはどんな田舎の消防団だってやります。それが仕事であり責任だからで、「あの家は3年前に失火を出した。今度は出動しない」などという阿呆な消防署はない。しかし、与党政治家の中には「今度人質になっても助けない」という阿呆がいる。新聞やテレビは発言者の実名を出し、さらし者にしたほうがよいと思います
●人質に旅費などを実費請求するようだが、規定があるならそのようにすればいい。しかし、セコい話はいい加減にするがいい。じゃあ自己責任に無自覚な反政府的人間が手足のない丸焦げ遺体で帰ってきたら、日本政府はいくら請求するんだ、重さを測って国際宅配便の標準価格を適用するのか、という話になるからです。本当にそうするのでしょうか? 銃殺刑にした人間の家族に「弾代」の請求書を送りつけていたサダム・フセインはとんでもないヤツですが、遺体運賃の請求書を送りつける政府も相当なものでは? 「いや、お気の毒ですから丸焦げ遺体の運賃は税金負担」というなら、「生還者の運賃の自己負担との違いは何だ?」という疑問が生じる。「遺体は死んで自己責任を取り、生還者は生きて自己責任を取らなかったから」だとすれば、人質に旅費を請求することは「お前たち、なぜ死んで自己責任を取らなかったの?」といっているのと、ほとんどイコールです
●ここ数日、夜昼なく原稿書き。GALAC校了日に十数ページ分ぶち込む始末。事務局、校正ボランティア、デザイナー、印刷所のみなさんには本当にご迷惑をおかけして申し訳ありません

04-18
●いまの世界の混乱を見ていると、歴史を振り返り、歴史に学べという感を強くします。米軍のファルージャ報復作戦では、68年ベトナムソンミ村虐殺や82年レバノン難民キャンプ虐殺を想起したほうがいい。イラクを占領するアメリカは、植民地だった新大陸で自分らの祖先がジョージ3世のイギリスをどう思いどう対峙したかに、考えを巡らせたほうがいい。マンハッタンを攻撃されたら、この島が先住民に渡した24ドル相当のリボンやガラス玉との交換で得たこと(子どものころ何かでそう読んだ。間違いがあればご教示を)を思い出したほうがいい。コロンブスが1492年に西インド諸島に到達したというときは、その時点で南北アメリカには1億近い(9000万以上の)人が住み、米-メキシコ現国境以北にも1000万人以上が住んでいたことを忘れてはならない(アメリカ史とは彼らを少数民族にしていった過程ともいえるわけです)
●私は歴史というのは「時間を飛ばして過去に身を置き、その時代から世界を考える力を養う学問」で、地理というのは「空間を飛ばして別の地に身を置き、その場所から世界を考える力を養う学問」だと思います。年号と事件、あるいは国や都市の名前をいくら記憶しても、時間や空間をブッ飛ばす(ワープしてまた戻ってくる)力がなければ無味乾燥なデータベース人間にすぎず、そんなのはCPUなしのHDDみたいなもんです。逆に、現在の事象を見て歴史や地理を考えないのは、記憶装置なしにCPUがブンブン回っているようなもんだと思います。「いま」を伝える最大のメディア・テレビは、このことをよく考えなければならない。もちろん放送学科の学生たちも
●東京新聞18日付け朝刊の「こちら特報部」が、「建国以来のDNA暴走 国家より『原理』の大義」との見出しで、同志社大神学部長・森孝一ほかによる宗教国アメリカの分析を載せています。参考になるよい記事

04-17
●終日原稿。イラクへの日本人の入国を全面的に禁止せよだの、人質解放にかかった経費を公開しろだの、馬鹿な国会議員や閣僚どもが多すぎる。いまは江戸時代でなくここは北朝鮮でもないのだから、イラクにどんな理由で行こうが勝手。経費を明かせば、交渉の手の内や政府が受けたダメージを明かすことになり、次回以降の交渉に致命的。そもそもイラク聖職者に「日本政府は××億円使ったそうだが、誰とも会っていない。解放を決める際は日本政府の働きかけなど一切考慮せず、これこれの理由で決めた」と言い出されたら、格好つかない。そんなこともわからないのでしょうか。愚かです
●それに比べて米国務長官パウエルの言葉翻訳)はどうだ。まさに天と地です。格が違いすぎ、話にもなにも……(ま、パウエルは人質家族の映像をあまり見とらんだろうという点は、割り引く必要がありますが)。それにしても、米軍人の最高位を極めた男で、現在10万以上の兵力を送って戦争している国務長官が、3人が危険を冒してイラクに向かったことを「うれしい」「誇りに思うべき」という。戦争などやったこともなく、たかだか何百人かの自衛隊を送って勢い込む日本の政治家が、3人を「けしからん」「許せん」という。私はもう四十何年か日本人をやっており、有権者になってからも二十数年たちますが、こんな政治家を存在させていることを恥ずかしく思います

04-16
●15日4時〜泉谷しげる@TAD。ムチャクチャおもしろい。タッド若松も撮影に立ち合う。タッドの犬の鳴き声に「おい、犬と撮るのか」。会うのは2度目。昔、山下洋輔と村松友視の対談をまとめたとき、世田谷の小さな中華レストランで上海蟹を食べ、六本木ホワイトに移動した。そこには桑田佳祐がおり、山下が即興の演奏を始めると、ピアノの上に乗って「オ×××〜」と唄いまくった。2度と聴くことのできないシーンで忘れがたく、なんとも幸せな晩だったが、そのとき酔っぱらって大喧嘩している男が2人。これが泉谷しげると仲畑貴志だった。その話をすると「あのときか。すまん」(とホントに小ちゃくなる)。勝新に酔ってからんで殴られた話が泣かせる。「俺の顔は放送禁止顔だろ。この雑誌、表紙にモザイクかけたほうがいいんじゃねえか」だってさ
●16日朝3時半からイロイロ原稿書き。10時半、経済産業省商務情報政策局文化情報関連産業課(メディアコンテンツ課)広実郁郎を取材。2時半〜5時、澤田隆治を取材。なので本日、日大休講。ごめんなさい
●suicaがホームページ「人生桃色」を開設。頑張っとるねえ

04-15
いよいよブッシュが血迷ってきました。百歩か千歩譲り、対イラク開戦では「大量破壊兵器疑惑」「アルカイダなどテロリストとの結び付き疑惑」という理由が立ったとしても、ファルージャでイラク人数百名(うち子どもと女300人前後。ただし不確実)が死んだ理由は「4人を焼き殺された米軍の報復」以外には見つからない。4人殺されたらおんな子ども300人を殺し返すという米軍の行為が事実なら、同盟国だろうがもっとも信頼できる友人だろうが、認めることはできない。日本政府(代表は小泉純一郎首相)は、調査のうえ「やめろ」と抗議するか、抗議する勇気がなければ「やめてください」と懇願すべき。以上は人質事件なんかとは関係ない。米軍が現在イラクでああいうことをやってよいなら、日本軍が戦前中国でやったことだってほとんど正当化できるでしょう。仏独露中は「ざまあみろ。アメリカはもっと困れ」くらいに思っているかもしれないが、これまたイラク人を見殺しにする無責任。世界史は何十年か後退しつつある、という印象を強く受けます
●昨日夕方、小林道雄から「新宿にいる。会おう」と電話。神楽坂の松兵衛で10時すぎまで。イラクから教育まで談論風発。小林が強く興味を示した話を一つだけ。日本(人)は国際的な取り決めとや条件を天から所与のものと受け止め、その前提条件を疑わない。典型例がBIS規制8%。それが国際基準なのだから、日本の銀行が海外から撤退を迫られようが倒産に追い込まれようが絶対守らなければならないと考える。だが、その規制はどう決めたのか、決めるとき日本側は誰がどんな意見を述べたかは、一切語られない。日本の銀行は、住友が「松下さん、あんたを信用するよ」と決めれば担保能力や準備能力なんて関係なしに貸し出し、きちんと返済を受けてきた。どこの馬の骨ともわからん連中と貸し借りする商売を何世紀も続けてきたユダヤ金融資本と、同じ規制を受けるいわれはない、そりゃ国際基準ではなく日本の銀行を狙ったアメリカンスタンダードだと、反論したかどうかすら不明。放送ではBSデジタル電波の国際割り当てがいい例で、交渉の経緯など忘れられたまま、8ch分を所与の大前提として二十数年やってきた。指定席はこれだけというので系列で1chずつ乗りたい、じゃあ各社天下りを受け入れろ、電波の幅からして放送規格はこうだと、グダグダやってきた。その後、新たな電波の割り当てがあったが、じゃあなぜ最初から十何ch分寄こさなかった、もっと多ければもっと充実したBSデジタルを始められたのにと、疑問や文句を口にする者はいない。で、アメリカの枠組みによるイラク占領・復興も、絶対に疑えず動かせない大前提として、じゃあ日本はどうしたらいいと右往左往している。国際的な枠組みや前提条件をそもそも疑わず、その結果とても不利な立場に追い込まれる例が、日本が関わる国際問題にはとても多い。これは大問題だってな話。このことは、原爆や東京大空襲を巨大な地震や台風と同じような大災害と受け止めてしまう日本人の感性と関係があるような気がします
●放送大学で新しく始まった高橋和夫の「国際関係入門」というような講座がgood!! 第1回講義の最後「みなさんは高橋が大勢の生徒の前での熱い講義をしているのだと思われるでしょうが、(ここでカメラが引き、年輩の受講者が前のほうの席にポツポツ座っている様子を見せ)実際はこの通り。高橋のいうこととメディアは疑えということであります」てなことをいっていました。「すべてを疑え!!」サイトをお読みの方は、もちろん坂本の書くことも疑ってくれていることと思いますが
●夕方、泉谷しげるGALAC表紙撮影と取材

04-14
放送レポート5月号が「野中広務氏に聞く 戦争・人権・政治家とメディア」のインタビュー(聞き手/田島泰彦)を掲載。時宜を得たよい企画です。逓信族のドンで小渕内閣の官房長官や自民党幹事長まで務めた政治家が、民放労働組合系の雑誌に登場し、9ページに渡って自衛隊イラク派遣反対や疲弊する言論・報道の自由への強い危機感を語る。この「異常な」メディア状況の意味を、真剣に考えなければならない。同号の小田桐誠「放送免許のすべて」も放送関係者は必見
●13日午後、首相官邸で開いた人質事件の対策本部幹事会が「事件の特殊性にかんがみ、本件に関する取材には一切応じない」と申し合わせ、官邸報道室を通じて幹事会メンバー(関係省庁局長級)への取材自粛を求める文書を報道各社に配布。乱れ飛ぶ情報に振り回され政府関係者が不用意な憶測を垂れ流したこと(本欄11日の項参照)は棚に上げ、「一切取材拒否」とは不穏当で子どもじみています。メンバーに箝口令《かんこうれい》を敷けばいいだけのことと思えますが、それだと話してよいことといけないことの区別がつかないメンバーがいるから、接触を断つ必要があるのでしょう。幹事会メンバーはその程度の素人集団ということを自らさらけ出してしまったわけで、情けない話です

04-13
●京都府が鳥インフルエンザ終息宣言。養鶏場で1羽でも感染が確認されれば1週間やそこらで全滅し、防ぎようはない(「潮」3月5日号「市民講座」参照)。それでも適切な処置をすれば1か月半で封じ込めることができる。被害農家への救済措置も講じられる。――以上を正確に認識していれば、浅田農産会長夫妻は自殺する必要などなかった。しかし、私たちは彼らを救うことはできなかったわけです。メディアには「何よりも国民の命が大事」という言葉が飛び交っている。私にはたいへん空々しく聞こえます。年間3万人が自殺し、ということは2年でベトナム戦争の米兵死者を上回る人びとが自殺する日本。彼らの中には、しょうもない理由で勝手に死を選ぶ者も多いが、生きるための戦いに敗れ自殺しか選べなかった者も少なくない。しかし、その「戦死者」を食い止めるために全力をあげるという声は聞かない。どこが「何よりも国民の命が大事」なのか。ヘンだとは思いませんか。自国の若者を5万数千殺してようやくベトナムから撤退したアメリカを、日本人は「鈍感でわからずやの国」と糾弾できるでしょうか
●昨日4時大留真一。近所で2時間ほど話し、きらくのち松兵衛。10時すぎ帰宅。今日夕方、日本映像事業協同組合取材

04-12
●今朝の人質事件関連のテレビを見ていると、「日本のメディア状況は彼らにかなり伝わっているようだ」といったり、一方で外務副大臣の昨日の発言を報じたり、ようするに「交渉の当事者になるかもしれない人物が『こんな要求が出てきたら困る』と発言するのはヘンだ」とは気づいていないらしい。長期戦になるかもしれないが、先が思いやられます
●これは昨日だったか、VTRを見て軍事評論家と称するある人物が「長射程の狙撃用銃器を持っている男は相当の腕前のはず」といい、別の軍事評論家と称する人物は「室内でこんな武器を撃ったら大変。それを見せびらかしているのは大した武力でなく、正規軍と対すればひとたまりもない」という。連中はたまたま入手した武器を持ってるだけに決まっているし、ド素人同然のイラク人に世界最強の正規軍が毎日何人か殺されているのに、なんでこんな愚かなことをいうのか。また、なんでこんな愚かなことをいう人をテレビに出すんですかねえ。視聴者に「テレビは愚かだ」という印象を与えることを、なぜテレビがやるのか不思議。もっともこの放送局もいい加減すぎ。持ち込めば何でも流すらしい
●ファルージャ付近では、アメリカ人4人が生きたまま焼かれた。息子の遺体が焼かれ傷つけられ吊された4家族がどこかにいる。これに対して米軍が報復攻撃に出て、イラク人およそ600人が殺され、うち子どもが120人、女性が170人とも伝えられる(ファルージャの病院筋の情報だから、むろん確認が必要)。連合軍側の死者は60人程度という。では、メディアは4家族の映像を流しましたか? 子どもを失ったイラクの家族たちの映像はどこに? 彼らはテレビに出て世界に訴えるチャンスが与えられているのですか? 私は日本のメディアは感情に流されすぎ、情緒的な報道に過ぎると思います。そんな部分があってもよいが、それだけでは困る

04-11
18:07の時事記事。なお時事通信は午後3時過ぎに人質解放の誤報を流し、TBSと毎日新聞もつられて速報。19:31の共同記事。←日本政府の現地責任者が口にしたとは、とんでもなく不用意で非常識な発言です。まったく何を考えているんだか。共同記事を読んだら、そりゃ「最後の条件」(たとえば1000万ドル出せとか)をふっかけてくるでしょう。気の利いた部族長ならば。官房長官あたりは怒りまくっているのでは。副大臣を降ろされても不思議ではないです。さすがにNHK7時のニュースでは一切触れず【20:04】。おっと、忘れていましたが、韓国牧師一行は3万ドルで済んだとか【20:37】
●人質事件、極端に情報が止まり報道管制中。予断を許さない状況のようで、新条件の提示や解放の遅れがありえます【18:45】
●午前3時ころアルジャジーラが「サラヤ・アル・ムジャヒディンが人質を24時間以内に解放と声明」と速報。イラク人高官は「昼には解放」と言明。実際そうなるまで予断を許さないが、たぶん本物でしょう。韓国人牧師一行の一時拘束・解放などを見ても、拘束事件を起こす連中(同一グループかどうか不明だが、似たような連中と考えるのは自然)は、かなり行き当たりばったりでいい加減なように見えますので。あるいは最初から深い考えがあってのことではなく、本気ではなかったのかもしれません。人質だった3人は、「やらせ」ではないことを示す客観的な証拠を集めて出したほうがいい
●実際に解放されたら、日本は、ボランティアや自衛隊と米軍とは違うとイラク人を説得できる可能性はあるのだと、少しは自信を希望を持っていい。そして、イラクでは部族実力者や聖職者を通じて話をつける手法が有効であることを教訓に、アメリカの強硬姿勢(とりわけ聖職者を敵視するやり方)は誤りであることを強く主張し、改めさせるべきです。とりあえずファルージャ付近の停戦を仲介できるかどうか、根性入れてやってみれば?
●また、日本は地元メディアを使ったPR(情報操作)に本腰を入れるべきだと思います。みんなが衛星放送アルジャジーラを見ているわけではないなら、こういうプランはどうか。ディスカウントショップに行けばAMラジオを300円かそこらで売ってる。電池をつけ運賃込み1個1000円(実際はもっと安い)として1000万円出せば1万個。1億で10万個。10億で100万個。100億で1000万個。するとたった200億円でイラク人全員(2000万人)にラジオを配ることができる。で、もう5億も出せば巨大ラジオ局「IRAQ-JAPAN」を立ち上げることができる。どうせ何千億円か出すのだから200億円なんて誤差の範囲。自衛隊の最新戦闘機なら1機しか買えない額。むちゃくちゃ安い!! しかも戦闘機と違い、海外に持っていっても誰も文句をいわない。それでイラク人を楽しませ和ませ慰め、日に5回コーランも流しつつ、ちゃっかり日本の復興支援やボランティア活動をPRすりゃいい
●宗教活動に国費を出すのは許せないから訴えるなんてヤツは、放っておくしかない。今の世界は、宗教に国がカネを出さないというほうが少数派。世界には弥生時代のような生活をしている連中もいれば、中世のような段階に留まっている連中もいる。アメリカなんて大統領が聖書に手を置いて宣誓するという、日本では考えられない「宗教国」(原理主義国家)。アメリカはそんな世界に自国流の民主主義を押しつけようとしているが、八百万《やおよろず》の神の国(つまりはいい加減な国ってわけですが、たいへん結構なことです)日本はそんな世界を受け入れて付き合うべきです。日本には対テロ戦争を戦う覚悟なんてないのだから、21世紀前半を生きる道はそれしかないと、私は思います

04-10
●拘束された3人の映像を持っているテレビ局は、アラビア語ナレーション付き5分のダイジェスト版にまとめ、アルジャジーラほか地元テレビ局に配信するくらいのことをやったらどうなのか。それをアルジャジーラ・バクダッド支局長のコメントでも添えて自局ニュースで流せば、何も損はない。民放労連はさっそく委員長談話を出したが、そういう呼びかけやコーディネート活動のほうが断然プラスでしょう。有力な宗教指導者に取材しメッセージVTRを作って流してもいい。指導者に謝金を渡すから官房機密費から出せと首相秘書官あたりにねじ込んだっていい。背広姿の官僚や政治家のメッセージビデオには効果などまるで期待できない。この件で自衛隊撤退はありえず、米軍が大規模捜索作戦を敢行しても3人の居所はつかめない(フセインを見つけるのに何日かかった? 捜索中のトラブルからイラク人を殺せば、米軍は日本人の命を救うため女子供を殺したという話になり、それこそ取り返しがつかなくなる。情報収集以上のことを米軍に頼んではならない)。ならば、現時点でできること、しかも万一効果がなかったとしてもマイナスにはならないことをやるしかない。【追記12:05】おっ、アルジャジーラがお先にやってくれるそうです。ニッポンの放送局、かっこ悪すぎ。いまからでもやっつけ編集して映像を送るべき。なんだ、日本政府もカネを出すといっているじゃないか。NGOがPRビデオ作るの、さっさと手伝いなさいよ。テレビが信頼を獲得する絶好のチャンスですよ。【追記11日】実は「おしん」を挿入しつつ泉ピン子がメッセージを読む映像が最強では、と思っていた。テレビは自分の持つ潜在パワーに気づいていないと。11日朝のテレビでは高橋和夫だったか、「イスラムではお母さんが泣いて訴えれば絶対」というようなことをいっていました。なるほど
●2ちゃんねるで見た核心を突く意見――「期限はアルジャジーラが放送してから三日 放送しなければよかったのに」。そうです。だから、放送した時点でアルジャジーラはテロリスト側の情報操作に乗り、ある意味「荷担」している。今日になって家族の言い分を流すというのだから「マッチポンプ」といってもいい。また、テレビに家族を出して「自衛隊撤退」を主張させるのも、テロリストにとってはまさに願ってもないことで、ある意味「荷担」しているわけです。誤解なきように付け加えれば、私は家族をテレビに出して主張させるなといっているのではありません。報道にはつねにそのような問題がついてまわる。だから自覚しながらやるべきであり、特定勢力だけを荷担する結果にならないよう慎重にバランスをとるべきだといいたいのです。小川和久は「北朝鮮の脅威をいたずらに煽る報道は、北朝鮮に『荷担』するのと同じで、北のスパイ同然だ」という。北朝鮮のミサイルでサリンを撒かれたらなどという阿呆な報道(液体散布の場合は空中で爆発させる必要があるが、サリンは一瞬で気化して無効)で人心を惑わすことは、カネも能力もない北朝鮮の軍事的プレゼンスをわざわざ増大させているのであって、彼らの思う壷の行為というわけです。北朝鮮不審船が撃ったRPG-7が30cm装甲板を撃ち抜くなどという大誤報(朝日1面すらそう書いた。RPG-7を20発も撃てば戦艦大和が沈むのかって話)も同じこと。この種の「荷担」は、報道する側にそんなつもりがなくても起こります。というより、報道とはそういうものだと思います
●アジアプレスの、たとえば綿井健陽がイラクに行くときは、必ず遺書を書きます。今回の3人のうち少なくとも1人はジャーナリストを名乗っているようですが、情勢判断が甘すぎたことは否定できません。このあたりは、GALAC2002年9月号「総力特集/戦争と放送」座談会「21世紀の戦争と放送を考える」小川和久+川村晃司+野中章弘+山室英男(司会/坂本衛)に詳しい
●昨晩の日大懇親会では上滝徹也、橋本孝良、兼高聖雄、藤平芳紀、佐藤二雄恋する恋愛ドラマ評論家中町綾子(ややシツコイ肩書きですねえ。白い白馬に乗った王子様何人もとお付き合い中との噂。いや、まだ恋が薄いとの声も。韓国・台湾の恋愛ドラマのことならこのお嬢へ。あとドラマ世界の諸相からシリーズも有名)、布施智康、吉田康一らと話す。誰か(忘れた)にもらった小さな日大ロゴ入りのネクタイをおろして締めていったら、放送学科主任教授も初めて見る「レア物」だそう。「交換してくれ」というので「ブルガリ、ヴァレンチノ、エルメスなんかのブランド物3本と、どうです」と

04-09
日本で放送したのか確認していませんが、日本人3人の喉元に銃口や刃物が突きつけられ「やめて」との悲鳴が聞こえる惨《むご》いビデオ映像が存在。女性は泣いているように見える。欧米のニュースで流れました。日テレは夕方ニュースで画面を黒くして紹介。【追記】ある人にこの映像ファイルを送ったら「テレビで見たよ」というので、もっと早い段階で流した局があるようです
綿井健陽(ASIA PRESS NETWORKでイラク最新情報を配信中)はGALAC2004年4月号(1月下旬開催)の緊急鼎談「自衛隊は派遣されてしまった、わけだが。」(森達也+綿井健陽+岩本太郎)の中で「自衛隊員よりも、その周囲にいるメディアの側が先に狙われる可能性も十分ある」と語っていました。イラクで日本人3人がテロリストの手中に落ち(拘束場所はたぶんバクダッドの手前)、3日の猶予期間に自衛隊撤退を決定しなければ「燃やす」と脅迫、とのアルジャジーラ報道。3人のうち少なくとも2人以上は、イラク人の味方で、米軍の軍事行動にも批判的だった様子。それを人質に取って焼き殺すと脅迫するのだから、本当であれば(注)最低最悪の卑劣なテロリストどもです
●大手マスコミ社員が陸路アンマンからバクダッドに入るときは、最近はボディガードの車を1台つけるのでは。おカネがないボランティアやフリー記者はそうはいかない。節約のためと心強いというのでタクシーに相乗りしたのでしょう。戦場でもっとも割を食うのはつねに彼らのような弱い立場の者。解放と生還を祈りますが、非常に難しい状況と思います。駐屯地に砲弾が雨あられのように降ってくるといった状況にでもならない限り(人質事件以外の理由が立たない限り)、自衛隊は撤収しませんから。撤収せよとの世論は強まると思いますが、人質事件を理由に撤収すれば、日本国の政策を変えるには日本人を3人ばかり拘束しVTRと手紙を送りつければいいという話になる。じゃあインドネシアの反政府勢力がODAの使い道を気にくわんと思えば商社マン3人を人質にとればいいのか、高速道路全部つくるのがけしからんと思えば公団職員3人を人質にとればいいのか、ということになりかねない。そんなことは許し難いから、日本政府は不当な圧力には屈しないといい続けるほかない
(注)福田康夫官房長官が会見で「事実であれば」といったことをとらえて、報道ステーションの古舘伊知郎が「この期に及んでそういわなければならないのか」と疑問を口にしていましたが、政府関係者がそのようにいうのは当然。極端なことをいえば、いわゆる「やらせ」で今回のような事件を仕込むことだって不可能ではない(今回その可能性が高いとは思わないが)。テロリストどもはアルジャジーラを使って情報操作を仕掛けているのだから、ヘタに乗らないよう疑ってかかるのは当たり前。報道する側も情報操作に乗せられていることを、自覚しながら伝えなければならない。アルジャジーラがVTR入手と各方面に電話してきたのは、彼らの商売やPRの都合もあれば、連合軍や自衛隊の撤退を願う心情が背後にあるかもしれないわけです
●ミッちゃん、明美、千広が来る予定。夕方、日大放送学科懇親会

04-08
●6日GALAC5月号発売。表紙は八嶋智人《のりと》、personはTBSラジオ清水洋二。特集は「韓国ドラマの魂」「その道のプロに聞くドラマ批評」(たとえば学校教師が金八先生を批評)「放送お騒が史part1」(テレビ不祥事・放送中止・事件史についての読める年表――そのうちサイトにアップしますので乞うご期待)
●日経エンタテインメント5月号のopinion欄に地上デジタル放送についての坂本見解、サンデー毎日4月11日号に報道ステーションについての坂本コメントが、それぞれ掲載
蜷川幸雄、ものすごくおもしろい。しまった、本文8ページの特別インタビューにするんだった。テレビというメディア・その力への認識がとても正確で、批評や注文も鋭い。そのテレビに憧れ「やりたくてしょうがねぇんだ。2時間、それに連ドラ、やりたいねえ。でも、誰も頼みに来ない。なんとかしてよ」だそう。坂本「怖がっているのかな。世界の蜷川には注文つけにくいでしょうし。高いと思っているのかも」。蜷川「強面と思われてるかもしれない。でも、そうじゃないのはわかるでしょ。新聞や雑誌が『バカヤローと怒鳴った』って書くから困る。『バカヤローと笑いながら怒鳴った』の『笑いながら』を省略するからね。高いなんてこともない。どんどん、もう朝までディスカウントしちゃう」
●先達をこんなふうに評するのは失礼ですが、蜷川幸雄という人は、自分の位置・役割・能力にとても自覚的で、矩《のり》を越えることがない――自分の範囲を超えて素人同然に振る舞うことを、とても恥ずかしく愚かなことだと考えるプロフェッショナル(職人といってもいい)。この行き方には強く共感します。で、それは実は、テレビ的でない。その逆を行くのが、たとえばテレビのコメンテーターなる存在。弁護士でも作家でも、自分の専門外の分野ではド素人と変わらないくだらぬ感想を口にする。リアクション・タレント(クイズやバラエティに出てリアクションを見せる以外に、芸や取り柄がないタレント)もそう。私は、テレビというのはすべてを矩を越える方向に、あらゆる人をド素人の方向に持っていくメディアだ(それがテレビの本質だ)と思っているのですが、この問題は長くなるので何年後かに出す本にて
●上記に関連して黒川玲子からのメール。「テレビ的でない、と書いてらっしゃいますが、私は、ある意味演劇的でもない、と感じたのでした」「舞台の世界は、稽古後みんなで飲むとか、焼肉食べる、みたいな雰囲気なんですよね。よく言えば結束が固く、悪く言うと排他的。舞台の人は舞台で固まっている。プロフェッショナルに徹している人もたくさんいますが、馴れ合ってる人たちもたくさんいます。しかし、本当の創造ってそういうことではないと思います。自分のやりたい、作りたいものにはどのフィールドが適しているか、それを探っていく。そういうことだと思うのですが、その姿勢が蜷川さんには貫かれていますよね。だから、蜷川さんの作品にはコケたものも多いですが、二度とやらないといっていた映画もやるし、オペラもやるし、アイドルも舞台にバンバン起用する」「しかし、モノを作るという行為に敬意を表し、恐れを感じているために、その素材である役者たちには、正しい距離を取る。これは、不確かな記憶なのですが、確か、蜷川さんは、稽古後に役者たちを飲みに連れて行く、というようなことをあまりしないと聞きました。そして、誰よりも早く稽古場に行って、コミュニケーションはそこで取る。創造を仕事とする人間として、正しいアプローチだと思います。今のテレビにはこうした考えが欠けているんでしょうね。演劇もまた然りです」「以前、取材したときに『俺、夜寝てる間にスゴイいい考えが浮かんじゃってさ、もう、朝になるのがたのしみでしょうがねぇんだよ』と仰ってたのがすごく印象的です。ものを作る楽しみって、今のテレビの人は感じられてるんでしょうかね…」――「距離」は蜷川幸雄を貫くキーワードだと思うね。でもって「距離の無化(捨象)」がテレビのキーワード
●イラク自衛隊宿営地に迫撃砲攻撃。たまたま300メートル逸れたが、死傷者が出ても何の不思議もない事態。民主党はただちに撤退を求める緊急会見を開け。ファルージャのモスクへのミサイル攻撃は米軍の暴走。モスク内のイラク人は大量破壊兵器を持っているのか? モスク内のイラク人は全員テロリストという証拠があるのか? モスクを汚すことが全イスラムに与える影響とそのリスクをどこまで計算した? 日本政府はブッシュに自制を要求せよ。【追記】AFPなどによると、米軍は「モスクへの進入路確保のためモスク周辺の壁を狙い空爆したが、壁はモスクの中心的な建物から数百メートル離れており、建物本体は被害なし」と発表。モスクへのミサイル攻撃の記述は保留ということで

04-07
●娘の入学式だが欠席。2時30分〜4時、蜷川幸雄取材@シアターコクーン。久野明、photo黒川公人と
●イラク自衛隊は城に閉じこもり作戦の様子。間違ってもイタリア軍みたいに、橋を占拠した群衆の排除に出かけたりしないように。アメリカにも報道陣にも知らせなくていいから、撤収作戦の準備には着手しておくべき。自衛隊だけが砂漠で緑の迷彩服なのは、あまりにも目立ち場違いでヘンだと思っていましたが、「砂漠用の戦闘服なんて持ってません。ほかの連合国軍とは違うんです」というのを示すのには賢明かもと思い直しました

04-06
小林道雄と電話で長ばなし。おもしろかったので参考まで。小林「日本のマスコミがイラクで米民間人4人が殺されたとしか報じないのは何だ? イラクの連中は復興に協力した民間人の遺体(ワシントンポスト紙の写真――残酷なのでご注意また別の写真――同)を吊したのかという話になってしまう。しかし当のアメリカでは、民間人ではなく傭兵で、1人は元グリーンベレーだと報じている。もう、どうしようもない」「昨晩のテレ朝でも見たが、日本人外交官2人を撃ったのは米軍ではなかったとわかったという報道も、何なのだ? 車高の高い米軍車両から撃ったのではないとわかっただけじゃないか」。坂本「そりゃそうです。背の低い車両から米軍関係者が撃った可能性は否定されていない。米軍ではなかったという警察発表をそのまま流しただけでは。鑑定の結果、弾と銃器の種類が不詳というのも嘘くさい(本当なら話にならない捜査力)。もともと米軍がやったとは思わないが、今回の警察発表でそう証明されたとも思わない」「そもそもアメリカが中東を民主化しなければならんと考えるのが、大きな世話で大間違い。移民や亡命者たちの国アメリカは、世界中から多様な人びとが集まっているから、彼らはアメリカこそ世界、アメリカのルールは世界ルールと思い込む。ところがアメリカ人というのは世界市民のように見えて、実は新大陸という大田舎に住む田舎者。たかだか300年の歴史しか持たず、そこで培われた民主主義だの裁判だのの制度しか知らない。それは旧世界から自由だったせいで優れた点が多々あるが、全世界にそのまま押しつけられる代物ではない」。小林「実際、アメリカは北朝鮮を民主化するつもりなんてない」。坂本「イラクでやったのは、中東に石油とイスラエルが存在するから。イスラエルはアメリカの1州で、イスラエル問題はアメリカの国内問題。イスラエルからアフガンまで東西に親米・民主主義ベルト地帯を築きたかった。それが至るところでテロと衝突する。じゃあ独裁政権のままのほうがアメリカ(世界も)にとって有益だということがありうる(冷戦時代がそう)」
●近所の桜の花びらが、うちまで舞ってきます。ただ、日差しは春らしいけれども、夜はまだ涼しい。かおちゃんにもらったハイビスカスをもういいかと思って屋外に出したが、ちと早すぎたようで元気がない
●バクダッド「陥落」から1年。ここ数日のイラク情勢は目が離せません。1年前の「陥落」は、実は陥落ではなかった。米英軍は、武装勢力があらかた逃げ出した後の「空家」に入城しただけです(「生きのびよ、日本!!」参照)。シーア派内強硬派の挑発に乗って米軍が強硬策をとれば、占領政策は破綻したも同然でしょう
●全国の自治体が大慌てで公園の遊具を点検しているようです。いままで「危ないんじゃないの」と電話してもノラリクラリしていたのが、一旦事故が起こり大々的に報道されると一斉に行動し、ダメそうなものを軒並み封印(撤去や使用禁止に)してしまう。しかし、こういうやり方では世の中は全然進歩しないと思います。そもそも絶対安全な遊具など存在しない(鉄棒だって死亡事故は起こるし、スパナで壊すヤツがいれば自治体職員が毎週見回ってもダメ)のだから、もっとも有効で抜本的な対策は、遊具を使う子どもとその親たちに注意させることに決まっている。それには、親が子どもに危険から身を守る方法を教える、地域住民や親たちの手を借りて見回りシステムを作る、いつもと少しでも違ったこと(ネジが抜けているとか)があればどんな子どもでもすぐ大人に知らせることのできるシステムを作る(看板を立て、連絡役の家や店を何軒か指定し、地域の学校・幼稚園・保育園でも徹底させる。何日か職員を出して子どもに呼びかけたり、地域のイベントで告知してもいい)といった手法が必要でしょう。諸外国の公共物の養子制度(たしかそんな名前だった。たとえば自治体が街路樹を植え、1本1本を前の家に養子に出し、管理や清掃をしてもらう)も参考になる。問題は、これは役所の公園課(というのがあるかどうか知らないが)だけではできないことです。しかし、社会のすべての局面で、そのような官(国・自治体)から民への仕事の移行を進めないと、この国は官の重みで沈没すると思います
●公園課で思い出した。黒澤明の「生きる」。いまも生きてる、いや、こんな時代だからこそますます輝きを増しつつある映画です。信州知事は長野県庁で職員を集めて上映会をやるといい

04-05
●ナジャフでスペイン派遣兵主体(エルサルバドル派遣兵も)の連合軍がシーア派デモ隊に発砲し死者20人。デモ隊は武装していたがテロリストではない。バクダッドではシーア派民兵組織と米軍が衝突し米兵死者7人。イラクではフセインら少数派のスンニ派が、多数派のシーア派を抑えて恐怖政治を敷いていた。アメリカから見れば「解放してやった」はずのシーア派に、反米機運が高まっている。衝突したのはシーア派内の最強硬派でしょうが、かなり危うい段階に来ていると思います
●あまり指摘する声を聞きませんが、自衛隊が攻撃される事態と同様に心配なのは、自衛隊が地元民間人をたとえば誤射などで殺傷してしまうこと。そのときの責任者は、現場の自衛隊兵士や指揮官などではありえない。マスコミは責任追及する対象を間違えてはならない

04-04
●父命日(5日)の前に、母、兄一家、叔母、家族と新横浜の貴雲寺に墓参り。途中通った多摩川沿いの桜が満開で見事。多摩川といえば昔、川からそう遠くない奥沢に住んでいた。小3〜小4のころの日曜日の朝、自分でテキトーにおにぎりなどを作り、友だちと目蒲線で2駅乗って巨人軍多摩川グランド付近まで出かけて、よく野球をやったものです。おでん屋のところの土手を上がってくる川上監督にまとわりつき、尻をポンポン叩いた記憶がある。V9のメンバーたちをごく身近に見て声をかけたりしていた。あるとき、ころがったボールを城ノ内が投げ返してくれた。ところが強すぎて、確か板橋という友だちを直撃。彼は泣き出してしまい、当たったボールにサインをもらってなぐさめられたなんてこともありました。サッカー少年になったのは、その後です。新横浜プリンスホテルの鼓弓で昼食。実家に寄り、Yutaka TOYODA豊田豊)のシルクスクリーンをもらい夜帰宅。静岡の工業試験場時代からの母の知り合い

04-03
●夜、田原から長電話。民主党をめぐっては「やっぱり権力を持たない側はつらい。焦りだ。しかし、菅と小沢が手を組む以外に道はない」。新聞については「いま大騒ぎしている年金一元化。3月28日のサンプロが小泉首相を出して火を着けたのに、どこもそれには触れない。まあ宮澤首相の『総理と語る』のときからずっと同じだけど、ひどい話だね」。それから「ETV2001『問われる戦時性暴力』の東京地裁判決、ほとんど報じられていないが大問題だ。なぜドキュメンタリージャパンだけに責任が押しつけられるのか。次の週刊朝日ギロン堂に書いた。GALACもやらなきゃ」――その通り。これも急増するメディア関連トンデモ判決の例です。急増というか、裁判所が最近下すメディア関連の判断は、ほとんどすべてイカレている印象。どうなっているんでしょうかね。メディア学者が沈黙しているのも不可解。ん? 毎日新聞サイトがムチャクチャ使いにくくなってしまった
●ケイコちゃんお母さんのお線香を立てに。早稲田から牛込柳町に回りイタ飯のち、市ヶ谷小の脇を抜けて帰る。NHK大河「新選組!」に出てくる試衛館は現・柳町病院のあたりにあった。市ヶ谷小は漱石が通っていた。ゆうとの大河コラム、これは好きなものについて書く批評には優れたものが多い(いちばんよい例は三島由紀夫の作家論)という見本です。あれもこれも史実と違うなんてくだらん新聞コラムを書いて得意がっている連中は、見習ったほうがいい

04-02
●ダラダラ仕事。以下同文

04-01
●だらだら仕事。いまいちはかどらず
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2003-05-25
●リニューアル版運用開始。リニューアル終了まで2〜3か月かかる見込み。旧版は残します

2002-04-11
●ホームページ試験運用開始。キリがないので、未校正ありのまま見切り発車しました。あしからず
●この欄、文中敬称略ってことでよろしく願います