〜北朝鮮問題をあつかう
すべての放送関係者・学生諸君必携〜
≪はじめに≫ ≪このページの目次≫ |
●政体は「共和国制」だが、実質は金正日とトップとする「独裁体制」。
●1998年の憲法修正で国家主席制が廃止に。現在、主要な国家機関は次の通り。
●政党は、朝鮮労働党(北朝鮮のすべての組織活動を指導。党員約300万名)による一党独裁体制。
●基本政策は、主体《チュチュ》思想に基づく独自の社会主義建設。「政治の自主」「経済の自立」「国防の自衛」を骨子とする自主独立路線の推進。「強盛大国」の建設。
1994年7月、金日成(キム・イルソン)国家主席・総書記が死去すると、息子の金正日が97年10月に労働党総書記に就任。修正憲法のもと、98年9月に国防委員長に再選された。金正日総書記が全権を掌握しているとの見方が一般的。一方、深刻な食糧・経済危機に直面しており、この克服が重要な課題となっている。
項目 | 韓国 | 北朝鮮 | 南北格差 |
---|---|---|---|
人口 | 4727万人 | 2400万人 | 2対1 |
面積 | 9万9274万平方km | 約12万平方km | 5対6 |
1人あたりGNI | 9770ドル | 706ドル | 14対1 |
国家予算 | 700億ドル | 94億ドル | 7対1 |
鉄鋼産出量 | 3440万トン | 221万トン | 15対1 |
自動車生産台数 | 282万台 | 8500台 | 300対1 |
貿易額(輸出入計) | 2634億ドル | 14.8億ドル | 180対1 |
※中国と北朝鮮は川によって国を隔てているが、上流――朝鮮半島の付け根の中央付近は源流がはっきりせず、正確な国境が確定していない。このため、北朝鮮の面積も正確にはわからない。GNIは国民総所得。なるべく新しい数字を記したが、項目によって年次が異なるものがある。
※執筆時点から1年半以上たっていますが、調べ直す時間がなく数字はいじっていません。あしからず。
1965年12月に基本関係条約を締結し、国交正常化。竹島や過去の問題など懸案はあったが、98年10月金大中大統領の訪日・99年3月の小渕総理の訪韓で、21紀に向けた新たな日韓パートナーシップを構築していくことに合意。2001年には歴史教科書問題、総理の靖国神社参拝問題、北方四島周辺水域での韓国漁船の操業問題などがあった。2002年は、サッカー・ワールドカップが共催され、日韓国民交流年の年ともなった。
今日に至るまで正式な外交関係はなく、国交がない。1991年1月から国交正常化交渉本会談が開始。92年11月に第8回本会談で中断。99年12月の村山訪朝団後、国交正常化交渉の再開・開催(2000年4月、8月、10月)。日朝赤十字会談開催(99年12月、2000年3月、2002年4月)。2002年9月に日朝首脳首脳会談が開かれ、平壌宣言が発せられた。
なお、過去の日本からの要人の訪朝(この言葉は外国人の来日を意味する「来朝」「入朝」と紛らわしいので使わないほうがよさそう)北朝鮮訪問は、1990年9月 金丸信元副総理(自民)・田辺誠副委員長(社会)、95年3月 渡辺美智雄元副総理(自民)・久保亘書記長(社会)・鳩山由起夫代表幹事(さきがけ)、97年11月 森喜朗総務会長(自民)・伊藤茂幹事長(社民)・堂本暁子座長(さきがけ)、99年12月 村山富市元総理(社民)・野中広務幹事長代理(自民)・園田博之議員(無所属)など。
1945年の敗戦までに来日した朝鮮人は、日本の戸籍上は「朝鮮」出身とされたが、52年に日本国籍を失う。その後は、以前のままの「朝鮮籍」(北朝鮮籍ではない)の者、新しく「韓国籍」を取得する者、日本籍を取得(日本に帰化)する者があった。
日本人と結婚する場合でも、国籍を変える人もあれば、籍を変えない(内縁関係となる)人もある。
2002年6月現在の外務省のデータによれば、在日朝鮮人は、在日韓国人も含めて63万2000人である。ニューカマー(戦前までの来日に由来せず、その後に朝鮮半島から来日した人びと)を含めると100万人ともいわれている。